9月28日 奈良県日出ヶ岳
先日買ったばかりのギアを試しに、関西でいち早く秋の気配になった駐車場に向かいました。
山道を走るスタイルではありませんが、以前から気になっていたワラーチと言われる走れるサンダル。ただし、これは鼻緒タイプで指の間の摩擦や靴下の限定が気になります。そこで今回購入したのが様々なシチュエーションで利用できるXEROSHOESサンダルのZトレイル。主な利用はテントサイトと思っていますが、散策やアタック用としても活用できるのではと期待しています。重さ約150g、薄いながらも3層構造になったソールやヒールカップとZ型バンドが足と一体感を生み出します。店舗で試着した際にはそれを体感できたものの、実際に山道を歩いた場合のクッションや凹凸に対しての性能は未知数です。我々にはテント用としての使い方がベストだと思うもの、その性能を確かめようと、整備された登山道が続く大台ヶ原を選びました。
ここは足慣らし程度で訪ねることが多く、今年は駐車場から日出ヶ岳を往復する入門コースばかりです。今日はワンランクアップの周回ルート。石畳や木道に加え、石が点在する登りもあり、ギアの性能を試すには丁度良いと思います。
11時前に駐車場へ到着。平日とは言え、4割程埋まっていました。紅葉シーズンの混雑が心配されます。登山道に入ると小さな水溜り。早速、このギアの弱点が判りました(笑)。すぐに入門コースと分かれ、コマドリを探しに訪ねた中道へ。今日も鳥の声は響かず、静かにこちらの様子を窺っていることでしょう。しばらく石畳調の道が続きますが、足との一体感は想像以上のもので、大げさに例えると勝手に足が動く感覚。途中、水が流れている所を飛石のように渡った際には安定感もありました。2日前に近所を散歩した時の舗装道路とは全く異なる履き心地で、トレランシューズよりも歩きやすい一面を感じました。
苔の森が明るくなり始め、周回ルートと合流する「尾鷲辻」。尾鷲まで続く尾鷲道との交差点でもあります。ここから正木ヶ原までは登山道らしい緩く登りとなった一本道。登山靴のように足全体が守られていないため、その辺りの注意は必要です。また、歩き方はフルフラットではなく爪先から着地する歩行に自然となり、素足で歩いている感じです。この歩き方だと、小石がごろごろした道でも、ずれが生じず、力を削がれることもありませんでした。(レポが、山行からギアになっていますが…)
大台ヶ原のポスターで良く紹介されるトウヒの立ち枯れ。伊勢湾台風でトウヒ林が被害を受け、今日のように白く、見ようによって白骨のように思える幹や枝が笹原に横たわり、また、大小様々な姿で天を指しています。トウヒ林の林床を埋めていた苔は、笹原に生まれ変わり、開けた展望は眼下に熊野灘を眺めながら散策が楽しめる今や大台ヶ原のメインストリート。そして、正木ヶ原から頂上直下まで整備された木道の階段には所々休憩スペースが設けられ、行き交う人に笑顔を与えます。この道になれば、障害物を気にせずに歩くことが出来、登山靴のような硬いソールよりも当たりが柔らかいサンダルの軽快さを存分に発揮しました。
何度か訪ねている中でも、今日は一番の展望で、尾鷲方面から志摩半島へと続く入り組んだ海岸線や大海原の熊野灘。連なる山並みの向こうには津市方面か、町並みを確認できます。そして、反対側には大峯奥駈道。熊野本宮へと続く稜線は夏の疲れを癒すかのように落ち着いた緑の山肌です。
大台ヶ原と言えば、国内に限らず世界的に見ても降雨地帯。それは太平洋の潮風が影響をしていますが、今日はその匂いを感じことが出来ました。そんな心地よい風と暖かな陽射しを受けながらの昼食タイム。サンダルだと靴下も簡単に脱ぐことが出来、より解放感を味わえます。
ギアは良い点ばかりでなく、前述のように、足全体が守られていない不安もあります。また、使う筋肉が違うため、明日?明後日?(笑) の筋肉痛も心配です。(今のところは大丈夫ですwww)多分、これは歩き方で解決されますが、そこに至る過程は必要だと思います。
頂上から駐車場へは、靴下を脱ぎ、裸足の状態で使用。短い距離を走ったりして、更にその性能を試します。結果は、あらためて靴下のクッション性を感じるとともに、十分使用に耐えられることも確認できました。
5㎞ほどの周回で、当初の目的であったギアの試しに加え、秋風と熊野灘の展望を味わえた3時間余りの山行。これから迎える本格的な紅葉シーズンを前に、ちょうど良い時間を過ごせました。
下山後は、ブリティッシュな空間でいつもの…(笑)
谷と尾根の風景美…大台ケ原ドライブウェイより
まずは石畳調で ギアの小手調べ
トウヒ林が被害を受けて有名になる…ピンチはチャンス?
切り取れば 秋の訪れを残せます
整備道の改札木…「楽しんできて下さい」
熊野灘から直線20km…大台ケ原は晴れた日が美しい
笹原に天を衝く木道
この景色を眺めてのランチタイムは 平日山行の贅沢さ
グラデーションに 有名無名は関係ない
1600mで潮の香を感じる不思議さ
このギアは使えると思います
階段と立ち枯れがコラボする正木嶺
振り返れば 遠く熊野へと続く奥駈道
遠く伊勢湾を望めたのは初めてです
あと数日で見頃を迎えることでしょう…シロヤシオ
志摩半島へ続く リアス式海岸
シベリア南部からフィリピンへの旅の途中…エゾビタキ?(トリミング処理)
周回ルートの花道…前方は日出ヶ岳
頂上直下の展望テラス…太平洋の水平線が印象的
カラトリオ 第1弾…秋の収穫はゴジュウカラ (トリミング処理)
第2弾は 収穫待ちのヤマガラ
収穫に向かうシジュウカラ が第3弾(トリミング処理)
山頂手前 正木嶺を振り返ります
大したギアです…でも 危ないので マネしないでください…(笑)
英国ブレンドにパインチーズケーキ 異国情緒のいつもの…(笑)