Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

2人で初登頂…展望の山は 春近し

3月24日 大阪府岩湧山
2人が生まれ育った大阪。この地の山とは縁がなく、初めて2人で登頂すべく、奈良、和歌山を経て、登山口に向かいました。

昨年12月、ダイヤモンドトレール南部を縦走した際に通過した岩湧山。ルート上、唯一と言ってもよい展望の山で、標高898mから眺める景色は、山行の疲れを忘れさせ、今でもダイトレの思い出と共にあります。
登山口はダイトレ上の東西、紀見峠と滝畑。そして、今回利用するのは、岩湧の森を起点とする「岩湧七ツ道」と呼ばれるルートが整備された河内長野市側から入山。
七ツ道は、ルートの特徴から「すぎこだち」「きゅうざか」「いわわき」「いにしえ」「ぎょうじゃ」「みはらし」「おちば」とあり、今回は、「いにしえ」「きゅうざか」「ダイトレ」「いわわき」「みはらし」の周回コースとしました。
今回の核心部となったのは、駐車場までのアクセス(笑)。登山道のような車道に対向が困難な道幅が続きます。そして、第6まで整備された駐車場の内、下山口に近い第2駐車場から出発です。すぐに車道から離れて「いにしえの道」へ。沢の向こうには「ぎょうじゃの道」が見えています。今日は寒の戻りで冷え込んでいますが、地表ではシダ類の新芽が重い頭を上げるかの如く、今まさに起きようとしています。また、木々の枝にも新芽が綻び始め、春の足音が大きくなってきたことがわかります。
岩湧寺に参拝した後、「きゅうざかの道」へ。その名のとおり、平坦な箇所が少なく、段差のある階段が続く山頂への最短ルート。期待していた道端に咲く早春の花との出逢いはなく、逆に僅かばかりの降雪の名残が冬の終焉を告げていました。
稜線への最後の階段を登り、見覚えのあるベンチと標識。ダイトレルート、東峰に到着です。ここから道は少し下りとなり、視界が開放されると金色の野に敷かれた一本の階段。山頂に向かって最後の登りが始まります。一歩一歩登るにつれて広がる景色。朝、登山口に向かう車窓から見えた金剛・葛城の稜線は雲に隠れていましたが、前回と同様、ダイトレの全ルートが一望です。関西国際空港から続く大阪ベイエリアとダイトレルートに囲まれた大阪平野。遠くは、淡路島と今日、奈良の娘が大会に参加している六甲山。そして、微かに明石大橋の白い橋脚。まさに、生きているジオラマです。
青空とともに出迎えた風は冷たく、しばし、展望を楽しんだ後は風の当たらない場所まで下って昼食。
「寒くても展望を見ながらの食事をする」よりも「暖かい場所でゆっくり食事をする」バンビースです。
食後、登り返して双眼鏡で大阪を俯瞰。肉眼とは違う「小さな視界の大きな世界」を楽しみました。
下山路は「いわわきの道」から「みはらしの道」。その分岐点までの10数分、ダイトレルートを歩きます。踏み固められた道は歩きやすく、行き交う人々の話声が、木立を縫って聞こえてきそうな雰囲気です。きゅうざかの道ほどではなくても、結構な段差が続く下山路。そして、何度か現れる登り返し。「低山 あるあるです(笑)」
下山後は、山で感じ得なかった春を感じにいつもの…(笑)

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七ツ道の案内図…何故か 「おちば」だけが小道
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参道を思わせる 石畳の「いにしえの道」
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ミツマタの花…終わりを迎えていました
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本堂の前に 紅白梅の木
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安全登山を祈願します
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この日 黄金の山は 紅蓮の山になります
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ダイヤモンドトレールの文字に 親しみを覚えます
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ダイトレ でなくても 階段が沢山ありますね
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名残雪…関西で見ることは もうないでしょう
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3ヶ月半振りの 再会です
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暖かな日射し 足取りも 軽くなります
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道は 空へと続く 展望の山
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ダイトレルートを あらためて 眺めてみる
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360度の大展望…良い山です
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完全復旧へ…空港連絡橋
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河内のシンボルタワー…大平和記念塔
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ダイトレの終起点「施福寺
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あの頂から歩いてきた ダイトレ南部の稜線
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生まれ育った町を眺める バンビース
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三角点のあるピークは 静かな頂
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やはり 撮ってしまいます…(笑)
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木洩れ日のダイヤモンド・トレール
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振り返って仰ぎ見る 金色の頂
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やっと 春に出逢えました
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山が華やかになるのも あと少し…(笑)

