イブの続きを始めたくて…湖北路
2月20日 滋賀県寒風
昨年のクリスマスイブと同じような空模様の下、メタセコイア並木を抜けて、駐車場に向かいます。
関西に雪をもたらした12月。天候が下り坂の中、湖北はマキノ高原に向かいました。出発時間が遅かったのもありますが、トレースのない雪深きルートにP562直下の展望地をピークとした前回の山行から2ヶ月。先週半ばに再び降雪があった湖北に向かいます。
山麓の情報では降雪量は30㎝ほど。前回の反省から、1時間程早く到着しましたが、雪遊びが出来るマキノ高原ファミリースキー場を訪ねる家族と私達と同じように雪山を楽しむ方で結構な賑わいを見せています。
ここを起点に、多くの方は赤坂山もしくは赤坂山からの周回で寒風を目指します。そのため、私達が向かう寒風へのルートを登りに利用する方は少数派になり、静かな山行を楽しめますが、その裏返しに、トレースがないこともあります。思い返せば8年前、レンタルスノーシューでノートレースの寒風から赤坂山へ周回したことが、こことの出逢い。真っ青な空の下、2人分のトレースしかない高島トレイル。あの感動を越える周回はないと思い、あれからは寒風の先は大谷山になっています。
駐車場を抜けたところから雪があり、そこからスノーシューを装着。このアクセスの良さもスノーシューハイクを楽しむ大きな理由のひとつでしょう。ファミリーゲレンデから聞こえる歓声を耳に、ゲレンデ跡を眺めると、2組のパーティが見えました。これでトレースは確保されたと、ひとまず安心。予報は晴れ。ただし、朝のうちは稜線に雲が残るとのことでしたが、上空の高曇りと稜線を隠す雲は、そう簡単に取れそうにもない雰囲気でした。
ゲレンデ跡に取り付くと、見事はハイウェイが完成されていました。こうなれば、ある意味夏道より歩きやすいのが雪道。ヒールリフターを上げ、汗をかかないようゆっくりと登りますが、バディは早くも袖を捲っています。
前回苦労したゲレンデ跡を難なく通過し、振り返ってみる山麓の景色。そこには、いつもと同じ景色があるだけですが、好きな景色と言うものは、いつ見ても綺麗であり、身体の浄化作用があるのではないかと思います。雪に阻まれて急斜面を登ることもなく、トレースに沿って進めば、あっという間に前回のピーク「メタセコイア並木」の展望地。青空の気配が一向に感じられない中、針葉樹の扉を奥へと入っていきます。
高木の広葉樹が上空を覆う冬枯れ道。周囲は雪と霞みでミルキーウェイ。樹々を縫うよう付けられたトレースを進めば、いつしか夏道と分かれ、尾根道を行く冬の一本道になります。この辺りから天候に関係のない素晴らしい世界へ。ここを一気に通過してしまう下りに使うことは、とても勿体なく思います。一旦、左側の展望が開けますが、ミルキーウェイが濃くなるばかり。最後の急登を終えれば、門番の木に出迎えられ、標高840m 寒風に到着です。
林の向こうから風の唸り声が聞こえる中、無風の斜面で昼食をとっていると、時折、雲が流れて薄日が影を落とします。劇的変化の前触れかと期待しながら休憩を取りますが、そう容易く変化は起こりません。稜線の視界が開け始め、もう少しで青空になると判っていましたが、雲間に見た青空で満足し、山頂を後にします。何度も訪ねている山では、晴れ間を見ることよりも、その山に入っていることの喜びが勝るようになってきたこの頃。登れることの有難さと山に見せてもらえる景色。これだけで十分です。そして、ここまで積み重ねた安全登山を継続し、山を続けること。
すっかり青空になった下山路。トレースを離れ、真っ新な雪の林床を歩きながら、スノーシューの浮遊感を楽しむことは、一時の展望にも勝り、この瞬間はまさに今しかない出来事です。核心部のトラバースを抜ければ、山麓が見渡せるゲレンデ跡トップ。そこからは白く輝く稜線を振り返りながら、汗ばむ陽気とともに下ります。更に賑わいを増したファミリーゲレンデ。キャンプ場にはテントも数張。
「あぁ、面白かった」
駐車場に戻って、稜線を眺めながら、今日の山行を振り返った一言でした。
下山後は、洋と和のコラボレーションでいつもの…。
ゲレンデ跡を登る先行者…ここからお礼を申し上げます
前回引き返した地点を過ぎ P562に向かいます
同じ雪景色なのに 何故か感じる「湖北の匂い」
展望地以来 初めて広がる景色…稜線は近い
春になれば イワカガミが咲く林床も 今はモノトーン
直下の直登…風はないけど 見通しもない (笑)
お久しぶりです 「寒風」の門番さま
積雪は80㎝超えの 山頂でした
メタセコイア並木を見ることが出来れば それで良いんです
山麓の展望から振り返ると ミルキー青空
薄日が射す中 帰り始めます
激しく流れる雲の動きは 感情を揺さぶります
大谷山方面も見え 青空へのカウントダウン…
赤坂山への稜線…高島トレイルは 全長80km
違う山に来たような 往きと帰りで変化する展望
里に向かって スノーシューハイク 第2幕
赤坂山からの周回者…風はどうなんでしょう
影絵は 青空のバロメーター
1時間ほど前の景色が嘘のようです
近くて遠い大谷山…登頂の秘訣は「心」
兎と小動物の クロスオーバー
今日はこれが全てだと思えます
春霞に浮かぶ 琵琶湖の曲線美
ゲレンデ跡から 大谷山と前回のピーク
桜と苺…春の倍返しで いつもの…