Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

2019年 雪の上高地で幕開け…

1月5~6日 長野県上高地(明神)
2年前の冬、トレースを交換した人から聞いた宿。今冬こそはと思っていたところ、機会に恵まれて、仕事初めを済ませてからの出発。

1月5日
冬の上高地。釜トンネルから先は閉鎖され、冬山と同じ心構えで入山しなければなりません。その出発点、中の湯に長野県側から向かう手段は大きく3つ。沢渡第2駐車場からタクシー(要予約)、高山行の路線バス、中の湯温泉や坂巻温泉から送迎もしくは徒歩。
今回は時間的な余裕から「さわんど」8時55分発に乗車して「中の湯」に向かいます。
今日の予報は終日「雪」。今夜以降、明日の朝に期待して、沢渡を後にしました。
通行止めのゲート脇を通り、玄関口「釜トンネル」へ。この入口に立つと、一種独特の緊張感に包まれます。2年前は「上高地トンネル」が開通し、雪崩区間の回避と時間短縮が図れました。そして今回は、両トンネル内に照明が点くようになりました。以前は、真っ暗で急な(勾配 11%)トンネルを約1.3km歩き、出口の先にある真っ白な光景が段々と近付いた後、焼岳の山頂に出迎えてもらい「あぁ、冬の上高地へやってきた~」と感じる。あるアニメ映画のように、別世界へ続く真っ暗なトンネル歩きが僕は好きでした。
上高地トンネルを抜けても雪の止む気配はありません。ただ風はなく、気温も氷点下に届くかどうかの暖かさ(笑)で、全く気になりません。4回目となる冬の上高地。雪の降る日は初めてでしたが、今回の目的は宿を楽しむことであり、大正池や田代湿原、河童橋からの穂高連峰等、素晴らしい景色は二の次です。そのため、大正池ホテルから始まる遊歩道は利用せず、そのまま車道で河童橋へ向かいました。
前回、30kgのザックをソリで引っ張ったトレースのない車道は、見事に除雪され、夏道同様に歩けます。(但し、冬は日々状況が変化します)さすがにバスターミナルから先は除雪されていませんが、正月休みをこの山域で過ごした大勢の方のトレースが今も残っていました。
夏道と同じ時間で明神に到着。ここから先、徳沢方面にもしっかりとしたトレースが引かれており、同じ「雪の上高地」であっても、トレースの有無で全く別次元になります。後で宿の方に聞いた話ですが、河童橋から明神まで6時間もかかったことがあるそうです。
宿に着き、薪ストーブを囲みながら暖をとる間に、切り盛りされているご夫婦と話が弾みます。初対面なのに全くそれを感じさせないお二方の気遣いは、久しぶりに会う山友宅を訪れた印象です。
夕方、ランプに火が灯され、暖かみのある炎が揺れ動きます。窓に映る灯火は、異空間へ続く道標のように、暗闇へと消えていきます。電気も水道も、当然、ガスもない宿にて、自分達が出来る可能な限りのおもてなしをされるご夫婦に、共感せずにはおれません。決して、手の込んだ料理は提供出来ないと断りつつ、一品一品に心のこもった夕食は感謝と感動です。
夕食後も楽しい話は続き、途中から最小限の灯りで過ごした時間が深く刻み込まれました。やがて、降り続いた雪も止み、東の空には星が瞬き始め、いつものように星空撮影に出かけます。月のない夜にも関わらず、白く浮かび上がる明神岳梓川の音、森を抜ける風の匂いと冷たさ、猿の鳴き声…上高地の夜を五感と共に過ごします。宿に戻ると、まだランプの灯りが窓から漏れ、ぼんやりとご夫婦の姿が映し出されます。唯一瞬くこの灯りは、お二人の愛情の灯火ではないでしょうか。

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この玄関口に立てる喜び…釜トンネル
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上高地ワールドまで あともう少し…
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冬の上高地…ここから大正池までがアプローチ
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雪降る日も美しい…大正池
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バスではわかならい 高木の道
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時折 雪が踊るなか バスターミナルでランチ
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霞んだ岳沢も 冬の一枚
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冬空に突如現れる ブルーアイ
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この静寂が素晴らしい...河童橋
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冬の紅葉 ケショウヤナギは 艶っぽい
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今年は ハイウェイ気分の トレースです
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前回は気付きませんでした 明神岳氷瀑
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ここでは 冬の紅白を楽しめます
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陽が射せば 自然と足が 止まります
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地吹雪…これも 冬の風物詩
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こんな日は 青空よりも表情が豊かになります
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この橋を渡るのは 11年振り
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昼間も 輝いて見えました
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幸せをもらいました
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やっと 冬に来れました…明神池
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この炎は 追憶の灯り
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LEDに この雰囲気は出せないでしょう…
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星に照らされた白き峰…明神岳
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冬空の代名詞…オリオン座とシリウス
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この灯りは 今の我々と同期している

