秋風が笹原を吹く…三津河落山
10月2日 奈良県三津河落山
台風一過の秋晴れと平日休暇が重なれば、向かうは「山」しかないでしょう…(笑)
数年前、大峯山系七曜岳の山頂で教えていただいた「三津河落山(さんづこうちやま)」。すぐ近くには百名山のひとつ「大台ヶ原山」…この名前は「日出ヶ岳」の基準点名…があります。
大台ヶ原山上駐車場の手前、約1㎞に登山口「川上辻」への入り口があります。とは言っても、今日のルートは一般登山道ではなく、また、自然保護上、ルート(踏み跡)を外れて歩くことはマナー違反です。
一般道と分かれ細い踏み跡を進むと、台風の影響か登山道でないからか、所々、倒木に行く手を阻まれます。また、笹の葉が踏み跡を覆い、躓かないように注意も必要でした。しばらくすると、岩が露出した小さなピークと三角点。「名古屋岳」に到着です。ここからルートは直角に右へ。しかし、気付いた時にはルートロスした後で、マナー違反…申し訳ありません。地図(アプリ)を確認し、次のピーク「如来月山」…何と読むのだろうか??? …へのルートに戻りました。
青空が立ち枯れの木々の間に広がる斜面。その時、倒木の陰から赤毛の小動物が飛び出し、斜面を慌てた様子で駆け上っていきました。胴体と同じ程度の尻尾が印象的な「狐」です。山行中の狐は初めての体験。この山の豊かさが窺えます。
大きな岩を回り込んで着いたピークと三角点。この辺りの最高点1,654mに到着です。ルートロスはピークからの下りで起きやすいことは先ほどの出来事で学習済 (笑)。次のピーク「三津河落山」へのルートを地図で確認してから出発すると、空が段々近付いて来るのが判りました。緩やかに登り返して「三津河落山」に到着。今回のメインルートになる笹の稜線歩きの起点です。ただ、これと言ったピークはなく、また、ネットで見かけた山頂標識は台風で飛ばされたのか見当たりませんでした。
ここからもうひとつの起点「大和岳」への稜線歩きは、鈴鹿・竜ヶ岳の遠足尾根、湖北・赤坂山から寒風、大谷山の高島トレイルと似ていますが、モニュメントのように所々に配された白き倒木は、「魔の山」と恐れられた大台ヶ原山一帯の歴史を物語っているようでもあります。
紀伊半島の東側、高見山から大台ケ原山へと続く稜線「台高山脈」は、大峰山脈と並んで近畿の屋根と呼ばれており、その両棟をここから楽しむことができます。また、峰々の向こうには熊野灘の海岸線を望め、我が県、三重県西部を一望している気がします。目を移せば、台高山脈がまるで地平線のようにどこまでも続き、今立つ場所の奥深さを感じます。そして、この一帯だけが笹原になった「時の流れの不思議さ」。時の流れは見えませんが、山ではその悠久の時を感じることが出来ます。
笹原を揺らす風は秋。その音に混じって、時々聞こえる甲高い鹿の鳴き声。少しだけ時代を遡った錯覚…。
雨量計の建物が建つ「日本鼻」と呼ばれるピーク。いくつもの踏み跡が交差し、下り坂で再び、ルートロス。グリーンシーズンなのに、薄いトレースが一本しかない雪山状態です ^^;
ルートに戻り、最後の登りに向かいます。軽く刷いたような雲が秋空に描かれ、青と緑の境界線に最後のピークと三角点がありました。歩いてきた道を振り返ってのランチタイム。顔を振り向けば、春、幕営をする大峰・弥山を真正面に捉え、熊野から吉野へと続く大峯奥駈道。この広い世界を2人で過ごす時間の何と贅沢なことでしょう。
石楠花の群生地で笹原道も終了。ドライブウェイまでは、何度も地図アプリで確認をしながら下りました。3.5kmほどドライブウェイを歩きましたが、普段は車窓を流れる景色をゆっくり楽しめたこと、平日で交通量が少なかったこと、風が爽やかで暑くなかったこと等々…意外と苦にならず、車に戻ることができました。
下山後は、紆余曲折の末に いつもの…(笑)
大台ケ原を象徴する景色
苔のフリースを着ていた幹
鞍部は 明るい森歩き…
最高峰(如来月)への登り…背後は名古屋岳
このあっさり感が いい雰囲気でした
秋の収穫祭 「苔の稲刈り」
空が 視界一杯に広がってきました
三津河落山の印…気持ちだけ(笑)
