Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

苔の大地...ホーム奥座敷で テントライフ

4月22~23日 滋賀県イブネ

春の訪れと共に、大峯山系で一夜を過ごす恒例山行。昨年は天候不良で流れたため、今年こそと思っていましたが、登山口までの通行止めが解除されず、ホーム鈴鹿の奥座敷で4年振りのテント泊。

4月22日
昨年の晩秋にテント泊予定であったものの中止となった「イブネ」。今回は宇治の山友をお誘いし、「イブネワールド」を楽しんでもらおうと思います。
登山口は滋賀県甲津畑地区。ここから杉峠までは古の道「千種街道」を歩き、峠からは破線ルートで向います。しばらくは林道を歩き、桜地蔵を過ぎて渋川を渡ると、登山道らしくなります。杉峠までは「杉谷善住坊のかくれ岩」「蓮如上人旧跡」「鉱山跡」等、歴史街道らしい趣のある道を緩やかに登っていきます。
街道を離れると、まだまだ固い新芽の明るい尾根道を歩いて奥座敷へ向かいます。やがて、冬枯れの林も「目には青葉 山ほととぎす…」と移り変わっていくのでしょう…ただし、その頃ホームは「蛭休み」ですが…(笑)
アセビの坂道を登り終えると、イブネワールドの玄関です。表札は一本の枝にかかった木札(^^)
鈴鹿山系は20年以上前から笹枯れ現象の周期に入っており、ここイブネも30年ほど前は、訪れる者を拒むほど背の高い笹原が続く秘境。しかし今は、苔の絨毯が敷かれた奥座敷の表現が似合うと思います。笹が枯れることで負の影響もあるでしょうが、再び、生育するまでの貴重な時間に巡り合えたことは、感謝しなければなりません。
思いのほか風が強く、アセビ防風林の陰を幕営地にした後、イブネの隣町www、クラシまで散策。昨年のレポでも書きましたが、「鈴鹿の雲ノ平」と僕が呼ぶこの山域は、本当に静かに、そして大切に見守ってもらいたい場所です。(本当ならアップしてはならない場所かもしれない…)
比良山地に沈む見事な夕陽を眺めた余韻に浸りながら夕食タイム。4年前に幕営した時は小雨交じりの天候であったため、今日の素晴らしい時を過ごせることに、再び、感謝。
遠く名古屋市内へ続く夜景と共に、暮れなずむイブネワールドにはテントの灯り。山友との楽しい会話はどこまで響き渡ったのでしょうか…(笑)

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薫りが沸き立つような山桜
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春と言えば スミレ ですね♪
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タムシバの白い花が 道を照らします
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杉峠までは 渋川の源流を辿る道
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シデの並木が息づいていた頃に 歩いてみたかった
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杉峠は 奥座敷へのインターチェンジ
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ホオジロが 出迎えてくれました
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足下には ショウジョバカマ が ご挨拶
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表玄関の表札.‥今年も来たなぁと思える木
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3人分の食料、水は 30kg.‥頑張りました(^^)/
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テントの中からは 御在所岳と国見岳
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まずは イブネ北端を目指します
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目線を下げて 楽しむ苔
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目線を戻して 楽しむ苔
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植物の世界にも 誕生と死は あります
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クラシに向かう 一本道
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クラシの中の 一本道
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テント場に戻る 一本道
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御在所岳と鎌ヶ岳は 鈴鹿中部の2大スター
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西陽を受けて浮かぶ琵琶湖と近江富士
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明日の好天が約束された夕暮れ
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夕陽に苔が染まるなんて.‥感動
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最後の一辺が比良の稜線に沈み込みました
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肉団子とピーマンの甘酢にベーコン野菜味噌鍋
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光の波に 襲われそうな 頂上大地

4月23日
4月下旬とは言え、標高1160mで迎える朝は、凛とした空気が漂います。朝陽を浴びて紅く染まる苔。東から西へと移り変わる空。夜明けと共に、生命の営みが再開されたようです。「寒いなぁ~」と撮影からテントに戻って気温計を見ると、-6.5℃。ここは滋賀県鈴鹿山地の1160m…(笑)
今日の行程は下山のみ。この素晴らしき場所で過ごす時間が今回の目的です。普段歩いている鈴鹿の山々を一歩下がって眺めることができる場所。そして、その間にあるものは、裾野に広がる谷や尾根や小さなピーク。鈴鹿ワールドが一望です。北アルプスや八ヶ岳も良いけれど、地元の山を眺めながら迎える朝は至福のひとときですね。
再び、4年前の話…。同じ日程でありながら、寒波を伴った前日の雨は、イブネワールドを白く染め上げ、アセビの枝にびっしりと付いた霧氷とミルキーウェイが印象的でした。話は現在に戻り…、霜を纏って白く染まった苔の絨毯は、暖かな陽射しを受けキラキラと輝いていました。その中を縫うようにして続く一本道を何度行き来したことでしょう。
遠く北アルプス・乗鞍岳の真っ白な姿を初め、鈴鹿北部へと続く山々、稜線は霞みがちの比良山地、伊勢湾に琵琶湖、近江平野に濃尾平野。県境に位置する鈴鹿ならでは光景です。ある意味自宅よりもゆったりとした朝食を終え、これまたのんびりと撤収準備。昨夜、イブネで幕営されたのは他に5組。皆さんがそれぞれ素晴らしき時間を過ごされたことは間違いありません。
雲ひとつない青空に緑の絵巻物が描かれたイブネの大地。その周囲には雨乞岳、入道ヶ岳、鎌ヶ岳、御在所岳釈迦ヶ岳、竜ヶ岳、藤原岳鈴鹿セブンマウンテンや三重県滋賀県の峰々。まさしくここは「鈴鹿の雲ノ平」だと思います。
いつまで居ても飽きない場所も、いつかは去らねばならず、いつものの場所に向かって、下山開始…(笑)

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夜景の光害に天の川は ぼんやり.‥自然と現代社会は表裏一体
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朝陽と夕陽.‥似て非なるもの
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苔のラジオ体操第一~(笑)
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次第に赤みが増していきます
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朝陽を受ける 木曽三川
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御在所岳上空は まだ虚ろな感じ
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雨乞岳が最初に目覚めました
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刻一刻と表情を変えていきます
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雲ノ平の薬師岳のように イブネの大地を飾る雨乞岳
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大好きな自然の曲線が 至るところに.‥(笑)
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ベーコンチーズマフィンをボルシチと共に.‥(^^)
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遠く 北アルプスを眺めることが出来る 鈴鹿の凄さ
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ノーコメント・・・(笑)
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足取りも軽く 次の目的地を目指します
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何度も振り返る イブネの頂上大地
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冬枯れしか知らない でも 冬枯れが似合う イブネ
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先人は この峠から 何を眺めたのでしょうか
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大木の影が覆う 並木道
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林の影が覆う 落ち葉道
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陽を受けたタムシバは 昨日とは別人のようです
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イワウチワを見ると 鈴鹿の春も本番です
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いつも愛くるしい表情の ヤマルリソウ
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清楚な佇まい ミヤマカタバミ
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桜の谷が見えると 駐車地は近い
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いつものは 夢から醒めて 現実に戻る薬…(笑)