「冬の青空」と「試練と展望の山」
12月15日 岐阜県白草山
機会があればと思っていた「白草山」。ようやくその時が訪れ、今回の核心部「林道」を抜けて登山口の駐車地に向かいました。
岐阜県と長野県の境にある白草山は、御嶽山系に位置し、標高は1,641m。山頂付近の稜線は、笹が生い茂るなだらかな丘陵地となり、過去には放牧地として利用されていたそうです。
この山の特徴は山頂付近からの展望。東西南北に山が広がり、北アルプスに向かって押し寄せる山波の雰囲気が楽しめます。登山ルートは3つあるようですが、今回は一般的な乗政ルートを利用しました。
林道路肩に設けられた駐車地には、1台停まっており、準備をしている間に続けて2台(3人)来られました。出発してしばらくは、舗装されていない黒谷林道歩き。林道の谷側は深く切れ落ち、時折、ガードもありません。また、山側は露岩した個所もあり、何事もなきことを願うばかりです。
出発した際、冷え切っていた身体がようやく温まり始めた頃、先ほどまで眼下の谷底を流れていた乗政川支流に危なっかしい木橋が架けられた登山口に到着です。
昨日の午後、麓に降った雨は雪だったようで登山道はうっすらと白くなっています。ここから稜線までは展望のない、つづら折りの道。肩幅程度の道は急斜地を横切るトラバースで、見た目以上に危ない道が繰り返されます。林道歩きに続く、この連続トラバースが「展望」のための「試練」です。
高気圧の張り出しが予定より遅く、高曇りが解けません。ここは、ゆっくりと山頂に向かった方が得策だと判断しました。稜線に入るとようやく右側の視界が開け、何かほっとした感じになります。西の空に青空が見え始め、陽射しが道を照らす時間が増えてきた頃、左側の視界も開け、白く浮かび上がる加賀の島「白山」を望めました。しばらくして、白山に陽が当たり始めると、自らが光を放つかの如く、神々しい光景です。この辺りで、試練から展望の山へ変化し、右側には目的地の「白草山」が指呼の距離です。
白草山は御嶽山を望む山として人気があります。しかし、最後の最後までその展望はお預け。登山道を境にし、県境尾根の西側には箱岩山があり、空模様から先に登ろうと思っていたものの、分岐点を通り過ごし、「どっか~ん」と現れる御嶽山の眺望に引きずられ、そのまま白草山へ向かいました。
そこから山頂へは、わずかに高度を上げるだけですが、御嶽山の左側に乗鞍岳、笠ヶ岳に続き、黒部五郎岳、薬師岳、北ノ俣岳が真っ白な山嶺を輝かせていました。
そして、登頂後に落ち着いて眺めていると、小さな黒い三角形。槍ヶ岳を確認。周囲を見渡せば、もうひとつの御嶽山展望の山「小秀山」から恵那山。雲の地平線にかろうじて伊吹山の山体と雲に浮かぶ白山。また、山座同定アプリの力を借りて、ホーム鈴鹿の稜線や奥美濃「大日ケ岳」、福井の荒島岳を確認。それらに向かって幾重に続く山並みは、名も知らぬ山々が重なることで映し出すグラデーション。日本らしい美しい山の光景です。
高曇りの空は刻一刻と青くなり、高気圧が上空を覆う様子が感じられます。アルプス等で、目の前を覆うガスが晴れて忽然と現れる景色と同じぐらいの感動を与えてくれます。
箱岩山に立ち寄り、12月とは思えない陽射しを受けながら昼食を済ませると「試練と展望」は終了。と言いたいところですが、駐車地までの下山が残っており、雪で滑らないよう登り以上の注意が必要です。
下山後は、温泉に浸かって、さらにほっこりとするいつもの…(笑)
ゲート手前の案内板…CTはちょっと速足系
レポでよく紹介されます…モヒカン尾根
晩秋から初冬へ
尾根道は笹を切り開いた一本道
山並みの彼方に浮かぶ 伊吹山
雲上に横たわる 加賀の名峰
笹波に揺れる 白草山
ファーストコンタクト 展望ルートのはじまり
笹原の稜線は この辺りの特徴でしょうか
雪を纏えば さらに神々しい飛騨の名峰
振り返れば 箱岩山
孤高の輝きがひときわ…白山
北ノ俣、薬師、黒部五郎…逢えて良かった
笠ヶ岳から続く稜線には かすかに劔岳と立山
黒い岩峰は北アのランドマーク「槍ヶ岳」
近くて遠い頂…御嶽山剣ヶ峰
まだまだ黒いところが目立つ 今年の北ア南部
雪がなくても輝いて見えました...恵那山
高気圧 到着(笑)
御嶽山とともに 箱岩山へ移動
笹道から振り返れば 白草山と恵那山
やがてこの木も 真っ白に染まることでしょう
これにて「御嶽さん」とお別れです
林道でご挨拶…コガラ (トリミング処理)
餅の代わりに浸かってみたい いつもの…(笑)