熊野灘が見えるのは 大台らしい景色です
あの頂までが 今日のメインストリート
奥駈道を遠くに 笹の稜線歩き
奈良県側…尾根の向こうは 三重県です
作品名「前へ…」
三津河落山~日本鼻…見た目ほど高低差はないと思います
雲が優しく 踊ります
この向こうに待つ 景色をもとめて 最後の登り
これぞ 奈良県の山…(笑)
遠くから見れば 判る道もあります
今日の道を 振り返ります
近畿の屋根 大峯奥駈道は吉野へと
〇〇がとお~る 獣道♪…
最後に 大和岳を 振り返ります
景色を切り取れば 一足早い「秋」
林道歩きより 良かったドライブウェイ歩き
万葉の里にて いつもの…
心変われど 山は変わらず…天狗岳
9月23日 長野県天狗岳
訳あって山から遠ざかっていましたが、この間、小旅行など今の山スタイル(第3ステージと呼んでます)をやり始める前の生活スタイルに戻っており、このまま一旦山から離れるのも「縁」なのかと思っていました。そして再び、山に入れる環境になった今、気持ちはまだ山に向いていました。しかし、これまでとは一線を画した、言わば「第4ステージ」の始まる予感です。そんな思いを抱きつつ、初ルートで頂を目指します。
約4ヶ月振りの山。最初は白駒池畔で幕営し、禁断(笑)の「にゅう」を目指そうと思いましたが、雨予報のために延期。久しぶりの山行と言うこともあり、あまり無理も出来ず、行き着いた先が天狗岳西尾根から黒百合平への周回ルート。天気も安定しており、南八ヶ岳を望みつつ、初めての尾根ルートを楽しめればと、登山口「唐沢鉱泉」に向かいました。
5時半で路駐の先頭付近。下山時、この車列はどこまで続いているのかと思いながらの出発。いつもより早く唐沢にかかる橋を渡り、八ヶ岳の森へ。苔が広がる林床には秋の使者「茸」の品評会が開催中。ひとつひとつ眺めていると間違いなく時間が足りません。それでも、久しぶりの山行と言うこともあり、いつもよりスローペースで感覚を呼び起こします。
3連休の中日。晴天。好条件の割に登山者は少なく、森との対話を続けながら、西尾根分岐に到着。谷を上がる風は火照り始めた身体をなだめてくれます。樹間に南八ヶ岳の名峰が見え隠れ。程なくして視界が開けると、第1展望台到着…かと思いきや、手前の展望地でした。仕切り直して、第1展望台。針葉樹の裾野が一面に広がる八ヶ岳の森は色濃く、秋の始まりを感じます。
第2展望台から一旦下り、最後の登りへ。森林限界を抜けると全身運動の始まりです。振り返れば、思いの他第2展望台が遠くに感じます。西尾根を下山利用した場合、視覚的にはこの登り返しが核心部かもしれませんね。
さて、地上と風の境界線のように棚引く雲の向こうでは、南アルプス北部の三人衆(北岳・甲斐駒・仙丈)が顔を並べ、その右奥に中央アルプスの山嶺。視線を右に移すと今日(9/26)山頂への規制が一部解除される御嶽山から白馬へ続く北アルプス。視線を戻して、北八ヶ岳等々。山行復帰日には、こんな登山日和がぴったりです。
約20年振りに立つ西天狗岳の頂。前回は小雨模様であったため、ここからの展望は初めてと言えます。角度は違えど見慣れた風景。季節は変われど、いつもと変わらぬ山がそこにあります。秋風を受けながら、そんな景色と一緒に「山で過ごす時間」を確かめていました。
東天狗岳の頂はある意味「危険ゾーン」と化していたため、押し出されるようにして、下山開始。そして、ここを訪ねていつも思うのは「雪の積もった冬が歩きやすいぃ~!」
凸凹した石の登山道は、山頂以上に大勢の登山者で賑わうヒュッテを過ぎ、唐沢の登山口付近まで続きました。「あぁ~、ヤレヤレ」…なお、路駐の最後尾は1km先でした(汗)
下山後は、定番のお店で秋バージョンのいつもの…(笑)
いつも横目で眺めていた赤い橋から始まります
存在感がたっぷりでした…身元不明(笑)
「孤高の茸」
こちらは 賑わっていました
八ケ岳の匂いで 深呼吸山行が続きます
西尾根の最初は 見事なストレート
「何か 気持ち良いぃ~」と思える瞬間
僕にとって稜線は パワーの源
西尾根のメインストリートでしょうか?
