GoTo温泉…その前の紅葉狩り
10月25日 鳥取県大山
秋晴れか、ミルキーウェイか…。出発時間を迷いながら山麓の一本道を駐車場に向かいました。
GoToキャンペーンを利用し、鳥取県の中央に位置する三朝温泉を予約したのは8月。出発が近付くにつれ、大山の紅葉便りも届き、初日の天気次第で予定に組み込むことにしました。前日、冬型気圧配置となり雪マークが表示。念のため、チェーンスパイクを持参し、万が一に備えました。当日は高気圧が張り出すものの、朝は雲に覆われ、次第に晴れ間が広がる模様。北側に日本海を擁する独立峰「大山」は、山頂付近の雲が取れにくく、「下山すれば晴れていた」は大山アルアル。5年前の8月下旬に登った際も、9合目からはミルキーウェイでした。昼頃の登頂を目指せば、青空と展望が約束されていますが、本来の目的「温泉三昧」に影響が及び、下山開始10時をリミットとし、早朝から満車となった南光河原駐車場を出発しました。
中腹の紅葉が見頃を迎えているため、家族、友人、単独等、大勢の登山者が夏道登山口に向かいます。階段、木道を始め、良く整備された登山道と日本海を見下ろす山頂からの展望が地元だけでなく、多くの人が訪れる理由でしょう。大山の山頂(剣ヶ峰)付近は崩落が著しく、立入が禁止されており、東西にピークとなる小屋を目指すルートになっています。前回は5合目付近から行者ルートで下山する一部周回ルート。今回は最短の夏山ルート往復で秋の大山を愛でます。
出発時、河原から見上げた稜線は濃い雲が纏わりつき、そう簡単に取れそうにありません。晴れることを信じて、しばらく続く階段に意識を集中します。そんな中、時々響く大山寺の鐘の音。秋の深まりにシンクロします。6合目付近(正確には8合目?w)まで続く階段は身体をすぐに暖め、ブナ林を抜けるひんやりとした風が心地よく感じます。次第に頭上を飾るブナ等の木々は色付き始め、立ち止まる場面が増えてきました。とは言え、陽射しがないため、今は輝きに欠け、下山時に期待です。
「抜きつ抜かれつ」。競争している訳ではないものの、そんな状況下で改修された6合目避難小屋を過ぎ、何となく落ち着き始めた7合目。しかし、周囲はまだ霧に包まれたミルキーウェイの世界。晴れる前に感じる動きはありません。
ダイセンキャラボクが広がる木道に入ると、やはり風が通り抜け、薄手の防寒着を羽織ります。空を見上げては予兆を探りますが、全くの気配なし。今回も下山途中で晴れるのかとほぼ展望は諦め、とりあえず、前回に寄らなかった石室まで行くことにしました。9合目経由で山頂を行き来する人の声が霧の中から届く中、本日のピーク「石室」で写真を撮り、「さぁ帰ろう」と思った矢先、これまでも何度か現れては消えた「朧太陽」に違う力強さを感じます。まだ下山時刻まで余裕があることから、山頂へ向かうことにすると…
「来ました!」
何度、遭遇してもこの感動は一期一会。雲の波が山肌を打ち、稜線を越えては消えていきます。まるで、荒くれる冬の日本海のようです。ダイセンキャラボクの小さな葉は1枚1枚が煌めき、そこは静かな海。静と動が交差する一瞬として同じ景色のないダイナミックな世界に包まれ、ただただ見とれてしまいます。そして、再び訪れる静寂のミルキーウェイ。山で味わう感動の中でも、最高峰だと思います。
9合目からの道と合流してからは、青空の時間が長くなり、東へ真っすぐ伸びる海岸線と「弓ヶ浜」の弧。そして、1400m辺りで錦秋を迎えた見事な裾野が視界に広がります。
工事で制限されていた避難小屋付近も解除され、新たに設置された木製デッキから眺めた剣ヶ峰へ続く稜線は、まだ雲が動いていました。今この時しか見ることが出来ない景色に神秘的な雰囲気を感じ、その稜線の全容は、真っ白に染まった冬、青空を背景に拝ませていただこうと思います。
下山時、ついさっきまでミルキーウェイだったことを知らぬであろう登山者が列を作って山頂を目指し、それはこの後も延々と続きました。また、予想通りに陽射しを受けた赤や黄色の葉は日本の秋を代表する登山道となり、これから見頃を迎える4合目まで目を楽しませくれました。
下山後は、大山アルアルではっきりと姿を現した大山を見ながら、温泉地へと向かい、その手前でほっと一息のいつもの…(笑)
予想通りの雲…南光河原駐車場からの三鈷峰
まずは準備運動…1合目へ続く階段
今年初めての紅葉山行
下界は秋晴れ これからの道は ミルキーウェイ
「駄目だこりゃ(笑)」…石室への道
この朧太陽が 始まりの合図でした
一期一会とは このことでしょう
木道が青空とミルキーウェイの境界線
天空の木道が現れました
美しきかな 日本の秋
秋で埋め尽くされた行者谷
雲の合間から 日本海と風力発電
展望の象徴と言えば…「弓ヶ浜」
南壁の雲はまだまだ活動を続けていました
ようやく眺めることが出来ました…剣ヶ峰
この世界は 年に何度 出逢えるであろう
雲に向かって 帰ります
大山アルアル…雲ひとつない北壁 (笑)
全山真っ赤と一味異なる 大山の紅葉
もうひとつのルート ユートピアと三鈷峰
弧を描く山麓は 伯耆富士の名に相応しい
振り返って 紅葉狩り
行者ルートの分岐点より…三鈷峰
見上げることも忘れずに…
下山 そして再び 南光河原駐車場からの三鈷峰
倉吉の銘菓が付いてきて いつもの…(笑)