1月6日
蝶ヶ岳方面の空が、薄桃色の刷毛で刷いたような空になってきた頃、天に突き刺す白い岩峰は静かにその時を待っていました。やがて、薄化粧を始めた頂は、刻一刻と表情を変化させ、昨晩のランプの炎にも負けないオレンジ色に染まります。
吊り橋から初めて明神岳を見上げたのは高2の夏。槍、穂高のように一般ルートを持たないこの頂は、正に崇拝の対象でした。あれから40年以上が経過しましたが、未だ、その気持ちに変化はありません。こうして山を続けてきた現在を、僕は幸せに思います。
当たり前が当たり前でない冬の上高地。理解出来そうで理解していない冬の上高地
朝食はここでついた餅を使ったお雑煮。今年は新年早々、八ヶ岳山麓に居たため、食べる機会を逸していたお雑煮。丁寧に出汁をとり、餅が焼き上がった最高の状態で私達に提供をされているんだと昨夜の会話から想像できます。これからすまし汁のお雑煮を見ると、ご夫婦の笑顔が思い浮かぶかもしれません。…ちなみに、僕が作るお雑煮は、白味噌です。
朝の散歩に出かけると、宿の周囲では猿たちが朝食中でした。厳しい自然環境の中でもその数は増える猿たち。笹の葉を頬張る猿やじっと何かを見つめて物思う猿も居ます。
「猿たちも大変なんだよねぇ…」ここでも昨夜の会話が思い出されます。
朝、雲ひとつなかった空は次第に白々とし始め、薄曇りの様子を見せてきます。今朝は部分日食であったため、撮影できるかなと思いましたが、残念ながら目視だけに留まりました。
散歩から戻ると、予定の出発時刻を1時間超えています。本当に名残り惜しい世界でしたが、去らねば次はありません。ニリンソウが咲く頃、併設するカフェでの再会を約束し、今日で一旦宿を離れるため、慌ただしくされているご夫婦にお願いし、明神岳を背に記念撮影。そして、最後にお二人並んで見送ってくださる姿を写真に納めました。別れ際、奥様が掛けた「行ってらっしゃい」の言葉。以前、訪ねた「魂の宿る小屋」とオーバーラップします。
河童橋まで戻り、昨日は姿を隠していた上高地の風景と再会。今は通過点となってしまいましたが、僕にとって上高地は「山の聖地」です。その上高地も時代の変化と共に変わってきましたし、今後も変わっていくでしょう。でも、僕が生きている間は、ここから見る景色は同じであってもらいたいと願います。
大正池を過ぎて吊尾根が見えなくなる上り坂。そして、帰りは見送ってくれる釜トンネル入口の焼岳。コツンコツンと乾いた靴音をトンネル内に響かせながら、元の世界へ戻る2人です。
下山後は、一夜明けてからのいつもの…(笑)

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明神岳が いつも見守る 宿の鼓動
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期待が高まる 夜明け前
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岩峰に朝が 近付いていきます
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おはようございます
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何度見ても 冬の朝は 一期一会
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孤高の名峰…明神岳
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美しさと厳しさは 表裏一体
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次第に 朝が広がっていきました
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昨夜のランプを彷彿させます
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空は 足元にも 広がります
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水面を 朝が 通り過ぎていきました
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池の森越しに…明神岳
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この一杯に賭ける 御夫婦の心
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朝食が あるとき…
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朝食が ないとき…
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晴れれば それはそれで 美しい
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この景色は 初めてかも…霞沢岳
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この足跡が 一番のお気に入り
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トレースが残せなかったので 代わりに…^^;
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昨日はお世話になりました…しばし 御役目御免
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冬の花火にも見える ケショウヤナギたち
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今日も口ずさむのは 「穂高よ さらば♪」(^^)
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次は 車窓から再会です
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翌日 安曇野から見る 常念岳と横通岳
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寒い日を ほっこりさせるのは いつもの…(笑)

今年もやっぱり「おらが山」で登り納め…尼ヶ岳

12月30日 三重県尼ヶ岳
近所の山で登り納めをするのが恒例。去年に続き今年も「おらが山」。今年は冬型気圧配置に伴う年末寒波がやってきて、近いだけに躊躇することもあるのが「おらが山」。でもやっぱり行こうと出発当日に準備開始…。

