Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

南八ヶ岳 氷と岩の調べとともに…編笠山

3月11日 長野県編笠山
春の足音が近付き、冬山も終わりを告げようとしています。今シーズンの見納めに南八ヶ岳展望の頂を目指します。

最後まで杣添尾根と編笠山のどちらにしようか考えていましたが、木金土の天候から、確実に登頂ができる編笠山としました。この山を最初に訪ねたのは、19年前のGW。当時、小学生だった娘も今では家庭を持つ社会人。今回で6回目となる編笠山の登山口は山梨県と長野県にありますが、最近は長野側の富士見高原を利用しています。
林道を横切りながら、尾根の取付地点「盃流し」に向かいます。先月、八子ヶ峰から眺めた裾野へ続く曲線美。歩くとシラビソやトウヒ等、展望のない道が続きます。2年前、テント泊をした時は西岳経由の周回ルート。その尾根道と平行しながら、やがて道は太古の森へと入り込みます。
1800mを超えた辺りで道は雪に覆われ、1900m付近から始まる急坂でアイゼンを装着。陽の当たらない道は雪道と言うより「凍り道」。それは、時折アイゼンの爪を弾くほど強固なものでした。
2100mで急登は終わり、樹間から陽が射し始め、空が近付いた気がします。再び始まる登りでは、森林限界が近いため青空が頭上に広がり、振り返れば樹々越しに北岳から仙丈ケ岳へと続く南アルプスの白き山嶺を初め、ミニチュア細工のような山麓の景色に目を休ませます。
「暗」から「明」へ。このルートで2番目に好きなポイントです。
そして、このルートの核心部、山頂直下の岩稜帯。過去2回、3月に登っており、雪の少なかった一昨年でさえ岩を雪が覆っていましたが、今日は完全に夏道ルート。上部の様子が判らずアイゼンを付けたまま登りましたが、結果的に不要でした。
綺麗な円錐形の山容を持つ編笠山。どのルートも最後の傾斜は同じですが、このルートが一番きつく感じるのは、数多くある案内板のせいだと思うのは、個人的感想…。そして、最も好きなポイントが編笠山の山頂標識と共に姿を現す南八ヶ岳の峰々。
阿弥陀岳、横岳、赤岳、ギボシ、権現岳。南北に長い八ヶ岳、自分流の絶景ポイントをお持ちでしょうが、絶妙に配したこれら五山の展望を擁した編笠山は、八ヶ岳随一と我々は思っています。八ヶ岳の創造主に感謝です。
麓から吹き上げる風を避け、北八ヶ岳へと続く展望を楽しみます。親子3人で初めて訪ねた時、「あんな険しい山に登るなんて凄いよねぇ」と話した残雪の赤岳。今では赤岳を始め、ほとんど登ってしまった雪の八ヶ岳。時の流れを感じると共に、こうして眺めていると、当時にタイムスリップしてしまいそう…(^^) 娘と登った30数座のひとつだけでなく、我々家族にとって大切な頂。それが「編笠山」。
下山後は、茅野駅前で新規開拓したお店でいつもの…(笑)

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夜明け前…登山日和間違いなし
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年輪ような薄氷…盃流し
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アイゼンの手入れをしなければ…^^;
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この標識を見ると 何故かほっとします
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柔らかな陽射しに 力をもらいます
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森林限界へと導く 森の灯り
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一気に光の国へ
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視線の先に あるものは…
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空と町の間に浮かぶ雲
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見上げれば 八ヶ岳が火山であった証
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今日は 諏訪湖が 良く見えます
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アイゼン歩行の訓練となった 岩稜帯
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視界に収まり切れない世界が ここにあります
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昔から僕は 山頂や峠に着く手前が好きなんです
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権現岳から徐々に 姿を現す瞬間が堪らない
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まずは 御礼のタッチ
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先週の雪で化粧直しをした 主峰「赤岳」
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随分と御無沙汰です…ギボシ・権現岳
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来シーズンは その頂から編笠山を…横岳(三叉峰)
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時代は移ろえど 変わらぬ景色…
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ミラーボールか万華鏡…雪は不思議なキャンパス
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太古の森が賑やかになるには もう少し先でしょう
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新緑がこの道を飾る頃 町はお花見ですね
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麓から眺める八ヶ岳も素敵な光景
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こんなお山があったら 登ってみたい…(笑)