花と鳥と車…ドライブ山行
6月21日 滋賀県伊吹山
梅雨の晴れ間を楽しもうと、関西では珍しい山岳ドライブウェイを走って、駐車場に向かいました。
伊吹山。標高1,377mの独立峰。それ故、山頂からの展望は琵琶湖や濃尾平野、北アルプスから白山など「山・水・町」を楽しめます。また、寒暖差の影響か山頂付近は雲が発生しやすく、「登ればガス、下れば晴れ」は『伊吹あるある』です。日本海側からの季節風が通り抜け、山麓も含め豪雪地帯として、過去にはスキー場があり、今でも濃尾平野では北西から吹く季節風を「伊吹おろし」と呼んでいます。
伊吹山ドライブウェイは昭和40年に開通し、50年以上の歴史があります。9合目まで車で登ることが出来、山頂周辺のお花畑は登山者に限らず、一般の方にも広く親しまれています。
私たちが伊吹山を歩いて登るのは冬。ただし、暖冬の影響で最後に歩いて登ったのは2014年12月下旬。今回のように、緑溢れる季節の場合は車を利用し、お花畑と山の空気を手軽に感じています。
午後の方が晴れる予報で「伊吹あるある」を予測して、山頂駐車場に着いたのは午後2時になろうとしていました。ここまで何十台も対向車とすれ違い、山上は賑わいを見せているのかと思いましたが、駐車場は3割程度の状況です。
前回、ここを訪ねたのは4年前。静岡の山友を案内しました。その時は、中央登山道~西登山道。今回はもうひとつの東登山道とつなぐ周回ルートで花と鳥を楽しめればと思い、23年前に亡き両親と共に訪れた思い出話をしながら、西登山道をスタートです。
先日の大峯奥駈道山行の目的であったクサタチバナの群落がまずは出迎えてくれます。そして、これも先日と同様、ヒメレンゲが岩肌に沿うようにして夏らしい黄色で道端を演出。その時、冷やりとした風と共に、前方から白いカーテンが山肌を包み始めました。
やっぱり「伊吹あるある」健在(笑)。
今日は琵琶湖を眺めることも出来、後は、花と鳥を楽しむだけで、ミルキーな方が歩きやすいと思うのは、決して、負け惜しみではありません。
ウグイスの鳴き声を聴きながら歩いていると植生保護のフェンスに1羽の茶色い小鳥。4月、自宅周辺を散歩しながら鳥を探していたので、直ぐに「ホオジロ」だと判りました。こうして4月からの出来事で、山行に新たに加わった時間と削除した時間がありますが、これは前者の時間…。
一般の方も歩かれるとは言え、道は露岩があり決して平坦ではありません。それなりの靴は必要です。グンナイフウロ、ウマノアシガタ、イブキシモツケ。足元に咲く小さな花を探しながら歩いていると頂稜に到着。少しだけ登山道と離れて昼食。白いカーテンが一瞬開けば、眼下には山麓へ続く登山道。右側に見える急峻な谷は、冬季は初めてだった8年前、視界不良で道を誤り、事実上「遭難」した際に登ってきた崖。再び、カーテンが閉じれば、カッコウやホトトギスの声が谷を越えて聞こえてきます。
山頂の土産小屋は元の生活に戻り始めているようでした。楽し気に語らう声もあちらこちらから聞こえます。ドライブウェイから見上げた稜線を東に向かい東登山道へ。草原の中の一本道から後ろを振り返れば、雲が沸き上がる夏山らしい光景が刻一刻と移り変わっていました。この登山道は道幅も狭く、下り専用と案内されており、訪れる人も限られるのか、静かな時間を過ごすことが出来ました。そして、30種以上ある「イブキ」と冠が付く花のひとつ「イブキトラノオ」で本日の花は打ち止め。鳥はと言うと、樹林帯に入って子犬のような声がすると思って立ち止まっていると「モズ」が近寄ってきてくれました。そして、ドライブウェイ沿いで大勢の鳥カメラマンが構える谷で眺めたカッコウの飛翔が打ち止めでした。
下山後は夕食時に追加したデザートでいつもの…(笑)
今日はあの頂稜を歩いてみよう
ネクタイ柄が特徴の シジュウカラ
3年前の5月に歩きました…伊吹北尾根
西登山道は クサタチバナの草原
所変われば 雰囲気も変わります…クサタチバナ
歌舞伎役者風(笑)…ホオジロ (トリミング処理)
薬草の伊吹らしい カノコソウ…鎮静作用があります
本州では磐梯山から伊吹山に分布するそうです…グンナイフウロ
イブキの冠が付く花…イブキシモツケソウ
お花畑越しに振り返れば 駐車場と北尾根
至るところで 群生しています…ヒメレンゲ
一般的な上野ルート…6合目避難小屋も見えています
遭難時 左の尾根を利用…積雪期だからこそ登れました
目まぐるしく 移り変わるのも『伊吹あるある』
笠をかぶった踊り子達…オドリコソウ
視界不良で遭難する方も居ます…油断禁物
伊吹山固有種…コバノミミナグサ
冬季はお菓子の小屋に見える「伊吹山寺覚心堂」
初めての東登山道…ここまでは 草原の散歩道
気が付けば山頂は彼方へ…
アルプスでも見かけます…イブキトラノオ
あんな声で鳴くんだ…モズ (トリミング処理)
イヌワシが飛ぶ谷越しに 奥琵琶湖
天下分け目は半日で終了…伊吹山山麓
古民家中華(餃子)店で 食後にいつもの…(笑)