ホームからの花だより 靴を履きかえて…

3月9日 三重県入道ヶ岳
春を告げる花だよりに誘われて、ホーム鈴鹿はセブンマウンテンのひとつに向かいます。

セブンマウンテンの中で最も標高が低く(906m)、南部にある「入道ヶ岳」は、山麓に建つ椿大神社(つばきおおかみやしろ)の御神体であり、山頂には鳥居、その奥には「奥の宮」の祠が祭られています。地元では「入道さん」と親しまれているこの山、笹原の広がる稜線付近は遮るものがなく、「風の山」としても有名です。この山は6年振りであり、このブロクでは初登場になります。
椿大神社からのルートは大きく3つ。北尾根、二本松尾根、井戸谷。この他にも、宮妻峡や小岐須渓谷を起点としたルートがあります。
今日は、春を告げる花「福寿草」と逢いにセンターラインの「井戸谷」ルートから北尾根の周回としました。このルートは樹林帯・沢沿い・笹原と変化に富み、稜線直下の笹原登りは、伊勢平野を眼下に望みながらの開放的な山行を楽しめます。但し、残雪期は谷沿いの一部が「落石の巣」となり(6年前に経験)、今回も登山道の反対斜面で落石がありました。
山頂までのCTは2時間。ホームの中では最も登りやすい山だと思います。今日は、春を告げる花と春を実感する御陽気に誘われて大勢の登山者の姿を見かけます。我々は途中から半袖になり、正しく、春山開山と言ったところでしょうか。
笹原の広がりが見え始めた頃、本日のお目当て「福寿草」の群生地に到着。植生地を傷付けないように、また、石を落さないよう注意しながら近付き、黄色と言うよりは黄金色に輝くりっぱな花弁にしばし魅了されました。
ここから本日のメインストリート。笹原を行く一本道の登りに差し掛かります。冬、この笹原は見事な雪原となり、トレースを引くことが出来た日には大興奮(笑)となりますが、無雪期でも、登るに連れて背後に広がる伊勢平野の展望は「また来よう」と思わせます。呼吸と歩幅を揃えれば、難なく稜線へ。泥濘に注意をしながらアセビのトンネルを抜けると、鳥居へ続く参道。そして、登頂となります。
谷間から見えていた伊勢平野は視界に収まりきれないほどの広がりを見せ、春霞みに覆われた伊勢湾の向こうに知多半島の影絵。北には鈴鹿の槍「鎌ヶ岳」へ続く鎌尾根から先月登った主峰「御在所岳」。南を望めば、鈴鹿鹿島槍、双耳峰「仙ヶ岳」を中心に広がる南部鈴鹿の峰々。遠くには、まだまだ雪に覆われた「御嶽山」「乗鞍岳」の北アルプスに加え、「白山」も見えました。山容は異なりますが、素晴らしい展望を持つ入道ヶ岳は、鈴鹿の「蝶ヶ岳」と言ったところでしょう。(バティ談)
青空の下、山頂から少し離れた笹原でホームの峰と共に昼食。風もないこんな日は、このままお昼寝気分にさせられます。とは言え、下界で待つものもあり(笑)、再び、泥濘に足を取られないよう注意しながらアセビの北尾根を下りました。途中、498ピークからの支尾根が駐車地への近道(地図に記載有)だと思い進みましたが、廃道同然でバリエーション化されていました。「近所の山、恐るべし」を再認識した出来事です ^^; 
下山後は、山麓で待っている「和と洋」でいつもの…(笑)

