Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

厳冬期東稜へ再び…横岳

12月24日 長野県三叉峰(横岳)
今年の登り初めに途中撤退をした杣添尾根。昨年と同様、「登頂」と言う忘れ物を取りに、今年3度目の登山口に向かいました。

出発前日、安曇野の山友から「ご一緒させて」の連絡があり、いつもより賑やかな山行になりそうです。クリスマス・イブの朝、登山口の路面は「ホワイトクリスマス」。 本格的な登山道までは、別荘地内の凍結したアスファルト路の箇所があり、チェーンスパイクを付けての出発。
凸凹のある登山道は雪のお陰で均され、とても歩きやすくなります。小気味よい雪を踏む音が森に続き、響くは我々の話し声。杣添尾根は急登が続くわけではありませんが、平地も少ない。その為、歩き始めると身体はすぐに暖まり、アウターを脱ぎ、ウールのベースとシャツ1枚。パンツはウールとハードシェルの上下2レイヤーです。
今日(午前)の稜線予報は気温 ‐6℃、風は10m。午後から風は強くなり、天候も下り坂。午前中には折り返すので、時々、晴れ間が覗く、高曇りと言った感じでしょうか。
杣添尾根は8割程度が樹林帯。冬道は樹林帯を抜けるのが夏道より早いですが、東面にあたるため、冬の風を直接受けるのは稜線に立ってからになります。それでも、時折上空を過ぎる風の音に油断は出来ません。
雲海に浮かぶ富士山が樹間に見え始めた頃、バディが不調のため、撤退宣言。2人なら中止にするところですが、登頂組が複数になること、不調は病的なものではなく1人で行動しても経験上危険性は少ないことから別行動としました。しばらくして、2組のパーティとすれ違い、他人を頼っては駄目ですが、正直、少しの安心感…。
冬道を目前にし、アイゼン、アウター、バラクラバ等、登頂に向けての準備を整えます。小高くなった冬道最初のピーク。高曇りの寒々しい空を背に、主峰「赤岳」は静かに出迎えてくれました。夏、ハイマツの緑と赤茶けた山肌が印象的な主峰。雪を纏えば、その白さから岩稜は黒々とした深みを増し、強固な鎧のように見えます。視覚的にこれから向かう三叉峰の方が大きく見えますが、標高を上げるにつれ、赤岳がせり出すように天を貫きます。
1月、撤退した地点を通過。前回は雲に隠れた標識も今日はハッキリと見え、マラソンの折り返しポールのようです。稜線直下は夏道に戻って、ジグザグ登りとなりました。この道が雪に埋もれて直登になると、ここが核心部だなぁと再確認。バディと登る次に繋げます。今季初のアイゼンにいつもより足取りは重く、ようやくと言った感じで稜線に立ち、山友と固い握手を交わします。そして、そこで待ち受けた風は…。時々、10m程度の突風が吹く程度で、冬山としては好条件と言えます。稜線から一段高くなった岩のピーク、そこが三叉峰。そこからは、360度の展望が待っています。丁度、雲間から陽が射し、阿弥陀岳の稜線に陰影をつくります。遠くに南から中央、北と屏風のようなアルプスを初め、振り返れば、登ってきた杣添尾根が麓へ一直線に伸びています。視線を上げれば、浅間山に遠くは谷川岳方面が霞んで見えました。
三叉峰から奥ノ院への稜線はバディと登頂した時のために取って置き、1人待つ登山口に向けて、急降下…と言いたいですが、安全登山で下りました。
下山後はロッジのカフェスペースで皆揃っていつもの…(笑)

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あの稜線に続く杣添尾根に 心が躍ります
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静かな森歩きが このルートの良さ
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またこの場所に戻れただけで感激です
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高曇りの赤岳は 更に神々しい姿に見えます
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東稜は富士山とともに登ります
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いつかは登ってみたい山…金峰山
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やはり富士山は眺める山だ…(笑)
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昨年の思い出が甦ります
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山の出会いは「一期一会」…今年は今年の赤岳
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ここから先は バディの思いと共に登ります
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振り返れば 思った以上に長く見える 冬道ルート
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山友が説明してくれる 阿弥陀岳バリエーションルート
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赤岳のスカイラインは この位置がお気に入り
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奥ノ院と頸城山塊…この稜線は次回のお楽しみ
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冬の北アルプス 槍穂高連峰蝶ヶ岳から眺めたい
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八ヶ岳から眺める中央アルプスって 実は好きなんです
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綺麗な曲線美…中岳
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10mの風が見えますか?
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今日の山行に 感謝を込めて…
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来年はどんな山行が待っているのだろう
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杣添尾根を下る山友…この後 誰にも会いませんでした
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時折 渦を巻いて 雪煙が通り過ぎていきます
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この先は 行き止まり…視界が悪い時は注意です
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またいつか…三叉峰(左)と奥ノ院(右)
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今年も山とともに メリークリスマス!

