Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

紅葉と池をめぐる…御嶽山

10月1日 長野県御嶽山(開田山頂)
ナナカマドやダケカンバにウラシマツツジ…が見事に山肌を染める御嶽山。3年経って訪ねることが出来ました。

毎年、あの日の出来事と結びつくのは登っていた「常念岳の紅葉」。赤や黄のグラデーションが朝焼けに照らされる中、東に向かって長くたなびいていた噴煙。雑誌で見た記事が印象的でいつか登ろうと思っていた矢先の出来事です。
今回は黒沢口から入山し、女人堂~三ノ池~二ノ池の周回ルート。通行可能になった三ノ池ルートを利用して、池と紅葉を巡ります。
このルート、御岳ロープウェイを利用して7合目まで入れますが、運行開始が7時30分と遅いため、6合目の中ノ湯を夜明け前に出発しました。しばらくは綺麗に整備された木階段の樹林帯を登ります。7合目行場山荘から色付きが見え始め、次第に登山道の脇を繋げていきます。日本列島を紅葉前線が南に下るかの如く、標高を一歩一歩上げるにつれて秋が深まります。背後に中央アルプスを望むことが出来れば、ラーメンの幟が出迎える8合目の女人堂に到着(^^)
ここで一気に視界が開けます。北ア、八ヶ岳、中央アに南アの甲斐駒。しかし、その大展望も眼前に広がる錦秋の絵巻物の脇役でしかありません。全山燃え上がる紅葉とは違い、頂きを目指して競うようにハイマツを駆け上がる一条の錦帯。それは荒涼とした山稜直下で大輪の花を咲かせます。広大な山頂部を持つ御嶽山の山容は嫋やかに見えますが、間近で見上げると穂高にも負けない険しい岩峰が続きます。
三ノ池ルートは中腹をトラバース気味に登山道が整備され、素晴らしい眺望と引き換えに桟道や徒渉、落石等リスクを伴うため、通行には注意が必要です。御嶽山は剣ヶ峰の他に王滝頂上、飛騨頂上、そして、このルートの到達点、三ノ池の畔にある開田頂上。しかし、頂上とは名ばかりで鞍部の印象が強いですね。
三ノ池畔から三ノ池乗越へ登るにつれ、藍色の水面は輝きを取り戻し、今年の7月、継子岳からの周回で見た瑠璃色の鏡となり、その池を背に今冬を過ごすべく雷鳥の兄弟が仲良く歩いていました。
乗越に立つと剣ヶ峰が指呼の間のように近付きます。途中、賽の河原を抜けて二ノ池へと向かう訳ですが、荷物とは別に何かを背負う感じがありました。継子岳ではいつの日か剣ヶ峰に立つことがご供養になると思っていましたが、間近で見ると、その考えが揺らぎます。
再建途中の二ノ池本館。そして、火山灰に埋もれた二ノ池。こうして現場に立つと写真から伝わらない現実が胸に迫ります。特に、我々の登山口「田ノ原」を稜線から眺めた時は、言葉に詰まるほど感慨深さがありました。そんな中、今日も大勢の登山者が楽しげに歩き、女人堂までは家族連れの観光客。よくある紅葉シーズンの風景があります。
女人堂への下山道。再び、錦秋の絵巻物が目の前に広がります。ただ、当時と同じ季節、同じ道を辿ると、どうしてもあの日この道を歩いた人々の心境を思わずにおれません。
3年越しで訪ねることが出来た御嶽長野県側ルート。あの日を境に変わってしまった御嶽山。ただ、登ってみて、これが次の御嶽山の始まりだと思っています。
下山後は、秋の銘菓でいつもの…

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朝 霞がかった山の連なりを見るのが好き
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何度も足を止めてしまいます
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長野県側ルートらしい 御嶽山の眺め
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これぞ山の秋でしょう
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中央アルプスを彷彿させる この光景
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八ケ岳の稜線が 遠くに浮かびます
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日本の秋は 素晴らしい…
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ざわめきが聞こえてきそうな 秋の谷間
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岩峰を秋が駆け下ります
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三ノ池ルートの前半は 紅葉パノラマルート
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尾根沿いにハイマツ 谷筋に紅葉 キャンパスは白き岩
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中腹以降は 黄色のダケカンバが目立ちます
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沢筋は すでに凍り始めています
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天空の回廊…紅葉を眼下に
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7月は向こうの稜線を歩いていました
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無事に冬を越してほしい…
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こちらはまだ母鳥と共に行動していました
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継子岳…四ノ池を周回するルートが一望
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剣ヶ峰…まだ距離以上の遠さを感じます
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宝石のような水面…三ノ池
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陰を感じてしまうのは名前?…賽の河原
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賽の河原越しに 摩利支天を望みます
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草紅葉が頂上大地を彩ります
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これが二ノ池の現実…涙が出そうになる…
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二ノ池と新しく出来た池(右)…奥は再建中の山小屋
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頂上山荘…ここにも懸命に作業される方が…
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8合目の女人堂まで この景色がお供してくれます
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フレームにどの景色を切り取るかは 自分次第
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御嶽山だからこその景色が 数々ありました
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このトンネルを抜ければ 女人堂へ到着
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最後に振り返る 秋の御嶽山
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秋と言えば これですよねぇ