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入道ヶ岳は「アセビの山」とも言えます
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「落石の巣」となった付近…後方からの落石を避けて岩肌にへばりつきました
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ネコノメソウ…シロバナネコノメソウは確認できず…
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凛とした佇まい
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春の陽を受けている姿が 力強い
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山に色が戻れば 春がやってきた証
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最も近くで伊勢平野を楽しめる 入道ヶ岳
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竜ヶ岳「遠足尾根」の横移動に対し ここは縦移動
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井戸谷。そして、伊勢平野
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アセビのトンネルは 泥濘の道(笑)
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山頂鳥居は入道ヶ岳の代名詞です
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やはり見えました…養老山地越しに「乗鞍岳」と「御嶽山
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冬靴から夏靴に履き替えて…
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青空のグラデーション…町から宙へ
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ダイナミックな山容…鎌ヶ岳南壁
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意外と手強いルートを持つ「仙ヶ岳」
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槍を眺めるこの地は まさに鈴鹿の「蝶ヶ岳
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御在所岳…ルート本谷は 白い鉄塔の左 岩尾根の向こう側
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白く浮かぶ北陸の島…白山
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3月17日開通…新名神鈴鹿PA「PIT SUZUKA」
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パラグライダーが 青空に舞っていました
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アセビの白は 雪山に別れを告げる色
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今日の振り返り…入道ヶ岳から続く北尾根
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創業明治35年が誇る「麩まんじゅう」と「草もち」
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1987年創業 フランスを体感できる いつもの…

ガイド山行…ルートはホーム本谷

2月20日 三重県御在所岳
昨年6月に交わした約束通り、ホーム鈴鹿をご案内するため、雲に隠れた山頂を眺めながら、待ち合わせの駐車場に向かいます。

今回同行した京都在住の山友ご夫婦。これまでに3度御在所岳を計画されたそうですが、全てが順延。今回は天候に加え、体調も思わしくなく、今週初めまでは来冬へ順延のつもりでいたところ、体調が快復し、雨も明け方には上がる予報。となれば、登るしかありません(^^)
ご夫婦と歩くのは初めてでしたが、これまでの山歴から我々の定番冬ルート「本谷↗・中道↘」は大丈夫だと判断。とは言え、今年の雪の状態に加え、前日の雨により、ルートの難易度が数段上がっていることは否めません。
登山口から山頂直下までひたすら谷を歩く「ルート本谷」。沢登り風に沢沿いを歩く経験が初めてのご夫婦、ましてやバリエーションルートとなれば、自然と緊張を強いられます。そんな中、ルートの説明やルートファインディング、岩の歩き方等次回に繋がる話をしながら、少しでも緊張を緩めます。
川幅の広い下流はルート取りも多く、その日の水量を見ながら歩きやすいルートを進みます。やがて、名も無き滝が続くようになり、巻道や直登など、全身を使った登りが増えてきます。
我々が初めて本谷を訪ねたのは2012年の秋。1枚のルート詳細図を手に、ルーファイに集中し、慎重に歩いたことを覚えています。13年の冬、ガイドツアーで本谷を訪ね、アイゼン歩行やピッケルワーク等、ルートと合わせて、冬山山行に必要な技術を学びました。その後、年に一度は本谷を訪ね、特に冬は、毎年変わる様子を楽しんでいます。そんな本谷も初めは誰もが緊張するもの。ご夫婦の緊張感を肌で感じながら「慣れに対する危機管理」をあらためて思い起こします
大きな岩が両側に続くと、最初の二股に到着。ルート本谷の原則「二股は右」をルーファイと共に説明します。しかし、次の二股だけは左のため、目印になるハーケンから延びた鎖を指差確認。そして、ここが最初の核心部。今回はそこに至る雪も注意が必要でした。小さな岩の窪みにつま先を掛け、岩登りの要領で数m登ります。岩が乾いておれば難なく通過できますが、濡れていると足下がおぼつきません。
この辺りから道に雪が出始め、緩んだ雪は突然太腿まで沈み込みます。一歩一歩足元を固めながら進むため時間はかかりますが、安全第一です。
普段とは違う緊張とともに、メインストリートの門番「ジョーズ岩」へ。ここでも豊富な水量は岩を打ち、水飛沫が全身を濡らします。直登からのルート取りは危険なため、鎖に頼った登りとしました。数年前にはなかったこの鎖、もし付いていなければ、用意したロープの出番になるところです。
ここから上部は情報通りの雪道。ここの雪も緩んでいるため、踏み抜き注意です。雪の下にある岩を想像しながら登りますが、踏み抜きは突然やって来ます(^^; 雪質から判断し、アイゼンは付けずにピッケルだけで登り始めました。少しすると、谷を覆っていた雲が晴れ、伊勢湾に続く山麓の景色がV字の向こうに広がります。そして、頭上を行き交い山麓へと続くゴンドラ。ここまで要した時間は3時間半。いつもより、余計にかかっていますが、この景色は、緊張から来る疲れを一瞬で開放し、その勢いのまま本谷終了地点に到着。一般道に合流すると、ルート本谷を登り終えた達成感と安堵感から自然に笑みがこぼれていました。山上レストランで昼食をとり、気持ちをリセットした後に下山開始。まだまだ油断出来ない中道ルートを下り、本谷を望む岩に立った時の感動。
「その気持ち、良く判ります」
初めてのバリエーションルートで緊張の続く山行をされたご夫婦ですが、「本谷史上最難関」だったルートを無事に下山できて、ほっとした案内人でもあります。
登山口が見えた時、山友の呟いた「あぁ、終ってしまうのか…」がとても印象的でした。
下山後は、疲れた身体を癒してくれるいつもの…(笑)