霧氷の奥駈道で参拝…弥山

12月2日 奈良県弥山
12月に入り、再び、寒波がやってきた関西。雪山を求めて先週に引き続き入山。

弥山の登山口「行者還TN西口」へは国道309号線で向かいますが、冬期は通行止めとなり、今年は12月11日午後3時。その後は、麓の天川河合等から登ることになり、日帰りするには健脚者だけに開かれた山になります。と言うことで、我々が冬の弥山を楽しめるのはワンチャンスあるかないか。その機会が晴天の週末に訪れました。(なお、上北山村から行者還TNへは工事のため、すでに通行止めとなっていました)
登山口に向かう道すがら、白く輝く稜線が見えると、思わず声が上がります。いやがうえにも期待は膨らみますが、焦らないのが冬山ルール…我々は夏山もですが…(^^)
今朝の冷え込みは厳しく、いつもなら脱ぐフリースも着たままで出発。大峯奥駈道の分岐へと続く急登の尾根歩きをいつものペースで登ります。まだ感覚の戻らない冬靴は、木の根や石に躓くことがありました。1時間程で分岐に到着。ここからしばらくは冬枯れの明るい稜線歩きとなり、そして今日は「霧氷祭り」の始まりです。
雲ひとつない青空ですが、稜線を抜ける冷たい風は頬を刺し、暖まった身体をフリースで守ります。この風は次第に収まる予報で、山頂に着く頃には冬の晴れ間を楽しめるはずです。
稜線を境にし、右側(北側)には見事な霧氷が続きますが、左側(南側)には全くありません。当たり前のことながら、自然とは正直だと思います。そんな霧氷祭りを楽しみながら、いつしか次のポイント「理源大師像」がある「聖宝ノ宿跡」に到着。ここから再び登りとなり、風も落ち着き始めたのでフリースを脱ぎました。
春、バイケイソウの新芽が目に優しいこの道も、今は落ち葉に覆われています。先週と違い標高を上げても林床は雪に覆われず、その代わりに、道はアイスバーンとなりました ^^; チェーンスパイクを装着することで安定感はぐっと増し、最後の階段をやり過ごすと、弥山小屋の三角屋根が樹間に見えました。
小屋開け前の4月、テントで一夜を過ごす神々の懐。苔に囲まれたテントサイトはスノーモンスターに成長を続ける木々が出迎えてくれました。(植生保護のため、チェーンスパイクは外します)この素晴らしい光景をどう表現すれば良いのでしょうか。僕には到底無理のようです。先端の国見八方覗に立つと、歩いてきた奥駈道や更に吉野へと続く稜線が望めます。行者還岳、七曜岳、大普賢岳…、いかにも奥駈道らしい山名が続きます。ここから眺める奈良、三重、和歌山の三県に跨がる紀伊半島の峰々は僕の心を無にします。そしていつものように合掌。
期待通りの陽気に包まれる中、昼食とブレイクタイム。ついつい長居をしてしまいました。今日は近畿最高峰「八経ケ岳」へは寄らず、山頂の弥山神社で御礼と安全登山を祈願して下山の途につきました。
下山後のいつものは都合によりお休み…(笑)

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予想を遥かに超える稜線の風景
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まだ陽が射さない斜面は 凍えそうな空気
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柔らかい陽射しが とても良く似合う
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霧氷に包まれた 稜線歩き
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霧氷の新芽
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朝陽に浮かぶ 熊野灘
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折り重なる向こうには 冬の青空
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霧氷の大通りに着きました(笑)
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冬枯れの林が 一段と輝いています
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弥山小屋から流れ落ちる 霧氷の滝
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関西 冬山のグラデーション
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霧氷が舞う 12月の朝
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僕は霧氷の広葉樹を「霧桜」と呼びたい
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一段と賑やかになった 弥山小屋への登り
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根雪と落ちた霧氷が織り成す アイスバーン
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歩いてきた 参道を振り返ります
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ワンダーランドへの入り口
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言葉にならない 苔と霧氷のコラボレーション
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木々の向こうに続く峰々が この地の世界観
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出来ることなら このまま幕営したい…
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秘密の場所から 大普賢岳と遠くに台高山地
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稲村ヶ岳と大日岩…再び 秘密の場所から…(笑)
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八経ヶ岳の山肌も 見事な霧氷で覆われています
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昼過ぎでも 冬の陽射しは 斜光気味
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いつもの場所で 奥駈道を望みます

