冬山に向けて…山散歩
12月4日 三重県入道ヶ岳(北の頭)
紅葉が彩る山麓の谷を抜けて、先にある駐車場に向かいます。
鈴鹿セブンマウンテンのひとつ「入道ヶ岳」。七山の中で最も南に位置し、標高は唯一1,000mに届かず906m。しかし、標高の低さはCTが短いことになり、最も身近に感じる山でもあります。一般的には椿大神社(つばきおおかみのやしろ)からのルートを組み合わせて計画することが多いですが、今日は、北から南下する最短の新道ルートで向かいます。
起点はセブンマウンテン「鎌ヶ岳」のカズラ谷ルートと同じく「宮妻峡駐車場」。8時30分頃に到着しましたが、すでに10数台が停まっていました。恐らく、鎌ヶ岳に向かう方でしょう。週末とは言え、紅葉シーズンの終わった曇天。人気の高さが窺い知れます
6年振りの新道ルート。樹林帯を抜けた後の展望の良さが印象に残っています。
すぐに林道と分かれ、まずはいきなりの核心部「渡渉」。ひとつ目は難なく通過できますが、ふたつ目が問題でした。3ヶ所ほど渡れそうな場所があるものの、どれも足場が足りません。結局、15分ほど掛けて河原の石を積み上げ、足場を完成。前回、積み上げた記憶がなかったため、帰宅してから写真を見ると張られたロープに沿って大きな石の上を渡っていました。増水すれば、私達が作った足場は跡形もなくなっていることでしょう。
大きなケルンの横から登り坂となり、1から始まる案内標識が目安になります。ここは登り始めから広葉樹であり、今は冬枯れの森になっています。そんな中、僅かに残る紅葉が目を惹いていました。しばらくガレた沢に注意しながら登り、ポイント3からはアブラチャン並木の直線登路。滑りやすい足元に注意しながら一気に高度を上げます。ポイント4からは背後にホームのツートップ主峰「御在所岳」と「鎌ヶ岳」が姿を現し、一息つきます。アセビトンネルを過ぎればポイント5。左側に伊勢湾を望みながらポイント6となり、続いて痩せ尾根を注意しながら通過すれば、入道ヶ岳らしい「笹原とアセビの一本道」が頂上稜線の近いことを教えてくれます。
宮妻林道の分岐点がポイント7。ここからこのルートのハイライトでしょう。今日は北部の稜線が雲に隠れていますが、連なる「鎌ヶ岳・御在所岳・釈迦ヶ岳」の光景は圧巻です。海側の視界は良好で、知多半島越しに三河湾や渥美半島もはっきりと見えました。
ポイント8・9をすっ飛ばして10。椿大神社の北尾根ルートと合流です。多くの方がこのルートを利用するため、ここからは登山者の声が聞こえてきました。すぐに「北の頭」と呼ばれるピークに到着。標高は910mと入道ヶ岳山頂より高くなっています。そしてここは、山頂と最高点915m「椿大神社奥社」の分岐点。
今日の目的はホームの蝶ヶ岳と呼ぶ山頂稜線の展望と冬山に向けて身体を慣らすことであったため、青空の見えない山頂等には興味はなく、「北の頭」を折り返し地点としました。
アセビの陰で昼食休憩される方が増えてくる中、再び、笹原の一本道へと戻り、ホームの峰々を楽しみつつ、今年の冬山に思いを馳せます。先ほどまでと打って変わって強くなってきた風。寒風に身体を慣らすのも目的のひとつですが、「避けられるものなら避ける」のが冬山の必須条件。
風の来ないアセビのトンネルで昼食。足元には紅葉の絨毯が敷き詰められていました。
今日、すれ違ったのは4組。秋から冬へと移り変わる静かな山散歩。冬枯れの道がやがて白く染まり、霧氷の花が咲く頃に再びホームを訪れることが出来ればと思いながら下山。核心部は自分達の作った置石で難なく通過。すれ違った方も利用していただけたでしょうか。
下山後は、定番のお店で新作のいつもの…。
今年最後の紅葉に見送られて出発
手前の丸石から向こう岸へと続く 置石橋
この頃は 山肌を照らす陽射しがありました
陽射しがなくとも 美しいものは美しい
このルートの名物になるでしょう…アブラチャン並木
人工林と自然林 そして 秋から冬へのグラデーション
主峰「御在所岳」…今冬も ルート本谷は 歩けるだろうか…
イブネと反対方向から…ホームの槍「鎌ヶ岳」
ルートは違えども 入道ヶ岳と言えば 「アセビのトンネル」
海が近いのも お薦めポイント
入道ヶ岳随一の展望ルートではないでしょうか
冬支度を始めた ホームの峰々
体は風を表します…
笹原道から振り返って「雲母峰(きららみね)」
こんなにはっきりは初めて…知多・渥美半島
美しき アセビ庭園の曲線
数多くの行先が交差する「北の頭」
山頂を 目指さないのが 山散歩
歩きたくなる道が 奥社へと続きます
見えてさえいれば 高曇りでも 構いません…鎌尾根~鎌ヶ岳、御在所岳、釈迦ヶ岳
天使のライトが 山肌を照らします
今年は 山の秋を楽しめました
笹原から冬枯れの森へ 帰ります
帰り道…入道ヶ岳(左:山頂 右:北の頭)と鎌ヶ岳
季節外れのテントウムシが 飾る いつもの…