Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

花冷えのホーム…北の大地で「花と池と苔」

4月6日 三重県鈴ヶ岳
ホーム鈴鹿の北部は自宅からのアクセスが遠いため、ホームとは言え、さすがに出逢いが少なくなります。「蛭休み」を迎える前に、この季節ならではルートを計画し、先月20日に通行解除となった登山口に向かいました。

三重・滋賀・岐阜の県境、南北50kmに及ぶ鈴鹿山脈は、石灰岩花崗岩から成る地質により個性的な山容を生み出し、また、1000~1200mの標高でありながら、日本海側気候の影響を受け、雪山の魅力もあります。そんな数ある特徴のひとつとして、南と北に広がる頂上台地。南のイブネ・クラシに対して、ホーム 最高峰「御池岳(おいけだけ)」(1,247m)を中心とする北のテーブルランド。
これまでは御池岳の南東域を、これまた個性的なルート「T字尾根」を利用し、カルスト地形が織りなす独特の風景を楽しんでいました。今回は、北西域にある鈴北岳を中心に、福寿草やテーブルランドに点在する池を巡ります。
登山口は直近の鞍掛TN東口。滋賀県側は復旧工事により通行止めとなっており、三重県側からのみアクセスが可能です。8時前で駐車場(20台程度)はほぼ満車。登山ルートは鞍掛峠とコグルミ谷があり、御池岳に登らない私達は峠に向かった後、鞍掛尾根で北の大地を目指します。
20分ほどで鞍掛峠に到着。ここから山頂まで10mほどの西風がお供してくれました(笑)。ブナやシャラの樹林帯を抜けると、鈴北岳へ続く稜線を中心にして、北の大地が一望です。数日前に降った雪が山肌を飾っていますが、時折、その雪が解けて現れる足元の泥濘は、今後の山行に一抹の不安を与えます。
尾根の下降点が鈴北岳の山頂。ピークらしさを感じないなだらかな頂では、御池岳から続く頂上台地が波打つような景色を広げ、カルスト地形独特のドリーネ(凹地)やカレンフェルト(石灰岩石柱)も見られます。今日は黄砂の影響もあり、遠望は霞んでいます。鈴鹿最北部「霊仙山」越しに見える「伊吹山」が山座同定の限界でした。
頂上台地の縁に沿って残雪の林を鈴ヶ岳に向かいます。一旦、100mほど高度を下げますが、ヒルコバ(峠)へ下る最後の斜面が核心部でした。雪解けと共にぬかるんだ急斜面はこれまでの経験上、最高危険レベル ^^; そして、レンズ交換のため後ろ向きになった瞬間…。自分よりカメラを守るしか術はありませんでした…(笑)
さて、そんな苦難を乗り越えて鈴ケ岳の登返しを進んでいると、見事な福寿草の群生に出逢えます。最近まで雪が残っていた影響か、まだまだ蕾の個体もあり、もう少し楽しめそうです。福寿草を追いかけていく内に、鈴ヶ岳に登頂。予報通り、青空が広がり始める中、再び、核心部に向かって、ヒルコバへのプチ泥濘道を下ります(笑)
北岳に戻り、後半のルート「池めぐり」を始めます。日本庭園と名付けられた台地に苔の道。立体的な広がりは南の大地「イブネ」と趣が異なります。しばらくして登山道を一旦外れ、微かな踏み跡を辿ってのルーファイです。「西のボタンブチ」「夕日のテラス」を経由しながら訪ねる頂上台地。その縁に立つと絶壁とも言える樹林の斜面。一気に下降するテーブルランドを実感できます。林の中に顔を覗かせるカレンフェルトは苔に覆われ、春の陽気で乾いた輝きを見せています。
ドリーネに水が貯まることで出来た池は無数にあり、今回、目指したのは「丸池」「真ノ池」「元池」。しかし、最も印象に残った池は、予定していなかった池だと言うことは「人生あるある」です。
再び、登山道に戻り、3度目の鈴北岳を目指します。ルート本谷が「縦」への楽しみであれば、ここは「横」への楽しみ。ホーム鈴鹿の奥深さをあらためて感じる今日のルートでした。
下山後は、満開の桜をいつもので…。