関西雪山≪序章≫…大谷山

11月25日 滋賀県大谷山
先週来の寒波でホーム鈴鹿を初め、関西の稜線には雪景色が見られるようになってきましたので、これは登るしかないでしょう (笑)

六甲全山縦走路、大峯奥駈道、京都一周にダイヤモンドトレイルなど、関西には魅力的なロングコースがあります。今回訪ねた大谷山は途中の「寒風」から山頂まで高島トレイル(全長 80km)を歩きます。滋賀県福井県にまたがるこの稜線、琵琶湖や日本海を望めるほか、太平洋側と日本海側の空模様の違いを確かめることが出来る場所でもあります。
登山口となるのはマキノ高原キャンプ場。人気の赤坂山に向かって数組の登山者を見かけましたが、我々は「大谷山派」。そして、春、花を求めて赤坂山~寒風を周回されますが、我々にとっては関西有数の雪山ルートのひとつです。
登山口とは別世界の稜線歩きを楽しめるのが「関西の冬山」。麓から眺める稜線は今週初めの情報と較べて減っている感は否めません。稜線は800m、季節は11月。根雪になるにはまだ早いのでしょう。
ゲレンデ跡の直登から始まるこのルートは、ゆっくり登り出さないと汗だくになり、注意が必要ですね。やがて道は、まだ秋の装いをみせる広葉樹の森へ続きます。麓の人気スポット「メタセコイア並木」を俯瞰する展望地を過ぎると、いったん植林地へ入ります。再び、広葉樹の林になり、700mを超えたあたりで林床を白く覆い初め、やがて道も雪に閉ざされます。踏み跡のない道は、ザクッ、ザクッと一歩踏み出す度に心地よい音が耳と足に伝わります。
関西とは言え日本海側気候の影響を受ける琵琶湖西岸の山稜。特に、湖北と呼ばれるこの山域の雪は良質です。真っ白なトレースと琵琶湖を望めば寒風。大谷山より40m高い854mです。滋賀県の最高峰「伊吹山」(1377m)は雲に隠されていましたが、ホーム鈴鹿の峰々は陽が当たっているように見え、まるで冬雲の境界線が引かれているような光景です。
ここを直進し右手に向かえば「赤坂山」。1月以降、素晴らしいスノーシューハイクが楽しめるルートです。ここから我々は左に向かいます。あまり紹介したくはない、静かなルート。麓から感じなかった稜線の雪は、すっかり根雪になっているようでした。歩き出してしばらく進むと、一本のトレースが寒風を避け、赤坂山方面へ向かっていました。雪山歩きの醍醐味ですね。
このルートが静かなのは、大谷山へは120mほど下り80mの登り返しがあることでしょうか。今はまだ夏道ルートですが、本格的に雪が積もれば、一面の雪原となり、鞍部に向かって急降下…これが楽しいのです (笑)
鞍部に近付くにつれ、風は強まります。谷に沿って若狭湾から吹き寄せる風は、潮の香りこそしませんが、厳しい冬の日本海を思わせる冷たい風です。
遮るものがない大谷山。比良の主峰「武奈ヶ岳」へ続く稜線が遠くに見えています。反対側に目を向ければ、朝より色濃くした灰色の雲が山稜に近付いていました。琵琶湖も南側はキラキラと湖面が輝き、冬の陽射しを湖面一杯に受けていますが、湖北地域は空の寒さを湖面に映し出していました。
数名の登山者とすれ違うだけの山行。燕岳の時もそうでしたが、「意外とこの時期はいいんじゃないの?」と思いながら、初冬から晩秋へのグラデーションの中、下山しました。
下山後は、暖房で暖まった身体を冷やす いつもの…(笑)