今日の再会は 特別な思いです
初めての構図…新鮮でした
歩いてきた道(右側)を振り返るのが好き
今回は山頂標識を載せてみよう…2646m
北八ヶ岳のオアシス…雨池
色付く季節は あっという間です
この頂から天狗岳を見る予定でした…にゅう
ここからでも賑わいが 伝わってきます…東天狗岳
ここも 訪ねる予定でした…稲子岳
唯一 咲いていた花…イワツメクサ
いい山なんだけど 歩きにくいねぇ~^^;
山に触れ合う姿は 人さまざまです
出逢いの日から 2年4ヶ月が経ちました
最後まで茸…八ヶ岳の色を添えて
唐沢鉱泉と言えば これですね
前日に続き 栗が主役のいつもの…(笑)
登らない時は 思い出の地へ…御嶽・田の原
7月14~15日 長野県田の原天然公園
2014年3月以来の田の原天然公園。ここは、御嶽山王滝ルートの起点。登山だけでなく何度も訪れた思い出の地。
今回は「星と雲海と御嶽山」の出会いを求めてやってきました。
車を利用し、山に登らなくても、2000m級の雰囲気を味わえる「田の原天然公園」。いい時間をいただきました。
次にここへ帰ってくるときは、剣ヶ峰を訪ねるときでしょう。
まさに 天を流れる川です
15年振りの大接近「火星」と天の川
久しぶりの雲海に ちょっと感動…
北アの峰々に 思いを馳せる
2000m級の空気が 御来光を飾ります
この時間が やっぱり好きだなぁ…
ここは「おんたけ2240」のゲレンデトップ
中央アルプスも 御無沙汰です
この峰々も 思い出の地
初めて登ったのは 17の夏…乗鞍岳剣ヶ峰
王滝ルートをエアー登山
これぞ 御嶽山の風景です
何だろう この山に寄せる思いは…
前回は積雪で 貫に手が届きました
シラビソの球果があちこちに
これが 木曽御嶽山 です
今日はここまで…遥拝所
道端の花に 足が止まります…ツマトリソウ
山麓の夏の花…アザミ
木曽の風物詩でいつもの…(笑)
白花3種森…大峯奥駈道
5月27日 奈良県大峯奥駈道
入梅の頃、小さな白い花をつけるクサタチバナ。開花の便りを聞き、その群生地を訪ねました。
群生地への最短ルートは、地図には載っていないバリエーション。とは言っても、良く踏まれた道は案内表示がないことを除けば、一般ルートと大差はありません。また、最近ではルート上に放置された廃トラックにちなんで「タイタン尾根」と呼ばれています。急な鉄階段から始まるこのルート。しかし、奥駈道に合流するまで急登と呼べる箇所はありません。すぐ支尾根(タイタン尾根)に取り付き、両側に植林帯が広がる新緑の道を登ります。
この時期、花の他にもうひとつ楽しみがあります。それは「ハルゼミ」。夏の夕暮れに裏山から聞こえてくる「ヒグラシ」の響きのように、その涼しげで包み込まれるような鳴き声はいつも聞き惚れてしまいます。
やがて、檜の巨木が出迎えてくれると、僕が「森の主」と呼ぶ、巨大な根上がり檜が現れます。この檜は複数の樹木が一体化し、今ではひとつの生命体としてこの尾根を見守っているように思えます。その樹形は見る角度で変わり、訪れる者に崇高さを感じさせます。主を過ぎれば、「タイタン尾根」の由来となった廃トラックがある「清明ノ尾」に合流。物言わぬ廃トラックに何故か心を寄せてしまうのは「大峯山系」という土地柄でしょうか?ここで展望が開け、大普賢岳や行者還岳等奥駈道の頂を望めます。最近、ここを訪れる時は、ミルキーウェイな日が多いので、この景色も新鮮に感じました。
ここからしばらくは、緩やかな道を進みます。道端にはすでに花を落としたシロヤシオと小さな花を寄せて見頃を迎えた「カマツカ」。そして、笹原の広い尾根を登り切ると、初夏の陽射しを受ける笹波の一本道。大峯奥駈道に合流です。目の前には、GW前半にテント泊山行をした弥山やシャクナゲが印象的だった尾根が現れ、当然、この景色も久しぶり…。