自宅から駅に向かう坂道。そこから「おらが山」、通称「伊賀富士」と呼ばれる尼ヶ岳の山頂部分を見ることが出来ます。町は青空でも山域は山天気のため、いつもこの坂道で天候を判断しています。今日は頂きに雲はかかっておらず大丈夫そう…でも、低く重なる濃い雲は風が予想され、寒い山行となりそうです。
今年も一眼レフと共に、山行を切り取ります。そのうち、おらが山で写真集が出来るかも…(笑) 靴は通常用とロング用の2種類を準備し、駐車場の状況で判断しました。麓の山林に雪はなく、ロング用に決定。ただし、念のためにチェーンスパイクは持って行きます。
登山道は千数百段にも及ぶ階段ルートと富士見峠ルートの大きく2種類。いつものように階段~峠の周回ルートをとります。階段ルートは大きく2つにわかれ、前半は林道も含め、なだらかなルート。後半は、階段に気を取られ、気付けば登頂となります。全体を通して植林地を歩くため風の影響を受けませんが、底冷えのする寒さであり、上空を吹く風の音は山頂の状況を容易に感じることができます。ただ僕は、この風の音が大好きで、冬山を感じる大切な音だと思っています。
階段が始まると一気に高度を上げ、針葉樹から広葉樹へと植生も変化します。第4階段上部の道脇に2本、まるで、ゲートのように立つ木を過ぎると、冬枯れの広葉樹となり、うっすらと積った雪が更に林を照らします。最終階段を前に登頂準備。アウターやバラクラバ等、低山とは言え、風対策を怠りません。そして、いつもは天使が見える(笑)最終階段、今日は、氷の精が出迎えてくれました。
先ほどまで見えていた下界はいつの間にかミルキーウェイに隠され、まるで周囲から取り残されたような山頂でした。激しく雲が動いていたので待っていると、次第に展望が戻り、陽射しを受けて浮かび上がる我が町が見えてきました。東には伊勢湾に浮かぶ一艘の船影。いつも思いますが、山頂から遠く望む普段は見えない景色。古の人々はこの景色を見て、何を思い何を感じたことでしょう。
さて、視界もすっきりしたことで、これにて登頂ミッション完了。
まだ生まれたばかりの霧氷トンネルを抜けたところで一休み。別に休憩は無用ですが、この時間も大切にしたいのが自分スタイルです。
今年も撤退から始まった2018年の山行。初めての雲竜渓谷、荒島岳の真っ白なスカイライン、杣添物語の完結、紅葉の白駒池幕営、ダイトレ完走等々…。今年も素敵な一期一会がありました。ただ、年齢と共に自分を取り巻く環境の変化で山行回数は目標の2/3に減りましたが、来年も引き続き安全登山で、少しでも長く山を続けていければと思います。
下山後は、これも恒例になったバディと自宅でいつもの…(笑)


今年も納めのブログはこの橋から…

霜柱を踏む音は 本格的な冬山へのイントロ

今年も来たなぁと思える…第1階段

振り返って…第2階段

この山から 六甲全縦やダイトレが生まれました…第3階段

何故だろう 何かほっとする…第4階段

木々の向こうには 静かなカケス(トリミング処理)

今冬初の雪道

山頂までの距離が階段の長さ…第5階段

霧氷はこんな日に訪ねた者へのプレゼント

霧氷のお陰で いつもより楽に感じました

この景色 ドアツードアで2時間以内

今日も貸切 おらが山

天気の変化は アルプス級…(笑)

今年最後の山ポーズ

町を望めるのが この山の良さだと思う

我が家は 陽射したっぷりのようです

富士見峠ルートで下山…ここも良い感じです

「ワクワクするぞ~」…そんな言葉が浮かびます

止まることで わかることもあります

今日の核心部(笑)

今年も氷の造形に 出会えました

これにて 2018年も無事登り納め

自宅周辺から眺める 「おらが山」

山と一期一会の数だけ いつもの…(笑)

今年のイブは観光山行…大室山

12月24日 静岡県大室山
天候が安定しない3連休。テント泊山行から伊豆半島一周へ変更。食べ歩きのカロリー消費に軽~く山と関わりました。

伊豆半島東海岸伊東市にある大室山は、標高580mの火山です。火山噴出物(スコリア)が火口の周囲に円錐台の丘を形成し、日本を代表するスコリア丘として国の天然記念物に指定されています。
現在、山頂に続く登山道はなく、「大室山登山リフト」を利用して約5分で火口縁に到着し、そこから、整備された遊歩道のお鉢巡りが出来ます。
独立峰であることから、周囲の展望は言うまでもなく、相模灘越しに三浦半島から房総半島や伊豆大島等の伊豆諸島を眺めることが出来ました。あいにく、富士山は僅かに裾野が確認できた程度ですが、快晴であればさらにテンションは上がることでしょう。
ゆっくり歩いても1周30分程度。この日は冷たい風が吹いていましたが、山服を着ていたため、防寒(風)対策はバッチリでした。
下山後は伊東市内でいつもの…写真はありません(笑)

今年も残すところ、あと3日。明日はいつもの山で登り納めとしましょうか?