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帰りには 大渋滞となった「メタセコイア並木」
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結構辛い ゲレンデ跡登り
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琵琶湖が広がっていく様が楽しい このルート
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冬枯れの林は 明るい落ち葉道
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冬枯れの林に目を惹く この秋一番の彩り 
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静かに鑑賞…メタセコイア並木
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朝陽を受けた琵琶湖に浮かぶ「多景島」
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美しい冬枯れの林…晩秋編
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初冬も美しい 冬枯れの林
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白いキャンパスに描く 自分だけのトレース
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来年も美しい花を咲かせて…オオイワカガミ
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琵琶湖が広がれば 稜線まであと一息
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これからは 琵琶湖とともに稜線歩き…
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目指す大谷山まで高島トレイルを楽しみます
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山頂直下は 自分のトレースで歩きたい
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振り返って「寒風」…向こうの空は寒そう
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基準点名は「八十千岳」の「大谷山」
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次は 一面銀世界の時に訪ねましょう
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動物の足跡を楽しめる 雪の山
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日本海(左側)へと続く 雲のグラデーション
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この雪は やがて「北比良」から「南比良」へ
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下山は 冬から秋への逆戻り
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里の秋も 残り僅かですね
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登山口から大谷山…晩秋から初冬の眺め
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まだしばらくは秋を感じたい いつもの…(笑)

ホーム再開!ルートは本谷…御在所岳

11月15日 三重県御在所岳
蛭休みが終わったホーム鈴鹿。丁度、こちらを訪ねていた千葉の山友をお誘いして、お気に入りのルートをご案内しました。

ホームは4月末のイブネ以来7ヶ月振り。ルート本谷は9ヵ月振り。そして、千葉の山友とは大峯山行以来4ヶ月振りの再会です。
今週初め、六甲全縦大会に参加した山友と道中で合流し登山口へ。先月、この地を襲った台風の被害がなければと思いながら、最初のポイント「不動滝」に向かいます。最近は冬に訪れることが多いこのルート。いつもより易しいルーファイとは言え、雨に濡れた岩は油断大敵。一歩一歩を大切に歩きます。
不動明王のような荒々しさは感じない不動滝。「動かざること山の如し」。滝と言う「動」の中に「静」の力が漲ります。
次のポイントは「二股」。不動滝上部から続く巨岩の沢道。このルートで最も美しい区間だと思います。今年2月、デブリのあった二股。ここから次のポイント「大黒滝」までは、確かなルーファイが必要になります。この頃になると真っ赤なロープウェイが樹間を横切り、名残紅葉とともに頭上を飾ります。倒木のため、大黒滝へは近寄れませんでしたが、この他ルート上に被害の痕跡はありませんでした。さて、その大黒滝は今シーズンも見事な氷瀑を魅せてくれるのでしょうか。
ロープの張った急坂を登りきると、メインストリートの門番「ジョーズ岩」と再会。この季節はジョーズ岩の胎内潜りも出来ますが、その選択は訪ねた方にお任せします。
雪山を歩くといつも思うのは「面倒だけど、歩きやすい」。ここから続く本谷メインストリートも、積雪期は終了点まで続く一本道になりますが、今は「岩飛 佐助」で登ります。時々、足と手を止めて振り返ってみれば、麓から見上げた白い鉄塔とともに、玩具のように行き来するロープウェイが見えます。そして両側に迫った岩峰の間から眺める景色は、季節を問わず、本谷ルートの真骨頂でしょう。
恒例のロープウェイの乗客に向かって手を振りながら本谷終了点へ。登山口から始まった谷歩きもここでゴール。ここから最終ポイント「大黒岩」へは、このルート最大斜度を登ります。気持ち的には、ほぼ壁…(笑) ただし、この後に待ち受ける大黒岩からの大展望にその疲れも吹き飛んでしまいます。
山頂部の木々は落葉し、山麓に紅葉が見られます。今日歩いてきた本谷とその向こう霞んで望む伊勢湾岸ライン。まだ登頂してはいないものの、ここは事実上のピークです。
さて、最近我々の折り返し地点は山上レストラン。今回は初めて訪ねる山友のため、一等三角点と本当の山頂(笑)をご案内しました。
下りは展望と奇岩の中道ルート。このルートもご紹介したいポイントは数々ありますが、僕のレポではいつも省略していますね。そして、いつもの場所で本谷メインストリートを振り返り、冬の再訪を約束します。
下山後は、再会を楽しみにしていたいつもの…(笑)

