Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

関西バンビー3…晩秋の山さんぽ

11月8日 長野県高見石
カラマツの黄葉が山肌から道路脇へと移り変わるメルヘン街道を、本来なら昨日来るはずだった駐車場に向かいます。

山仲間「バンビー4」のソーシャルディスタンス テント泊を白駒池畔で計画しましたが、7日は雨予報のために中止。高見石までの日帰りハイクとしました。行程は「麦草峠~丸山~高見石~白駒池~白駒の奥庭」の周回ルート。安曇野の山友は雨の影響で8日の参加が出来なくなったため、バンビー3で出発です。標高1500m前後でカラマツの黄葉はピークを迎え、黄金色に輝く山肌は、関西一円で見ることの出来ない光景です。
8時前の公共駐車場は8割程度の利用状況。ひと月前の紅葉シーズンと比べれば、八ヶ岳は眠りに近付いてきた感じがします。臨時休業の札がかかった麦草ヒュッテ周辺は、晩秋の朝にひっそりと溶け込んでいました。まず歩く丸山ルートは21年振り。ブログなどを拝見し、美しい苔の森を歩ける知識と高見石小屋へ向かう下り坂が記憶にあるだけです。
昨日の曇天とは対照的な秋晴れの今日。昨夜の雨は森を潤し、森に射し込む朝陽を我々に見せてくれます。幾多の苔が地表を覆い、そのグラデーションはまもなく真っ白な雪に隠されていくのでしょう。
針葉樹と倒木と苔。周りを見渡せば同じように見えて、決して同じ景色はなく、どこまでも続く世界が樹林の間にあるように思えます。
直登とつづら折りを抜け、空が近付いてくれば、ポケットパーク「2,329m丸山」に到着。
特に展望がある訳ではありません。ここは「登頂」という一区切り。そこから真っすぐに下り、白駒池からの道に続いて渋の湯からの道と合流すれば、タールの匂いがする高見石小屋に4年振りの到着。
偶然にも昨夜、山友「奈良の娘」が泊まっており、今日はニュウを目指していることをSNSで知りました。白駒池か駐車場で逢えることに期待です。娘によると、昨夜の泊り客は9名。娘達も含め、その方々は出発をされており、小屋番さんが朝の清掃か消毒作業をされている静かな小屋周辺でした。
高見石まで登ると、入れ違いに先客が下り、我々3名の貸し切り。そこからの景色は、紅葉の喧騒を終えた緑豊かな北八の森に佇む紺碧の泉「白駒池」が我々を見つめているように感じます。岩陰で風を除ければ、暖かな陽射しが身体を包みますが、触れる岩の冷たさには冬の足音が聞こえてきそうです。
森の向こうに見える稜線上の小さなピークはニュウ。今日はそこからの展望も素晴らしいことでしょう。そこに娘が居るのか、向かっているのか、それとも森を下っているのか。そんな思いが過ります。
ニュウから駐車場へ戻るには、白駒池畔を周るルートになり、我々は北側ルートを予測し、途中の東屋でティータイムを兼ねて娘を待ちます。圏外のため、情報が入らぬまま、駐車場へ戻る時間になり、その途中でまだ我々の後方に居ることを知り、安心して駐車場で待てます。
数名の観光客とすれ違いながら白駒池駐車場へ下り、分岐を左へと進むと、苔の森とは対照的な明るい「白駒の奥庭」に出ます。初めてここを訪ねた時の感動は今も覚えているほど、大好きな場所。続く、「黒曜の森」は名前の由来であろう黒曜石を、まるで宝石探しのように足元を注視しながら進みました。そして、三角屋根が再び見えると、駐車場まであとわずか。半球体の茶臼山縞枯山も出迎えてくれます。
駐車場に戻り片付けをしていると、森の中から突然現れた感じで娘が飛び出してきました。聞けば、追い着くのではと森を駈けてきたようです。コロナ禍で久しぶりの再会にまずは喜び合い、そのまま一緒にお昼ご飯を食べることにしました。次の再会を約束し、お互いの帰途につきましたが、我々は顔見知りのパティシエが作る至極の一品でいつもの…(笑)


南八ヶ岳の名峰とともに…蓼科湖

目覚めた森は 季節を問わず

苔ロード…これぞ 北八の森でしょう

苔にも 針葉樹の森があることを 知りました

先端がしっぽのように曲がる「チシマシッポゴケ」…丸山の森

目に見えない世界が きっとある…

悠久のときを感じます

光が見える 森の朝

丸山が近付いてきたことは 自然に気付くでしょう

光のシャワーが 降り注ぎます

足元の 小さな世界は 忘れずに

天を見つめるブルーアイ…白駒池

静かに並んで…バンビー3

深淵な雰囲気が漂う 晩秋の白駒池

森の向こうには 北八のシンボル 蓼科山

娘はあの頂にいるのだろうか…ニュウ

頂は白くなっていました...中央アルプス 木曽駒ケ岳

苔の壁が続く 白駒池への道

駐車場に戻るまで 苔の世界は続きます

森を貫く木道は 池畔の周回ルート

人の気配を感じない桟橋は いつまでも居たい

木々が白く見える晩秋も ここの魅力でしょう

森が明けると 秋の空…白駒の奥庭

矢じりの原料「黒曜石」…黒曜の森

始まりの案内板は 終焉のお知らせ

カラマツが燃える 山麓の秋

開放的な景色を前にして いつもの…(笑)