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歩くのが楽しい…鈴北岳に続く「鞍掛尾根」
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この稜線は風の通り道…背景は「鈴ヶ岳」
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歩いてきた道を振り返ります
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北岳山頂…ここは鈴鹿の「双六岳」と命名
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御池岳(左端)から続く テーブルランド北西部
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カレンフェルト…何気ない光景にも答があります
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北にあるのが「鈴ヶ岳」…鈴北岳からの下り
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残雪と冬枯れ…眩しい稜線でした
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顔を覗かせ始めた春の使者…バイケイソウ
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今年は 良く出逢います…「福寿草
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春の四重奏…
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森のカレンフェルトは苔と共生
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落ち葉の中から お目覚めです
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春のグラデーション
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本日2 回目…鈴北岳へ向かいます
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ドリーネ(雪の部分)と最北「霊仙山」
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頂上大地の散歩道
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枯山水 鈴鹿バージョン
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日本庭園の名に恥じない景色です
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テーブルランド 春の守り人のよう…ヤマネコノメソウ
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T字尾根越しに 鈴鹿中央部…夕日のテラスより
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名前は必要ありません
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久しぶりに 自然の曲線美…(笑)
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春紅葉を見ながら 本日3回目となる 鈴北岳への道
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木洩れ日が似合う いつもの…(笑)

早春の絨毯と残雪の展望

3月26日 岐阜県鳩吹山
各地から届き始めた花便り。早春の花便りに誘われて、展望の低山に向かいます。

「春の妖精」と呼ばれるカタクリ。落葉広葉樹の明るい林床に薄紫色した特徴ある花を咲かせます。発芽してから花を咲かせるまで7~8年を要し、開花期間は2週間ほど。5月、山行途中で群生地を見つけることがあっても、一面紫に染まる場所は限られます。
今回、岐阜県可児市にある大群生地が見頃を迎えたことを知り、また、そこを登山口とする鳩吹山は、片道40分程度で素晴らしい展望だと言うことで、ハイキング気分での山行です。
平日の午前10時前、最寄りの駐車場はまだ余裕がありました。「カタクリまつり」の幟に誘導され、遊歩道を進んでいくと、鳩吹山の斜面一帯が薄紫へと変化していきます。まだ陽の当たらない林床の花は閉じており、その姿は眠っているように静かで、寝息さえ聞こえてきそうな感じです。更に進み、朝の陽射しを一杯浴び始めた場所では、すでに目覚めた花やこれから身体を伸ばして起きようとしている花まで、我々日常生活における朝の光景を眺めているようでした。
聞こえ来た常連さんのお話では、今年の花は大きく、また、ここ数日が見頃のピークかな。と言うことで、「いい日に来られたんだ」と小さな幸せ…。
そして、少し道を戻って鳩吹山登山口(カタクリ口)からハイキング登山の開始です。ところが、いざ登ってみると、滑りやすい地表に結構な急登が続く油断大敵のルートで「低山あるある」の出来事です。
気温上昇とともに薄らと滲んでくる汗。それでも、風が吹けば心地よく感じられる季節になってきました。第一展望台(小天神休憩舎)を過ぎると、地表に現れる筋状の岩。そこは直登と巻道のルートがありました。上りは直登ルートを利用しましたが、落石の危険性も高く、登山者が増えてくる頃には巻道ルートを利用した方が安全だと思いました。
僅かばかりの登り返しが2回。左に大天神休憩舎を見ながら先を急ぐと、開けた場所が現れました。標高313m、登頂です。
山頂の北側が開けており、可児市街を蛇行しながら縫うように流れる木曽川。そして、市街地を囲むように連なる山々の向こうには、まだまだ白い中央アルプスと御嶽山乗鞍岳、そして、穂高の峰々も見えました。また、最初は乗鞍岳かと思った更に白い峰は加賀の名峰「白山」。ホーム鈴鹿で見る山容とは比べ物にならない迫力がありました。
大天神休憩舎に戻り、展望を楽しみながら下山後の昼食場所を検索。周囲ではヤマガラが忙しなく飛び移っており、自然豊かな環境を手軽に楽しめることに羨ましい気持ちです。地元の小学生から高齢者のグループまで老若男女、皆それぞれのスタイルで登って来られ、すれ違い待ちが続く下山路でしたが、距離が短いだけ一向に気になりませんでした。
再び、群生地を訪ねて、朝より強い光を浴びて活気づいたカタクリに別れを告げ、次の目的地へと移動しました。
下山後は、お気に入りのお店が定休日(平日あるある)のため、少し北上してからいつもの…(笑)