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登山口から見上げる大黒尾根(左)と大黒岩
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ホームも秋の終わりを告げています
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滑らかな滝が続く 本谷第一幕
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秋の流れが 止まっていました
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秋を踏みしめながら 本谷を進みますf:id:Regulus0821:20171116204431j:plain
晩秋のグラデーション…水の流れとともに
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深い谷に射す陽が 秋を蘇らせます
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ミスター本谷…不動滝
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意外と秋を楽しめる ルート本谷
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後半に向けて 準備運動の岩登り
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名残紅葉に陽が射してくれました
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雪のない門番を登るのは 久しぶり
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鈴鹿デビューの山友…いきなり ルート本谷(笑)
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振り返って 日本一の鉄塔と山麓の温泉街
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終了点付近から振り返ります
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大黒岩からルート本谷を眺めます
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今だからこそ 大黒岩の先端へ…
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先端からは この展望が楽しめます
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一般ルートと合流し ヘルメットはお役御免
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御在所岳最高点から 奥座敷「イブネ」と雨乞岳
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富士見岩から大黒岩…左端が先ほどの先端
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ルート本谷(右)とこれから下るルート中道
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中道上部の展望岩…風になれます
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雪のないメインストリートは 勇ましい感じがします
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身も心も癒してくれる いつもの…(笑)

晩秋から初冬へつづく合戦尾根…燕岳

11月5日 長野県燕岳
今年最後の北アルプステント山行と思っていましたが、4日は風雪を伴う荒れ予報のため、2年振りの女王様との謁見は日帰り山行となりました。

三大急登のひとつとされる合戦尾根。今は整備が行き届き、人気の山小屋と共にアルプス入門ルートとなっています。しかし、登山口から小屋まで続く登りルートは、前半を押さえ気味にするのが楽に登頂できるコツだと思います。
まだ薄暗い登山口の中房温泉。見頃を過ぎて色濃くしたカラマツの葉がぼんやりと浮かびます。沢の音が途切れだすと第一ベンチ。荷揚げ用ロープをくぐると第二ベンチ。雲海の中の第三ベンチ。
昨夜、第一駐車場に着いたのは午後8時頃。まだ空きがあったものの、出発時には満車。その割に登山者は少なく、自分のペースで歩けます。第三ベンチを過ぎたあたりから足下には雪が増え始め、所々、注意が必要です。
雲海を抜けて富士見ベンチ。遠く富士山を眺めながらの小休止は、身体を冷やさないことがポイント。樹間に大天井岳の山稜を望み、白銀の世界に目を楽しませていると合戦小屋に到着。小屋番さんは小屋仕舞いの準備に追われているようでした。
ここで合戦ノ頭に出た時のための身支度を整えます。予報では稜線は15mほどの西北の風が昼頃まで残る見込み。それを予測するように、ここ合戦小屋は富士見ベンチと較べて気温がワンランク下がったことを実感しました。
縦走路越しに槍ヶ岳が顔を覗かせると合戦ノ頭。南部の峰とは比較にならないほど白い鹿島槍が印象的です。時折、葉に積もった雪を巻き上げ頬を打つ風が吹き、いよいよ近付いてきたかと身構えます。燕山荘へ続く道は夏道でしたが、もう土は見えていません。今日、我々が用意したのはチェーンスパイク。ピッケルはなし。全体を通じて十分な装備でしたが、この季節、日々状況は変化しており、直前の情報入手は必須でしょうね。
山荘直下、稜線を吹く風に雪が舞いあがり、渦を巻きながら谷を下っていきます。案の定、烏帽子岳から続く裏銀座の縦走路と槍穂高連峰、そして女王「燕岳」を望む稜線に立つと、冬の冷たい風が出迎えてくれました。カメラを構え、風に向かって立つとあっという間に涙目になります(笑)
体感気温は-10度を下回り、風を避けてチェーンスパイクの装着等、登頂準備を始めます。常時10m前後の風が吹く中、頂を目指しました。すぐそこに見える白き山嶺はもう我々には手の届かない世界であり、あと数週間もすれば、この道も閉ざされたものとなるのでしょう。
今日はいつもの賑わいが嘘のように静かな山行が続きます。貸切の山頂からは今夏登った立山や針ノ木岳、蓮華岳の冬化粧にあらためて見惚れます。バラクラバを通して聞こえてくる雪を踏む音と冬の風。山の匂いも冬山です。
山荘に戻る頃には風も落ち着き、ベンチで昼食をとれるようになりました。不思議なもので、こうして燕岳と対峙していると風に温かみを感じます。
濃いオレンジの山麓から雪の稜線、そして高く澄み切った秋の青空。所謂、三段紅葉。その贅沢で幸せな時間を大切な記憶とし、雲海が取れて見渡せるようになった安曇野に戻るべく、山荘を後にしました。
下山後は、美味しい珈琲と共にいつもの…(笑)

