Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

晩秋のスカイラインが見たくて…小蓮華山

10月8~9日 新潟県小蓮華山
2017紅葉遠征の最後を飾るのは「天国に一番近いテント場」と呼ぶ白馬大池から小蓮華山へ。季節外れの穏やかな山行となりました。

10月8日
ただ今、北ア北部の紅葉前線は1500~1700m。野天風呂で有名な秘湯「蓮華温泉」は丁度見頃を迎えていました。2年前のSW、ここ蓮華温泉白馬大池~朝日小屋と周回して以来の入山。今回は小蓮華山までのゆったり山行。登るにつれ移り行く秋を楽しみながら歩きたいと思います。
昨日までの雨が登山道を濡らし、石や木の根が光沢を帯びています。登り出してすぐ、崩落のためか、ロープの張られた迂回ルートがあり、ここが核心部でしょうか。このルートは栂池ルートと違い、大きな岩を渡り歩くことがないため、テント装備には向いています…あくまでも個人の感想…(笑)
しばらくは紅葉の額縁に雪倉岳から朝日岳を眺め、日本海まで続く栂海新道はその稜線を雲海に沈み込ませていました。やがて視界の広がる「天狗の庭」。カラマツの黄色が印象的です。力強い弧を描く五輪尾根。山裾を飾る艶やかな秋景色。そして、山肌を白い幹が浮かび上がるダケカンバの並木。見飽きることのない景色が続きます。
ハイマツ越しに空が見えると白馬大池。ベンガラ色の小屋前にはテントの紅葉まつりが開催中 (^^)。夏、ハクサンコザクラを初め、色とりどりの高山植物が咲くこの通りは、正しく、天国へのプロムナード…但し、行ったことはありませんが…(笑)
雷鳥坂を登るにつれ、白馬大池の瑠璃色が力を増してきます。視線を動かせば、小蓮華山へと続く雲の上の坂道。そして、雪倉・朝日岳の優しい稜線。更に振り返れば、白波の立つ日本海を連想させる雲海。いつ見ても心が静まる世界観です。
船越ノ頭。荒々しい杓子岳から白馬鑓へと続く山稜を望める最初のピーク。鹿島槍へと続くその稜線は安曇野から打ち寄せる波を受け止めているようでした。また、ジオラマのように遊歩道が続く栂池自然園。大勢の方々が紅葉を満喫されていることでしょう。一旦下った後、山頂が見えそうで見えない登りの始まり。それも白馬岳の姿が現れれば、初夏の陽気を思わせる山行の到着点「小蓮華山」に登頂です。
小蓮華山は独立峰であるかのように、全方位に展望が開けます。その一角、三国境の南北でこれほどまでも山容が異なる自然の不思議さ。そしてそのスカイラインを目に焼き付け、来た道を戻り始めました。

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フレームの先には 野天風呂
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遠くも 近くも ダケカンバ
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秋のグラデーションが続きます
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錦秋の滝が 流れ落ちていきます
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落葉した木々も 山肌を飾ります
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足元にも 秋の装い
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秋の深まりを告げる 木々たち
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光が溢れる 白馬大池
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晩秋漂う 栂海新道
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もうひとつの周回ルート…鉱山道
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雁股池…栂池自然園にあります
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今年は剱岳を良く眺めます
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北アルプス北部のイケメン達…
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雲の上の坂道
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雲の下の町並
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雲海の防波堤…白馬三山
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このスカイラインの切れ味は最高です
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雨飾山の山頂も賑わっていることでしょう
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秋の昼下がり
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白馬大池は 雲上のオアシス
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夕刻 影が斜面を登ります
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雪倉岳の夕暮れ
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小さな三角屋根…朝日小屋…遠い道程が思い出される
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野菜がたっぷり スープスパゲティ
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小蓮華山と星空をつなぐ 天の川


10月9日
朝、雪倉岳の上空を飾る淡い月。雷鳥坂の登り口では、御来光を拝もうと10数人の影。一段と真っ赤に染まる東の空の左側には、戸隠山妙高山火打山、焼山。特徴ある北信の峰々もその瞬間を待ちます。日の出とともにオレンジ色に染まる山稜。小蓮華山や栂海新道を歩く登山者の笑顔も見えそうな夜明けです。今日も素敵な一日になりそう。
昨夜の幕営数は100張程度。朝日岳周回や白馬岳に向かう人はすでに出発をされており、今はテント場に漂うのんびり感が目に見えそうです。
朝食後の珈琲タイム。白馬岳を越えて栂池に向かう登山者が小さく見えます。我々もそろそろ重い腰を上げなければなりません。
昨日よりも風を感じますが、暖かい陽射しを受けるとそれも心地よいものに感じます。ひと晩お世話になった白馬大池にお礼を述べ、小蓮華山に再会を誓います。次回は真っ白か、それとも今頃か…。
山行。それぞれが大切にするポイントがあるように、我々には帰り道も重要なポイント。「登頂の目的は達した、天気はサイコー!あとは下って温泉!!」ではなく、周囲の景色を楽しみながら下ります。「点」ではなく「線」を大切にしたい。そして、そのゆとりが我が家の安全登山の鉄則です。
昨日と陽の当たりが違うだけで、山はその表情を変え、また、一日で色付きが進んだように見えます。この時期、登山口と標高差のある北アでは、どこかのゾーンで紅葉と巡り合えますが、あと一月もすれば、簡単に立ち入ることの出来ない世界へ様変わり。今だけの山行を3週続けて出来たことに感謝の気持ちで一杯です。
今年30回目の山行。そろそろホームも解禁が近付いてきましたね(^^)v
下山後はまだまだ旬の秋の味覚でいつもの…(笑)

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白馬大池はまだ眠っています
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夜明け前…音が止まる時間帯…
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白馬乗鞍岳のケルンが戸隠山と背比べ
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今回は ゆっくりと御来光を拝めました
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栂海新道も動き始めます
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朝のマジックアワー
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ケルンにも朝の光が灯ります
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朝の紅葉は 紅色2割増し
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朝日小屋に陽が射すのは あと少し先
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五輪尾根…登りますか?下りますか?
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テントから眺める 秋の朝
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朝から楽しめる いつもの時間…(笑)
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刻一刻と表情を変える 白馬大池
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また来る日まで…(^^)/
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時間帯によって変わる 山の秋
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雪倉岳とも そろそろお別れです
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小蓮華山のスカイラインも素敵です
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紅葉の谷へ ダイビング
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一気に景色が広がる「天狗の庭」
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紅葉のトンネルを抜けると…
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そこは 紅葉パラダイス (^^)
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有名処だけが 山の秋ではありません
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優しさに包まれそうな 葉の光
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懐かしさを感じる 秘湯の湯
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安曇野だけど 小布施のお店でいつもの…(笑)