横浜の山友と共に…六甲全山縦走
3月11日 兵庫県六甲山
20代前半新田次郎さんの作品と出会い、読みふけっていました。中でも「孤高の人」は僕の山人生に少なからず影響を与えた作品です。加藤文太郎さんは実在の方ですが「孤高の人」の加藤さんは小説上の人物だと知ったのは、随分と後のこと…。しかし、2人の加藤さんが歩いた「六甲全山縦走路」は当時の僕の目標でした。それから30年以上の時が経って目標を達成し、安曇野の山友と2度目の全山縦走から1年4ヶ月。今度は横浜在住の山友を誘って三度、早朝の塩屋駅に降り立ちました。
六甲全山縦走路。全長56㎞、累積標高は2800m。摩耶山までの前半は200~500mの標高差を何度か登り下りするルート。六甲最高峰までの中盤はドライブウェイに沿って、海を眺めながら頂上台地を歩くルート。後半は再び山道に入り、一気に宝塚へと下ります。
核心部は菊水山。ここをうまく乗り切ることが、全縦完走のポイントだと思っています。ルートの案内は整備されていますが、途中、3つの住宅地を抜けるため、事前の準備は必須ですね。
振り返って眺める最初の「旗振山方面」。これから向かう「摩耶山」「六甲山最高峰」。僕はマラソンをやったことはありませんが、移り変わる景色を楽しむ全縦は通じるものがあるのではと思います。
全縦大会は「須磨浦公園」から始まりますが、六甲山の西端は塩屋まで続くため、旧大会ルートから歩き始めます。しかし、大会ルートに拘ることはなく「文太郎道」や「高取山山頂」など文太郎さんと縁の場所にも立ち寄りながら、56kmを楽しみます。
栂尾山で御来光。史跡「馬の背」では須磨アルプスと呼ぶに相応しいダイナミックな光景を見ることが出来ました。小雨の住宅地を抜けた後に向かった菊水山では眩しい青空。ところが摩耶山では、小雪の舞う慌ただしい空模様。
ここから少し肌寒くなってきた頂上大地を最高峰目指して進みます。最高峰の電波塔を確認してからも、何度かドライブウェイと交差し、その度に短いアップダウンを繰り返します。初めての場合、ここが最も辛い時間ではないでしょうか。そして、遂に最終分岐点へ続く長い階段を抜け、大阪湾を背に最高峰へと向かいました。風が体温を奪う寒い山頂でしたが、二人の心は熱く感動をしていました。
しかし、ここが我々のゴールではなく、終点「宝塚」へ向けて「東六甲縦走路」が始まります。せめてもの救いは、その大半が下りであること…。海岸線からも離れ、展望のない山道は現在地を把握することが難しく、集中力が途切れそうになりますが、ほころび始めた身体は一瞬の油断が事故につながるため、最後まで気を抜くことは許されません。
塩屋駅を出発した際、西の空に沈みかけていた月は、宝塚の夜景を見下ろせる場所では、東の空に浮かんでいます。12時間を超える山行の素敵なゴールを演出してくれました。宝塚駅で力強く握った山友の手は僕の山人生に大きく残ることでしょう。下山後はいつものでなく山友のために祝杯を上げ、見送りに向かった途中で、いつもの…(笑)
この案内を見ると 気が引き締まります
鉄拐山から神戸方面
時代を超え 足跡を重ねます
大阪湾越しに御来光.‥栂尾山
今日は明石大橋が良く見えます
朝陽に照らされる 須磨アルプス
高取山の左手に菊水山.‥その間の奥に摩耶山.‥遥か彼方の中間地点(笑)
荒熊神社に設置された眺望図
神戸空港が 波光に浮かび上がっていました
核心部 菊水山が鵯越駅越しに 見えてきました
山麓で 春の薫りに ほっと一息
気持ちが現れる 山頂の空.‥菊水山
山頂展望台から 出発地点を振り返ります
ゴールの宝塚へは.‥今は考えないでおこう(笑)
古から登られているのでしょう.‥摩耶山天狗道
神戸空港が後方になりました.‥掬星台
そして 大阪の街が前方に.‥
この標識に 少しの元気を貰います
最高峰への最終分岐点.‥陰影が綺麗でした
寒いけど 今回の決めポーズ(笑)
ゴールまでは まだ1日のハイキング距離があります(^-^;
案内板を射す日も 赤味を増してきました
町の灯りが 心に充実感を灯します
今回も 山友二人で 決めポーズ.‥(^^)/
三重県と言えば これでしょう(^^)