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道の駅「伊東マリンタウン」から「大室山」
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山頂まで一直線
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午前9時…運転開始です
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植生保護のため 今はリフト山行です
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視界に広がる相模灘…左奥は小室山
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伊東市方面…伊豆半島の海岸線が判ります
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溶岩流で形成された伊豆高原が広がります
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毎年2月に山焼きが行われるそうです
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時計周りが多かった「お鉢巡り」
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右に「横浜ランドマークタワー」…左に「東京スカイツリー」
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「大室山」から道の駅「伊東マリンタウン」
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リフト駅を振り返ります
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風が無ければ 寝転びたくなる景色です
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遠く水平線に 伊豆諸島の島影
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今年は何回目だろう…
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剱岳と同じ「三等三角点」
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朝陽が照らす伊豆の海…島影は「利島」
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地球の活動を知る 伊豆大島
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海に浮かぶは 雲と雲間の逆さ鏡
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気持ちが軽くなるような 遊歩道でした
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次回は 青い海と伊豆諸島を 眺めてみたい
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伊豆高原伊豆大島…伊豆は火山と共生です
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何気ない景色の中に 歴史がありました
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伊東の人気店…コスパ最高 満足感も最高
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来年の干支菓子を 自宅にて…

道は想いへと繋がる…ダイトレ南部

12月8日 ダイヤモンドトレール(伏見峠~槇尾山
今年5月、北部を縦走したダイヤモンドトレール、通称「ダイトレ」。時間的制約が付き、ルートの難易度が上がる南部縦走に向け、約1ヶ月前から準備を始め、予定通りに完歩出来ると確信したものの、不安は拭えないまま、前回とは異なる交通手段で登山口へ向かいました。

1970年大阪府が整備した全長45kmに及ぶ自然歩道は、毎年大会が行われるなど、大勢の方に愛されているルートです。特に、万葉の「二上山」、ツツジの「大和葛城山」、関西の高尾山と言われる「金剛山」、歴史の「千早峠」、展望と茅の「岩湧山」はその代表でしょう。そして、今回目指すダイトレの終起点「槇尾山」は西国三十三所第四番札所「施福寺」であり、その参道の厳しさから「難関札所」と呼ばれています。
今回の行程は、下山口の「槇尾山バス停」を17時35分に出発するシャトルバスに乗車しないと+1時間(6km)の夜間歩行が待っています。そのため、35~40kmを9時間30分以内で歩かなければならず、思案していたところ、登山口の最寄り駅近くにバス停の存在を知り、20分ほど早く到着できることが判明。これで完歩に向け大きく前進するとともに精神的に楽になりました。
ダイトレ北部の稜線を眺めながら、バス停「住川」で下車。ひとまず、前回のダイトレ出発地点「伏見峠」(南)を目指します。今日は冬型が強まり、寒い一日になりそうですが、山行としては向いています。
前回は右へ歩いたダイトレ。今回は左へ進路をとり、もうひとつの起点を目指します。ここから本当の山行が始まりました。
最初のポイントは「久留野峠」。ダイトレには石板が17ヶ所設置されており、今回は8ヶ所。そして、そのひとつめがここです。この後は、いくつもの峠を越えて(峠が鞍部の場合も多し…)、それに伴う階段とお付き合いです。ダイトレとは、ダイヤモンドトレールの略ですが、「大腿筋トレーニング」の略でもあると僕は思います。ルート沿いは人工林や広葉樹が広がり、落ち葉の絨毯は段差や小石が見えづらく、注意が必要でした。また、展望のないコースですが、石板を始め、チェックポイント的に案内表示や階段(笑)等があるため、飽きる事なく歩けます。
大阪と和歌山の県境にある「紀見峠」。ここを12時30分までに通過できなければ、下山する予定でしたが、出発の20分繰り上げが功を奏し、12時10分に出発。後半戦、岩湧山登頂へ向けて気持ちを入れ直します。登ったり下ったりの連続で一向に姿を現さない岩湧山。しかし、天使が見えた階段(笑)を終えると、金色に輝く頂への道。このルートで初めて視界が広がり、登るにつれ出発地点であった金剛山(伏見峠)やダイトレ北部への稜線が遠くに見えます。そして何よりも、河内平野の一望と大阪湾の向こうに見える「六甲全山縦走路」。ふたつのロングトレイルを一望できる岩湧山に感銘を受けました。
ここから滝畑まで標高差600m、約4kmを一気に駆け下ります。終盤の登りに向け時間を稼ぎたく、予定より10分早い40分で下山。これで、完歩とヘッデン無用も見えてきました。
滝畑からダイトレ終起点「槇尾山」まで2回の登り返し。後は、転倒しないよう確実な歩行に努めます。これまでは左右に矢印のあった石板は「← 滝畑 3.3km」の左向きだけ。5月と合わせて、ダイトレ完歩の瞬間でした。
30数年振りに訪ねた「施福寺」。当時を思い返し、今を想う。人の気配がない境内で金剛山から岩湧山へと続く今日の行程を眺めると、ちょっとだけ感傷的になります(笑)
さて、ここから下山口のバス停「槇尾山」まで標高差200m、1kmの階段が待っています。参道で遭難しないよう、本日一番の慎重で下りました ^^; 
下山後は帰宅まで2時間半を要するため、いつものは次回へ…(笑)

