Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

雪と氷の2日間.‥長野遠征

遠征とは言うものの、今年に入って4回目の長野県。今回はソフトとハードに冬山を楽しむ2日間となりました。

2月19日 長野県雨池
1月下旬から毎週雪山が続いており、2日目の行動を考えて、初日はゆるーくスノーシューを楽しめるコースを計画。あとは空模様と相談して、以前、このブログで紹介されていた北八ヶ岳の雨池に決定。起点となる坪庭まで歩いて登れば2時間のところ、ロープウェイを利用すると約7分で雪山の世界へ。10時前に山麓駅に到着。天気に恵まれ、すでにボーダーやハイカーで大賑わい。人の列は正面玄関まで伸びており、30分待ちで乗車出来ました。南八ヶ岳から南アルプスの名峰を眺めながら標高差約500mを一気に稼ぐと山頂駅「坪庭」に到着です。今冬初めて見る「スノーモンスター風」の景色に心が弾みます。
時刻は11時前。雨池往復は2時間半。この好天と景色をゆっくり楽しんでも時間は充分です。
縞枯山荘への道を辿ると、山は静けさを取り戻し、雨池峠から樹林帯を下ると浅間山から荒船山群馬県の山稜が樹上に浮かび上がります。林道まで下ると樹々に雪化粧はなくなりますが、平坦な道は北八の森を歩くスノーシューハイクにぴったりですね。さらに分岐点を下ると樹間に雪原が見え始め、雨池に到着です。
池の周囲に沿って少し歩いた日当たりの良い場所で昼食。しばらくして2組の方が到着しましたが、こちらに来る様子はなく貸切状態が続きます。ここには頬を刺すような風はなく、陽だまりで昼寝をする猫のように、時には寝そべりながら空を眺めたり、雪原の向こうに広がる森を眺めたりと、快晴であるが故の贅沢な昼食タイムでした。
帰り道、林道から雨池峠への登り返しもスノーシューのリフター機能を利用すればさほど苦にならず、景色を楽しんでいる内に気が付けば平坦な道になってきました。薪の匂いが漂う小屋を過ごし、坪庭周遊道まで戻ってくると、あちらこちらから人の声が聞こえてきます。皆さん、それぞれの雪山を楽しまれています。
「近い将来、冬山と言えば、こんなスノーシューハイクに限られるのだろうなぁ…」と思いながら、全周囲パノラマ展望のロープウェイで春の陽気が漂う山麓駅に戻りました。
下山後は、お決まりのお店でいつもの…(笑)


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標高とともに 気分も上昇(^^)
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ここまでは 観光客の方でもOKです
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さて 軽くスノーハイクと行きますか
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伸び上がるような霧氷たち
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モンスターたちに 吸い込まれそうな雰囲気
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きらきらと光る 雪の斜面
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トレースと太陽があれば 雪山の難度は下がります
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ここから見る山荘が 僕は好きです
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雪だからと言って どこでも歩いて良いとは限りません
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時折 風が我々を追い抜いていきます
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縞枯現象は 東面でも見られます
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林道…このあと スノーモービルが2台通過しました
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りっぱなシラビソ?の林を抜けると…
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雨池に到着です
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雨池ダッシュ…身体の硬い僕はこれが限界…(笑)
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静かで 気持ちの良い場所です
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見上げると 昼間の星が降ってきます
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今年の冬は よくトレースを作ります
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ダケカンバの幹も 個性豊かな表情です
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名残霧氷が ガラス細工のように 輝きます
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水蒸気がはっきりと…浅間山
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美しい森を振り返ります
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ディーゼルエンジンより 薪の匂い
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南八ヶ岳の名峰たち…あの稜線から2ヶ月
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チーズが香るのいつもの・・・

2月20日 長野県善五郎の滝
前日の快晴が嘘のような曇天の朝。予報では一日中、雨と風の「荒天」。読みは同じでも昨日の「好天」とは正反対ですね。今日は山友のガイドで人生初のアイスクライミングをするため、乗鞍高原へと向かいます。
待ち合わせ場所では雨が降っていましたが雪に変わることを期待してまずは現地へ向かうことにしました。上高地に向かう国道から乗鞍高原の分岐点を過ぎても雨。しかも、かなりの降雨量。「2月なのに雨か…」と思いつつ、昨年も暖冬の影響で計画を中止したことから、不安が少しよぎります。鈴蘭を過ぎ、ようやく雨は雪に変わり、山友ガイドの「これなら大丈夫です」の声に表情が明るくなりました。
駐車場から林を抜けて、「善五郎の滝」を見下ろす場所へ。写真で見てはいたものの、その迫力に少し圧倒されそうになりました。滝に到着すると、先ほど感じた迫力よりも「今からこれを登るんだ」と言う期待感が上回り、降りしきる雪もさほど気にはなりませんでした。
先行者1組2名。しかし、我々が予定しているルートとは別ルートだったので、お互い干渉することなくクライミングを楽しめそうです。
まずは、確保用ロープの設置に山友がリードクライミング。久しくビレイヤーをしていなかったので、最初は少し緊張しながら山友の動作を目で追いました。準備が整い山友の「さぁ、どうぞ」でクライミング開始。
数度の人工壁と外岩を1回経験しているとは言え、初めてのアイスクライミング。山友のアックスを落とさないように注意しながら…それより自分を落とさないようにせねば…(笑)、見よう見まねで登攀を続けます。両手に持つアックスは何とか使えますが、アイゼンの前爪のみに身体を委ねるのは難しかったですね。あと岩場と較べて足を休める場所が少なく、また、登ってみると下から見るよりも傾斜が急だなぁと感じました。
金曜日に痛めた右肩の痛みもそっちのけ(笑)で最高点へ。力と少しの経験で到達した初登でした。
雪はやがて霙となり、アウターはビショ濡れ状態になってきたため、撤収。僕は2回半、バディは1回半の登攀でしたが、満足のいく経験でしたね。
冬に限らず、山はその広大なフィールドを生かして、様々なジャンルで楽しむことが出来ます。今回の経験もそのひとつでした。機会があれば、来シーズンもお願いしますと山友に告げ、いつもの場所へ…。

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展望台から見た 善五郎の滝
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登攀地点から見上げた 善五郎の滝
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右端の入門ルート ロングバージョンを登ります
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今月中旬に崩落した 左側ルート
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先行者はショートルートから登られていました
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まずは 山友ガイドが登攀のお手本
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見るより 実践あるのみ(笑)
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基本は岩登りと同じだそうです
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ここまで登ると イメージ通りに進めます
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懸垂下降で 下りはピャア~(^^)
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当然 バディも初挑戦
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果敢に攻めて 登っていきます
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階段状に見えますが 実際はほぼ真っ直ぐな感じ…
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人と較べると 氷瀑の大きがわかりますね
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脱力感たっぷりの 懸垂下降…(笑)
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気合いだけ十分の 2登目
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足元を覗けば こんな感じです
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アックスを見上げれば こんな感じです
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もし振り返れば こんな感じです(笑)
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バディの2登目…足場の状態がよくわかると思います
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崩落したルートは 常に水の音が聞こえるそうです
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そろそろ潮時の 3登目…^^;
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来シーズンは青空の下で 登りましょう
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最後に振り返って 善五郎の滝…
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火照った身体を 冷やしてくれる いつもの…