奥駈道には鈴のような白い花をたくさん付けた最初のお目当て「シロヤシオ」が何本か残っており、陽光を花びら一杯に浴びて輝いていました。その白いスカートが薫風に揺れ、ハルゼミの鳴き声とともに笹原の道を歩けば、「苔の丘」と呼ぶ場所に到着です。ここで2つ目の白花「ヤマシャクヤク」を探します。株は道沿いに数株ありましたが、すでに時遅し。首を伸ばして更に周囲を探すと、奥まったところに一輪だけ咲いていました。その後も、数株咲いていましたが、苔を踏まねば近寄れず、遠目でそっと眺めるに留まりました。
ここから露岩のトラバース。唯一、足元に注意をしなければならない箇所ですが、そこを過ぎれば、目の前に広がる緑の草原。見頃は次の週末頃かと思う3つ目の白花「クサタチバナ群生地」に到着です。写真のモデルを探しながら、群生地を少し先まで歩くと大峰山系とともに「近畿の屋根」と呼ばれる台高山脈が一望できる場所となり、今日の折り返し地点となりました。
「苔の丘」に戻り、ハルゼミの合唱に包まれながらのランチタイム。晴れてる日もいいけど、来年はやっぱりミルキーな日に訪ねようとバディに話しながら、タイタン尾根へ戻りました。
下山後は、近くでキャンプをしていた奈良の娘と合流し、山談義と共にいつもの…(笑)
リョウブのヒンヤリ感が 心地よい季節になってきました
今にも歩き出しそうな気配…(^^)
新緑も 色濃くなり始めました
巨木エリアの お出迎え
人間界にはない 自然界のパワー
何事も根っこが 大切ですよね
この山の連なりが 僕の中の大峯…大普賢岳~和佐又山
やがて 木々が全てを隠すのでしょう
タイタンの兄貴分…E2500
あの廃トラックがこの道を走っていたのか…
鎌の柄に利用されていたそうです…カマツカ…ソノマンマヤン(笑)
五葉躑躅(シロヤシオ)は 花だけでなく葉も楽しめます
今日は 空が近いと思う 奥駈道
先月 歩いた稜線…八経ヶ岳~弥山
このルートで 最も好きな場所
美しい曲線美とシロヤシオのコラボ
素敵な笑顔が たくさん溢れています
「公園の散歩道」と呼べる このルート
高貴な佇まい…ヤマシャクヤク
このルートの代名詞…クサタチバナ
緑の小径は 初夏へと続く道
いい味を出してくれます…ヒメレンゲ
トリミング機能は凄い…コゲラ
笹の海を 白波が襲う
「またね」…いつも声をかけてしまいます
娘が見つけた 意外性の名店で いつもの…(笑)
新緑と木漏れ日と薫風の縦走路…ダイトレ北部
5月12日 ダイヤモンドトレール(伏見峠~屯鶴峯)
ダイヤモンドトレール(通称 ダイトレ)とは、1970年に大阪府によって整備された自然歩道であり、北は屯鶴峯(どんづるぼう)から南は槇尾山までの約45km、大阪、奈良、和歌山の県境稜線をいく関西を代表する縦走路です。
約26年間、大阪の南河内で過ごした自分にとって、ダイトレの稜線である二上山や大和葛城山、金剛山は日常生活に溶け込んだ景色でした。その意味では、六甲全山縦走路よりもダイトレの方が身近です。しかし、身近な故、その全体像は膨らみ、また、アップダウンを繰り返すコースはここ数年前まで寄り付きがたい印象がありました。1年半ほど前に地図を購入し、ルートを下調べ。いずれ機会があればと思っていましたが、ついにその日がやってきました。
ダイトレは六甲全縦より距離が短いとは言え、累積標高差は高く約3600m。自宅から交通機関を利用するため、1日での完走は僕には無理であり、ほぼ中間地点から北の起点「屯鶴峯」を目指すことにしました。
起点となるJR「北宇智」駅へ向かう車窓に広がるのは、これから歩く金剛、葛城のダイトレ稜線。長閑な車窓風景とは裏腹に、ロングトレイルに向けて気持ちを高めます。
北宇智駅からダイトレへ合流するには「伏見峠」か「久留野峠」になります。事前に所要時間とルート状況を調べた結果、伏見峠に向かう天ヶ滝道としました。駅から小1時間ほど歩いてようやく木洩れ日溢れる人工林の登山道へ。急登と平坦道が繰り返し現れる登山道は、正に有酸素運動トレーニング。快適な歩調とともに視界が明るくなり始めると稜線が見え、本来のスタート地点「伏見峠」に到着です。