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ダイトレに合流するまでが 核心部…(笑)
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石板にするだけで 重みが違う気がします
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これぞ ダイヤモンド・トレール
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本日のダイトレルート前半…上に曲がった所が伏見峠
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先月 テント泊した山も 見守ってくれています
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ここの下に 金剛トンネルが通っています
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葛城修験は大峰と並ぶそうです…役行者をお祀りしています
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道を振り返ります…下りで良かった…
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紀見峠…ここから後半戦の始まり
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台風被害はここにも…足上げが辛い ^^;
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落ち葉の絨毯で ひと休み
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この階段の終りに 天使が居ました(笑)
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金色の野原…一瞬の陽射しは 心の表れです
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ダイヤモンドトレールが一望…一番高いのが金剛山
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大阪湾越しに 六甲山
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大阪平野を一望…疲れを忘れた時間でした
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ふるさと文化財の森 「茅の森」
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「ありがとう」 そんな気持ちを込めて…
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1時間ほど前は あの金色の頂に
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行先に ゴールが書かれると 元気が出ます
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南の起点は初対面ですが 7ケ月振りの再会…
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ここで始まり ここで終わります
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施福寺境内から今日の稜線…金剛山岩湧山
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転倒は 遭難救助要請に繋がります
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今日の山行を 数値化してみました

関西の冬「霧氷のテントライフ」…弥山

11月23~24日 奈良県弥山
西高東低の冬型気圧配置により、関西の山は一気に冬山へ。当初予定していた山を変更し、翌日の快晴に期待して世界遺産の登山口に向かいました。

11月23日
登山口の行者還TN西口へ通じる国道309号線。冬季は通行止めとなり、報道資料では12月10日からとなっていましたが、169号線との分岐では、11月26日から通行止めになるお知らせが出ていました(走行中のため、不確かです)。通行止め以降この辺りは、深い雪に閉ざされ、春の芽吹きまで静かな眠りの世界に入ります。その限られた期間に訪れる快晴と霧氷。昨年に続き、そのワンチャンスを明日に控え、この冬一番の冷たい風が吹く中、いつもの道を歩くことから山行が始まります。
大峯奥駈道出合に続く急登の尾根道。いつもなら長袖シャツのみで十分なのに、今日はフリースを脱げません。初冬の八ヶ岳並の冷え込みです。前回登った竜ヶ岳から5日。山は完全に冬山になりました。
登山口から見えた霧氷稜線が次第に近付き始め、笹原が出てくると「出合」に到着。予報通り、風は一向に衰えることなく、倒木の大きな根を風除けにして小休止。本格的なテント泊山行はGW以来で、行く先は、奇しくも今日と同じ「弥山」。新緑のバイケイソウが眩しかった奥駈道も今日は水墨画の世界。頭上を一面に覆う霧氷は真っ白と言うより薄墨の印象です。
稜線歩きから直登へ切り替わる「聖宝宿跡」にて、バディはチェーンスパイクを装着。軽アイゼンと違い、さほど装着の違和感もなく、着脱も容易なチェーンスパイクはこの時季の雪山にピッタリなアイテムです。引き続き頭上を飾る霧氷や少し傾いた木製階段、そして、寒さに耐え忍んでるかのような苔たち。気が付けば、第1展望台と僕が呼ぶ視界の開けた場所に到着。とは言え、今日は何も見えません。霧氷が形を無くして、そのまま繋がっているかのような光景です。続いて道を折り返せば、第2展望台。大普賢岳へと続く稜線の展望は明日の楽しみとしましょう。小屋の三角屋根が見える最後の階段は、いつもほっとさせられる場所。そして、小屋へ続く小道で待っていたのは、ただ今、成長中のモンスター達でした。
そんな木々の間がワンダーランドへ通じる道。通り抜けると現れる「国見八方覗」のテント場。苔と針葉樹が織り成す緑の庭園は、風さえも凍るような寒々しく、そして、美しいものでした。
幕営後、荷物を整理すれば本日の予定は完了。「勤労感謝の日」と言うことで、FMから流れる音楽は「ワークソング特集」。昭和から平成の様々なジャンルの曲と上空を流れる風やフライシートを叩く雪の音。貸切のテントサイト(小屋前に2張、冬期小屋は不明)は、静かでまったりとした時間が流れる、霧氷のテントライフです。
日付が変わる頃、空を見上げれば、満月と激しく流れる薄雲。一瞬、躊躇した後、カメラを携えて氷点下の世界へ。月明かりに浮かび上がる水墨画の景色。昼間に見えた世界とは異なる幽玄の世界。今宵、神々の眠る峰は「宇宙」ではなく、「黄泉」の世界に入りました。

