Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ミルキーウェイの台高 氷と霧氷たち

2月16日 奈良県明神平
20日の山行が中止になりそうなので、普段なら行かない予報の中、晴れマークが付いたことを言い訳にしてパッキング。ミルキーウェイでも楽しめる場所へ5年振りに向かいました。

紀伊半島には奥駈道で有名な大峰山脈の他、1000~1600mの峰々が奈良と三重の県境に連なる台高山脈があり、共に「近畿の屋根」と呼ばれています。北は「関西のマッターホルン 高見山」から南は「雨の大台ヶ原山」。双方の名前を一字取って「台高(だいこう)」です。そして、その北部に位置する明神平(1,323m)は、その名前からも判るように、稜線上に開けた場所で、昭和40年頃にはスキー場もありました。(リフトの跡など、その名残をとどめています)また、近くに水場があることから、幕営される方も見受けられます。
当初の予定は、この先にある三重県最高峰「桧塚奥峰」を目指す予定でしたが、天候次第では明神平で引き返すつもりで入山です。
このルートの核心部は登山口への大又林道。整備されていない凍結路は、スタッドレスでも進入を拒みます。雪の少ない今年は凍結箇所もなく、安心して入れることから、冬期では初めて向かいました。
駐車場からしばらく続く林道歩き。急な傾斜路は一部凍結しており、早速、チェーンスパイクの出番。関西の雪山歩きに欠かせないアイテムのひとつです。
郷川に沿って道は続き、登山道に入ると5回の徒渉が待っています。個人的には最も下流にある最初の徒渉が苦手でしたが、冬は水量が少ない分、特に支障はありません。また、3番目と4番目の間には、沢を巻くため直角に曲がる箇所があり、見落とす可能性もあります。直進しても通過は出来ますが、足元のテープに注意をして巻道を進む方が、楽に通過できます。
ミョウジン谷の案内とともに、前方には明神滝。その飛瀑から響く音がBGMとなり、扇状に広がるアイスミュージアムの完成です。
滝を巻くように斜面を登ること2回。最後の徒渉地点が近付いてきます。水量によって毎回徒渉ポイントが変わる難所のひとつでしたが、そこには小橋が架けられており、例え水量が豊富でも安心して渡れるように整備されていました。この橋を渡ると登山道の雰囲気に変化が見られます。大袈裟に言えば、山が変わる感じです。明神谷を吹き上げる風が体温を奪い、同時に、頭上の木々に霧氷が育ち始めます。
相変わらず、周囲はミルキーウェイ。稜線を吹く風の音がはっきりと聞こえてきます。時間的な余裕はあるものの、予想通り、明神平を折り返し地点としました。
ロープで徒渉した四郷川も一歩で渡れる冬の小川となり、最後は水場として、我々に潤いを与えてくれます。ここからひと歩きを終えると、樹間に明神平の世界を感じ取れます。霧氷は更に育ち、遮るものがない風は勢いを増しています。ここまで長袖で登ってきましたが、ここで防風対策の身支度を行い、樹林帯を抜けます。
まず出迎えてくれるのは、シンボル的な存在の小屋(開放していません)。そして、ミルキーウェイの世界に溶け込んだ霧氷の林。色を無くした明神平。この世の境にも見える霞んだ周囲は、体感以上に凍てつく気がします。鈴鹿、比良、大峯・台高。関西を代表する雪山地域は、それぞれに特徴があり、ここは「寒々した雰囲気」を最も楽しめる(笑)場所。そして、今日もそれを感じることが出来ました。
下山後は、更に西へと進んで、いつもの…(笑)

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今日は神秘の世界を楽しもう…
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林道の陥没地…人が踏み 5年前より安定している
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第1徒渉地点…張り巡らされたロープが特徴
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第2徒渉地点…Xのロープが特徴
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只今 進化中の作品群
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水飛沫を止めると…
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ホームではお目にかかれない 大作です
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木々の間から 明神滝
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我々 人間は アウェーな感じです
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苔には苔の エビの尻尾
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山頂を目指さないのも 雪山の愉しさ
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風が残したもの…
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台高の冬は ホームと一味違います
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この木を抜けると 明神平…
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大阪の府立高校名が書かれた「あしび山荘」
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晴れなくても 貴方は素敵です
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この先は 晴れている時に歩きたい道
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今年は こんな景色が多いような…バンビーズ
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雪が少ないお陰で出会えた この景色
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風以外の音は ありません…(笑)
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これぞまさしく ミルキーウェイ
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さぁ 帰ろうっと…
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アイスエッグ…やっぱり 冬山は空模様だけではない
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雪とは違う 氷の造形美
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色があると 安心する いつもの…(笑)