Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

苔の大地...ホーム奥座敷で テントライフ

4月22~23日 滋賀県イブネ

春の訪れと共に、大峯山系で一夜を過ごす恒例山行。昨年は天候不良で流れたため、今年こそと思っていましたが、登山口までの通行止めが解除されず、ホーム鈴鹿の奥座敷で4年振りのテント泊。

4月22日
昨年の晩秋にテント泊予定であったものの中止となった「イブネ」。今回は宇治の山友をお誘いし、「イブネワールド」を楽しんでもらおうと思います。
登山口は滋賀県甲津畑地区。ここから杉峠までは古の道「千種街道」を歩き、峠からは破線ルートで向います。しばらくは林道を歩き、桜地蔵を過ぎて渋川を渡ると、登山道らしくなります。杉峠までは「杉谷善住坊のかくれ岩」「蓮如上人旧跡」「鉱山跡」等、歴史街道らしい趣のある道を緩やかに登っていきます。
街道を離れると、まだまだ固い新芽の明るい尾根道を歩いて奥座敷へ向かいます。やがて、冬枯れの林も「目には青葉 山ほととぎす…」と移り変わっていくのでしょう…ただし、その頃ホームは「蛭休み」ですが…(笑)
アセビの坂道を登り終えると、イブネワールドの玄関です。表札は一本の枝にかかった木札(^^)
鈴鹿山系は20年以上前から笹枯れ現象の周期に入っており、ここイブネも30年ほど前は、訪れる者を拒むほど背の高い笹原が続く秘境。しかし今は、苔の絨毯が敷かれた奥座敷の表現が似合うと思います。笹が枯れることで負の影響もあるでしょうが、再び、生育するまでの貴重な時間に巡り合えたことは、感謝しなければなりません。
思いのほか風が強く、アセビ防風林の陰を幕営地にした後、イブネの隣町www、クラシまで散策。昨年のレポでも書きましたが、「鈴鹿の雲ノ平」と僕が呼ぶこの山域は、本当に静かに、そして大切に見守ってもらいたい場所です。(本当ならアップしてはならない場所かもしれない…)
比良山地に沈む見事な夕陽を眺めた余韻に浸りながら夕食タイム。4年前に幕営した時は小雨交じりの天候であったため、今日の素晴らしい時を過ごせることに、再び、感謝。
遠く名古屋市内へ続く夜景と共に、暮れなずむイブネワールドにはテントの灯り。山友との楽しい会話はどこまで響き渡ったのでしょうか…(笑)

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薫りが沸き立つような山桜
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春と言えば スミレ ですね♪
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タムシバの白い花が 道を照らします
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杉峠までは 渋川の源流を辿る道
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シデの並木が息づいていた頃に 歩いてみたかった
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杉峠は 奥座敷へのインターチェンジ
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ホオジロが 出迎えてくれました
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足下には ショウジョバカマ が ご挨拶
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表玄関の表札.‥今年も来たなぁと思える木
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3人分の食料、水は 30kg.‥頑張りました(^^)/
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テントの中からは 御在所岳と国見岳
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まずは イブネ北端を目指します
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目線を下げて 楽しむ苔
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目線を戻して 楽しむ苔
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植物の世界にも 誕生と死は あります
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クラシに向かう 一本道
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クラシの中の 一本道
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テント場に戻る 一本道
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御在所岳と鎌ヶ岳は 鈴鹿中部の2大スター
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西陽を受けて浮かぶ琵琶湖と近江富士
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明日の好天が約束された夕暮れ
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夕陽に苔が染まるなんて.‥感動
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最後の一辺が比良の稜線に沈み込みました
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肉団子とピーマンの甘酢にベーコン野菜味噌鍋
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光の波に 襲われそうな 頂上大地