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本日のルート…遊歩道とは 言い難いと思います
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初めて出逢ったのは 八ヶ岳でした
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賑やかな話し声が 聞こえてきそう…
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透き通る花びらは 色彩の魔術師
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レンゲ畑の言葉があるなら ここは「カタクリ農園」
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花びらの中に 桜を見つけました
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まだまだ 静かな林床…下山後が楽しみ
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登り始めからの急登…一応 遊歩道です(笑)
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今日のジオラマは 手に取るような近さ
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蝶が舞う季節になりました…写真は舞ってませんが(笑)
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路傍の菫は 春山行の友
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アセビの白は 初夏をも連想させます
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意外と急な階段…「低山あるある」
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シキミの花は 葉を映したような白色
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赤い岩稜帯は 直登ルートで…
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最近は 青空が似合う バンビース(笑)
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313.5m…町を俯瞰するには 丁度良い標高かも
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数年前まで 川下りが行われていた 木曽川
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右から 御嶽山乗鞍岳・小さく穂高岳
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左から 白山・奥大日岳・鷲ヶ岳
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白山から御嶽山まで望める 313mの頂
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静かな林床も お目覚めのようです
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春の灯りは 次の花達へと 引き継がれていきます
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今年は 堪能しました…感謝
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まだまだ堪能させてください…いつもので…(笑)

2人で初登頂…展望の山は 春近し

3月24日 大阪府岩湧山
2人が生まれ育った大阪。この地の山とは縁がなく、初めて2人で登頂すべく、奈良、和歌山を経て、登山口に向かいました。

昨年12月、ダイヤモンドトレール南部を縦走した際に通過した岩湧山。ルート上、唯一と言ってもよい展望の山で、標高898mから眺める景色は、山行の疲れを忘れさせ、今でもダイトレの思い出と共にあります。
登山口はダイトレ上の東西、紀見峠と滝畑。そして、今回利用するのは、岩湧の森を起点とする「岩湧七ツ道」と呼ばれるルートが整備された河内長野市側から入山。
七ツ道は、ルートの特徴から「すぎこだち」「きゅうざか」「いわわき」「いにしえ」「ぎょうじゃ」「みはらし」「おちば」とあり、今回は、「いにしえ」「きゅうざか」「ダイトレ」「いわわき」「みはらし」の周回コースとしました。
今回の核心部となったのは、駐車場までのアクセス(笑)。登山道のような車道に対向が困難な道幅が続きます。そして、第6まで整備された駐車場の内、下山口に近い第2駐車場から出発です。すぐに車道から離れて「いにしえの道」へ。沢の向こうには「ぎょうじゃの道」が見えています。今日は寒の戻りで冷え込んでいますが、地表ではシダ類の新芽が重い頭を上げるかの如く、今まさに起きようとしています。また、木々の枝にも新芽が綻び始め、春の足音が大きくなってきたことがわかります。
岩湧寺に参拝した後、「きゅうざかの道」へ。その名のとおり、平坦な箇所が少なく、段差のある階段が続く山頂への最短ルート。期待していた道端に咲く早春の花との出逢いはなく、逆に僅かばかりの降雪の名残が冬の終焉を告げていました。
稜線への最後の階段を登り、見覚えのあるベンチと標識。ダイトレルート、東峰に到着です。ここから道は少し下りとなり、視界が開放されると金色の野に敷かれた一本の階段。山頂に向かって最後の登りが始まります。一歩一歩登るにつれて広がる景色。朝、登山口に向かう車窓から見えた金剛・葛城の稜線は雲に隠れていましたが、前回と同様、ダイトレの全ルートが一望です。関西国際空港から続く大阪ベイエリアとダイトレルートに囲まれた大阪平野。遠くは、淡路島と今日、奈良の娘が大会に参加している六甲山。そして、微かに明石大橋の白い橋脚。まさに、生きているジオラマです。
青空とともに出迎えた風は冷たく、しばし、展望を楽しんだ後は風の当たらない場所まで下って昼食。
「寒くても展望を見ながらの食事をする」よりも「暖かい場所でゆっくり食事をする」バンビースです。
食後、登り返して双眼鏡で大阪を俯瞰。肉眼とは違う「小さな視界の大きな世界」を楽しみました。
下山路は「いわわきの道」から「みはらしの道」。その分岐点までの10数分、ダイトレルートを歩きます。踏み固められた道は歩きやすく、行き交う人々の話声が、木立を縫って聞こえてきそうな雰囲気です。きゅうざかの道ほどではなくても、結構な段差が続く下山路。そして、何度か現れる登り返し。「低山 あるあるです(笑)」
下山後は、山で感じ得なかった春を感じにいつもの…(笑)