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今年も白きあの稜線へ
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稜線の景色は 出合へのタイムテーブル
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鈴の声音…カヤクグリ
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関西冬山の開幕
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モノトーンの世界に ザックが映えます
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描きたい…でも 描けない…(笑)
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明日はどうなる この霧氷たち
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登ることが楽しくなる 景色です
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まさに 満開の「霧桜」
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弥山と言えば この階段
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今日はこの天気を認める余裕があります
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いつも ワクワク ドキドキ の入り口
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色のある世界は 我々2人だけ…
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今日は このまま貸切でした
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冬のテント泊は これですね…〆はラーメンです
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薄曇りの 月明かり…
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快晴の 月明かり…
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月夜のモンスターは 静寂です
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月光の白波が 稜線に打ち寄せます
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ぼっちで 月夜のお散歩
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最近は眺めるだけの近畿最高峰…八経ヶ岳 1915m
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夜空に溶け込みそうな マイハウス
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オリオン座…冬の星座の代名詞
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このまま朝まで 迎えたい気分でした
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凍れる音楽が 山上に響きます

11月24日
朝5時。西に傾いた満月は長い影をテントサイトに映します。日の出は6時38分。まだまだ星が瞬いています。冬の星座「オリオン座」が月を追うように傾き始め、東には宵の明星の如く木星が瞬いていました。深夜、上空を覆っていた薄雲は取れ、ここは「宇宙」となりました。突端の岩場から、白く浮かび上がる大峯奥駈道の稜線と特徴ある大普賢岳の稜線。陰と陽。白と黒。古から修験者を初め大勢の人が行き交う大峯奥駈道は、幾歳月にも微動だにしない、真の力強さを発しているようです。
昨日、お詣りしなかった弥山神社(天河神社奥宮)に参詣し、安全登山を祈願します。秘密の場所(笑)を覗いてみると、奈良・大阪方面の夜景が望めました。夜景と言えば、東には線上に点滅する輝き。きっと、青山高原の風車群だと思います。するとその横の灯りは地元かな? 西にも少し夜景が望めます。和歌山方面の灯りでしょう。そうしている間に、東の空が明るくなってきました。春、大台ヶ原山の左側から上る太陽は、この時季、山を通り過ごし、随分と北側から上ってくる気配です。
紅く染まった峰々と空の狭間が広がり始める中、テントに一旦戻り、御来光を待ちます。その時、ちょっと気になる山を見つけましたが、まさかと言った感じです。そして、テントを出て最初に発したバディの言葉に、「まさか」が「やっぱり」に変わりました。
それは、左右対称の綺麗な裾野を持つ頂上が平らな山。「富士山」です。北アルプス等では、いつも見る方向のため、どこから見てもすぐに判別できます。しかしあまりにもはっきりと、また、近くに見えたため、確信は持てませんでした。その左側には、南アルプスや中央アルプスと思える稜線、そして先日見た御嶽山乗鞍岳。望遠レンズで覗くと吊尾根から槍ヶ岳まで確認することが出来ました。ホーム鈴鹿御在所岳には富士見岩があるように、早朝見える時があり、SNSで紹介されています。今回、空気の澄む冬の朝を迎え、北アルプスは見えると思っていましたが、まさかまさかの富士山でした。何とも言えない感動です。(帰宅後、直線距離を調べると、富士山・槍ヶ岳共に約290㎞。ちなみに、白馬岳から富士山は約200㎞)
陽が高くなるにつれ、早くもその姿は薄らとなってきますが、一度、確認できた方角は財産です。本当に貴重な時間を過ごさせてもらいました。
昨日と打って変わって真っ青な空。陽を浴びた霧氷は音を立てて落ちていきます。早くも日帰り登山者の声が聞こえ始め、道中素晴らしい霧氷と出逢えたことでしょう。我々も早く下山をすれば、いい環境で見ることはできますが、自然体で時間を過ごすのがここでのテントライフ。最後に一夜のお礼を告げ、小屋前を出発した時には、9時半を過ぎていました。
下りは僕もチェーンスパイクを付けました。「後悔先に立たず」。この楽しい思い出を辛いものにはしたくありません。
昨日、見ることの出来なかった展望。特に、朝陽を受けてオレンジ色に光る熊野灘が印象的で、この時季にテント泊をしたからこその景色でした。また、この時間帯になると頭上を飾る霧氷は、頭の上に落ちてきたり、首筋から背中に侵入したりと凶器です(笑)
稜線歩きも終盤に差し掛かった頃、「どうも どうも」と前方から話しかけられるような声。顔を上げて見ると、富士山に最も多く登っている関西人と言われる登山ガイドの方でした。この方とは初めてお会いした夕暮の撮影から、いつもここ「弥山」。今日もお仕事中のようで、お二方を連れて歩かれていましたが、5分ほど立ち話をさせていただきました。
いい山との出会い。そして、そこに繋がる人との出会い。あらためて感じる出来事です。
下山後は、「和心」でいつもの…(笑)