4月23日
4月下旬とは言え、標高1160mで迎える朝は、凛とした空気が漂います。朝陽を浴びて紅く染まる苔。東から西へと移り変わる空。夜明けと共に、生命の営みが再開されたようです。「寒いなぁ~」と撮影からテントに戻って気温計を見ると、-6.5℃。ここは滋賀県鈴鹿山地の1160m…(笑)
今日の行程は下山のみ。この素晴らしき場所で過ごす時間が今回の目的です。普段歩いている鈴鹿の山々を一歩下がって眺めることができる場所。そして、その間にあるものは、裾野に広がる谷や尾根や小さなピーク。鈴鹿ワールドが一望です。北アルプスや八ヶ岳も良いけれど、地元の山を眺めながら迎える朝は至福のひとときですね。
再び、4年前の話…。同じ日程でありながら、寒波を伴った前日の雨は、イブネワールドを白く染め上げ、アセビの枝にびっしりと付いた霧氷とミルキーウェイが印象的でした。話は現在に戻り…、霜を纏って白く染まった苔の絨毯は、暖かな陽射しを受けキラキラと輝いていました。その中を縫うようにして続く一本道を何度行き来したことでしょう。
遠く北アルプス・乗鞍岳の真っ白な姿を初め、鈴鹿北部へと続く山々、稜線は霞みがちの比良山地、伊勢湾に琵琶湖、近江平野に濃尾平野。県境に位置する鈴鹿ならでは光景です。ある意味自宅よりもゆったりとした朝食を終え、これまたのんびりと撤収準備。昨夜、イブネで幕営されたのは他に5組。皆さんがそれぞれ素晴らしき時間を過ごされたことは間違いありません。
雲ひとつない青空に緑の絵巻物が描かれたイブネの大地。その周囲には雨乞岳、入道ヶ岳、鎌ヶ岳、御在所岳釈迦ヶ岳、竜ヶ岳、藤原岳鈴鹿セブンマウンテンや三重県滋賀県の峰々。まさしくここは「鈴鹿の雲ノ平」だと思います。
いつまで居ても飽きない場所も、いつかは去らねばならず、いつものの場所に向かって、下山開始…(笑)

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夜景の光害に天の川は ぼんやり.‥自然と現代社会は表裏一体
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朝陽と夕陽.‥似て非なるもの
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苔のラジオ体操第一~(笑)
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次第に赤みが増していきます
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朝陽を受ける 木曽三川
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御在所岳上空は まだ虚ろな感じ
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雨乞岳が最初に目覚めました
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刻一刻と表情を変えていきます
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雲ノ平の薬師岳のように イブネの大地を飾る雨乞岳
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大好きな自然の曲線が 至るところに.‥(笑)
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ベーコンチーズマフィンをボルシチと共に.‥(^^)
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遠く 北アルプスを眺めることが出来る 鈴鹿の凄さ
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ノーコメント・・・(笑)
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足取りも軽く 次の目的地を目指します
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何度も振り返る イブネの頂上大地
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冬枯れしか知らない でも 冬枯れが似合う イブネ
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先人は この峠から 何を眺めたのでしょうか
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大木の影が覆う 並木道
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林の影が覆う 落ち葉道
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陽を受けたタムシバは 昨日とは別人のようです
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イワウチワを見ると 鈴鹿の春も本番です
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いつも愛くるしい表情の ヤマルリソウ
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清楚な佇まい ミヤマカタバミ
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桜の谷が見えると 駐車地は近い
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いつものは 夢から醒めて 現実に戻る薬…(笑)

花曇りのホーム...ミツマタの森を訪ねる

4月6日 三重県野登山
桜の開花が各地で聞こえ始め、町や里は春本番を迎えました。ホーム鈴鹿の主峰「御在所岳」に向かう途中、電波塔の建つ山が目につき、以前から気になっていたものの、なかなか登る機会のなかったのが「野登山」。この山の中腹辺りには、和紙の原料として植えていたミツマタが広範囲に広がり、「ミツマタの森」として親しまれていることを知り、日本の棚田百選に選ばれたことのある坂本地区から周回コースで訪ねることにしました。

棚田の駐車場を出発し、山に入ってからしばらくは林道を歩きます。左手の谷が狭くなり人工林の山道に入ったところから「ミツマタの森」が始まりました。
春の季語とされる「ミツマタ」は、名前の通り、枝が三つ又にわかれて伸び、その枝先に黄色の花が咲きます。小さな黄色い花が雪洞状咲く様子は如何にも春の便りに相応しく、また、規則正しく三つ又にわかれる枝にも生命の神秘を感じます。
ミツマタは道沿いだけに限らず、尾根に向かって斜面一杯に広がっている場所もありました。花の多くは上向きに花を咲かせるため、背の高い木の場合は撮りずらいのですが、下向きに咲くミツマタはちょうど良い位置に花が付いています。しばらく、様々な顔を魅せてくれる「ミツマタ」と対話をしながらゆっくりと進みます。薄暗い常緑の山道に咲くその様は、本当に足元を照らす雪洞のようです…。
道が二手に分かれており、どう見ても左手の方が進むべく道っぽいのですが、地図上のルートは右手(沢の右岸)であったため、直進しました。道は少し荒れ始め、薄い踏み跡が続きます。「やっぱり、向こうの道だったかなぁ?」と思い始めた頃、開けた箇所に見事なミツマタの群生地があり、再び、対話の始まり…。しかし、そこを通過すると、いよいよ踏み跡は無くなり、上方に見える尾根に向かって斜面を登るしかありません。ミツマタの枝や多くの木に助けられ、無事に支尾根に立ち、登山道に戻ることが出来ました。やはり、左手が正解だった訳ですが、その場合、見事な群生地と出会うことは出来ません。今回は結果オーライでしたが、判断力が求められる低山山行の出来事です。
そこからは結構細い支尾根の急登が続きます。一歩間違えれば大事故に繋がりかねない、低山独特の危険ゾーンです。鈴鹿南部の主尾根「仙鶏尾根」と合流し、野登山方面へ。以前から、この野登山と仙ヶ岳を結ぶ尾根を「仙鶏尾根」と呼ぶのが不思議でした。今回、登るにあたって調べてみると野登山頂付近に建つ「野登寺(やとうじ)」の山号が「鶏足山」であり、ここから名付けられたものであると知りました.‥スッキリ(^^) さて、仙鶏尾根から車道に出ると道路一面に雪。しかも、結構な量。今冬の積雪の多さをあらためて感じた出来事です。
今回の目的は「ミツマタの森」でしたが、せっかくなので「野登山三角点」と「野登寺」に立ち寄り、雨の臭いがする山頂をそそくさと後にしました。
下山後は、新規開拓したお店でテイクアウトしたいつもの…(笑)