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本谷ワールド が 始まりました
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何段の滝だろう…でも 名前は知らない
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横移動から 縦移動へ…
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イラストにも負けない 皆いい笑顔なんです(笑)…不動滝
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一般ルートとは 一味違う 本谷の序盤
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最初は 力技で登ってしまいます
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中盤を迎えると ルートも限られます
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今年の大黒滝は 見事な水量でした
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大黒滝上部は 岩よりも雪が 目立ち始めます
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ガイドロープのお陰で 通過しやすくなりました
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視線の先には…
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門番 ジョーズ岩…(右側の岩を登ります)
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ジョーズ岩の目線で…
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ここで踏み抜きを繰り返すのは 初めてでした
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トレースは無いに等しかった メインストリート
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ここからの景色は 是非 見て欲しかった
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メインストリート 登っている時は 意外と平常心
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アイスガーデンを過ぎると 後半戦に入ります
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大黒岩直下 谷が狭くなってきました
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上部は ミルキーウェイの世界
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油断禁物 でも ほっとする標識です
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山頂は踏んでませんが 記念の1枚
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名古屋方面…来月開通する新名神も見えています
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顧客に喜んでもらうのは ガイドの仕事(笑)
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メインストリートと再会 ここで本谷のファンになります
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次は どんな顔で待ってくれるのでしょうか
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今日の本谷を表わす2色で いつもの…(笑)

ミルキーウェイの台高 氷と霧氷たち

2月16日 奈良県明神平
20日の山行が中止になりそうなので、普段なら行かない予報の中、晴れマークが付いたことを言い訳にしてパッキング。ミルキーウェイでも楽しめる場所へ5年振りに向かいました。

紀伊半島には奥駈道で有名な大峰山脈の他、1000~1600mの峰々が奈良と三重の県境に連なる台高山脈があり、共に「近畿の屋根」と呼ばれています。北は「関西のマッターホルン 高見山」から南は「雨の大台ヶ原山」。双方の名前を一字取って「台高(だいこう)」です。そして、その北部に位置する明神平(1,323m)は、その名前からも判るように、稜線上に開けた場所で、昭和40年頃にはスキー場もありました。(リフトの跡など、その名残をとどめています)また、近くに水場があることから、幕営される方も見受けられます。
当初の予定は、この先にある三重県最高峰「桧塚奥峰」を目指す予定でしたが、天候次第では明神平で引き返すつもりで入山です。
このルートの核心部は登山口への大又林道。整備されていない凍結路は、スタッドレスでも進入を拒みます。雪の少ない今年は凍結箇所もなく、安心して入れることから、冬期では初めて向かいました。
駐車場からしばらく続く林道歩き。急な傾斜路は一部凍結しており、早速、チェーンスパイクの出番。関西の雪山歩きに欠かせないアイテムのひとつです。
郷川に沿って道は続き、登山道に入ると5回の徒渉が待っています。個人的には最も下流にある最初の徒渉が苦手でしたが、冬は水量が少ない分、特に支障はありません。また、3番目と4番目の間には、沢を巻くため直角に曲がる箇所があり、見落とす可能性もあります。直進しても通過は出来ますが、足元のテープに注意をして巻道を進む方が、楽に通過できます。
ミョウジン谷の案内とともに、前方には明神滝。その飛瀑から響く音がBGMとなり、扇状に広がるアイスミュージアムの完成です。
滝を巻くように斜面を登ること2回。最後の徒渉地点が近付いてきます。水量によって毎回徒渉ポイントが変わる難所のひとつでしたが、そこには小橋が架けられており、例え水量が豊富でも安心して渡れるように整備されていました。この橋を渡ると登山道の雰囲気に変化が見られます。大袈裟に言えば、山が変わる感じです。明神谷を吹き上げる風が体温を奪い、同時に、頭上の木々に霧氷が育ち始めます。
相変わらず、周囲はミルキーウェイ。稜線を吹く風の音がはっきりと聞こえてきます。時間的な余裕はあるものの、予想通り、明神平を折り返し地点としました。
ロープで徒渉した四郷川も一歩で渡れる冬の小川となり、最後は水場として、我々に潤いを与えてくれます。ここからひと歩きを終えると、樹間に明神平の世界を感じ取れます。霧氷は更に育ち、遮るものがない風は勢いを増しています。ここまで長袖で登ってきましたが、ここで防風対策の身支度を行い、樹林帯を抜けます。
まず出迎えてくれるのは、シンボル的な存在の小屋(開放していません)。そして、ミルキーウェイの世界に溶け込んだ霧氷の林。色を無くした明神平。この世の境にも見える霞んだ周囲は、体感以上に凍てつく気がします。鈴鹿、比良、大峯・台高。関西を代表する雪山地域は、それぞれに特徴があり、ここは「寒々した雰囲気」を最も楽しめる(笑)場所。そして、今日もそれを感じることが出来ました。
下山後は、更に西へと進んで、いつもの…(笑)