ここまで約2時間。六甲全縦の場合、2時間毎に10分休憩で歩いていましたが、ここまでの調子と距離が短いことから「今日は休みなしで行けるところまで行ってみよう!」と新たな目標を設定。
まずは第1ポイント「金剛山」を通過し、第2ポイントの「水越峠」へ階段を急降下。途中、第3ポイントの大和葛城山が見える場所では、六甲全縦にないアップダウンを実感しました。車では通過したことのある水越峠。大阪と奈良の県境でもあります。ここから登山者が増え、急な登り階段が続くために自然渋滞が発生しました。陽が高くなるにつれ気温も上昇し、一段一段が厳しくなってきますが、可能な限り息を切らさない呼吸で歩きます。
頂上付近に咲くツツジで山肌が赤く染まる様子が麓からもわかる大和葛城山。すでに見頃は終わっていますが、ロープウェイで気軽に登れることもあって、家族連れなど大勢の方で賑わっていました。
北尾根分岐を過ぎると、再び、静かなダイトレに入り、第4、第5のポイントを目指します。時折、起点の方角から登って来られる登山者やトレランの方とすれ違い、挨拶程度の言葉を交わします。
階段の多さを始め、岩橋峠から岩橋山、竹内峠から二上山等、全縦ではなかった終盤の連続登り返しにも足を止めることなく、最終ポイント「呑鶴峯」に到着。小学生以来実に40数年振りの奇勝は初めて訪れるような新鮮さでした。
入口階段横に設置された起点の石版が本日の目標地点。あわせて、30㎞、7時間30分を休憩なしで歩く目標も無事達成。
ここから最寄駅「二上」まで約3㎞。途中にあったコンビニは、まさしく、オアシスのようでした(笑)
下山後は、泊まりに来ている義従姉妹が待つ自宅でいつもの…(笑)
のどかな無人駅が 今日の出発点
田圃に映る山並…日本の原風景
昔は 木々の花には 興味が湧かなかったなぁ…
木漏れ日が 檜林を飾ります
ダイトレの文字に 少し感動しました
金剛山からダイトレ南部の稜線…いつの日か
何か 嬉しい気分になりました(笑)
左 いせ なら ごせ…右 よしの こうや
次のピーク 大和葛城山…緑の濃淡が人工的
階段も多いけど 歩きやすい道も多い
今来た稜線は すでに彼方の道
紅葉だけでなく 緑葉も素敵です
南河内の景色が近付いてきました
ルート上のポイントに 17ヶ設置してあります
水越峠からの階段道…一歩の重みを実感
東側には大和盆地の景色が広がります
山頂手前 パラグライダーのグループが活動中
風を読み 見事なテイクオフでした
つつじ祭りで 賑わう声が聞こえてきました
見頃は過ぎていましたが 雰囲気は味わえました
金剛山を振り返ります…このあと カメラが落下…(T_T)
更に一歩の重みを感じて(笑)…登頂
最初は「ダイヤモンド・トレイル」のようですね
竹内峠…日本最古の官道「竹内街道」を横断
年代物ですね 現在地がどこかわかりません…^^;
最後の「二上山」は 万葉集の山
その白さにあらためて驚きです…屯鶴峯
次は南の起点で 逢いましょう
車窓から 今日の稜線を…
義従姉妹に頂いたお土産が いつもの…
GW後半はテントライフとグリーンスマイル …弥山
5月4~5日 奈良県弥山
予定していた鳳凰三山は早々と中止し、1泊の山行計画に変更。GW前半の候補地であった奈良県大峰山系の弥山に向かいました。
5月4日
弥山登山口駐車場へは、国道309号線で西の天川村か、東の上北山村から向かいます。毎年、12月から4月まで通行止めとなり、テント泊山行は通行止め解除にあわせて計画をしていました。そのため、小屋開け前の静かなテントライフを楽しめる訳ですが、それ相応の装備が求められます。今回はGWまっ只中。人気の山が故、どんな状況なのか想像もできません。5時前に家を出発し、駐車場に着いたのが6時半過ぎ。すでに第1駐車場は満車で、初めて第2駐車場に停めました。(ここも7割以上は埋まっていたと思います)