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七ツ道の案内図…何故か 「おちば」だけが小道
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参道を思わせる 石畳の「いにしえの道」
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ミツマタの花…終わりを迎えていました
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本堂の前に 紅白梅の木
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安全登山を祈願します
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この日 黄金の山は 紅蓮の山になります
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ダイヤモンドトレールの文字に 親しみを覚えます
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ダイトレ でなくても 階段が沢山ありますね
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名残雪…関西で見ることは もうないでしょう
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3ヶ月半振りの 再会です
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暖かな日射し 足取りも 軽くなります
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道は 空へと続く 展望の山
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ダイトレルートを あらためて 眺めてみる
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360度の大展望…良い山です
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完全復旧へ…空港連絡橋
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河内のシンボルタワー…大平和記念塔
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ダイトレの終起点「施福寺
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あの頂から歩いてきた ダイトレ南部の稜線
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生まれ育った町を眺める バンビース
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三角点のあるピークは 静かな頂
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やはり 撮ってしまいます…(笑)
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木洩れ日のダイヤモンド・トレール
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振り返って仰ぎ見る 金色の頂
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やっと 春に出逢えました
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山が華やかになるのも あと少し…(笑)

ホームからの花だより 靴を履きかえて…

3月9日 三重県入道ヶ岳
春を告げる花だよりに誘われて、ホーム鈴鹿はセブンマウンテンのひとつに向かいます。

セブンマウンテンの中で最も標高が低く(906m)、南部にある「入道ヶ岳」は、山麓に建つ椿大神社(つばきおおかみやしろ)の御神体であり、山頂には鳥居、その奥には「奥の宮」の祠が祭られています。地元では「入道さん」と親しまれているこの山、笹原の広がる稜線付近は遮るものがなく、「風の山」としても有名です。この山は6年振りであり、このブロクでは初登場になります。
椿大神社からのルートは大きく3つ。北尾根、二本松尾根、井戸谷。この他にも、宮妻峡や小岐須渓谷を起点としたルートがあります。
今日は、春を告げる花「福寿草」と逢いにセンターラインの「井戸谷」ルートから北尾根の周回としました。このルートは樹林帯・沢沿い・笹原と変化に富み、稜線直下の笹原登りは、伊勢平野を眼下に望みながらの開放的な山行を楽しめます。但し、残雪期は谷沿いの一部が「落石の巣」となり(6年前に経験)、今回も登山道の反対斜面で落石がありました。
山頂までのCTは2時間。ホームの中では最も登りやすい山だと思います。今日は、春を告げる花と春を実感する御陽気に誘われて大勢の登山者の姿を見かけます。我々は途中から半袖になり、正しく、春山開山と言ったところでしょうか。
笹原の広がりが見え始めた頃、本日のお目当て「福寿草」の群生地に到着。植生地を傷付けないように、また、石を落さないよう注意しながら近付き、黄色と言うよりは黄金色に輝くりっぱな花弁にしばし魅了されました。
ここから本日のメインストリート。笹原を行く一本道の登りに差し掛かります。冬、この笹原は見事な雪原となり、トレースを引くことが出来た日には大興奮(笑)となりますが、無雪期でも、登るに連れて背後に広がる伊勢平野の展望は「また来よう」と思わせます。呼吸と歩幅を揃えれば、難なく稜線へ。泥濘に注意をしながらアセビのトンネルを抜けると、鳥居へ続く参道。そして、登頂となります。
谷間から見えていた伊勢平野は視界に収まりきれないほどの広がりを見せ、春霞みに覆われた伊勢湾の向こうに知多半島の影絵。北には鈴鹿の槍「鎌ヶ岳」へ続く鎌尾根から先月登った主峰「御在所岳」。南を望めば、鈴鹿鹿島槍、双耳峰「仙ヶ岳」を中心に広がる南部鈴鹿の峰々。遠くには、まだまだ雪に覆われた「御嶽山」「乗鞍岳」の北アルプスに加え、「白山」も見えました。山容は異なりますが、素晴らしい展望を持つ入道ヶ岳は、鈴鹿の「蝶ヶ岳」と言ったところでしょう。(バティ談)
青空の下、山頂から少し離れた笹原でホームの峰と共に昼食。風もないこんな日は、このままお昼寝気分にさせられます。とは言え、下界で待つものもあり(笑)、再び、泥濘に足を取られないよう注意しながらアセビの北尾根を下りました。途中、498ピークからの支尾根が駐車地への近道(地図に記載有)だと思い進みましたが、廃道同然でバリエーション化されていました。「近所の山、恐るべし」を再認識した出来事です ^^; 
下山後は、山麓で待っている「和と洋」でいつもの…(笑)

