11月25日 滋賀県大谷山
先週来の寒波でホーム鈴鹿を初め、関西の稜線には雪景色が見られるようになってきましたので、これは登るしかないでしょう (笑)
六甲全山縦走路、大峯奥駈道、京都一周にダイヤモンドトレイルなど、関西には魅力的なロングコースがあります。今回訪ねた大谷山は途中の「寒風」から山頂まで高島トレイル(全長 80km)を歩きます。滋賀県と福井県にまたがるこの稜線、琵琶湖や日本海を望めるほか、太平洋側と日本海側の空模様の違いを確かめることが出来る場所でもあります。
登山口となるのはマキノ高原キャンプ場。人気の赤坂山に向かって数組の登山者を見かけましたが、我々は「大谷山派」。そして、春、花を求めて赤坂山~寒風を周回されますが、我々にとっては関西有数の雪山ルートのひとつです。
登山口とは別世界の稜線歩きを楽しめるのが「関西の冬山」。麓から眺める稜線は今週初めの情報と較べて減っている感は否めません。稜線は800m、季節は11月。根雪になるにはまだ早いのでしょう。
ゲレンデ跡の直登から始まるこのルートは、ゆっくり登り出さないと汗だくになり、注意が必要ですね。やがて道は、まだ秋の装いをみせる広葉樹の森へ続きます。麓の人気スポット「メタセコイア並木」を俯瞰する展望地を過ぎると、いったん植林地へ入ります。再び、広葉樹の林になり、700mを超えたあたりで林床を白く覆い初め、やがて道も雪に閉ざされます。踏み跡のない道は、ザクッ、ザクッと一歩踏み出す度に心地よい音が耳と足に伝わります。
関西とは言え日本海側気候の影響を受ける琵琶湖西岸の山稜。特に、湖北と呼ばれるこの山域の雪は良質です。真っ白なトレースと琵琶湖を望めば寒風。大谷山より40m高い854mです。滋賀県の最高峰「伊吹山」(1377m)は雲に隠されていましたが、ホーム鈴鹿の峰々は陽が当たっているように見え、まるで冬雲の境界線が引かれているような光景です。
ここを直進し右手に向かえば「赤坂山」。1月以降、素晴らしいスノーシューハイクが楽しめるルートです。ここから我々は左に向かいます。あまり紹介したくはない、静かなルート。麓から感じなかった稜線の雪は、すっかり根雪になっているようでした。歩き出してしばらく進むと、一本のトレースが寒風を避け、赤坂山方面へ向かっていました。雪山歩きの醍醐味ですね。
このルートが静かなのは、大谷山へは120mほど下り80mの登り返しがあることでしょうか。今はまだ夏道ルートですが、本格的に雪が積もれば、一面の雪原となり、鞍部に向かって急降下…これが楽しいのです (笑)
鞍部に近付くにつれ、風は強まります。谷に沿って若狭湾から吹き寄せる風は、潮の香りこそしませんが、厳しい冬の日本海を思わせる冷たい風です。
遮るものがない大谷山。比良の主峰「武奈ヶ岳」へ続く稜線が遠くに見えています。反対側に目を向ければ、朝より色濃くした灰色の雲が山稜に近付いていました。琵琶湖も南側はキラキラと湖面が輝き、冬の陽射しを湖面一杯に受けていますが、湖北地域は空の寒さを湖面に映し出していました。
数名の登山者とすれ違うだけの山行。燕岳の時もそうでしたが、「意外とこの時期はいいんじゃないの?」と思いながら、初冬から晩秋へのグラデーションの中、下山しました。
下山後は、暖房で暖まった身体を冷やす いつもの…(笑)
帰りには 大渋滞となった「メタセコイア並木」
結構辛い ゲレンデ跡登り
琵琶湖が広がっていく様が楽しい このルート
冬枯れの林は 明るい落ち葉道
冬枯れの林に目を惹く この秋一番の彩り
静かに鑑賞…メタセコイア並木
朝陽を受けた琵琶湖に浮かぶ「多景島」
美しい冬枯れの林…晩秋編
初冬も美しい 冬枯れの林
白いキャンパスに描く 自分だけのトレース
来年も美しい花を咲かせて…オオイワカガミ
琵琶湖が広がれば 稜線まであと一息
これからは 琵琶湖とともに稜線歩き…
目指す大谷山まで高島トレイルを楽しみます
山頂直下は 自分のトレースで歩きたい
振り返って「寒風」…向こうの空は寒そう
基準点名は「八十千岳」の「大谷山」
次は 一面銀世界の時に訪ねましょう
動物の足跡を楽しめる 雪の山
日本海(左側)へと続く 雲のグラデーション
この雪は やがて「北比良」から「南比良」へ
下山は 冬から秋への逆戻り
里の秋も 残り僅かですね
登山口から大谷山…晩秋から初冬の眺め
まだしばらくは秋を感じたい いつもの…(笑)