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今日は神秘の世界を楽しもう…
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林道の陥没地…人が踏み 5年前より安定している
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第1徒渉地点…張り巡らされたロープが特徴
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第2徒渉地点…Xのロープが特徴
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只今 進化中の作品群
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水飛沫を止めると…
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ホームではお目にかかれない 大作です
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木々の間から 明神滝
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我々 人間は アウェーな感じです
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苔には苔の エビの尻尾
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山頂を目指さないのも 雪山の愉しさ
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風が残したもの…
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台高の冬は ホームと一味違います
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この木を抜けると 明神平…
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大阪の府立高校名が書かれた「あしび山荘」
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晴れなくても 貴方は素敵です
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この先は 晴れている時に歩きたい道
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今年は こんな景色が多いような…バンビーズ
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雪が少ないお陰で出会えた この景色
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風以外の音は ありません…(笑)
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これぞまさしく ミルキーウェイ
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さぁ 帰ろうっと…
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アイスエッグ…やっぱり 冬山は空模様だけではない
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雪とは違う 氷の造形美
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色があると 安心する いつもの…(笑)

バンビー4で 冬の遠足

2月10日 三重県竜ヶ岳
今冬も尻皮山友「バンビー4」で雪山山行。目指すは鈴鹿の女王「竜ヶ岳」。コースはランラン「遠足尾根」。

先月、安曇野の山友から比叡山延暦寺)を訪ねたいとの連絡が入り、それと合わせて、山行を計画。当初は以前、山友が登りたいと話していた「伊吹山」でしたが、連休中の天候は思わしくなく、晴れマークが顔を覗かせた「いなべ市」に登山口がある「竜ヶ岳」に決定。ルートは僕が最もお勧めする「遠足尾根」。2月に入り雪溶けの進んだホームですが、雪以外でも冬山を楽しめる素晴らしいルートです。
3連休の中日。そして、晴れマーク。人気の高い山だけあって、さぞかし駐車場は賑わっていることだろうと思っていました。ところが、風が強いとの予報の影響か、平日並みの静けさで、早くも楽しい遠足気分を味わえそうな予感です。
僕が遠足尾根をお勧めする理由は3つ。林道歩きが短いこと。稜線歩きを長く楽しめること。そして、登山口を含め、山頂との距離感を感じ取れること。
いつもなら樹林帯の急登を終え、支尾根に合流したところで、スノーシューハイクが始まります。1月下旬には辛うじて楽しめたようですが、今日は、3月中旬残雪期の雰囲気。微妙に雪が残った登山道は、所々凍結しており、その箇所は注意が必要でした。
視界が開け、竜ヶ岳の山頂へ続く稜線と頂にご対面。今日は青空も顔を覗かせ、この景色を山友と共有できたことに、まずは感謝と安堵。風も思ったほどでなく、暖かな陽射しを受けた遠足の始まりです。