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入道ヶ岳は「アセビの山」とも言えます
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「落石の巣」となった付近…後方からの落石を避けて岩肌にへばりつきました
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ネコノメソウ…シロバナネコノメソウは確認できず…
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凛とした佇まい
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春の陽を受けている姿が 力強い
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山に色が戻れば 春がやってきた証
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最も近くで伊勢平野を楽しめる 入道ヶ岳
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竜ヶ岳「遠足尾根」の横移動に対し ここは縦移動
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井戸谷。そして、伊勢平野
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アセビのトンネルは 泥濘の道(笑)
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山頂鳥居は入道ヶ岳の代名詞です
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やはり見えました…養老山地越しに「乗鞍岳」と「御嶽山
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冬靴から夏靴に履き替えて…
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青空のグラデーション…町から宙へ
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ダイナミックな山容…鎌ヶ岳南壁
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意外と手強いルートを持つ「仙ヶ岳」
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槍を眺めるこの地は まさに鈴鹿の「蝶ヶ岳
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御在所岳…ルート本谷は 白い鉄塔の左 岩尾根の向こう側
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白く浮かぶ北陸の島…白山
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3月17日開通…新名神鈴鹿PA「PIT SUZUKA」
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パラグライダーが 青空に舞っていました
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アセビの白は 雪山に別れを告げる色
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今日の振り返り…入道ヶ岳から続く北尾根
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創業明治35年が誇る「麩まんじゅう」と「草もち」
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1987年創業 フランスを体感できる いつもの…

