Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

霧氷の奥駈道で参拝…弥山

12月2日 奈良県弥山
12月に入り、再び、寒波がやってきた関西。雪山を求めて先週に引き続き入山。

弥山の登山口「行者還TN西口」へは国道309号線で向かいますが、冬期は通行止めとなり、今年は12月11日午後3時。その後は、麓の天川河合等から登ることになり、日帰りするには健脚者だけに開かれた山になります。と言うことで、我々が冬の弥山を楽しめるのはワンチャンスあるかないか。その機会が晴天の週末に訪れました。(なお、上北山村から行者還TNへは工事のため、すでに通行止めとなっていました)
登山口に向かう道すがら、白く輝く稜線が見えると、思わず声が上がります。いやがうえにも期待は膨らみますが、焦らないのが冬山ルール…我々は夏山もですが…(^^)
今朝の冷え込みは厳しく、いつもなら脱ぐフリースも着たままで出発。大峯奥駈道の分岐へと続く急登の尾根歩きをいつものペースで登ります。まだ感覚の戻らない冬靴は、木の根や石に躓くことがありました。1時間程で分岐に到着。ここからしばらくは冬枯れの明るい稜線歩きとなり、そして今日は「霧氷祭り」の始まりです。
雲ひとつない青空ですが、稜線を抜ける冷たい風は頬を刺し、暖まった身体をフリースで守ります。この風は次第に収まる予報で、山頂に着く頃には冬の晴れ間を楽しめるはずです。
稜線を境にし、右側(北側)には見事な霧氷が続きますが、左側(南側)には全くありません。当たり前のことながら、自然とは正直だと思います。そんな霧氷祭りを楽しみながら、いつしか次のポイント「理源大師像」がある「聖宝ノ宿跡」に到着。ここから再び登りとなり、風も落ち着き始めたのでフリースを脱ぎました。
春、バイケイソウの新芽が目に優しいこの道も、今は落ち葉に覆われています。先週と違い標高を上げても林床は雪に覆われず、その代わりに、道はアイスバーンとなりました ^^; チェーンスパイクを装着することで安定感はぐっと増し、最後の階段をやり過ごすと、弥山小屋の三角屋根が樹間に見えました。
小屋開け前の4月、テントで一夜を過ごす神々の懐。苔に囲まれたテントサイトはスノーモンスターに成長を続ける木々が出迎えてくれました。(植生保護のため、チェーンスパイクは外します)この素晴らしい光景をどう表現すれば良いのでしょうか。僕には到底無理のようです。先端の国見八方覗に立つと、歩いてきた奥駈道や更に吉野へと続く稜線が望めます。行者還岳、七曜岳、大普賢岳…、いかにも奥駈道らしい山名が続きます。ここから眺める奈良、三重、和歌山の三県に跨がる紀伊半島の峰々は僕の心を無にします。そしていつものように合掌。
期待通りの陽気に包まれる中、昼食とブレイクタイム。ついつい長居をしてしまいました。今日は近畿最高峰「八経ケ岳」へは寄らず、山頂の弥山神社で御礼と安全登山を祈願して下山の途につきました。
下山後のいつものは都合によりお休み…(笑)

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予想を遥かに超える稜線の風景
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まだ陽が射さない斜面は 凍えそうな空気
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柔らかい陽射しが とても良く似合う
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霧氷に包まれた 稜線歩き
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霧氷の新芽
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朝陽に浮かぶ 熊野灘
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折り重なる向こうには 冬の青空
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霧氷の大通りに着きました(笑)
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冬枯れの林が 一段と輝いています
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弥山小屋から流れ落ちる 霧氷の滝
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関西 冬山のグラデーション
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霧氷が舞う 12月の朝
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僕は霧氷の広葉樹を「霧桜」と呼びたい
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一段と賑やかになった 弥山小屋への登り
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根雪と落ちた霧氷が織り成す アイスバーン
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歩いてきた 参道を振り返ります
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ワンダーランドへの入り口
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言葉にならない 苔と霧氷のコラボレーション
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木々の向こうに続く峰々が この地の世界観
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出来ることなら このまま幕営したい…
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秘密の場所から 大普賢岳と遠くに台高山地
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稲村ヶ岳と大日岩…再び 秘密の場所から…(笑)
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八経ヶ岳の山肌も 見事な霧氷で覆われています
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昼過ぎでも 冬の陽射しは 斜光気味
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いつもの場所で 奥駈道を望みます