Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

花曇りのホーム...ミツマタの森を訪ねる

4月6日 三重県野登山
桜の開花が各地で聞こえ始め、町や里は春本番を迎えました。ホーム鈴鹿の主峰「御在所岳」に向かう途中、電波塔の建つ山が目につき、以前から気になっていたものの、なかなか登る機会のなかったのが「野登山」。この山の中腹辺りには、和紙の原料として植えていたミツマタが広範囲に広がり、「ミツマタの森」として親しまれていることを知り、日本の棚田百選に選ばれたことのある坂本地区から周回コースで訪ねることにしました。

棚田の駐車場を出発し、山に入ってからしばらくは林道を歩きます。左手の谷が狭くなり人工林の山道に入ったところから「ミツマタの森」が始まりました。
春の季語とされる「ミツマタ」は、名前の通り、枝が三つ又にわかれて伸び、その枝先に黄色の花が咲きます。小さな黄色い花が雪洞状咲く様子は如何にも春の便りに相応しく、また、規則正しく三つ又にわかれる枝にも生命の神秘を感じます。
ミツマタは道沿いだけに限らず、尾根に向かって斜面一杯に広がっている場所もありました。花の多くは上向きに花を咲かせるため、背の高い木の場合は撮りずらいのですが、下向きに咲くミツマタはちょうど良い位置に花が付いています。しばらく、様々な顔を魅せてくれる「ミツマタ」と対話をしながらゆっくりと進みます。薄暗い常緑の山道に咲くその様は、本当に足元を照らす雪洞のようです…。
道が二手に分かれており、どう見ても左手の方が進むべく道っぽいのですが、地図上のルートは右手(沢の右岸)であったため、直進しました。道は少し荒れ始め、薄い踏み跡が続きます。「やっぱり、向こうの道だったかなぁ?」と思い始めた頃、開けた箇所に見事なミツマタの群生地があり、再び、対話の始まり…。しかし、そこを通過すると、いよいよ踏み跡は無くなり、上方に見える尾根に向かって斜面を登るしかありません。ミツマタの枝や多くの木に助けられ、無事に支尾根に立ち、登山道に戻ることが出来ました。やはり、左手が正解だった訳ですが、その場合、見事な群生地と出会うことは出来ません。今回は結果オーライでしたが、判断力が求められる低山山行の出来事です。
そこからは結構細い支尾根の急登が続きます。一歩間違えれば大事故に繋がりかねない、低山独特の危険ゾーンです。鈴鹿南部の主尾根「仙鶏尾根」と合流し、野登山方面へ。以前から、この野登山と仙ヶ岳を結ぶ尾根を「仙鶏尾根」と呼ぶのが不思議でした。今回、登るにあたって調べてみると野登山頂付近に建つ「野登寺(やとうじ)」の山号が「鶏足山」であり、ここから名付けられたものであると知りました.‥スッキリ(^^) さて、仙鶏尾根から車道に出ると道路一面に雪。しかも、結構な量。今冬の積雪の多さをあらためて感じた出来事です。
今回の目的は「ミツマタの森」でしたが、せっかくなので「野登山三角点」と「野登寺」に立ち寄り、雨の臭いがする山頂をそそくさと後にしました。
下山後は、新規開拓したお店でテイクアウトしたいつもの…(笑)

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駐車場の周囲には移植されたミツマタ
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棚田の向こうには 新名神の橋梁
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ホオジロが 里の春を奏でます
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ツバキは 新春から春への渡し船
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今年 里では梅と桜が競演していますね
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ミツマタの森の玄関口
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小さな花が 競っているように見えます
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今日はクラシックスタイルで…
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同じ花でも 個性はありますよね
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これぞ 三つ又(笑)
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苔の倒木から顔を覗かせているようです
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道なきミツマタの斜面を激登り…上からミツマタを覗くと白いんです
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展望のない尾根を ひたすら急登
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アセビが広がると 稜線が近い 鈴鹿南部の山
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仙鶏尾根には 残雪模様
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車道は残雪で埋まっていました…ここの標高850mほどです
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今冬を物語る 北谷の展望
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それでも木々の芽は 膨らみます
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ミツマタの苗木が参道に植えられていました
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最近のカメラは簡単にこんな写真が撮れます(笑)
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日本の原風景が ここにはありました
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三重県B級グルメ とんてき(定食)
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いつものも 春へと 衣替え