梅雨の晴れ間…紅美人を訪ねて
6月9日 奈良県学能堂山
先週梅雨入りをした関西地方。自宅近くの山で「ベニバナヤマシャクヤク」が見頃を迎えていることを知り、奈良県側から入山。
「学能堂山」は三重県と奈良県の県境にある山で三重県では「岳の洞山」と書きます。かつて山頂付近に学問の神様・文殊菩薩を祀られていたのが山名の由来らしく、登山道では「学能堂」と案内されていました。
登山口は霧氷で有名な三峰山登山口の手前、自宅から40分程で到着。しばらく林道でウォーミングアップした後、植林地の登山道を進みます。倒木の多い沢筋はまるで障害物レースのようですが、次第に急登へと変わります。三峰山北尾根と合流する「コスマ峠」から山頂まで「白土山」「東俣山」の2つのピークを越える縦走路となり、「学能堂山」を含め、これらピークは地形図に記載がない、言わば、無名山(笑)
木漏れ日が照らす登山道は思ったより蒸し暑くなく、急登も汗をかくことなく登りきれます。なだらか山頂へ続く最後の急登も、半ばを過ぎると視界を遮るものがなくなり、全周囲の展望。そんな中、挨拶代わりに一輪のベニバナヤマシャクヤクが出迎えてくれました。
山頂手前の東側斜面に見頃を迎えたベニバナヤマシャクヤクが広がっており、緑の中からすっと立ち上がり、風に揺れるその姿は正しく「紅美人」。
山頂ではおらが山の「尼ヶ岳」や室生火山群の名峰たち、ピラミダルな高見山に三峰山から局ヶ岳へと続く縦走路。県境尾根に相応しく、三重県と奈良県の山々が一望です。霞みがかかっていたものの、思わぬ山頂からの展望を楽しみながら一杯の時間。自宅を出て2時間半で味わえる至福の場所となりました。
山は名前ではなく、ピークでもなく、高さでもない。「山に登らせてもらっている幸せ」をあらためて感じた山行でした。
下山後は、いったん自宅に戻ってリセットしてから、いつもの…(笑)
ヤマボウシが初夏の光を照らします
清涼感たっぷり…ウツギの白い花
林道の終点 ここから登山道へ
林床の葉が 鏡のように光ります
新緑の季節から梅雨の晴れ間へ…三峰山
展望地から望む 学能堂山
最後の一咲でした モチツヅジ
木陰に一咲 レンゲツツジ
最後の登りを振り返れば…
ベニバナヤマシャクヤクとは初めまして…
咲く間際の姿も 愛らしい
立てば芍薬とは このことか…
花脈が美しく浮かび上がっていました
もう少し 花を楽しめそうです
関西のマッターホルン 霧氷で有名な「高見山」
伊勢の名峰「局ヶ岳」は南伊勢の槍ヶ岳
おらが山「尼ヶ岳」と大洞山(左)
山名が異なるのは 地元の方に愛されている証
西側に広がる 山のグラデーション
室生火山群からおらが山…中央は自宅方面
美しき木漏れ日の道
林床に浮かぶ フタリシズカ
フタリシズカに呼ばれて出会えました…エビネ
ヒメシャラのベンチは 一人掛け(^^)
初物のチェリーで いつもの…(笑)