Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

白花3種森…大峯奥駈道

5月27日 奈良県大峯奥駈道
入梅の頃、小さな白い花をつけるクサタチバナ。開花の便りを聞き、その群生地を訪ねました。

群生地への最短ルートは、地図には載っていないバリエーション。とは言っても、良く踏まれた道は案内表示がないことを除けば、一般ルートと大差はありません。また、最近ではルート上に放置された廃トラックにちなんで「タイタン尾根」と呼ばれています。急な鉄階段から始まるこのルート。しかし、奥駈道に合流するまで急登と呼べる箇所はありません。すぐ支尾根(タイタン尾根)に取り付き、両側に植林帯が広がる新緑の道を登ります。
この時期、花の他にもうひとつ楽しみがあります。それは「ハルゼミ」。夏の夕暮れに裏山から聞こえてくる「ヒグラシ」の響きのように、その涼しげで包み込まれるような鳴き声はいつも聞き惚れてしまいます。
やがて、檜の巨木が出迎えてくれると、僕が「森の主」と呼ぶ、巨大な根上がり檜が現れます。この檜は複数の樹木が一体化し、今ではひとつの生命体としてこの尾根を見守っているように思えます。その樹形は見る角度で変わり、訪れる者に崇高さを感じさせます。主を過ぎれば、「タイタン尾根」の由来となった廃トラックがある「清明ノ尾」に合流。物言わぬ廃トラックに何故か心を寄せてしまうのは「大峯山系」という土地柄でしょうか?ここで展望が開け、大普賢岳や行者還岳等奥駈道の頂を望めます。最近、ここを訪れる時は、ミルキーウェイな日が多いので、この景色も新鮮に感じました。
ここからしばらくは、緩やかな道を進みます。道端にはすでに花を落としたシロヤシオと小さな花を寄せて見頃を迎えた「カマツカ」。そして、笹原の広い尾根を登り切ると、初夏の陽射しを受ける笹波の一本道。大峯奥駈道に合流です。目の前には、GW前半にテント泊山行をした弥山やシャクナゲが印象的だった尾根が現れ、当然、この景色も久しぶり…。
奥駈道には鈴のような白い花をたくさん付けた最初のお目当て「シロヤシオ」が何本か残っており、陽光を花びら一杯に浴びて輝いていました。その白いスカートが薫風に揺れ、ハルゼミの鳴き声とともに笹原の道を歩けば、「苔の丘」と呼ぶ場所に到着です。ここで2つ目の白花「ヤマシャクヤク」を探します。株は道沿いに数株ありましたが、すでに時遅し。首を伸ばして更に周囲を探すと、奥まったところに一輪だけ咲いていました。その後も、数株咲いていましたが、苔を踏まねば近寄れず、遠目でそっと眺めるに留まりました。
ここから露岩のトラバース。唯一、足元に注意をしなければならない箇所ですが、そこを過ぎれば、目の前に広がる緑の草原。見頃は次の週末頃かと思う3つ目の白花「クサタチバナ群生地」に到着です。写真のモデルを探しながら、群生地を少し先まで歩くと大峰山系とともに「近畿の屋根」と呼ばれる台高山脈が一望できる場所となり、今日の折り返し地点となりました。
「苔の丘」に戻り、ハルゼミの合唱に包まれながらのランチタイム。晴れてる日もいいけど、来年はやっぱりミルキーな日に訪ねようとバディに話しながら、タイタン尾根へ戻りました。
下山後は、近くでキャンプをしていた奈良の娘と合流し、山談義と共にいつもの…(笑)


リョウブのヒンヤリ感が 心地よい季節になってきました

今にも歩き出しそうな気配…(^^)

新緑も 色濃くなり始めました

巨木エリアの お出迎え

人間界にはない 自然界のパワー

何事も根っこが 大切ですよね

この山の連なりが 僕の中の大峯…大普賢岳~和佐又山

やがて 木々が全てを隠すのでしょう

タイタンの兄貴分…E2500

あの廃トラックがこの道を走っていたのか…

鎌の柄に利用されていたそうです…カマツカ…ソノマンマヤン(笑)

五葉躑躅(シロヤシオ)は 花だけでなく葉も楽しめます

今日は 空が近いと思う 奥駈道

先月 歩いた稜線…八経ヶ岳~弥山

このルートで 最も好きな場所

美しい曲線美とシロヤシオのコラボ

素敵な笑顔が たくさん溢れています

「公園の散歩道」と呼べる このルート

高貴な佇まい…ヤマシャクヤク

このルートの代名詞…クサタチバナ

緑の小径は 初夏へと続く道

いい味を出してくれます…ヒメレンゲ

トリミング機能は凄い…コゲラ

笹の海を 白波が襲う

「またね」…いつも声をかけてしまいます

娘が見つけた 意外性の名店で いつもの…(笑)