ガイド山行…ルートはホーム本谷

2月20日 三重県御在所岳
昨年6月に交わした約束通り、ホーム鈴鹿をご案内するため、雲に隠れた山頂を眺めながら、待ち合わせの駐車場に向かいます。

今回同行した京都在住の山友ご夫婦。これまでに3度御在所岳を計画されたそうですが、全てが順延。今回は天候に加え、体調も思わしくなく、今週初めまでは来冬へ順延のつもりでいたところ、体調が快復し、雨も明け方には上がる予報。となれば、登るしかありません(^^)
ご夫婦と歩くのは初めてでしたが、これまでの山歴から我々の定番冬ルート「本谷↗・中道↘」は大丈夫だと判断。とは言え、今年の雪の状態に加え、前日の雨により、ルートの難易度が数段上がっていることは否めません。
登山口から山頂直下までひたすら谷を歩く「ルート本谷」。沢登り風に沢沿いを歩く経験が初めてのご夫婦、ましてやバリエーションルートとなれば、自然と緊張を強いられます。そんな中、ルートの説明やルートファインディング、岩の歩き方等次回に繋がる話をしながら、少しでも緊張を緩めます。
川幅の広い下流はルート取りも多く、その日の水量を見ながら歩きやすいルートを進みます。やがて、名も無き滝が続くようになり、巻道や直登など、全身を使った登りが増えてきます。
我々が初めて本谷を訪ねたのは2012年の秋。1枚のルート詳細図を手に、ルーファイに集中し、慎重に歩いたことを覚えています。13年の冬、ガイドツアーで本谷を訪ね、アイゼン歩行やピッケルワーク等、ルートと合わせて、冬山山行に必要な技術を学びました。その後、年に一度は本谷を訪ね、特に冬は、毎年変わる様子を楽しんでいます。そんな本谷も初めは誰もが緊張するもの。ご夫婦の緊張感を肌で感じながら「慣れに対する危機管理」をあらためて思い起こします
大きな岩が両側に続くと、最初の二股に到着。ルート本谷の原則「二股は右」をルーファイと共に説明します。しかし、次の二股だけは左のため、目印になるハーケンから延びた鎖を指差確認。そして、ここが最初の核心部。今回はそこに至る雪も注意が必要でした。小さな岩の窪みにつま先を掛け、岩登りの要領で数m登ります。岩が乾いておれば難なく通過できますが、濡れていると足下がおぼつきません。
この辺りから道に雪が出始め、緩んだ雪は突然太腿まで沈み込みます。一歩一歩足元を固めながら進むため時間はかかりますが、安全第一です。
普段とは違う緊張とともに、メインストリートの門番「ジョーズ岩」へ。ここでも豊富な水量は岩を打ち、水飛沫が全身を濡らします。直登からのルート取りは危険なため、鎖に頼った登りとしました。数年前にはなかったこの鎖、もし付いていなければ、用意したロープの出番になるところです。
ここから上部は情報通りの雪道。ここの雪も緩んでいるため、踏み抜き注意です。雪の下にある岩を想像しながら登りますが、踏み抜きは突然やって来ます(^^; 雪質から判断し、アイゼンは付けずにピッケルだけで登り始めました。少しすると、谷を覆っていた雲が晴れ、伊勢湾に続く山麓の景色がV字の向こうに広がります。そして、頭上を行き交い山麓へと続くゴンドラ。ここまで要した時間は3時間半。いつもより、余計にかかっていますが、この景色は、緊張から来る疲れを一瞬で開放し、その勢いのまま本谷終了地点に到着。一般道に合流すると、ルート本谷を登り終えた達成感と安堵感から自然に笑みがこぼれていました。山上レストランで昼食をとり、気持ちをリセットした後に下山開始。まだまだ油断出来ない中道ルートを下り、本谷を望む岩に立った時の感動。
「その気持ち、良く判ります」
初めてのバリエーションルートで緊張の続く山行をされたご夫婦ですが、「本谷史上最難関」だったルートを無事に下山できて、ほっとした案内人でもあります。
登山口が見えた時、山友の呟いた「あぁ、終ってしまうのか…」がとても印象的でした。
下山後は、疲れた身体を癒してくれるいつもの…(笑)

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本谷ワールド が 始まりました
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何段の滝だろう…でも 名前は知らない
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横移動から 縦移動へ…
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イラストにも負けない 皆いい笑顔なんです(笑)…不動滝
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一般ルートとは 一味違う 本谷の序盤
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最初は 力技で登ってしまいます
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中盤を迎えると ルートも限られます
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今年の大黒滝は 見事な水量でした
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大黒滝上部は 岩よりも雪が 目立ち始めます
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ガイドロープのお陰で 通過しやすくなりました
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視線の先には…
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門番 ジョーズ岩…(右側の岩を登ります)
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ジョーズ岩の目線で…
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ここで踏み抜きを繰り返すのは 初めてでした
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トレースは無いに等しかった メインストリート
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ここからの景色は 是非 見て欲しかった
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メインストリート 登っている時は 意外と平常心
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アイスガーデンを過ぎると 後半戦に入ります
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大黒岩直下 谷が狭くなってきました
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上部は ミルキーウェイの世界
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油断禁物 でも ほっとする標識です
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山頂は踏んでませんが 記念の1枚
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名古屋方面…来月開通する新名神も見えています
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顧客に喜んでもらうのは ガイドの仕事(笑)
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メインストリートと再会 ここで本谷のファンになります
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次は どんな顔で待ってくれるのでしょうか
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今日の本谷を表わす2色で いつもの…(笑)

ミルキーウェイの台高 氷と霧氷たち

2月16日 奈良県明神平
20日の山行が中止になりそうなので、普段なら行かない予報の中、晴れマークが付いたことを言い訳にしてパッキング。ミルキーウェイでも楽しめる場所へ5年振りに向かいました。