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日本画の世界がありました
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期待が膨らむ モルゲンロート
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そろそろ雲海を抜けます
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合戦尾根に冬の始まりを告げます
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ここはもう本格的な冬山です
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本格的に冬を迎えると訪ねる 海の彼方の八ヶ岳
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眩しい世界が広がるのは雪山
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55回目の朝を迎えた稜線も 今は別世界
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対照的な稜線が美しいと思います
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振り返れば 安曇野の重鎮 有明山が浪間に浮かぶ
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冬の穂高…許された者だけの世界
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青空に映える 稜線の風…(笑)
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まずは目に飛び込んでくるこの景色
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続いて目に入るのは 女王「燕岳」
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白のグラデーションが 山稜を飾ります
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圧倒的な力強さ 冬の槍ヶ岳
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北鎌尾根を望める絶好の場所
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この雪が根雪になる日も近いことでしょう
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いつ訪ねても この道は楽しい
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青い山脈が雲海と空を繋ぎます
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歩いた稜線は景色が違います…立山
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お気に入りの場所で ハイポーズ(^^)
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雷鳥さんは 冬羽になったでしょうか
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秋の装いも そろそろ終わりを告げます
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カラマツが樹間を覆う中房温泉
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葡萄もそろそろ終わりです…

〈番外編〉
最近気になる作家さんの山バッチ。丁度、麓のカフェで展示会をしていたので購入。ご本人ともお会いできて益々ファンになりました✨
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晩秋のスカイラインが見たくて…小蓮華山

10月8~9日 新潟県小蓮華山
2017紅葉遠征の最後を飾るのは「天国に一番近いテント場」と呼ぶ白馬大池から小蓮華山へ。季節外れの穏やかな山行となりました。

10月8日
ただ今、北ア北部の紅葉前線は1500~1700m。野天風呂で有名な秘湯「蓮華温泉」は丁度見頃を迎えていました。2年前のSW、ここ蓮華温泉白馬大池~朝日小屋と周回して以来の入山。今回は小蓮華山までのゆったり山行。登るにつれ移り行く秋を楽しみながら歩きたいと思います。
昨日までの雨が登山道を濡らし、石や木の根が光沢を帯びています。登り出してすぐ、崩落のためか、ロープの張られた迂回ルートがあり、ここが核心部でしょうか。このルートは栂池ルートと違い、大きな岩を渡り歩くことがないため、テント装備には向いています…あくまでも個人の感想…(笑)
しばらくは紅葉の額縁に雪倉岳から朝日岳を眺め、日本海まで続く栂海新道はその稜線を雲海に沈み込ませていました。やがて視界の広がる「天狗の庭」。カラマツの黄色が印象的です。力強い弧を描く五輪尾根。山裾を飾る艶やかな秋景色。そして、山肌を白い幹が浮かび上がるダケカンバの並木。見飽きることのない景色が続きます。
ハイマツ越しに空が見えると白馬大池。ベンガラ色の小屋前にはテントの紅葉まつりが開催中 (^^)。夏、ハクサンコザクラを初め、色とりどりの高山植物が咲くこの通りは、正しく、天国へのプロムナード…但し、行ったことはありませんが…(笑)
雷鳥坂を登るにつれ、白馬大池の瑠璃色が力を増してきます。視線を動かせば、小蓮華山へと続く雲の上の坂道。そして、雪倉・朝日岳の優しい稜線。更に振り返れば、白波の立つ日本海を連想させる雲海。いつ見ても心が静まる世界観です。
船越ノ頭。荒々しい杓子岳から白馬鑓へと続く山稜を望める最初のピーク。鹿島槍へと続くその稜線は安曇野から打ち寄せる波を受け止めているようでした。また、ジオラマのように遊歩道が続く栂池自然園。大勢の方々が紅葉を満喫されていることでしょう。一旦下った後、山頂が見えそうで見えない登りの始まり。それも白馬岳の姿が現れれば、初夏の陽気を思わせる山行の到着点「小蓮華山」に登頂です。
小蓮華山は独立峰であるかのように、全方位に展望が開けます。その一角、三国境の南北でこれほどまでも山容が異なる自然の不思議さ。そしてそのスカイラインを目に焼き付け、来た道を戻り始めました。