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長く伸びた月影は 夜明けを告げる影時計
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浮かぶ奥駈道
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大阪・奈良方面の灯り
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夜明け前に 秘密の場所へ…
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今日の富士山は いつもと違う…300㎜の望遠にて(トリミング無)
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神々の峰を 遠く霊峰が見守る
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夜明け前の 静かな時間
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熊野灘から御来光
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また新しい1日が始まりました
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菅原道長が「望月の月」を詠んでから 千年目の満月
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霧氷のモルゲンロート
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奥駈道にも 新しい1日が始まりました
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南に続く奥駈道は 熊野へと…
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少し早い ホワイトクリスマス
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今の気分を 影で表してみました
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気分上々 テントも上々 ^^;
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海があってこそ この山域があると思います
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歩くも好し 上から見るも好し
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再びこの地に立つまで しばしのお別れ
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奥駈道の本陣 山上ヶ岳へ続く峰
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昨日も良いが 今日も良い
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大峯北部のスター…稲村ヶ岳と大日山
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冬の熊野灘は オレンジ色が濃かったです
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この道は 始まりと終わりの接点です
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古の里で盛り合わせのいつもの…(笑)

ホームで晩秋の遠足…竜ヶ岳

11月18日 三重県竜ヶ岳
蛭休みの終わったホーム鈴鹿。どこに行こうかと迷った先は、今年の初登りで撤退した女王様でした。

春、シロヤシオの咲く頃、笹原に群れる白い羊たちは、秋になると赤いジャケットを羽織、冬は真っ白なコートに身を包みます。そんな光景が楽しめる竜ヶ岳。冬は絶好のスノーシューハイクが出来るルートが近年利用する「遠足尾根」ルート。以前は破線すらないルートも、今や周回ルートの一部として確立しています。
稜線の紅葉はすでに終わりを告げ、今は中腹が見頃。山行日和の日曜日。麓の駐車場は賑わっていました。
林道歩きが急登に備えての準備運動。そして、息を上げずに登るのが、後半に向けての技でしょうか。急登の中間地点は、岩を積み上げたような小さなピーク。まだまだ遠い竜ヶ岳の山頂が見える、このルート最初のポイントです。杉林の急登を終えると、広葉樹の明るい稜線になります。すでに葉を落とした木もあれば、見頃を迎えた木もあり、薄暗かったこれまでの道と対称的な世界が出迎える、2番目のポイント。
冬枯れの尾根道。サクッ サクッ と聞こえてくる落ち葉道は、やがて、キュ キュ という雪を踏む音へ変わっていくことでしょう。
遠足尾根に合流し、樹間にピークが見え隠れし始めると、第3のポイントまであとわずか。伊勢湾の海岸線から鈴鹿南部の峰々へと続く先に、優雅で堂々とした山容が控えています。
今日のように晴れている時は、尚更、素晴らしい一瞬です。「ある意味、ここで帰っても良い」と思わせます(笑)
ただし、山頂への道のりはまだ遠く、ここがルート上の中間地点。それでも視界を遮るものがない稜線歩きは、まさに「遠足気分♪」です。時折、通過するアセビやシロヤシオの林に苔の小道。そんな変化を与えてくれるこのルートは、訪れる季節によって楽しみ方が変わります。
現在は廃道となったホタガ谷ルートを俯瞰し、金山尾根ルートに続いて静ヶ岳の分岐を過ぎれば、あとは山頂直下の登りを残すのみ。第1ポイントで遠くに見えたピークが今や視界一杯に広がります。意外にも登山者の姿をあまり見かけることなくここまで来ましたが、山頂には数名の姿が見えました。
この辺りから急に風が強まることもありますが、今日は無風のまま登頂。遠足尾根を振り返ってみれば、丁度、毛を刈り取られた直後のような、寒々しい羊の群れでした (^^)
こちらに向かう大勢の登山者の姿に、これからの山頂の様子が想像でき、いつものように稜線が望める場所で昼食を取るべく、山頂をあとにしました。
竜ヶ岳。1,099mでありながら、懐の深さを感じさせ、鈴鹿の女王と僕が呼ぶ山。そして、何度訪ねても素晴らしい山。
次は今日のような青空を背景に、真っ白な貴女に会いたいと思う…。
下山後は、鈴鹿の人気店でいつもの…(笑)

