Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

伊勢の霊峰にて 春の円遊…

4月13日 三重県堀坂山
花の便りを探しながら目に留まったのは、名前だけは知っていた地元・三重の山。いつもは「食」をテーマに訪ねる(笑) 松阪市へ向かいました。

堀坂山(ほっさかさん:757m)は局ヶ岳(つぼねがたけ:1,029m)、白猪山(しらいざん:819m)と共に「伊勢三山」と呼ばれ、また「伊勢富士」の別名もあります。山頂に富士権現が祀られる等、古くから信仰の山として親しまれ、又、堀坂峠までは車で入れることから、気軽に山歩きを楽しめます。この他にも、森林公園と峠を境にした観音岳を結ぶ周回の「雲母」「尾根」コースや観音岳の稜線に伸びる「創造の森」「野鳥の森」の2コースがあります。
そして今日、私達が辿るのは、沢の小川沿いに続く古道「いにしえ街道」で峠に向かい、そこから、堀坂山へ。再び、峠に戻り、観音岳に向かって尾根ルートで下山。この時期ならではの「花道」ルートとしました。
山麓の森林公園からしばらくは県道を歩きます。山肌を飾るヤマザクラと新緑のグラデーション。春ならではの息吹を感じながら見上げると堀坂山の頂。30分ほどで県道と別れ、「国学の四大人」の一人、本居信長が明和9年に通ったとされる旧登山道へ進みます。
今回のお目当て「シロバナネコノメソウ」を初め、小さな春を満喫しながら峠に到着。堀坂大権現の鳥居をくぐると堀坂山への直登が始まります。山頂までは1町(109m)毎に標識があり、10町の標識には文字の横に「残り80m」と書かれていました。
急登や木の根道に岩稜帯…(笑)。しかし、全体を通して柔らかな地面はとても歩きやすい道です。針葉樹から広葉樹へと移り、視界が開けてくると堀坂山に登頂。
伊勢三山は、伊勢湾を行く船からは航行の目印とされ「伊勢の三星」とも呼ばれていました。その名の通り、伊勢湾に沿って広がる街並や伊勢三山からおらが山「尼ヶ岳」へと続く西の展望。伊勢湾を守る山らしい見事な眺望です。
さて、次の目的地は「観音岳」。峠まで300mほど下って150mほどの登り返し。峠から観音岳は15町と36m。距離は1.5倍ですが、標高差は半分です。
先ほどまで居た堀坂山が谷の向こうに見えるとなだらかな稜線散歩が楽しめます。足元にはスミレの「花合唱」。そして、対岸の稜線から麓へと続くヤマザクラ は「春の滝」。水飛沫の代わりに花弁が舞っていることでしょう。
突き出た感じの観音岳山頂からは松阪市街や伊勢湾が更に迫り、森林公園から堀坂山へ続く稜線をつなげると、このルートは馬蹄形になっていることが判ります。
山頂の東側に咲く「ヒカゲツツジ」。この花も今回のお目当てでしたが、来週頃が見頃のようで、ほとんどがまだ蕾でした。それでもアセビやツバキ、レンゲツヅシと言ったこの時期ならでは花を愛でながら、散り始めた桜を名残惜しむ人々で賑わう森林公園に下山。
機会があれば、また、訪ねたいと思うほど、様々な要素がコンパクトにまとまった良いルートでした。
下山後は、本来のテーマに戻って、いつもの…(笑)

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ヤマザクラの美しさに触れられる 山ヤの喜び
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ようやく 気付けました…シロバナネコノメソウ
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以前は気付いても 撮らなかったなぁ…コガネネコノメソウ
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古道は ネコノメソウ通り…ボタンネコノメソウ
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清楚な佇まいでした…ミヤマハコベ
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森林公園~峠⇔堀坂山~観音岳~森林公園…古道は載っていませんが 350m付近に分岐点
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信仰の山である証…大日如来坐像
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春霞み 日本の四季です…堀坂山山頂より
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白猪山(左端)、局ヶ岳(中央奥)、三峰山(右奥)
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おらが山(右端)方面を眺めます
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巻き道ルートでは通り過ごします…おなご観音
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春の雪洞…ダンコウバイ
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春の吊燈籠…キブシ
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春の音楽隊…コゲラ
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巨本と出逢うと 何か嬉しい…ヤマザクラ
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この後 山頂は大賑わい…と言っても10人程度(笑)
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この景色を見るために 観音岳に登っても良いと思う
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昼下がりの尾根道…アシビ
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名前通りではありませんが(笑)…ヒカゲツツジ
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冬から春へ…ツバキ
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この花を見ると 春が来た気分になる…ミツバツツジ
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ウグイス色の鳥は メジロです…メッチャ トリミング加工(笑)
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麓と山の桜が共演していました
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停泊中の「花筏」…森林公園
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松阪は牛だけではないことを いつもので…(笑)