Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ホームからの便り…「雪 あります」

2月4日 三重県天狗岩(藤原岳
週末に降った雪の便りが届き、2年振りにホーム北部の駐車場に向かいました。

花の100名山、ホーム鈴鹿の「藤原岳」。小さな三角形となだらかな頂稜台地が特徴の山。山麓に巨大なセメント工場が建ち、石灰岩が採掘される三重県側の斜面は大きく削り取られているのも特徴。また、頂稜台地にはカルスト地形が広がり、雨水によって溶食された石灰岩が柱状に立ち並ぶカレンフェルトの光景は日本庭園のようです。
雪が降ると訪ねる藤原岳。前回は2018年、その前は2017年でした。当時のブログを振り返ってみると、訪ねた日は、2月3日と4日。そして、今日も4日。意識したことはありませんが、節分と藤原岳が繋がります。
山麓から見上げた時、ピラミダルな山容をしているピークが山頂標識の立つ「藤原岳展望丘」(1,144m)。そして、私たちが訪ねる天狗岩は山麓から見えず、頂稜台地から突き出て、カレンフェルトの続く小さなピーク。しかし、展望丘より標高は30mほど高く、この一帯の最高峰です。(1,171m)
情報によると雪は8合目からあるようで、装備としては、チェーンスパイクで十分と判断しましたが、念のため、アイゼンも持参。いつも楽しむスノーシューは、さすがに持っていきません。
1合目となる駐車場を出発すると、まもなく現れる神武神社のお社。まずは、安全登山を祈願します。2合目に着く頃には身体は暖まり、シャツの袖をまくります。朝陽を浴びてオレンジ色に輝く伊勢湾が見えると山麓の町並みはジオラマ的風景となり、田畑は箱庭に見えます。8合目直下で道は凍結し、避けながら過ごした後、チェーンスパイクを装着。
8合目は夏道と冬道の分岐点。冬道へはロープが張られていましたが、トレースがあったので、直登の冬道を選択。(下山は夏道)途中、トレースはあやふやになり、進むべき方向が判っていると問題はありません。でも初登の場合は、夏道を利用するのが良いでしょう。夏道に合流すると9合目。もうひと登りのつづら折りが続きます。さほど危険な個所のない藤原岳大貝戸ルート。この8合目から頂稜台地まで続く、つづら折りが核心部でしょう。ここに呼吸を合わせて登ると、登頂が楽になると思います。
つづら折りを終え、樹林帯を抜けたところが、私達の分岐点。天狗岩への案内標識はなく、トレースもありません。ただ、雪の斜面を登っていくだけです。一般的に天狗岩へは藤原山荘を経由し、案内に沿って向かいます。無雪期は苔類等の保護からそのルートでしか行けませんが、雪が積もった時だけのお楽しみルートです。
山麓は晴れていても頭上が曇るのは「ホームあるある」。今日もそのパターンか?と思いながら歩いていると、雪に落とす木の影が付いたり消えたりし始め、空を見上げると、慌ただしく雲が流れています。やがて、雪の林床は光溢れる世界へ変貌を遂げ、光と影が織り成す光景に感嘆の声しか上がりません。時々、トレースを外れると深いところではふくらはぎ辺りまで沈み込みます。今冬初の雪道に「ようやく」と言ったところです。
風の穏やかな貸切の天狗岩に登頂。前回、ミルキーウェイで何も見えなかった背景は、主峰「御在所岳」までくっきりです。昼食を終える頃、更に青空は広がり、遠くの霞みも取れ、御嶽山乗鞍岳の北アルプスに中央アルプスの雪稜。そして最奥、南アルプスの白い山稜が浮かんでいました。
大貝戸ルートへは往路と別のルートで戻ります。しっかりとしたトレースがあるため、道に迷うことはありません。しかし、時々トレースを離れ、自分の足跡を引くのは、この時期ならではの楽しみでしょう。
チェーンスパイクを外せば、再び、初春の雰囲気。今月中旬に山友を誘ってホームを案内するため、もう1、2回雪が降ってほしいと思いながら、駐車場に戻りました。
下山後は、新規開拓したお店はダブルのマイルールでいつもの…(笑)

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いつもは雪景色…今日は冬枯れ道
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一気に視界が開ける9合目…
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あの青空の下に トレースを引きます
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何か不思議な光景に感じました
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あの黒い筋には 悠久の時が流れています
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伊勢湾の景色が展望のバロメーター
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今日のブルーアイは 青空への予感
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一回の降雪でも ホームは変わります
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ようやくあちらも冬景色…伊吹山
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無雪期には歩けない カレンフェルトの石畳
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ホームの親方「霊仙山」…天狗岩に続く道
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案内板は整備され 歩きやすくなりました
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なだらかな頂稜台地の散歩道
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石庭越しに 藤原岳展望丘と伊勢湾
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ホームとは思えない でも ホームらしい小径
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冬の影が伊吹山へと続きます
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岩と雪と雲が競演…天狗岩
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国土地理院の標高は 1,171m...最奥は主峰
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近江平野・琵琶湖・比良山地
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ホーム最高峰の御池岳からテーブルランド
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この景色はアルプスと同じです
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振り返れば 自分の一本道
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ホームからの御嶽山は 冬晴れの証し
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ようやく顔を覗かせてくれました…シジュウカラ? ※トリミング処理
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お薦めと期間限定のいつもの…(笑)
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帰り道 これがホーム中部の役者たち