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駐車場の周囲には移植されたミツマタ
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棚田の向こうには 新名神の橋梁
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ホオジロが 里の春を奏でます
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ツバキは 新春から春への渡し船
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今年 里では梅と桜が競演していますね
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ミツマタの森の玄関口
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小さな花が 競っているように見えます
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今日はクラシックスタイルで…
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同じ花でも 個性はありますよね
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これぞ 三つ又(笑)
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苔の倒木から顔を覗かせているようです
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道なきミツマタの斜面を激登り…上からミツマタを覗くと白いんです
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展望のない尾根を ひたすら急登
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アセビが広がると 稜線が近い 鈴鹿南部の山
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仙鶏尾根には 残雪模様
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車道は残雪で埋まっていました…ここの標高850mほどです
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今冬を物語る 北谷の展望
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それでも木々の芽は 膨らみます
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ミツマタの苗木が参道に植えられていました
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最近のカメラは簡単にこんな写真が撮れます(笑)
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日本の原風景が ここにはありました
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三重県B級グルメ とんてき(定食)
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いつものも 春へと 衣替え









初めてがいっぱいの2日間…谷川岳

3月19~20日 群馬県谷川岳
1月末から続いている雪山山行の締め括り。昨年は雪不足のため中止となった雪洞泊。「今年は良いよ~♪」の便りに、1年越しで山友宅へ向かいました。

3月19日
谷川岳の言葉から思い浮かぶのは、「一ノ倉沢」「トマ・オキの耳」そして「土合駅」。そのもぐら駅462段目に立った時「谷川岳のお膝元に来たんだ」と実感しました。
まずはロープウェイで天神平。そこからゲレンデ横を直登し、雪庇を抜けて稜線へ。次のピークを巻いて進んだ稜線の下に雪洞予定地がありました。ここまで1時間弱の行程です。今年1月、八子ヶ峰スノーシューハイクをご一緒した高崎在住の山友は、ご夫婦で山岳会に所属されるエキスパート。谷川岳を訪れるにあたり、我々が希望した雪洞泊を快く引き受けてくださいました。
見るものすべてが初めての景色。群馬県草津白根山野反湖を訪ねたことはありますが、雪山は初めて。とは言うものの「展望は明日までお預け」モードに加えて、凍てつく風が頬を打ちます(^-^;
雪洞予定地には前日作られた立派な雪洞がありましたが、そこは作業中の休憩場所にし、我々の雪洞を掘ることにします。まずは入口から始まり、次第に横穴へと拡げていきます。最初、1人だった雪掘り隊も、進むにつれ2人となり、最終的には3人が中に入って掘り続けます。外で作業をしていると、時折激しい地吹雪に襲われ、しゃがみ込んでしまうことも数度。「これぞ、冬山だぁ」と変な連帯感を覚えつつ 4時間、約 幅4m、奥行1.5m、高さ1.3mの「ホテル谷川岳」の完成です。
夕刻、キャンドルパーティの始まり。テント泊とは一味も二味も違う楽しい時間が会話と共に過ぎていきます。外は激しい風を伴った雪が吹いていますが、雪洞内は静かなもの。明日の昼頃には急速に回復する予報を信じて、ちょっと湿っぽい夜が更けていきました。

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18日 榛名湖畔に立ち寄り 結氷越しの 榛名富士
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この駅から谷川山行が始まった時代を懐かしみます
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現在の始まりは ここから…
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稜線直下の雪庇に悪戦苦闘
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レンズも吹雪に悪戦苦闘…^^;
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さて ホテルの建築に取り掛かりましょう!
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最初は連携プレイで 除雪します
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奥行を確保すれば 左右へと拡げます
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開始後 1時間半で このとおり
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空き部屋で昼食休憩中…入口から雪が入ってこの通り(笑)
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別部隊が離れのトイレを建築中…
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雪洞内には 簡単に棚が作れます
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ランタンを吊るすのも 自由自在
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食器は見失しなわないように…現代アートのようでしょう?(笑)
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夕食は ポトフ(パスタ)にグリーンサラダ…その他モロモロ
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キャンドルが心に温かさを与えてくれます.‥室温 -5℃ (笑)

