Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

早春の絨毯と残雪の展望

3月26日 岐阜県鳩吹山
各地から届き始めた花便り。早春の花便りに誘われて、展望の低山に向かいます。

「春の妖精」と呼ばれるカタクリ。落葉広葉樹の明るい林床に薄紫色した特徴ある花を咲かせます。発芽してから花を咲かせるまで7~8年を要し、開花期間は2週間ほど。5月、山行途中で群生地を見つけることがあっても、一面紫に染まる場所は限られます。
今回、岐阜県可児市にある大群生地が見頃を迎えたことを知り、また、そこを登山口とする鳩吹山は、片道40分程度で素晴らしい展望だと言うことで、ハイキング気分での山行です。
平日の午前10時前、最寄りの駐車場はまだ余裕がありました。「カタクリまつり」の幟に誘導され、遊歩道を進んでいくと、鳩吹山の斜面一帯が薄紫へと変化していきます。まだ陽の当たらない林床の花は閉じており、その姿は眠っているように静かで、寝息さえ聞こえてきそうな感じです。更に進み、朝の陽射しを一杯浴び始めた場所では、すでに目覚めた花やこれから身体を伸ばして起きようとしている花まで、我々日常生活における朝の光景を眺めているようでした。
聞こえ来た常連さんのお話では、今年の花は大きく、また、ここ数日が見頃のピークかな。と言うことで、「いい日に来られたんだ」と小さな幸せ…。
そして、少し道を戻って鳩吹山登山口(カタクリ口)からハイキング登山の開始です。ところが、いざ登ってみると、滑りやすい地表に結構な急登が続く油断大敵のルートで「低山あるある」の出来事です。
気温上昇とともに薄らと滲んでくる汗。それでも、風が吹けば心地よく感じられる季節になってきました。第一展望台(小天神休憩舎)を過ぎると、地表に現れる筋状の岩。そこは直登と巻道のルートがありました。上りは直登ルートを利用しましたが、落石の危険性も高く、登山者が増えてくる頃には巻道ルートを利用した方が安全だと思いました。
僅かばかりの登り返しが2回。左に大天神休憩舎を見ながら先を急ぐと、開けた場所が現れました。標高313m、登頂です。
山頂の北側が開けており、可児市街を蛇行しながら縫うように流れる木曽川。そして、市街地を囲むように連なる山々の向こうには、まだまだ白い中央アルプスと御嶽山乗鞍岳、そして、穂高の峰々も見えました。また、最初は乗鞍岳かと思った更に白い峰は加賀の名峰「白山」。ホーム鈴鹿で見る山容とは比べ物にならない迫力がありました。
大天神休憩舎に戻り、展望を楽しみながら下山後の昼食場所を検索。周囲ではヤマガラが忙しなく飛び移っており、自然豊かな環境を手軽に楽しめることに羨ましい気持ちです。地元の小学生から高齢者のグループまで老若男女、皆それぞれのスタイルで登って来られ、すれ違い待ちが続く下山路でしたが、距離が短いだけ一向に気になりませんでした。
再び、群生地を訪ねて、朝より強い光を浴びて活気づいたカタクリに別れを告げ、次の目的地へと移動しました。
下山後は、お気に入りのお店が定休日(平日あるある)のため、少し北上してからいつもの…(笑)

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本日のルート…遊歩道とは 言い難いと思います
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初めて出逢ったのは 八ヶ岳でした
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賑やかな話し声が 聞こえてきそう…
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透き通る花びらは 色彩の魔術師
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レンゲ畑の言葉があるなら ここは「カタクリ農園」
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花びらの中に 桜を見つけました
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まだまだ 静かな林床…下山後が楽しみ
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登り始めからの急登…一応 遊歩道です(笑)
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今日のジオラマは 手に取るような近さ
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蝶が舞う季節になりました…写真は舞ってませんが(笑)
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路傍の菫は 春山行の友
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アセビの白は 初夏をも連想させます
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意外と急な階段…「低山あるある」
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シキミの花は 葉を映したような白色
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赤い岩稜帯は 直登ルートで…
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最近は 青空が似合う バンビース(笑)
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313.5m…町を俯瞰するには 丁度良い標高かも
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数年前まで 川下りが行われていた 木曽川
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右から 御嶽山乗鞍岳・小さく穂高岳
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左から 白山・奥大日岳・鷲ヶ岳
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白山から御嶽山まで望める 313mの頂
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静かな林床も お目覚めのようです
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春の灯りは 次の花達へと 引き継がれていきます
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今年は 堪能しました…感謝
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まだまだ堪能させてください…いつもので…(笑)