Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

関西の山≪初秋編≫…大普賢岳

10月13日 奈良県普賢岳
先日、我が家を巣立った燕達が南へ旅立っていきました。ようやく秋を感じる関西。山はどうなっているのか確かめに行こうと思います。

予報によると午後には三重県側から天気が崩れ、稜線はにわか雨の様子。奈良県の山で秋を感じるには大峯山系かと思い、和佐又ヒュッテから大普賢岳の往復を計画しました。
このルートは、大峯奥駈道を利用した七曜岳経由の周回も可能です。(現在は、七曜岳ー弥勒岳間において、土砂崩れにより通行が危険な状態になっています。)6年ほど前に水太谷を起点に周回したことがあり、その高低差と数々の階段、鎖場は距離以上にハードなルートになっています。
ススキの穂が揺れる和佐又ヒュッテ。ここはオートキャンプ場もあり、すでに、数張がありました。林道から歩き始めるとすぐにブナ林の登山道になり、和佐又山へは寄らず落ち葉の敷き詰められた道を進みます。周回ルートの合流地点から広い尾根の緩やかな登り。公園の散歩道のようです。やがて、トラバース道になると雰囲気は一変し、露岩や鎖場の続く道となりました。
大峯奥駈道は修験者の修行の道。熊野から吉野まで75の修行場「靡(なびき)」があります。奥駈道から少し(?)離れますが、このルートにも「62番 笙の窟(しょうのいわや)」があり、他にも、「朝日窟」「鷲の窟」等、日本岳南面岩壁に点在しています。
その日本岳(文殊岳)のコルから大普賢岳までの稜線歩きはまさしく修行の道となり、細い巻き道に数々の階段、梯子、鎖場が次々と現れます。特に修行を求めに来たわけではなく、秋を感じにやって来たわけですが、訪ねる者すべて公平に山は与えてくれます(笑)
右に伯母谷、左に水太谷が広がるこの稜線は、大峯山系の山深さを感じさせてくれます。主稜線が視野に入り、ようやく安心できる小道になると、奥駈道に合流です。大普賢岳の頂を目指し、最後のひと登り。今まで見えなかった反対側の景色が広がり、ぽっかりと空いた空間に山頂標識がありました。
午後からの天気が怪しいとは言え、時折、陽が射す山行日和。大勢とは言わずとも、数組の登山者で賑わっているかと思いきや、山頂は貸切状態が続き、下山開始時に数組の方とすれ違っただけです。
登山の事故は登りよりも下り。まさしく、このルートはその危険性が大です。慌てることなく慎重に、特に、しゃがんで撮った後の立ち上がりには注意をしました(笑)
駐車場に戻り、片付けを済ませて車を発進させようとすると窓に雨しずく。予報通りと予定通りの山行でした。
下山後は、前回訪ねて気になっていたもので、いつもの…(笑)

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中秋の名月を ここで過ごしてみたいと思いました
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今年4月 弥山から今日のルートを…大普賢岳、小普賢岳、日本岳…右端の三角錐が和佐又山(手前のピークは行者還岳)
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今回のルート案内図…周回時、無双洞からの激登りが最後の試練
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いきなりの広葉樹…大峯山系の素晴らしさ
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ホコリタケ属「タヌキノチャブクロ」…キツネは地上に タヌキは木の上で
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大峯奥駈道…行者還岳の向こうに 八経ヶ岳と弥山
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こんなりっぱな杭で 整備されています…が
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安全確保は 自分自身の力が必要です
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深まっていく様子が楽しめる 山の秋
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「笙の窟」から見上げれば 修験者は何を想うのか
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徐々に赤みが 増してきました
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険しい道にも 光が与える柔らかさ
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「石の鼻」先には 水太谷
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ここは 大峯一般道…(^^;)
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普賢岳への登り…やはり 大峯一般道
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振り返れば 小普賢岳の山肌と紅
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遠くには 先月登った 「三津河落山」から「大台ヶ原
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今週の「苔と紅葉」
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稲村ヶ岳から山上ヶ岳を背に 今は赤く「シロヤシオ」
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秋風を受けて 関西のコケワールド
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日本岳と小普賢岳の間に 和佐又山
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関西には いいトレーニング場が豊富です
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秋の午後 陽はすぐに傾きます
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帰りもやっぱり 大峯一般道…(笑)
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奈良の名産「吉野葛」で いつもの…(笑)