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フレームの先には 野天風呂
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遠くも 近くも ダケカンバ
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秋のグラデーションが続きます
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錦秋の滝が 流れ落ちていきます
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落葉した木々も 山肌を飾ります
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足元にも 秋の装い
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秋の深まりを告げる 木々たち
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光が溢れる 白馬大池
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晩秋漂う 栂海新道
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もうひとつの周回ルート…鉱山道
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雁股池…栂池自然園にあります
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今年は剱岳を良く眺めます
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北アルプス北部のイケメン達…
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雲の上の坂道
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雲の下の町並
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雲海の防波堤…白馬三山
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このスカイラインの切れ味は最高です
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雨飾山の山頂も賑わっていることでしょう
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秋の昼下がり
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白馬大池は 雲上のオアシス
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夕刻 影が斜面を登ります
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雪倉岳の夕暮れ
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小さな三角屋根…朝日小屋…遠い道程が思い出される
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野菜がたっぷり スープスパゲティ
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小蓮華山と星空をつなぐ 天の川


10月9日
朝、雪倉岳の上空を飾る淡い月。雷鳥坂の登り口では、御来光を拝もうと10数人の影。一段と真っ赤に染まる東の空の左側には、戸隠山妙高山火打山、焼山。特徴ある北信の峰々もその瞬間を待ちます。日の出とともにオレンジ色に染まる山稜。小蓮華山や栂海新道を歩く登山者の笑顔も見えそうな夜明けです。今日も素敵な一日になりそう。
昨夜の幕営数は100張程度。朝日岳周回や白馬岳に向かう人はすでに出発をされており、今はテント場に漂うのんびり感が目に見えそうです。
朝食後の珈琲タイム。白馬岳を越えて栂池に向かう登山者が小さく見えます。我々もそろそろ重い腰を上げなければなりません。
昨日よりも風を感じますが、暖かい陽射しを受けるとそれも心地よいものに感じます。ひと晩お世話になった白馬大池にお礼を述べ、小蓮華山に再会を誓います。次回は真っ白か、それとも今頃か…。
山行。それぞれが大切にするポイントがあるように、我々には帰り道も重要なポイント。「登頂の目的は達した、天気はサイコー!あとは下って温泉!!」ではなく、周囲の景色を楽しみながら下ります。「点」ではなく「線」を大切にしたい。そして、そのゆとりが我が家の安全登山の鉄則です。
昨日と陽の当たりが違うだけで、山はその表情を変え、また、一日で色付きが進んだように見えます。この時期、登山口と標高差のある北アでは、どこかのゾーンで紅葉と巡り合えますが、あと一月もすれば、簡単に立ち入ることの出来ない世界へ様変わり。今だけの山行を3週続けて出来たことに感謝の気持ちで一杯です。
今年30回目の山行。そろそろホームも解禁が近付いてきましたね(^^)v
下山後はまだまだ旬の秋の味覚でいつもの…(笑)

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白馬大池はまだ眠っています
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夜明け前…音が止まる時間帯…
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白馬乗鞍岳のケルンが戸隠山と背比べ
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今回は ゆっくりと御来光を拝めました
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栂海新道も動き始めます
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朝のマジックアワー
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ケルンにも朝の光が灯ります
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朝の紅葉は 紅色2割増し
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朝日小屋に陽が射すのは あと少し先
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五輪尾根…登りますか?下りますか?
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テントから眺める 秋の朝
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朝から楽しめる いつもの時間…(笑)
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刻一刻と表情を変える 白馬大池
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また来る日まで…(^^)/
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時間帯によって変わる 山の秋
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雪倉岳とも そろそろお別れです
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小蓮華山のスカイラインも素敵です
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紅葉の谷へ ダイビング
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一気に景色が広がる「天狗の庭」
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紅葉のトンネルを抜けると…
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そこは 紅葉パラダイス (^^)
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有名処だけが 山の秋ではありません
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優しさに包まれそうな 葉の光
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懐かしさを感じる 秘湯の湯
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安曇野だけど 小布施のお店でいつもの…(笑)