テント泊山行は昨秋以来の7ヶ月振り。普段通り、自炊用の水(5リットル)を担ぎ、冬用シュラフに食材そのほか諸々…計量は28kg(カメラは除く)。一抹の不安はありますが、良く知っているルートなのでペース配分に注意をすれば大丈夫でしょう。
登山口は奥駈道ではなく、まず、「奥駈出合」の稜線を目指します。天気予報では午後から回復するも、稜線では北西の風が強いとのこと。また、急激な天候の変化に加え、この山域は雹、落雷に注意が必要です。いつもは汗を拭いながら登る尾根道も、寒気の影響で冷たい風が吹き、アウターを着て登る登山者が多く見られました。(我々は長袖シャツ)
風は出合で更に強くなり、休憩時にはフリースを羽織ります。ここから聖宝ノ宿跡までは緩いアップダウンが続く稜線歩き。12月、見事な霧氷を見せてくれた奥駈道は、新緑の準備を始め出したブナ林と緑豊かなバイケイソウの道となっていました。空模様が怪しくなってきたなと思っていると、コツン、コツンと白い玉が空から降ってきました。霰です。すぐに止みましたが、平地と違い山は怖い場所だとあらためて感じる出来事です。
再び、登り坂となり、第2展望台を過ぎた何度目かの階段で小屋の三角屋根が見えると、「肩の荷が下りた」と思えます。途中、テント装備の方が抜いて行かれましたが、国見八方覗のテントサイトは一番乗り。そして、今日も霧氷のトウヒが出迎えてくれました。
昼食の準備をしていると、「居たぁ~」の声。前日に山友、通称「奈良の娘」から「テント宅を訪問しようかな~」と連絡があったのでした。彼女とは初登り以来の4ヶ月振り。積る話で夕食タイムまで一気に過ぎていきました(笑)
夕食後、夕陽とマジックアワーを期待して、いつもの場所へ。期待通りに空は澄み渡り、先ほどまでの時間が嘘のように、静まり返った時間を過ごす3人です。一番星、二番星…。町に明かりが灯るように、夜空に星が瞬き始めました✨
弥山小屋のテントサイトは小屋付近と国見八方覗の2ヶ所。さすがにGW、所狭しにテントが張られていましたが、20時頃には上空を流れる風の音が聞こえるだけ。その後、テントサイトの音と言えば、星空を撮りに行く僕の足音だけだったように思います…。
世界遺産…我々は関係のない世界観
この道から始まる 我々の世界観
新緑に浮かびあがります…石楠花
冬枯れの林に 春の芽吹き
1300年以上の古道…奥駈道
バイケイソウの緑が 林床を染めます
予報通りに 霰が降ってきました
通り過ぎてしまいそうな 道端のスミレ
霧氷の白と春紅葉の紅
尾根と谷 そして幾重もの稜線 ここは神々の世界
いつもほっとする 小屋の三角屋根
12月とは趣が異なる 5月の霧氷
時折 青空ホールが上空を通過します
まさしく 粉砂糖を振った感じ…(笑)
今回は見るだけの近畿最高峰「八経ヶ岳」
次の霧氷まで いろんな山行があるでしょう
この景色ほど 温かくはない 今日の弥山
風になびく 今月限定のヘアーキャップ
苔の丘に 散りばめた白いベル
何度訪れても素晴らしい 苔のテントサイト
日没前に 夕食としましょう
陽射しが 優しくなってきました
大普賢岳へとつづく奥駈道…大好きな景色
幽玄の世界が 近付いてきました
ここで見る夕陽は 特別な思いが 甦ります
先人はここで何を思い 何を祈ったのでしょうか
マジックアワーに宵の明星が灯る
親子テントサイト(笑) から宵の明星
今夜も宇宙を感じることが出来ました
大台ケ原から月の出…右上は木星
5月5日
この時期、天の川の見頃は午前3時。しかし、今夜の月歳18、天の川との距離も近いため、観望は無理だと思いながらも一応アラームをセット。フライシートのファスナーを上げると、やはり見事な月夜でした(笑)
続いて、朝4時。テントサイトは出発準備で賑やかになってきました。本日、奈良県の日の出時刻は、5時3分。準備をしてテントを出たのが、娘とほぼ同時。バディはまだ起きておらず、いつもの場所へは2人で向かいました。相変わらず冷たい風は吹いていますが、日の出前の凛とした空気が寒さを忘れさせます。しばらくすると、バディがやって来て、無事親子3人で御来光を眺めることになりました(^^)
