Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

旅の終わりは アイスショー…雲竜渓谷

1月16日 栃木県雲竜渓谷
川越~宇都宮~日光を巡る旅の最終日は、昨年、ホテル谷川岳の山行でお世話になった高崎の山友と共に、氷瀑で有名な雲竜渓谷を訪ねました。

寒波が緩み始めた3日目の朝。東照宮近くの宿で山友と合流し、登山口へ。心配された車道の凍結は殆どなく、FF冬用タイヤでゲート前駐車地へ入ることが出来ました。ここからルートは二手に分かれますが、崩落や渡渉の続く河原ルートではなく、距離は長くなるものの林道ルートで向かいます。
今日のメンバーは、山友ご夫婦が属する会の方を含め、総勢7名。早いもので、ご夫婦とは3回目の山行(全て冬山www)になります。お昼ご飯は「豚キムチ鍋」を用意していただき、出発前には食材の分配をしてパーティ力を高めます(^^)
5月の残雪期を思わすような陽射しに、早くもアウターは荷物化。汗冷え防止のベースと長袖1枚にも関わらず、途中からは腕まくりをしていました。その陽気に凍結した道路は程良いクッションとなり、小気味よい音を立てます。駐車地の標高は約940m。雲竜渓谷入口まで400mほど標高を上げる林道歩きは2時間30分。
林道から河原へ下る「凍結階段」が最初の難所。特に、最後の10数段は手摺もなく、転べば川ポチャは免れません(^_^;) この凍結階段は「氷の世界」へ進む「試練」かもしれません。幸い全員が無事に河原に下り立ち、ふと前方を見ると、青白く光る氷瀑群。雲竜渓谷への入り口です。
歩き始めて10分程で氷瀑群が現れます。
「どうしてこんなにも立派な氷瀑が出来るのだろう…」
悠久の時を経て鍾乳石や石筍が織り成す鍾乳洞。ここでは、毎年異なった表情で繰り返されます。
渡渉を続け、少し広くなったところでランチタイム。ぐるりを氷瀑に囲まれたこの地は、渓谷と言う幾分閉塞されたことで、より一層「氷の世界」を際立たせています。鍋の用意をしている時、「ゴゥー」と激しい音を立てて、対岸にある10数mの氷柱が崩落しました。例え、ヘルメットを被っていても直撃を受ければ一溜りもありません。この時期、安易に近寄るのは危険ですね。
一息ついた後、バディと2人で雲竜瀑に向かいました。装備はチェーンスパイクにピッケル。ヘルメットは置いていきましたが、落石の危険性もあり、被っていかねばなりませんでした。渡渉をしながら雲竜瀑から渓谷へ流れ落ちる地点へ。そこから巻き道を登ることになります。細いトラバース道をジグザクに登りますが、途中、クラストした箇所があり、10本爪以上のアイゼンがお勧めです。特に、下りはその上を一段下がらなければならず、滑落した際は止まりませんので登る際には慎重な判断と行動が必要です。
さて、登りきって真正面に現れた「雲竜瀑」。丁度、滝の上部に陽が当たり、青味に凄味が加わります。写真でしか見ることがないだろうと思った景色を目の当たりにし、ただ感謝の一言です。本当、山との出逢いは「いつどこでどんなきっかけで起こるものか判りません」が、その時に現場に立てる体調管理を続けたいものです…年々、実感…(笑)
雲竜瀑を初め、まだまだ成長を続ける雲竜渓谷の氷瀑群。しかし、その世界が完成された時、それは「崩壊」の始まり…。昨日、東照宮を訪ねたからか、そんなことが思い浮かびました。そして、今回のきっかけを作ってくれた山友に感謝すると同時に、再会を約束し、「氷の世界」を後にしました。
下山後は、600kmの道のりを帰らねばならず、温泉でタイムアウト。と言うことで、前日のバディだけのいつもの…(笑)

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氷瀑の前に…日光と言えば「華厳の滝
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明日の雲竜渓谷に 期待が高まります
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総勢7名の山行は 初めてでした
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最初の核心部 凍結階段(笑)
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雲竜渓谷から 急に開ける河原を進みます
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「氷の世界へ ようこそ」
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ここは 白糸の滝 なのでしょうか?
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ニヤッと笑う 氷の門番に見えます
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崩落と凍結の繰り返し…
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次はどんな世界が待っているのだろう
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振り返って 仰ぎ見る
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いつもの冬山とは 一味違う 氷の世界
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最盛期には 一面に氷瀑が出来るそうです
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水飛沫が止まったようにも見えます
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アウトドアな鍾乳石? (笑)
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特大鍋で 7人前の料理も一発OK!
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雲竜瀑に向かいます...渡渉中のツアー客
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「これより 危険ゾーン」…氷の門番が叫んでいるようでした
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巻き道の直登…唯一の安心区間
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圧倒的な力の造形美…雲竜瀑
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「動」が「静」になった場所
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パイプオルガンの音色が岩に響いてきそうです
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雲竜瀑を 氷の回廊から
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決して 真下には 立てません
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氷の世界の神殿へ続きそう…
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「さよなら 氷の世界」
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前日 美味しい料理のあとに いつもの…