紀伊半島には奥駈道で有名な大峰山脈の他、1000~1600mの峰々が奈良と三重の県境に連なる台高山脈があり、共に「近畿の屋根」と呼ばれています。北は「関西のマッターホルン 高見山」から南は「雨の大台ヶ原山」。双方の名前を一字取って「台高(だいこう)」です。そして、その北部に位置する明神平(1,323m)は、その名前からも判るように、稜線上に開けた場所で、昭和40年頃にはスキー場もありました。(リフトの跡など、その名残をとどめています)また、近くに水場があることから、幕営される方も見受けられます。
当初の予定は、この先にある三重県最高峰「桧塚奥峰」を目指す予定でしたが、天候次第では明神平で引き返すつもりで入山です。
このルートの核心部は登山口への大又林道。整備されていない凍結路は、スタッドレスでも進入を拒みます。雪の少ない今年は凍結箇所もなく、安心して入れることから、冬期では初めて向かいました。
駐車場からしばらく続く林道歩き。急な傾斜路は一部凍結しており、早速、チェーンスパイクの出番。関西の雪山歩きに欠かせないアイテムのひとつです。
郷川に沿って道は続き、登山道に入ると5回の徒渉が待っています。個人的には最も下流にある最初の徒渉が苦手でしたが、冬は水量が少ない分、特に支障はありません。また、3番目と4番目の間には、沢を巻くため直角に曲がる箇所があり、見落とす可能性もあります。直進しても通過は出来ますが、足元のテープに注意をして巻道を進む方が、楽に通過できます。
ミョウジン谷の案内とともに、前方には明神滝。その飛瀑から響く音がBGMとなり、扇状に広がるアイスミュージアムの完成です。
滝を巻くように斜面を登ること2回。最後の徒渉地点が近付いてきます。水量によって毎回徒渉ポイントが変わる難所のひとつでしたが、そこには小橋が架けられており、例え水量が豊富でも安心して渡れるように整備されていました。この橋を渡ると登山道の雰囲気に変化が見られます。大袈裟に言えば、山が変わる感じです。明神谷を吹き上げる風が体温を奪い、同時に、頭上の木々に霧氷が育ち始めます。
相変わらず、周囲はミルキーウェイ。稜線を吹く風の音がはっきりと聞こえてきます。時間的な余裕はあるものの、予想通り、明神平を折り返し地点としました。
ロープで徒渉した四郷川も一歩で渡れる冬の小川となり、最後は水場として、我々に潤いを与えてくれます。ここからひと歩きを終えると、樹間に明神平の世界を感じ取れます。霧氷は更に育ち、遮るものがない風は勢いを増しています。ここまで長袖で登ってきましたが、ここで防風対策の身支度を行い、樹林帯を抜けます。
まず出迎えてくれるのは、シンボル的な存在の小屋(開放していません)。そして、ミルキーウェイの世界に溶け込んだ霧氷の林。色を無くした明神平。この世の境にも見える霞んだ周囲は、体感以上に凍てつく気がします。鈴鹿、比良、大峯・台高。関西を代表する雪山地域は、それぞれに特徴があり、ここは「寒々した雰囲気」を最も楽しめる(笑)場所。そして、今日もそれを感じることが出来ました。
下山後は、更に西へと進んで、いつもの…(笑)

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今日は神秘の世界を楽しもう…
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林道の陥没地…人が踏み 5年前より安定している
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第1徒渉地点…張り巡らされたロープが特徴
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第2徒渉地点…Xのロープが特徴
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只今 進化中の作品群
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水飛沫を止めると…
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ホームではお目にかかれない 大作です
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木々の間から 明神滝
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我々 人間は アウェーな感じです
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苔には苔の エビの尻尾
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山頂を目指さないのも 雪山の愉しさ
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風が残したもの…
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台高の冬は ホームと一味違います
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この木を抜けると 明神平…
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大阪の府立高校名が書かれた「あしび山荘」
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晴れなくても 貴方は素敵です
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この先は 晴れている時に歩きたい道
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今年は こんな景色が多いような…バンビーズ
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雪が少ないお陰で出会えた この景色
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風以外の音は ありません…(笑)
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これぞまさしく ミルキーウェイ
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さぁ 帰ろうっと…
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アイスエッグ…やっぱり 冬山は空模様だけではない
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雪とは違う 氷の造形美
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色があると 安心する いつもの…(笑)