3月20日
朝、ツェルトで塞いだ入口を開けると膝ぐらいまで雪が吹き溜まっていました。隣に作ったトイレ部屋も壊滅状態(笑)気になる空は予報通り、雪が降り続け、展望はききません。谷川岳はまだ厳冬期の顔を持っています。
ロープウェイの始発便に乗った登山者(ほとんどがBCでした)の方々が後方に見え始めた頃、ホテルを出発。山頂には昼頃登頂を目指して、ゆっくりとした歩調で進むため、後続の方にどんどん抜かれます。やがて、西黒尾根越しの山肌に陽が差し初め、標高を上げるにつれ、稜線の向こうの雪山が微かに姿を現し始めました。晴れることを信じて、急登をゆっくり進みます。
肩ノ小屋が近付くにつれて、左側には見事なエッジをきかせた山稜が浮かびあがり、上空には青空の見える時間が増えてきました。段々と近付いてくる晴天の足音が聞こえてきます。
肩ノ小屋では青空を背景に巨大な氷のオブジェが我々を迎え入れ、谷川岳が我々に微笑んでくれた瞬間です(^^)
トマの耳に向かって最後の登り。上空は抜けるような青空。ヨーロッパアルプスを思わせる白き稜線と頂。
「ありがとう、谷川岳」の言葉と共にトマの耳へ登頂。眼下には見たことのない雪庇を従えた稜線。そのラインの先にはオキの耳。到底、言葉では書き尽くせない感動と共にオキの耳へ登頂。
振り返れば、天に向かってその存在を示すかのようなトマの耳の姿は、僕の山人生の記憶にしっかりと刻み込まれました。
午前中は眺めることの出来なかった上越の山稜を楽しみながらの下山。遠く思いを馳せる至仏山、先日、山侍さんが登った武尊山。これまで見てきたアルプスの景色とは違う雪深き峰々。これから更に北上すれば、もっと違う世界が待っているのだろうと思いながらも、まずは谷川岳登頂の余韻にしばらくは浸りたい。
下山後は500kmを帰らねばならず、水上温泉で買ったものでいつもの…(笑)

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トイレの通路は ノートレースになりました(^^)
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最初はワカンを履いて出発しました
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ぼんやりとした陽射しは まるで昨夜のキャンドルライトのよう…
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西黒尾根に巻き起こる雪煙
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段々 山容がはっきりと見え始めました
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山頂に続く BCケルン…
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時折吹く15mほどの風
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青空の空間が 大きくなってきました
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肩ノ小屋の入り口に出来た オブジェ
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この模様は 自然界の法則に従っているのだろう…
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予報通り 急速に視界が開けていきます
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トマの耳から.‥オキの耳そして 一ノ倉岳
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天国と地獄は紙一重の世界
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巨大な雪庇は 谷川岳のパワーを感じます
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そしてここにも 谷川岳のパワーが…
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オキの耳からトマの耳…この景色を忘れない
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凍れる色とは このことか…
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オブジェのゲート…トマの耳直下
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上越の山を 余韻と共に…
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素晴らしい吊尾根と雪の肌
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BCのシュプールが キャンパスに絵を描きます
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ホテル谷川岳の正面玄関(笑)
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いつかは尾瀬へ…
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ありがとう 谷川岳(^^)/
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夜食の代わりに いつもの…

