夏山の前に…山散歩
7月17日 滋賀県伊吹山
僅かな期待を胸に、年に一度の機会を求めて駐車場に向かいました。
昨年の6月にドライブ山行した伊吹山。その時に初めて知ったのが、山頂付近で見られる「ヒメボタル」。例年7月の1週から3週にかけて22時から明け方4時頃に見頃を迎えます。山麓から山頂付近(1,260m)までは伊吹山ドライブウェイが結び、通常午後8時までの通行時間は夜間特別営業を行い、山頂駐車場で車中泊が出来ます。とは言え、ホタルの見頃は3週間。特別営業は週末の6回。そして、伊吹山は独立峰であるが故、風の影響を受けやすく、しかも、季節は梅雨末期。と、ホタル鑑賞の条件は厳しいものです。今回、土曜日の晴れ予報を受け、バディの靴慣らしを兼ねて向かいましたが、料金所の方から聞いた「山頂付近は風が強い」の一言で、早速の諦めモード。駐車場に近付くにつれ、道路は濃い霧に覆われ、最後はホワイトアウトに近い状態…(汗) それでも諦めきれない気持ちで深夜に外を眺めれば、相変わらずの風と濃霧。ホタル鑑賞は来年以降に持ち越しです。(翌日、ドライブウェイのブログでは、深夜に数匹観測されたようです…)
明けて翌朝。周囲はまだ霧に包まれ、山麓からのライブカメラ映像でも山頂付近に濃い雲が纏わりついていることが判ります。また、3合目から見た山麓の映像では、陽射しが見られ、予報通りに晴れてくることでしょう。伊吹山は何度も登っており、琵琶湖に浮かぶ竹生島を見ることが出来れば、展望は満足。それよりも、雲と風の動きを楽しむ事がこんな日の過ごし方。また、今回は先日購入した靴を夏山前に履いておくことも大切な目的であり、この他にも花と鳥を楽しめればと思っています。
時折、薄日が射し、琵琶湖方面の展望も開けてきました。山頂付近にかかる雲も取れる時間が長くなり、駐車場も少し賑やかになってきた9時に出発。
気温は100m上がれば、0.6度下がると言われていますので、下界より7~8℃低いことになります。例え気温が低くとも、陽が射せば、そこは関西。十分な暑さ対策が必要です。それを思えば、今日のような天候は登山日和とも言えます。
駐車場から伊吹山頂へは、西・中央・東(下り専用:1,500m)登山道があり、急勾配でありながら最短(500m)となる中央を下りとし、西登山道(1,000m)から山頂を目指します。ゲートを抜け、まずは、お花畑を斜めに横切ります。ここはクサタチバナの群生地ですが、すでに花期は終え、昨年同様、ホオジロとウグイスが出迎えてくれました。
イブキトラノオ、ヤマホタルブクロ、ミヤマコアザミ…。「新・花の百名山」に選ばれ、多くの高山植物にその冠を持つ「伊吹山」。麓から歩いて登る正面ルートも人気ですが、こうしてドライブウェイを利用して気軽に山と花に接することが伊吹山の良さでしょう。
小学生時代の夏休み、帰省先に向かう途中、車窓から眺めた「伊吹山」。山を始める前から知っていた貴重な山の一つであり、こんなにも身近な山になるとは思いもしませんでした。
雲が大きく動き、眼下や目前に広がります。2021年 夏山シーズン幕開けを予感させる光景です。
正面登山道と合流すれば、山頂付近で賑わう声が聞こえてきます。この登山道を利用するのは冬に限られていますが、ここ数年は雪不足ですっかりご無沙汰となりました。ヒメホタル同様、冬の伊吹山も積雪状態と天候と休みの一致が最大の課題です。
山頂付近は起伏のある平原となり、東登山道では頂上台地を感じることが出来ます。今日は散歩程度の気分であり、長居はせずに下山開始。途中、振り返った先に広がる真っ青な空と緑の草原がとても印象的で、少し忘れていた山の世界を思い出しました。
下山後は、夏らしい柑橘系でいつもの…(笑)
駐車場から眺めるこの景色で満足
風に揺れる姿が涼し気…イブキトラノオ
初めて覚えた花のひとつ…シモツケソウ
西登山道の門番ですか…ホオジロ
山間に続く 山麓の景色も美しい
この花を見れば 夏を感じます…薊(ミヤマコアザミ)
背景と同化していた ホオジロの番い
南側の展望は 時々 現れました
ここは 鈴鹿北部に繋がっていると思う…カレンフェルト
頂上台地西端 微かに見える「琵琶湖と竹生島」
足元を飾るは ウツボグサ
夏の便りが 空から降りてきたように思います
夏色のパッチワークが 琵琶湖へと続きます
花弁の切れ込みが特徴です…イブキフウロ
我が家では5月に咲きます…イブキジャコウソウ
小屋前で保護されていました…タマガワホトトギス
夏山には 黄色系の花が似合います…キンバイソウ
今日は 雲上の頂上台地
この道は 東登山道に続きます
数々の物語に登場します…竹生島
小さく 山に起こる波…ヤマタツナミソウ
まだ爽やかさを感じる 午前の青空
やはり 中央登山道は 下りでしょう
すっかり雲が取れました…ドライブウェイ 上平寺越駐車場より
下山後も 夏らしい 天上花を…
酸味が 夏を連れてきた いつもの…(笑)