谷間に広がる残雪が登山道へと続き、その一部を切り取れば、りっぱな雪山山行となり、例え真っ白な雪原歩きでなくても、仲間と歩けば、その隙間を埋めてくれます。
金山尾根合流直下の直登。一部凍結の夏道を慎重にやり過ごし、一息ついたところで振り返れば、綺麗なカーブを描く遠足尾根越しに、遠く霞んだ名古屋市街から養老山地に木曽三川。視線を移せば、ホーム最高峰「御池岳」に「藤原岳」の北部鈴鹿の峰々。晴れていれば、御嶽山乗鞍岳の北アルプス等を望むことも出来ます。
金山尾根と合流すると、登山口では彼方に見えていた竜ヶ岳はその懐深い山容が眼前に広がり、たおやかで凛とした雰囲気を最も感じ取れます。その深さ故、頂はまだ遠くに感じるかもしれませんが、直下の鞍部までは意外と近いものです。
風の影響を受けることなく直登を終えた先に、南部鈴鹿の峰々を背にした頂が待っていました。それぞれと硬く握った手に残るのは、いつも以上の感触。バディとは違うパーティ山行の良さがここに集約されていると思います。
下山途中、竜ヶ岳を眺めながらのランチ小休止。少し早いけれども、これまでの時間を振り返る時間。それぞれ山に対するスタイルは違えども、こうした山行が出来るバンビー4。その源流にあるものを求めて、下山後に向かう先は、いつもの…(笑)

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今回はどんな思い出になることやら…
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樹林帯 光のシャワーが 降り注ぎます
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山行を占う第1展望地…今日は大丈夫の模様
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明るい稜線歩きは 遠足気分で「お喋りタイム」
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この景色を見て欲しかった…
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雪を踏めれば 良いのです(笑)
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伊勢湾と南部鈴鹿…稜線上には SuzukaKumo
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冬のキャンパスは モノトーン調
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残雪の光 今年の春は近いのかも…
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影を並べる 雪山山行
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鈴鹿北部を代表する「御池岳」から「藤原岳
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今年の遠足尾根は 雪と笹原のせめぎ合い
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ここを過ぎれば ゴール直下は近い…(笑)
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変化に富む稜線歩きは「遠足尾根」の真骨頂
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女王に描かれた巨大な雪形 「ブーケを受け取る女性」
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開放的な稜線は 鈴鹿随一でしょう
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本日のメインストリートへ続く プロムナード
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季節を問わず 美しい道
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冬の登頂は3年振りの バンビー4
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いつもの場所から 今冬の遠足尾根
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振り返れば 貸切の山頂
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次は 羊の放牧と再会しようかな
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来冬は どんな顔を魅せてくれるのか
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稜線歩きの楽しみは まだまだ続きます
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遠足のおやつは1人2つまで…で、いつもの…(笑)

関西雪山「比良の主峰は 曇り時々晴れ」

1月23日 滋賀県武奈ヶ岳
武奈ヶ岳西南稜は、関西冬山屈指のルート。その人気ルートをゆっくり楽しむには、やはり平日に限り、トンネルを抜けると雪国だった国道を登山口に向かって走りました。