昨夜、月が出たところより北側から御来光。地平線近くは薄く雲がかかっていたため、昇ってくると言うより、朧げな太陽が次第に浮き出てくる感じでした。やがて勢いを増してくる紅の光は、見ている我々にも届き、同時に苔や木々を照らし始めます。修験道の修業場として開かれた大峯奥駈道。その時代から毎日繰り返される夜明け。立ち枯れのトウヒは時代の中でどう移り変わっていくのでしょう。アルプスでは感じることのない朝を、ここではいつも迎えます。
テントサイトに戻ると、すでに数組が出発をしていました。GWで賑やかだったテントサイトは、早くもいつもの静けさを取り戻しています。青と緑が織り成す世界を眺めながら朝食タイム。ここではのんびりとした時間を過ごすことを大切にしていますが、下山の時は訪れます。最後に弥山神社にお参りをし、安全祈願をしてから小屋を後にしました。
見事な五月晴れが広がる中、早くも登山者がやってきます。さすがGWですね。いったい何時に家を出ているのでしょうか。その後も、次から次へと登って来られ、待機時間が嵩んできますが、12時までに下山すればと余裕綽々です。鳥の囀りに姿を求め、枝を飛び移る姿に一喜一憂。また、昨日と打って変わって燦々と陽が降り注ぐ林床にはバイケイソウが一面に広がり、まさにグリーンロード。3人で会話を弾ませながら、自然と笑みがこぼれます。
奥駈出合で娘と別れ、我々は石楠花が待つ尾根道を下ります。昨日は薄曇りであったため、1日で新緑が進んだのではと思えるほど、谷を飾る新緑は眩しく思えました。
「近くて良い山」
そんな言葉がピッタリな今回の山行でした。
下山後は、暑い日にピッタリないつもの…(笑)
夜明け前 大普賢岳から大台ケ原
こんな御来光もあるんだ…
遠く法螺貝の音が 聞こえてきそうな夜明け
神々から 命の灯
大地を染める朝は 一期一会
五月晴れ そんな言葉が自然と浮かびます
賑やかっだテントサイトも このとおり
弥山の魅力(一部w)が詰まった1枚
稲村ヶ岳から大普賢岳を一望…秘密の場所から
同じく一望…一般ルートから…(笑)
下山前 母子で眺める大峯奥駈道
お気に入りのいつもの場所で 娘がパチリ
12月 霧氷に染まった尾根道…手前の尾根が下山路
この辺りが新緑に染まるのは あと少し先
奥駈道の縁を飾ります...ワチガイソウ
枝から枝へと忙しそうです...ヒガラ
見つめる先には 何があるのでしょう…ゴジュウカラ
「聖宝ノ宿跡」手前の大岩に…ミツバツツジ
唯一咲いているのを発見…ミヤマカタバミ
5月 奥駈道はグリーンロードになります
陽光をいっぱい受けて 青空に映えていました
ゆっくり歩いても 奥駈道…
巣作りの準備中です…ヒガラ
着物リメイクような 石楠花の蕾
緑の谷を過ぎれば 終わりも近い
新緑の谷に 石楠花が浮かび上がります
せせらぎの音が 尾根道の終了ベル
再び この道を歩く日まで…
大峰の新緑がもっとも美しいと思う 我が家です
地元に出来たお店で いつもの…(笑)
青きGW 静かなる東稜…横岳
4月29日 長野県横岳(奥ノ院)
初めて杣添尾根を訪ねたのが2年前の夏。2017年の初登りでは天候が回復せずに森林限界付近で撤退。そして夏、花を訪ねて再び稜線へ。初登りのリベンジで登ったX'mas山行はバディが途中撤退。今度こそはと登山口「海ノ口自然郷」へ向かいました。
GW2日目は昨日と同様、高気圧に覆われて登山日和の予報。この時期の2,500m超えは服装や装備に悩みます。特に、「観光地では夏日」と言った予報では、残雪期の稜線のイメージが薄れてしまいます。赤岳の予報は日中の最高気温8℃、風は北西4m、天気は晴れマークのみ。気温の感じ方は季節によって大きく変わるため、いつも気にするのは風速と向き。最高気温 8℃は関西では真冬の気温。しかし、この時期の8℃、無風、快晴は僕にとって快適気温のはず。よって、上はベースと半袖シャツ、下はベースと秋用パンツとし、靴はスカルパ トリオレ。ザックには、防寒対策としてフリースとソフトシェル、冬用グローブ、バラクラバに10本爪アイゼン等を持参しました。