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今日は歓迎していただきました
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山麓の紅葉と言えば これですよね
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今日も伊勢湾は 朝陽に輝いています
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第1ポイントから 遠足尾根と竜ヶ岳
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明るい世界の始まりです
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頭上から 紅葉のシャワーが 降り注ぎます
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晩秋の谷間に 11月を感じます
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さて 遠足の始まり はじまり…
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鈴鹿らしい景色を楽しむ 稜線歩き
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乗鞍岳(左)と御嶽山(右側)
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このルートを開いた方に 感謝の気持ちで一杯です
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遠足尾根 第1急登…滑りやすいのが難点です
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鈴鹿北部の名峰…御池岳~天狗岩~藤原岳
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第1急登から 遠足尾根を振り返ります
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個人的には 遠足尾根ピストンが お薦め
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この広い世界に 立つ喜び
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鈴鹿南部の名峰を従えて…竜ヶ岳
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この稜線ほど 青空が似合うものはありません
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残すは 直下の一本道
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山雑誌の表紙を飾るのも 頷けます
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子羊が 増えたような 気がします…(笑)
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さぁ 帰ろう…
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足元には 晩秋のグラデーション
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頭上でも 晩秋のグラデーション
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真っ白な女王様と再会を願った いつもの…(笑)

冬が来るまえに…滋賀県御殿山

11月3日 滋賀県御殿山
冬山山行を前に、9月近畿地方を襲った台風21号の被害状況を確認する目的で、久しぶりに雪のない登山口に向かいました。

最近の山行記録を拝見すると、倒木の被害があるものの整備され、山行には影響がないとのことですが、雪山山行となるため、やはり自分の目で確かめておきたいものです。また、稜線の紅葉は終わり、中腹辺りが見頃を迎えている情報でしたが、あまり、気にせずに登山口へ向かいました。
到着が8時30分と遅いとは言え、駐車場はすでに50台程の車。人気の山であり、紅葉シーズンで山行日和とあっては当然かと思います。そして、出発直前に到着した路線バスは何と1台増便されて2台。一気に登山者の列がバス停前のトイレに出来、これには驚きました(笑)
登山道に入ると、すぐに倒木の被害が目に入ってきます。道を塞ぐ大木があちらこちらに確認できました。それらを跨いだり、迂回したりしながら、最初の急斜面を登り続けます。これまで多くの倒木被害を見てきましたが、地面から根こそぎ倒れるケースが多く、太い幹が折れてしまう被害が散見する今回は、台風の風がどれほど凄かったのかを物語っています。
坊村から歩き始めた今回。当初の予定では、比良山地主峰「武奈ヶ岳」を目指していました。ところが、登山口で大勢の登山者を見かけたことで、ピークと下山時の渋滞が予測され、当初の目的である倒木被害も確認できたことで、目的地を手前のピーク「御殿山」に変更しました。
夏道(谷ルート)と冬道(尾根ルート)の分岐点。紅葉が見頃を迎えた夏道へ進みます。次第に登山道を取り巻く木々は錦の織物へと移り変わり、足を止めて、見上げる回数が増えてきました。大勢見かけた登山者はまだ登ってくる様子がなく、平日のように静かな山行を続けながら、思いもよらぬ紅葉の谷へ道は入っていきます。歩きながら「このルートの印象がないなぁ」と思い、帰宅して調べてみると、2013年4月に下山利用しているだけで、登りの利用は初めてでした。何度か訪ねている主峰も、坊村からは冬が多いため、この素晴らしいルートを置き去りにしていました。
陽が射せば、黄色く染まる谷間の道。もうしばらくは楽しめそうです。
冬道に合流すると、冬枯れの明るい稜線になります。冬、ここは素晴らしい霧氷ロードとなり、大好きな西南稜を望める「御殿山」へのプロムナードです。
しばらくすると人の声が聞こえ、木々の間からは武奈ヶ岳へと続く西南稜も見え始めます。やがて、南比良と琵琶湖、そして、美しい弧を描く稜線が望める1067ピーク、御殿山に到着です。
下山途中、何組かの団体とすれ違ったものの、偶然にも紅葉の谷道は貸し切り。ピークを変更した判断が正解だったと思いながら、いつもの場所へ…(笑)

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登山口から見上げる 比良の秋
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そんなにハードルは高くありません
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風の力は 恐ろしいものです
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目に飛び込んでくる 色彩美
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いつも 鉄道の行先板を連想させます
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アセビの緑が 紅葉に映えます
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空を覆う 紅のグラデーション
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秋晴れの 谷間の途は 印象派
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夏道のメインストリートでしょう…
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日本庭園「比良亭」
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見上げては 奥行を感じる木々
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秋に染まる道は 日本の原風景
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秋の木洩れ日は 暖かい
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谷間の道と対照的な冬枯れ道…
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この稜線を見られれば OKなんです(笑)
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次は あの人達と同じ道を歩こう…
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名残紅葉が 西南稜を飾ります
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陽が陰ると また違う美しさがあります
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夏道 紅葉劇場は 来週末が千秋楽?
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間伐したかのような 明るい谷道でした
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近くの秋 遠くの秋…これぞ 山の秋
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台風の影響で 普段お目にかからないものとご対面
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台風通過時 この森はどんな音を発していたのでしょう
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山麓の秋も 始まっていました
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ちょっと控えめな いつもの…(笑)