滋賀県琵琶湖の西に連なる比良山地。その主峰「武奈ヶ岳(1,214m)」へのルートは、稜線を境にし、東西にわかれます。この時期はトレースの付いた西側「坊村」からの御殿山ルートの利用が多く、我々もこのルートのメインストリート「西南稜」を目指して、予想通りにまばらな駐車場を出発しました。
昨年11月、冬山山行を前に台風被害の偵察を行ったこのルート。整備状況に変化はなく、また、冬でも支障なく歩けます。ただ、雪のない地面は柔らかくなっており、下山時の泥濘は容易に想像が出来ました。登山道の周囲に雪は残るものの、先週の山行でスノーシューを付けた650m付近でようやく雪を踏めるようになり、心地良い音とともに土からの解放です。
急登を前にした窪地で2組の方が軽アイゼンの準備をされていましたが、我々はそのまま斜面に取りつき、稜線に上がったところでスノーシューを装着。実は前回の山行が記憶に残っていたため、スノーシューとしましたが、トレースが落ち着いている場合、軽アイゼンの方が歩きやすいと思います。また、軽アイゼンは手前の窪地で付ける方が楽に登れます。ただせっかくなので、ショートカットで新たなトレースを引いたりして、スノーシューの特性を生かします。
半分ほど雪に埋もれた標識。夏道と冬道の分岐点です。トラバースの続く夏道方面に踏み跡はなく「雪と格闘したい方」にとっては、ピッタリな道かもしれません。当然、我々は冬道へと進路を取り、前回の折り返し地点、御殿山に向かいます。
予報では「晴れ時々曇り」でしたが、福井県の予報は「曇り」。案の定、登山口で見えていた木洩れ日は、今は灰色の雲に隠されています。麓は晴れても稜線は曇る。This is HIRA-TENKI.(笑)
トレースが明確だとスノーシューはかえって時間を要します。予定時刻を過ぎての御殿山到着となりましたが、この遅れが後ほど、功を奏します。
どんよりとした曇り空でも、主峰へと続く西南稜が見えていれば感謝です。一面の霧氷、流れる雲間から射す陽がその山肌を波打つように移ろぐ、本当に素晴らしき光景です。
ワサビ峠まで一旦下り、西南稜に向けて登り返している途中、雲が切れ、青空が雪の斜面とデュエットします。そして、登り詰めた先には雪庇群。それらを横目で見ながら「風広場」と僕が呼ぶ、直下の雪原へ。以前、谷からの吹き上げを不意に受け、初めて風で身体が浮き、5mほど飛ばされた場所。今日は予報通りに穏やかで、また、南風であることからか、先週よりも寒さを感じません。
風が描く雪紋を楽しみながら最後の登りを終え、霧氷と雪庇に挟まれた一本道。ここで初めて頂上が現れますが、なんと、ミルキーウェイに包まれ始めています。時間の遅れが先週と同様の結末を迎えたのかと思いながら登頂。写真を撮り、スノーシューからチェーンスパイクに履き替えて下山しようとした時、視界が元に戻り始めました。さすがに山麓の琵琶湖までは晴れませんが、琵琶湖側からのルート「コヤマノ岳」や堂満岳、そして打見山等の南比良の峰々。頂らしい景色を戴きました。
琵琶湖側から登頂されたガッツな方と少し言葉を交わして山頂を後にし、少しでも風を避けれる昼食場所を探します。そして雪庇ゾーンに差し掛かった時、稜線に眩い光が帰ってきました。モノトーンだった霧氷の林は輝く林になり、雪原は宝石を散りばめたかのようになったかと思えば、再び元の色へと戻る。そんなショータイムがしばらく続き、やがて上空には青空の通り道が切り開かれます。登山者のほとんどはすでに下山し、この素晴らしき稜線に人影はありません。動くものは上空を流れる雲と山肌の影。今日の山行はこの時にあわせて行われたと思える出来事でした。西南稜を御殿山まで戻り、S字カーブに別れと再会の約束を告げ、核心部の泥濘に向かうバンビースです(^-^;
下山後は、自宅近くにて夕食とデザートタイムでいつもの…(笑)

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日本昔ばなし的風景の登山口
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陽の射す回数が減ってきました
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今日も出現 ブルーアイ
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冬はこの稜線歩きに訪れるようなもの
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こんな日は 霧氷日和ですね
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スノーシューらしい トレースを引きます
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切り取れば 快晴の稜線歩き
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振り返れば南比良の稜線と比良空
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素晴らしきS字カーブの西南稜
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雪庇が物語る 比良の風
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天国と地獄…その差は紙一重の「風広場」
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「どうなってるの?(笑)」…バンビーズ
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惚れ惚れする 関西雪山道
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この雪庇に向こうには…
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美しき霧氷の一本道
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「やっと来ましたぁ~」
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美しきかな 光の稜線
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光のシャワーが 近付いてきます
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雪紋は ホーム鈴鹿より比良が綺麗
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波の向こうに 霧氷の山「コヤマノ岳」
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歩いてきた道を振り返れば 足が止まります
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先程登った山と一緒なのか?と思えます
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比良らしい稜線の光景
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本日最後の直登…御殿山に向けて
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西南稜分岐点「御殿山」…4枚目の写真と較べると霧氷の変化が判ります
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西南稜を思い出しながら いつもの…(笑)

