Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

2021年初登りは モノトーンで開幕

1月11日 奈良県三峰山
3連休の最終日。自宅から最も近い霧氷の山の駐車場に向かいました。

関西で霧氷の山と言えば「金剛山」「高見山」と、ここ「三峰山」。シーズン週末は霧氷バスが運行され、公共交通機関利用者にも門戸が開かれます。山域は台高山脈から派生する高見山地東部に位置し、奈良県三重県の県境尾根を歩く「新道ルート」等、複数のルートがあり、登山口は南北両県にあります。また、三重県側の山麓には中央構造線が露出した国の天然記念物「月出露頭」。そのスケールの大きさは地球規模です。
私達は自宅から40分程度で着く、奈良県御杖村にある登山口から山頂を目指します。ここを起点に、不動滝、登尾、新道の3ルートがあり、不動滝↗ 登尾↘ がマイルート。その理由は、下山時の林道歩きを短くすることと、急坂は上りに利用することの2点です。
林道に入ると先日降った雪が所々に残っており、やがて白一色に覆われていきます。そんな中、道端の側溝に沿って飛ぶ鳥の姿。飛んだ瞬間に見えた青い羽根に「ルリビタキ」であることがすぐに判りました。その後数分間、私達を先導するかのように一定の距離を保ちながら飛び、林の中へと飛び去っていきました。登り初めで出逢えた青い鳥。幸先の良い始まりとなりました。
林道から分かれて約10分でルートの名前になっている「不動の滝」に到着。氷瀑の進捗状況は3割程度でしょうか。両側が迫った谷の突き当りにある落差21mの滝は、小さな滝をいくつも従えた堂々たる姿。行場であることからも神秘性も感じます。
ここからしばらく続くつづら折りの急登。昨日までの寒波は幾分落ち着き、体温は一気に上昇します。汗冷えをしないように注意しながらも、出るものは抑えられず(笑)、それでも登尾ルートと合流する頃には気温が下がることを実感でき、いよいよ冬山らしい雰囲気になってきます。
今日は高曇りのため、太陽を浴びてきらきらと煌めく霧氷にはなりませんが、色を無くしたモノトーンの世界は晴れの日とは違う世界を演出し、見た目以上の透明さを感じます。「三畝峠」が県境稜線。以前は下山ルートとして、この尾根を歩く新道ルートで周回していましたが、最近は今日のルートばかりです。
ここから先は更に開放的な林を一色に染める「霧氷大通り」を歩くことになり、時の流れを忘れさせます。最後の分岐点は「山頂」と「八丁平」。八丁平は山頂の南側に広がる笹原の台地。アセビやゴヨウツツジが巨大な日本庭園を飾り、そこに至る樹林帯を抜けるルートは山頂からの下りよりも、トラバース道からの方が立体的な美しさと広がりを感じることが出来、その一本道を歩くことは、まさに、三峰山へのレッドカーペット。まず、目に飛び込んでくるのは、霧氷の林へ適度に配置された針葉樹。その濃淡は光溢れる晴天よりも、今日みたいな曇天の方が際立ち、繊細なグラデーションも浮かび上がらせます。
三重県側からのルートと合流すれば、台高山脈からの派生する多くの山稜が一望でき、眼下に飯高の町並を見下ろせます。この急峻な山腹の地下に中央構造線紀伊半島を横断し、四国へと繋がっています。とてつもない力と時間が眼下の景色に影響しているのではと想像できる三峰山の隠れた魅力です。
さて、八丁平からもうひと登りで円形ステージと呼ぶ山頂広場。そこだけ切り取ったような一角からは、室生火山群の峰々が霧氷フレームの奥にひっそりと佇んでいます。
最も霧氷が美しいと思うのは、山頂から八丁平分岐点までの稜線。八丁平が「全体」を楽しむのなら、ここは「個」を楽しむ一本道。その道を少し外せば、膝下まで埋もれる箇所もありました。合流までの道は、まだまだ続く霧氷を名残惜しむ時間でもあります。
お昼を山頂で過ごそうと大勢の方が登って来られる中、山麓の集落にあるお目当ての食事処を目指して下山したバンビーズ。家を7時に出発して、昼前には下山できる環境に感謝です。
下山後は、自家製でいつもの…(笑)


今年も安全登山をお願いします…ルリビタキ(トリミング処理)

林道歩きが 三峰山への準備運動

氷瀑へは始まったばかり…不動の滝

登山道から少し離れて「不動明王像」

暑くはないけど 汗ばむ登り

登尾ルートと合流すれば 世界が変わります

この案内板を過ぎれば 着いたも同然 (笑)

今日はモノトーンの霧氷通り

八丁平経由で山頂に向かうのが 我が家流

ドア to ドア 3時間でこの景色

青空がなくても 美しい「八丁平」

今来た道を 振り返ります

この道を 下山に使いたくないのです

2021年 ようやく始まりました バンビーズ

八丁平から三重県側の展望…遠くに台高山脈

さて 山頂に向かいます

伊勢方面は 薄日が射しているようです

山頂からの展望は 室生火山群の「俱留尊山」

おらが山「尼ヶ岳」も 顔を覗かせています

コースを外れれば モフモフの膝下通り

一足早く 霧氷祭りを 楽しませてもらいました

山頂からの霧氷通りは 帰りがお薦め

登尾ルートは 変化に富んでいます

駐車場から見上げる稜線は 別世界でした

自家製ぜんざいを焙じたてのお茶で いつもの…(笑)