横浜の山友と共に…六甲全山縦走

3月11日 兵庫県六甲山
20代前半新田次郎さんの作品と出会い、読みふけっていました。中でも「孤高の人」は僕の山人生に少なからず影響を与えた作品です。加藤文太郎さんは実在の方ですが「孤高の人」の加藤さんは小説上の人物だと知ったのは、随分と後のこと…。しかし、2人の加藤さんが歩いた「六甲全山縦走路」は当時の僕の目標でした。それから30年以上の時が経って目標を達成し、安曇野の山友と2度目の全山縦走から1年4ヶ月。今度は横浜在住の山友を誘って三度、早朝の塩屋駅に降り立ちました。
六甲全山縦走路。全長56㎞、累積標高は2800m。摩耶山までの前半は200~500mの標高差を何度か登り下りするルート。六甲最高峰までの中盤はドライブウェイに沿って、海を眺めながら頂上台地を歩くルート。後半は再び山道に入り、一気に宝塚へと下ります。
核心部は菊水山。ここをうまく乗り切ることが、全縦完走のポイントだと思っています。ルートの案内は整備されていますが、途中、3つの住宅地を抜けるため、事前の準備は必須ですね。
振り返って眺める最初の「旗振山方面」。これから向かう「摩耶山」「六甲山最高峰」。僕はマラソンをやったことはありませんが、移り変わる景色を楽しむ全縦は通じるものがあるのではと思います。
全縦大会は「須磨浦公園」から始まりますが、六甲山の西端は塩屋まで続くため、旧大会ルートから歩き始めます。しかし、大会ルートに拘ることはなく「文太郎道」や「高取山山頂」など文太郎さんと縁の場所にも立ち寄りながら、56kmを楽しみます。
栂尾山で御来光。史跡「馬の背」では須磨アルプスと呼ぶに相応しいダイナミックな光景を見ることが出来ました。小雨の住宅地を抜けた後に向かった菊水山では眩しい青空。ところが摩耶山では、小雪の舞う慌ただしい空模様。
ここから少し肌寒くなってきた頂上大地を最高峰目指して進みます。最高峰の電波塔を確認してからも、何度かドライブウェイと交差し、その度に短いアップダウンを繰り返します。初めての場合、ここが最も辛い時間ではないでしょうか。そして、遂に最終分岐点へ続く長い階段を抜け、大阪湾を背に最高峰へと向かいました。風が体温を奪う寒い山頂でしたが、二人の心は熱く感動をしていました。
しかし、ここが我々のゴールではなく、終点「宝塚」へ向けて「東六甲縦走路」が始まります。せめてもの救いは、その大半が下りであること…。海岸線からも離れ、展望のない山道は現在地を把握することが難しく、集中力が途切れそうになりますが、ほころび始めた身体は一瞬の油断が事故につながるため、最後まで気を抜くことは許されません。
塩屋駅を出発した際、西の空に沈みかけていた月は、宝塚の夜景を見下ろせる場所では、東の空に浮かんでいます。12時間を超える山行の素敵なゴールを演出してくれました。宝塚駅で力強く握った山友の手は僕の山人生に大きく残ることでしょう。下山後はいつものでなく山友のために祝杯を上げ、見送りに向かった途中で、いつもの…(笑)

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この案内を見ると 気が引き締まります
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鉄拐山から神戸方面
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時代を超え 足跡を重ねます
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大阪湾越しに御来光.‥栂尾山
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今日は明石大橋が良く見えます
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朝陽に照らされる 須磨アルプス
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高取山の左手に菊水山.‥その間の奥に摩耶山.‥遥か彼方の中間地点(笑)
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荒熊神社に設置された眺望図
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神戸空港が 波光に浮かび上がっていました
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核心部 菊水山鵯越駅越しに 見えてきました
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山麓で 春の薫りに ほっと一息
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気持ちが現れる 山頂の空.‥菊水山f:id:Regulus0821:20170312221957j:plain
山頂展望台から 出発地点を振り返ります
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ゴールの宝塚へは.‥今は考えないでおこう(笑)
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古から登られているのでしょう.‥摩耶山天狗道
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神戸空港が後方になりました.‥掬星台
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そして 大阪の街が前方に.‥
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この標識に 少しの元気を貰います
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最高峰への最終分岐点.‥陰影が綺麗でした
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寒いけど 今回の決めポーズ(笑)
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ゴールまでは まだ1日のハイキング距離があります(^-^;
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案内板を射す日も 赤味を増してきました
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町の灯りが 心に充実感を灯します
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今回も 山友二人で 決めポーズ.‥(^^)/
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三重県と言えば これでしょう(^^)

