Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

雪の湖北…スノーシューとバンビーズ

12月24日 滋賀県マキノ高原 P562

寒波の恩恵を楽しもうと雪景色に染まる湖北エリアの駐車場に向かいました。

 

関西の山に雪をもたらした先週の寒波。その雪を踏もうとホーム北部か湖北エリアを候補地にしました。前日の予報では降雨の心配があり、雨雲レーダーで降水確率の低かった湖北エリアとし、何度も登っているマキノ高原から寒風を目指すことにしました。

福井県に近い滋賀県湖北エリアは、日本海側気候で降雪量も多く、2017年2月に訪ねた際は、一晩に1mを超える降雪で、山行はラッセル祭りになりました。マキノ高原を起点として登ることが多い赤坂山の最新レポを見ると、70~80㎝の積雪量。私達が目指す寒風は赤坂山と同じく、総延長80kmに及ぶ高島トレイル上にある858mのピーク。雪の状況はそのレポから予想できます。ただ、寒風へのルートは赤坂山から周回する際の下山路として利用することが多く、この状況では周回する登山者を望めません。以前にも、寒風までトレースを引いたことはありますが、雪の状態で大きく変わってきます。例えピークを踏めずとも、その行程を楽しむのも雪山の魅力。そんな思いを持ちながら、駐車場で準備を始めます。

出発点「マキノ高原キャンプ場」から一面の雪景色。圧雪された道をしばらく歩いた後、早速、スノーシューを装着します。雪はまだ身体を支えてくれるほど締まっておらず、ゲレンデ跡に取り掛かると、スノーシューでも10cm程、時には膝下まで沈み込みます。トレースは深さ50㎝ほどの壷足とスキーの2本ライン。その上を歩けば、凸凹と歩きづらく、新たなトレースを引きます。今週、緩んだ寒気は湿気を含んだ重い雪に変化させ、踏み込むには力が要ります。気温4℃、曇り、無風。ルート序盤の関門、ゲレンデ跡の直登にかかれば、袖を捲った半袖状態でも汗が止まりません。

前回は、2018年1月にバンビー4で訪ねました。今日よりも大雪で視界も限られた降雪の中、スノーギアの訓練をゲレンデ跡トップまでしたことが思い出されます。

ゲレンデ跡トップで振り返って見るキャンプ場や集落の田畑は、一息つかせる景色です。先週訪ねた精霊の森とは違い、人里の温かみがここまで届きます。更に進むと、本来のルートとは違う冬道。所謂、ショートカットの直登トレース。そこを過ぎてようやく樹林帯に入れば核心部。まず、トラバース道で分岐を目指すものの、途中で行く手を阻まれて迂回の直登。滑る雪の急斜面を滑落しないようにスノーシューを蹴り込みます。

分岐点合流からは、つづら折りで高度を上げるルート。雪の重みで道を塞ぐ枝に迂回の直登が何度も続きます。湿気を帯びた雪は時には崩れ、急登にかかる力と共に流していき、下りの大変さが頭を過ります。

出発時間が予定より遅くなり、また、湖南エリアに雨雲が近付いた知らせを受け、当初予定していた寒風は無理と判断。562ピーク直下にあるメタセコイア並木等の好展望地を本日のピークとしました。バディもそう思っていたようで、その場に応じた対応は特に雪山では重要になってきます。私達にとってこれは「撤退」ではなく「変更」です。

2㎞以上も続くメタセコイア並木や2つの谷に広がる山麓の集落、そして、白く染まった田畑に山々。低山故の展望と曇り空であるが故の美しさ。この景色を見ることが出来ただけで、感謝です。

久しぶりの全身運動で疲れた筋肉は、滑落したくないと言う精神力で補い、特に最後のトラバース道は慎重に足を運びました。そして樹林帯から抜けたところで広がるキャンプ場越しの里。ここから見る風景にはいつも自然に足が止まり、緊張が一気に緩みます。

再び下りにかかると、ポツリポツリと雨。多くはありませんが、止みそうにもありません。予報より早まった感じで、その後の雨足の変化を考えれば、変更は功を奏しました。

下山後はクリスマスイブっぽい、いつもの…(笑)

 

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道の駅「琵琶湖大橋 米プラザ」から望む比良山地「打見山」

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延長約2.4km 約500本の「マキノ高原 メタセコイア並木」は 早朝がお薦め

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稜線は見えていました…マキノ高原キャンプ場

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まずは ゲレンデ跡を目指します

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振り返ってみる 里の景色がお気に入り

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ショートカットの圧雪直登は スノーシューが得意とするもの…(^^♪

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迂回の湿雪直登は スノーシューが不得意とするもの…(^^;

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樹間に見える 展望にほっと一息

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琵琶湖畔が見えれば 良しとしましょう

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全身運動の直登は このルートの面白さ

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ルーファイは 自分の責任で行います

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針葉樹林帯が 寒風への入口になりますが 今日は挨拶だけで帰ります

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クリスマスイブに相応しい 「ホワイト メタセコイア並木」

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これより先は危険な「好展望地」

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スノーシューがなければ 辿り着けない 山行でした

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ホワイトロードを飾った「栗のデニッシュ」で エネルギー補給

f:id:Regulus0821:20201226081347j:plain湖北エリアの冬景色は どこから見ても美しい

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2020年も無事下山を目指して バンビーズ

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こんなルートが続けば 楽なんですが…

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でも 直登ルートの下りは 必ず 現れます…

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この展望で 今日もほっとする時間です

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帰り道 トレースを引けば この通り

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好展望地までは しっかりトレースが 引けたと思います

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本日のピーク(手前の白い広場)の奥に寒風の稜線

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ホワイトクリスマス…サンタさんが微笑む いつもの…(笑)