バンビー4で 冬の遠足

2月10日 三重県竜ヶ岳
今冬も尻皮山友「バンビー4」で雪山山行。目指すは鈴鹿の女王「竜ヶ岳」。コースはランラン「遠足尾根」。

先月、安曇野の山友から比叡山延暦寺)を訪ねたいとの連絡が入り、それと合わせて、山行を計画。当初は以前、山友が登りたいと話していた「伊吹山」でしたが、連休中の天候は思わしくなく、晴れマークが顔を覗かせた「いなべ市」に登山口がある「竜ヶ岳」に決定。ルートは僕が最もお勧めする「遠足尾根」。2月に入り雪溶けの進んだホームですが、雪以外でも冬山を楽しめる素晴らしいルートです。
3連休の中日。そして、晴れマーク。人気の高い山だけあって、さぞかし駐車場は賑わっていることだろうと思っていました。ところが、風が強いとの予報の影響か、平日並みの静けさで、早くも楽しい遠足気分を味わえそうな予感です。
僕が遠足尾根をお勧めする理由は3つ。林道歩きが短いこと。稜線歩きを長く楽しめること。そして、登山口を含め、山頂との距離感を感じ取れること。
いつもなら樹林帯の急登を終え、支尾根に合流したところで、スノーシューハイクが始まります。1月下旬には辛うじて楽しめたようですが、今日は、3月中旬残雪期の雰囲気。微妙に雪が残った登山道は、所々凍結しており、その箇所は注意が必要でした。
視界が開け、竜ヶ岳の山頂へ続く稜線と頂にご対面。今日は青空も顔を覗かせ、この景色を山友と共有できたことに、まずは感謝と安堵。風も思ったほどでなく、暖かな陽射しを受けた遠足の始まりです。
谷間に広がる残雪が登山道へと続き、その一部を切り取れば、りっぱな雪山山行となり、例え真っ白な雪原歩きでなくても、仲間と歩けば、その隙間を埋めてくれます。
金山尾根合流直下の直登。一部凍結の夏道を慎重にやり過ごし、一息ついたところで振り返れば、綺麗なカーブを描く遠足尾根越しに、遠く霞んだ名古屋市街から養老山地に木曽三川。視線を移せば、ホーム最高峰「御池岳」に「藤原岳」の北部鈴鹿の峰々。晴れていれば、御嶽山乗鞍岳の北アルプス等を望むことも出来ます。
金山尾根と合流すると、登山口では彼方に見えていた竜ヶ岳はその懐深い山容が眼前に広がり、たおやかで凛とした雰囲気を最も感じ取れます。その深さ故、頂はまだ遠くに感じるかもしれませんが、直下の鞍部までは意外と近いものです。
風の影響を受けることなく直登を終えた先に、南部鈴鹿の峰々を背にした頂が待っていました。それぞれと硬く握った手に残るのは、いつも以上の感触。バディとは違うパーティ山行の良さがここに集約されていると思います。
下山途中、竜ヶ岳を眺めながらのランチ小休止。少し早いけれども、これまでの時間を振り返る時間。それぞれ山に対するスタイルは違えども、こうした山行が出来るバンビー4。その源流にあるものを求めて、下山後に向かう先は、いつもの…(笑)

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今回はどんな思い出になることやら…
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樹林帯 光のシャワーが 降り注ぎます
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山行を占う第1展望地…今日は大丈夫の模様
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明るい稜線歩きは 遠足気分で「お喋りタイム」
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この景色を見て欲しかった…
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雪を踏めれば 良いのです(笑)
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伊勢湾と南部鈴鹿…稜線上には SuzukaKumo
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冬のキャンパスは モノトーン調
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残雪の光 今年の春は近いのかも…
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影を並べる 雪山山行
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鈴鹿北部を代表する「御池岳」から「藤原岳
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今年の遠足尾根は 雪と笹原のせめぎ合い
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ここを過ぎれば ゴール直下は近い…(笑)
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変化に富む稜線歩きは「遠足尾根」の真骨頂
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女王に描かれた巨大な雪形 「ブーケを受け取る女性」
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開放的な稜線は 鈴鹿随一でしょう
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本日のメインストリートへ続く プロムナード
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季節を問わず 美しい道
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冬の登頂は3年振りの バンビー4
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いつもの場所から 今冬の遠足尾根
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振り返れば 貸切の山頂
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次は 羊の放牧と再会しようかな
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来冬は どんな顔を魅せてくれるのか
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稜線歩きの楽しみは まだまだ続きます
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遠足のおやつは1人2つまで…で、いつもの…(笑)