バリエーションルート (?_?) で おらが山

3月4日 三重県尼ヶ岳
12月中旬から続いた雪山。来週に控えたロング&ライト山行を前に、おらが山で最終調整。いつものルートを2周しようかと思いつつ、たまには、別ルートで行ってみようと登山口に向かったところ駐車地へ辿り着けず、「とにかく ここから」と地図アプリと睨めっこしながら出発しました^^;
檜林に入ると更に道は不明瞭。とりあえずは、U字溝に沿って進みました。些か不安な気持ちは拭えませんが、こんな時こそ冷静な行動と判断が必要であり、アプリで現在地と進行方向を確認しながら前進を続けます。後半は道なき道を慎重に選び、何とか林道に合流。いつも思いますが、岩稜帯のアルプスよりも、ある意味危険な近場の山の出来事です。
その後も慎重なルーファイは続き、やがていつものルートに合流をして、やっと一安心するのも束の間、尼ヶ岳名物「天にも続く階段」が始まりました ^^; 表道(僕の通称)より段数は格段に少ないのですが、本日の目的「心肺機能トレーニング」は達成することが出来ました。天使の囁きが聴こえそうな最後の階段を終えると、芝生広場の山頂に到着。前回は霞んで何も見えなかった展望も、今日は台高から松阪方面まで、ぐるり180度を超えていました。また、遠く鈴鹿の稜線が白く輝いて見えたのが、今日一番の嬉しい出来事です♪。
この尼ヶ岳、不思議なことにいつもどこかで1組の登山者とお会いするんですねぇ。そして今日は山頂で、トレランファミリーとご挨拶 (^^)
しばらくは1人で山頂からの展望を楽しみ、初めて歩く下山ルートへと向かいました。次こそは縦走の周回ルートをと思いながら冬枯れの林を激下り、そして階段…(笑) 伊賀富士とも呼ばれる尼ヶ岳はどのルートでも同じ傾斜なんですよね(^^) 1000m弱の山なので、そんな下りも長くは続かず、ほぼ平坦な人工林の山道に変わります。しかし、ここで落ちた枝による「カニばさみ」攻撃。危うく手を着きそうになること数度…。転倒して打ち所が悪く動けなくなった時のことを思うと「近所の山 侮れず」と山の安全十ヶ条(笑)が再び思い出されます。
峠から駐車地へ向かう際もいくつものルートが交差し、ひとつ間違えれば面倒なことになるため、再び、アプリの登場。本当は読図が良いのでしょうが、現実的はこれがベストチョイス。
下山後は、ソロ山行にも関わらず、普段と同じ数のいつもの…(笑)


観光名所の倶留尊山を背にして出発!

こんな感じの道を歩くこと15分

東海自然歩道…昭和の響きですね

林業が盛んなのでしょう 至るところで林道に出ます

フィトンチッドが見えそうな 植林地

まずは小手調べの 第1階段

最後は間隔と高低がランダムになる 第2階段

天使が見える 第3階段

山から眺める 我が町は いいもんです

秋の薄で有名な「倶留尊山」

霧氷で有名な「関西のマッターホルン 高見山

風力発電で有名な「関西の軽井沢 青山高原

伊勢湾の海岸線が微かに望めます

この世界を独り占め…「LOVE おらが山」

山頂に雪はありませんが…

初めてのルートから 山頂を振り返ります

大洞山の左肩には 奈良の娘と登った「三峰山」

意外に危なかった平坦な道

里では春の足音が 大きくなってきましたね

冷たいのが 美味しい季節になってきました

今冬もやっぱり御在所岳…ルート本谷

2月26日 三重県御在所岳
雪が豊富な今年の鈴鹿。2月に入り、藤原岳天狗岩、竜ヶ岳遠足尾根とスノーシューを楽しめるルートを歩いてきました。しかし、ここを歩かないとどうも落ち着かない主峰御在所岳「本谷~中道」周回ルート。今冬も訪ねることが出来ました。

先月の大雪で本谷上部は一時胸まで積雪があり、雪崩の危険性もあるため、様子を窺っていました。麓を通るたびに眺めていましたが、雪の多さは一目瞭然。落ち着いてきたとは言え、期待と気合十分で登山口を出発しました
昨年はノーアイゼンで登った本谷も、今年は登山口から雪。堰堤広場でアイゼンを装着して出発。しばらくは踏み抜きに注意をしながら、徒渉や岩登りが続きます。時々、スノーブリッジがあるため、横から覗くように確認したり…。最近はこのルートも一般化しつつあり、明確なトレースはありました。
いくつもの名も無き滝を通り過ごし、ひとつめの大滝「不動滝」に到着。高さはさほどなくとも、この滝の発する神秘的なオーラは僕を魅了し、鈴鹿の中で最も好きな滝です。
いつもと微妙に違うトレースを進みながら最初の二股へ。なんとここでデブリに遭遇。鈴鹿では初めての光景でしたが、傾斜地に一気に雪が積もるとどこでも発生するんだと、改めて思いました。
真っ赤なロープウェイが青空を横切る光景が近付くと大黒滝。小さな「氷の作品」群に目を楽しむことが出来ます。本谷ルートは二股があれば右へ進めば良い(1ヶ所は左股)のですが、この大黒滝を巻くルートは見過ごしやすいので注意が必要ですね。
いつもは藪漕ぎ風で支尾根を登るルートも、水路のような滑滝が雪に埋もれた谷を直登し、核心部の門番「ジョーズ岩(通称)」のお出迎え。門番も雪に埋もれ、初めて手を使わずに通過できました。
麓から見上げる一筋のラインがメインストリート。今はロープウェイの白い鉄塔越しに麓の町を眺めます。遠く白銀の山稜は霞んで見えませんが、今日は伊勢湾越しに知多半島の海岸線がはっきりと見えました。
一歩一歩の歩みが、そのまま高度を上げる気がします。大黒岩下部を通り過ごし、ロープウェイ「山上公園駅」直下が本谷の終了点。いつもは左側の斜面を登りますが、今日はそのまま直登し、大黒岩へ続く稜線へ。そして、そのまま樹々の間を抜けて、レストハウスが建つ山上公園に到着。御在所岳山頂はもう少し先ですが、最近、我々のピークはこのレストハウス(笑)
鈴鹿の槍「鎌ヶ岳」を眺めながら昼食を摂り、奇岩の続く中道ルートで下山。途中、竜ヶ岳や藤原岳など鈴鹿北部の山々を眺めていると「本当に素晴らしいホームだなぁ~」と惚れ直しました。
下山後は最近ちょっとお気に入りのお店でいつもの…(笑)