紅葉と池をめぐる…御嶽山

10月1日 長野県御嶽山(開田山頂)
ナナカマドやダケカンバにウラシマツツジ…が見事に山肌を染める御嶽山。3年経って訪ねることが出来ました。

毎年、あの日の出来事と結びつくのは登っていた「常念岳の紅葉」。赤や黄のグラデーションが朝焼けに照らされる中、東に向かって長くたなびいていた噴煙。雑誌で見た記事が印象的でいつか登ろうと思っていた矢先の出来事です。
今回は黒沢口から入山し、女人堂~三ノ池~二ノ池の周回ルート。通行可能になった三ノ池ルートを利用して、池と紅葉を巡ります。
このルート、御岳ロープウェイを利用して7合目まで入れますが、運行開始が7時30分と遅いため、6合目の中ノ湯を夜明け前に出発しました。しばらくは綺麗に整備された木階段の樹林帯を登ります。7合目行場山荘から色付きが見え始め、次第に登山道の脇を繋げていきます。日本列島を紅葉前線が南に下るかの如く、標高を一歩一歩上げるにつれて秋が深まります。背後に中央アルプスを望むことが出来れば、ラーメンの幟が出迎える8合目の女人堂に到着(^^)
ここで一気に視界が開けます。北ア、八ヶ岳、中央アに南アの甲斐駒。しかし、その大展望も眼前に広がる錦秋の絵巻物の脇役でしかありません。全山燃え上がる紅葉とは違い、頂きを目指して競うようにハイマツを駆け上がる一条の錦帯。それは荒涼とした山稜直下で大輪の花を咲かせます。広大な山頂部を持つ御嶽山の山容は嫋やかに見えますが、間近で見上げると穂高にも負けない険しい岩峰が続きます。
三ノ池ルートは中腹をトラバース気味に登山道が整備され、素晴らしい眺望と引き換えに桟道や徒渉、落石等リスクを伴うため、通行には注意が必要です。御嶽山は剣ヶ峰の他に王滝頂上、飛騨頂上、そして、このルートの到達点、三ノ池の畔にある開田頂上。しかし、頂上とは名ばかりで鞍部の印象が強いですね。
三ノ池畔から三ノ池乗越へ登るにつれ、藍色の水面は輝きを取り戻し、今年の7月、継子岳からの周回で見た瑠璃色の鏡となり、その池を背に今冬を過ごすべく雷鳥の兄弟が仲良く歩いていました。
乗越に立つと剣ヶ峰が指呼の間のように近付きます。途中、賽の河原を抜けて二ノ池へと向かう訳ですが、荷物とは別に何かを背負う感じがありました。継子岳ではいつの日か剣ヶ峰に立つことがご供養になると思っていましたが、間近で見ると、その考えが揺らぎます。
再建途中の二ノ池本館。そして、火山灰に埋もれた二ノ池。こうして現場に立つと写真から伝わらない現実が胸に迫ります。特に、我々の登山口「田ノ原」を稜線から眺めた時は、言葉に詰まるほど感慨深さがありました。そんな中、今日も大勢の登山者が楽しげに歩き、女人堂までは家族連れの観光客。よくある紅葉シーズンの風景があります。
女人堂への下山道。再び、錦秋の絵巻物が目の前に広がります。ただ、当時と同じ季節、同じ道を辿ると、どうしてもあの日この道を歩いた人々の心境を思わずにおれません。
3年越しで訪ねることが出来た御嶽長野県側ルート。あの日を境に変わってしまった御嶽山。ただ、登ってみて、これが次の御嶽山の始まりだと思っています。
下山後は、秋の銘菓でいつもの…

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朝 霞がかった山の連なりを見るのが好き
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何度も足を止めてしまいます
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長野県側ルートらしい 御嶽山の眺め
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これぞ山の秋でしょう
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中央アルプスを彷彿させる この光景
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八ケ岳の稜線が 遠くに浮かびます
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日本の秋は 素晴らしい…
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ざわめきが聞こえてきそうな 秋の谷間
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岩峰を秋が駆け下ります
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三ノ池ルートの前半は 紅葉パノラマルート
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尾根沿いにハイマツ 谷筋に紅葉 キャンパスは白き岩
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中腹以降は 黄色のダケカンバが目立ちます
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沢筋は すでに凍り始めています
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天空の回廊…紅葉を眼下に
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7月は向こうの稜線を歩いていました
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無事に冬を越してほしい…
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こちらはまだ母鳥と共に行動していました
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継子岳…四ノ池を周回するルートが一望
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剣ヶ峰…まだ距離以上の遠さを感じます
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宝石のような水面…三ノ池
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陰を感じてしまうのは名前?…賽の河原
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賽の河原越しに 摩利支天を望みます
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草紅葉が頂上大地を彩ります
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これが二ノ池の現実…涙が出そうになる…
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二ノ池と新しく出来た池(右)…奥は再建中の山小屋
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頂上山荘…ここにも懸命に作業される方が…
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8合目の女人堂まで この景色がお供してくれます
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フレームにどの景色を切り取るかは 自分次第
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御嶽山だからこその景色が 数々ありました
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このトンネルを抜ければ 女人堂へ到着
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最後に振り返る 秋の御嶽山
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秋と言えば これですよねぇ