登山口の駐車場は6時過ぎで5台。GWとは思えない閑散とした状態ですが、これは期待通りの結果です。林道から登山口に向かう途中で眺める杣添尾根上部から横岳の稜線。三叉峰直下は地面が露出しているのがはっきりと見えます。1週間ほど前に杣添尾根の山行レポを見た際、雪解けが進んでいるものの冬道を利用されていました。ただ、踏み抜きがひどい状態であったと書かれていたので、山友に教えていただいたワカンを持参しました。
2100mを超えたあたりから道に雪が出始め、やがて、一面の雪景色。当然、締っているはずもなく、肩幅から逸れると踏み抜いてしまう、ある意味「ナイフリッジ」状態です(笑)。それでも雪の上は歩きやすく、いつもより早く冬道分岐点に到着です。冬道に入り樹林帯を抜けると、遠く富士山を眺めながら、赤岳から硫黄岳へと続く稜線が青空を背に浮かび上がっていました。5度目となる杣添尾根。今日が一番の登山日和。最終目的地の横岳(奥ノ院)へ最後のS字尾根を登り詰めます。とは言え、結構ここから長く感じるのはいつものことであり、それも楽しいのが杣添尾根です。
途中、尾根ルートがブッシュに阻まれ、ダケカンバの山肌を巻きましたが、ここの通過が大変でした。最初は膝下ぐらいですが、やがて、太ももまで踏み抜いてしまい、しかも反対の足までも嵌まってしまう。つまり、腰から下が雪に埋もれてしまうこと度々…(^^; ワカンを付けておけば良かったと思うも、それは後の祭りでした。やっとの思いで尾根まで戻りましたが、「いやぁ~、参りました」の一言です。
雪ゾーンから夏道へ。そこから、最後の急登を踏ん張り、三叉峰に到着です。風もなく、暖かい陽射しに包まれた稜線は、これまでの杣添山行を振り返る余裕を生んでくれました。雲海を抜けた最初の山行や凍える寒さを感じた2017年新春。強風の稜線が夏山開きとなり、安曇野の山友と登ったX'mas山行。そして前回、バディと登った時のために残しておいた奥ノ院も、あと15分ほどで到着。1年8ケ月に渡った杣添尾根物語第一幕の完結です。
下山時、雪道と同時にワカンを装着。その効果は抜群で、安定した歩行を得る事ができ、来シーズン以降も活用したいと思います。冬道分岐点の手前で残りのパンを頬張りながら赤岳や杣添尾根を振り返ります。そして、前方に広がる山麓の高原ジオラマ。麓から見上げる尾根も良し、ここから眺める景色も良し。そして何より、静かな山行が楽しめる八ヶ岳東稜は我が家にとって大切な場所です。
「また、いつか登る日まで…」
冬道を後にする際に残してきた僕の言葉です。
下山後は、登山口近くのヒュッテでいつもの…(笑)
中央が杣添尾根…楽しみな朝
春紅葉に出迎えられ あの稜線を目指します
登山口は 春の息吹を感じます
八ケ岳の森は まだ雪道がつづきます
雌雄で巣作りの準備…ウソ(雌)
樹間に富士山が見える場所を 中間点と思いましょう
青のグラデーション…山から山へ
冬道の玄関口
稜線直下は夏道…それでも 雪の杣添尾根
今日は 奥ノ院まで 辿りつけそう
GW後半 テント泊予定だった鳳凰三山
赤岳東稜…このスカイラインは素晴らしい
バディ 昨冬の折り返し地点を通過
稜線を巻いて 登り返します
踏み抜き地獄から 解放…夏道が恋しい…(笑)
雪は無いけど…三叉峰
奥ノ院への稜線にて 杣添尾根を振り返る
2つの鉄梯子の間が 核心部でしょうか
横岳(奥ノ院)から残雪の南八ヶ岳…
硫黄岳への縦走路…右下の岩稜が核心部
感謝としばらくのお別れを告げます
登りから付ければ良かった…^^;
残雪のワカン…安定の歩行でした
新緑の季節がもうそこまで…カラマツ
花豆タルト…地元らしい いつもの…(笑)