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麓から眺める 御在所岳とメインストリート
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しばらくは こんな感じで進みます
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本谷は この流れの源流を 探る山行
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雪深く 近くに立ち寄れなかった不動滝
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不動滝巻き道上部の 一本トラバース(笑)
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この辺りまで登ると 雪は落ち着いてきました
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左側の谷から流れ出たんですね…中央の岩にある矢印は左を指していますが、普段は右の林を進みます
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陽が当たり 大黒滝は輝いていました
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自然は不思議な造形作家です
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ここは 時間の流れが 止まったようです
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大黒滝の巻き道は ちょっと力技で…(笑)
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大黒滝の上部…普段は右の林を登りますが 今日は初めて左ルート
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先日のアイスクライミングの成果が試されます(^^)
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門番に出会うと 本谷も終盤へ
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さぁ メインストリートへ行きますか!
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見上げると この景色…
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振り返ると この展望
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林が近付くと 終了点になります
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いつもより高い位置から 振り返ります
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鈴鹿の槍「鎌ヶ岳」と海岸線
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春待ち遠しい 新芽かな
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藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳.‥LOVE SUZUKA
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中道は 見るだけでなく 岩にも触れます
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今年も登ったなぁと 振り返る場所
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2つが定番となりつつある いつもの…(笑)

雪と氷の2日間.‥長野遠征

遠征とは言うものの、今年に入って4回目の長野県。今回はソフトとハードに冬山を楽しむ2日間となりました。

2月19日 長野県雨池
1月下旬から毎週雪山が続いており、2日目の行動を考えて、初日はゆるーくスノーシューを楽しめるコースを計画。あとは空模様と相談して、以前、このブログで紹介されていた北八ヶ岳の雨池に決定。起点となる坪庭まで歩いて登れば2時間のところ、ロープウェイを利用すると約7分で雪山の世界へ。10時前に山麓駅に到着。天気に恵まれ、すでにボーダーやハイカーで大賑わい。人の列は正面玄関まで伸びており、30分待ちで乗車出来ました。南八ヶ岳から南アルプスの名峰を眺めながら標高差約500mを一気に稼ぐと山頂駅「坪庭」に到着です。今冬初めて見る「スノーモンスター風」の景色に心が弾みます。
時刻は11時前。雨池往復は2時間半。この好天と景色をゆっくり楽しんでも時間は充分です。
縞枯山荘への道を辿ると、山は静けさを取り戻し、雨池峠から樹林帯を下ると浅間山から荒船山群馬県の山稜が樹上に浮かび上がります。林道まで下ると樹々に雪化粧はなくなりますが、平坦な道は北八の森を歩くスノーシューハイクにぴったりですね。さらに分岐点を下ると樹間に雪原が見え始め、雨池に到着です。
池の周囲に沿って少し歩いた日当たりの良い場所で昼食。しばらくして2組の方が到着しましたが、こちらに来る様子はなく貸切状態が続きます。ここには頬を刺すような風はなく、陽だまりで昼寝をする猫のように、時には寝そべりながら空を眺めたり、雪原の向こうに広がる森を眺めたりと、快晴であるが故の贅沢な昼食タイムでした。
帰り道、林道から雨池峠への登り返しもスノーシューのリフター機能を利用すればさほど苦にならず、景色を楽しんでいる内に気が付けば平坦な道になってきました。薪の匂いが漂う小屋を過ごし、坪庭周遊道まで戻ってくると、あちらこちらから人の声が聞こえてきます。皆さん、それぞれの雪山を楽しまれています。
「近い将来、冬山と言えば、こんなスノーシューハイクに限られるのだろうなぁ…」と思いながら、全周囲パノラマ展望のロープウェイで春の陽気が漂う山麓駅に戻りました。
下山後は、お決まりのお店でいつもの…(笑)