2019初登頂 雪を踏みに…

1月19日 滋賀県寒風
今、関西で雪を踏むには湖北地域。天候を二の次にして、観光名所のメタセコイア並木を抜けて登山口へ向かいます。

先日、このサイトにてホーム鈴鹿の雪事情について解説をされていましたが、ここ湖北地域は、更に日本海に近く、関西と言えども積雪量は豊富です。さすがに山麓はまばらな感じですが、登山道のゲレンデ跡に入ると、真っ白な世界になります。
琵琶湖西側に連なる比良山地。主峰武奈ヶ岳を初め1000m級の山が連なり、ホームより良質の雪が楽しめます。そこから更に北上し、福井県との県境に位置する野坂山地に属するこの山域は800m級。標高は低くなりますが、稜線の積雪は高くなります。
当初、大谷山を目指して出発するものの、稜線の雲は取れそうになく、最初のピーク、高島トレイルに合流する「寒風」に変更しました。
琵琶湖の湖面を照らす朝陽はこちらに届きそうにありません。それでも湿った雪を踏みながらゲレンデ跡を登っていくと、一気に身体が暖まるのはいつものこと。樹林帯に入れば体感温度も心地よいものになり、忙しなく朝の運動をするコゲラやヤマガラを見ながら、まずは展望地を目指します。
ゲレンデ跡がある斜面の稜線まで登ると、2.4km約500本の「メタセコイア並木」が一望できます。田畑の景色と合わせて、巨大な箱庭のように見えます。ここから登山道は奥に入っていく感じで進みます。湿った雪もやがて乾燥した雪に変わるのが、靴から伝わります。雪の壁となった溝道から周りを見渡せば、冬枯れの林はミルキーウェイに包まれたモノクロームの世界。そして、呼吸する我々の音だけが響くような静けさです。通いなれた道ならば、こんな日もたまには良いものです。
650mを超えた辺りでスノーシューを装着。これで行動範囲が一気に広がりました。トレースを追いかけて夏道から外れても、大丈夫。時々、新しいトレースを林の中に残します。
緩やかに直登を続けますが、全く稜線が見えません。初めての山であれば、緊張を強いられる場面でしょう。ただ今日は風がなく、トレースもあり、また何度も経験があることから、静かな雪景色を十分に楽しめます。
林から抜け出し、雪原に一本の木が見えると到着。高島トレイルの「寒風」標識は、辛うじて先端部分が出ており、積雪は1m超えと思われます。県境とは言え、ここは関西853.8mの稜線。素晴らしい雪山。
ランチタイム中、赤坂山方面から高島トレイルを南下された方と挨拶を交わします。今日、初めて出逢った登山者です。(この後、下山するまで3組8名の方とお会いしました。)
晴れていれば南へ続く琵琶湖岸や対岸の伊吹山鈴鹿北部の連なりを眺められます。また、遠く白山の白き峰や若狭湾を行き交う船も望めます。今日は空と地面の間でさえ怪しくなる稜線ですが、雪は存分に踏めたので大満足です。当初の目的地、大谷山へはスキーのトレース跡が1本引かれていました。でもここから先は景色と一緒に楽しみたいので、次の機会とします。
下山時、更にスノーシューは活躍し、展望だけではない冬山の愉しさを実感したバンビースです。
下山後は、新規開拓したお店にて春らしい一品でいつもの…(笑)

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今から あの雲の稜線へ…
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去年の2月は このゲレンデトップまででした
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こんな日だけの 景色もあります
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ここから見る 景色がお気に入りです
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傘が欲しいと思いました(笑)
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ここで 標高600mほどです
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ミルキーウェイな冬山も 楽しめる年代に…(^^)
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トレースを外れて…
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赤テープのような 氷の作品
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最後の登りに 向かいます
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間違っても 近付けません
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「寒風」の玄関口
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出ていて 良かった…
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ランチタイム…向こうは「高島トレイル」の標識
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これぞ スノーピークです
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この陽射しでも 辺りは一瞬 白くなります
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次は この向こう側の世界へ…バンビーズ
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大谷山に導く レールです…多分
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寒くないのが 800m級の良さ
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スノーシューだと 斜面もこのとおり
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小動物の世界に お邪魔しました
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里には 陽が当たり始めています
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ここから見る景色に 癒される
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夕方 大谷山の頂は 光っていました
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モノトーンからフルカラーの世界で いつもの…(笑)