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標高とともに 気分も上昇(^^)
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ここまでは 観光客の方でもOKです
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さて 軽くスノーハイクと行きますか
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伸び上がるような霧氷たち
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モンスターたちに 吸い込まれそうな雰囲気
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きらきらと光る 雪の斜面
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トレースと太陽があれば 雪山の難度は下がります
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ここから見る山荘が 僕は好きです
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雪だからと言って どこでも歩いて良いとは限りません
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時折 風が我々を追い抜いていきます
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縞枯現象は 東面でも見られます
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林道…このあと スノーモービルが2台通過しました
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りっぱなシラビソ?の林を抜けると…
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雨池に到着です
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雨池ダッシュ…身体の硬い僕はこれが限界…(笑)
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静かで 気持ちの良い場所です
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見上げると 昼間の星が降ってきます
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今年の冬は よくトレースを作ります
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ダケカンバの幹も 個性豊かな表情です
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名残霧氷が ガラス細工のように 輝きます
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水蒸気がはっきりと…浅間山
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美しい森を振り返ります
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ディーゼルエンジンより 薪の匂い
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南八ヶ岳の名峰たち…あの稜線から2ヶ月
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チーズが香るのいつもの・・・

2月20日 長野県善五郎の滝
前日の快晴が嘘のような曇天の朝。予報では一日中、雨と風の「荒天」。読みは同じでも昨日の「好天」とは正反対ですね。今日は山友のガイドで人生初のアイスクライミングをするため、乗鞍高原へと向かいます。
待ち合わせ場所では雨が降っていましたが雪に変わることを期待してまずは現地へ向かうことにしました。上高地に向かう国道から乗鞍高原の分岐点を過ぎても雨。しかも、かなりの降雨量。「2月なのに雨か…」と思いつつ、昨年も暖冬の影響で計画を中止したことから、不安が少しよぎります。鈴蘭を過ぎ、ようやく雨は雪に変わり、山友ガイドの「これなら大丈夫です」の声に表情が明るくなりました。
駐車場から林を抜けて、「善五郎の滝」を見下ろす場所へ。写真で見てはいたものの、その迫力に少し圧倒されそうになりました。滝に到着すると、先ほど感じた迫力よりも「今からこれを登るんだ」と言う期待感が上回り、降りしきる雪もさほど気にはなりませんでした。
先行者1組2名。しかし、我々が予定しているルートとは別ルートだったので、お互い干渉することなくクライミングを楽しめそうです。
まずは、確保用ロープの設置に山友がリードクライミング。久しくビレイヤーをしていなかったので、最初は少し緊張しながら山友の動作を目で追いました。準備が整い山友の「さぁ、どうぞ」でクライミング開始。
数度の人工壁と外岩を1回経験しているとは言え、初めてのアイスクライミング。山友のアックスを落とさないように注意しながら…それより自分を落とさないようにせねば…(笑)、見よう見まねで登攀を続けます。両手に持つアックスは何とか使えますが、アイゼンの前爪のみに身体を委ねるのは難しかったですね。あと岩場と較べて足を休める場所が少なく、また、登ってみると下から見るよりも傾斜が急だなぁと感じました。
金曜日に痛めた右肩の痛みもそっちのけ(笑)で最高点へ。力と少しの経験で到達した初登でした。
雪はやがて霙となり、アウターはビショ濡れ状態になってきたため、撤収。僕は2回半、バディは1回半の登攀でしたが、満足のいく経験でしたね。
冬に限らず、山はその広大なフィールドを生かして、様々なジャンルで楽しむことが出来ます。今回の経験もそのひとつでした。機会があれば、来シーズンもお願いしますと山友に告げ、いつもの場所へ…。

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展望台から見た 善五郎の滝
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登攀地点から見上げた 善五郎の滝
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右端の入門ルート ロングバージョンを登ります
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今月中旬に崩落した 左側ルート
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先行者はショートルートから登られていました
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まずは 山友ガイドが登攀のお手本
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見るより 実践あるのみ(笑)
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基本は岩登りと同じだそうです
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ここまで登ると イメージ通りに進めます
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懸垂下降で 下りはピャア~(^^)
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当然 バディも初挑戦
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果敢に攻めて 登っていきます
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階段状に見えますが 実際はほぼ真っ直ぐな感じ…
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人と較べると 氷瀑の大きがわかりますね
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脱力感たっぷりの 懸垂下降…(笑)
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気合いだけ十分の 2登目
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足元を覗けば こんな感じです
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アックスを見上げれば こんな感じです
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もし振り返れば こんな感じです(笑)
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バディの2登目…足場の状態がよくわかると思います
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崩落したルートは 常に水の音が聞こえるそうです
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そろそろ潮時の 3登目…^^;
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来シーズンは青空の下で 登りましょう
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最後に振り返って 善五郎の滝…
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火照った身体を 冷やしてくれる いつもの…