1月5日 三重県竜ヶ岳
雲のない稜線に期待を膨らませながら、駐車場に向かいます。
至るところで、未だ、年末寒波の影響が見受けられ、駐車場に向かう国道も除雪された雪によって道幅が狭くなり、対向車に注意が必要でした。初登りは、藤原岳と竜ヶ岳のどちらにしようかと考え、晴れなら遠足尾根で竜ヶ岳。曇りなら天狗岩(藤原岳)へのスノーシューハイク。結果は晴れのち曇りで竜ヶ岳。ただし、緩い西高東低の気圧配置のため、風の影響はありそうです。降雪後、多くの方がこのコースを利用し、トレースは引かれていることから、足元はチェーンスパイク。そして、帰り道用としてスノーシューも用意しました。
冬の竜ヶ岳遠足尾根は今回で4回目。3回のうち1回はラッセル祭りでP964付近にて撤退。バンビー4で向かった晴天の1回は雪不足。残り1回は、登頂したものの視界不良の曇り空。駐車場から眺める青空と真っ白な頂に、今日こそはという思いで出発。
登山口への林道がこれほど雪に覆われているのは初めてで、稜線にも期待が持てます。このルートは元々登山道として地図に載っておらず、草原のような稜線歩きを楽しめることで、数年前から紹介されています。林業用として整備された道なのか、尾根までは急登が続くことから、登山口でチェーンスパイクを装着。付けなくても歩けるのでしょうが、安定感は確実に増します。
観望天気ポイントの岩山。稜線の先に続く山頂を望めば、「待っているよ」と招くように、その白い姿を私たちに届けます。急登は岩山を境に、前半と後半に分かれ、短い折り返しが続く後半を慌てずに登ることが終盤に向けてのポイント。稜線からは一気に積雪量が増え、トレースから一歩外れれば、膝上から腿まで埋まります。深いところでは腰まで隠れるトレース。出来上がってしまえば、ある意味、夏道より歩きやすいものの、これに至るまでは大勢の方のお陰です。その成果品を利用して、さほど労せずに、森林限界とも言える草原稜線の玄関に立つことが出来ました。
ここから遠足尾根が始まると言っても過言ではないでしょう。眼下には黄金に輝く伊勢湾とジオラマ的な濃尾平野。ホーム主峰「御在所岳」は厚い雲に覆われていますが、北部藤原岳などは晴れています。南北に連なる鈴鹿山脈は、独立峰のようにその峰々によって天候が変わります。一段下がった養老山地越しの空に連なる白き峰の中央アルプス。この時点ではまだ御嶽山を望めませんでしたが、下山時には、南アルプスとともに白く浮かび上がっていました。
壺足区間では足元の不安定さに苦労しつつ、周囲の景色に助けられながら進み、迎えるは金山尾根分岐直下の一枚バーン。山頂直下と双璧です。登り始めた中盤、突如として吹き始めた風。「強いなぁ~」と思った3度目の突風で、バディを横倒し。以前も頂上直下で倒されていましたが、まさしくこれが「竜の風」です。自分でさえ身体を持っていかれそうになったことから、瞬間的には20m近い風が吹いていたことでしょう。ここは風の通り道になっており、分岐まで進めば幾分楽になりましたが、今度は「風雲急を告げる」感じで青空と陽射しが消え、不穏な空模様。「今日も竜ヶ岳アルアルなのか…」と思いながらシロヤシオの森を抜ければ、岩山から遠く眺めた山頂が指呼の間です。
山頂に近付くと雪は薄くなり、竜の風がトレースを消します。登頂しても早々と下山されるため、貸し切りの山頂。そして、時同じくして陽射しも戻り始め、景色が踊り始めます。ホームの女王から新年の贈り物を頂きました。とは言え、長居は無用で下山開始。昼食後はスノーシューに履き替え、往きとは違う遠足気分を楽しみました。
始まったばかりの雪のホーム。残る3つのルートを歩いて、初めての完歩ができるかどうかは自分次第。
下山後は、残り僅かとなった新作でいつもの…。
今日はこの空が続きますように…
トレースに感謝しながらの登り始め
さて 遠足尾根の玄関に立ちました
雪原アートを楽しみながら…
青空に向かって 登ります
ホーム随一…展望稜線が続きます
美しき雪の褶曲
今は アセビ庭園も 冬ごもり
金山尾根合流の核心部に向かって…
青天より 斜面が躍ります
「竜の風」は 痺れます(笑)
陽射しがあってこその 霧氷の華やかさ
今日の姿は 「雪の女王」
見どころ満載の中 最後の登りに向かいます
あの向こう側を目指して 最後の登り
2022年 よろしくお願いします
帰りも楽しい 遠足尾根…前方は 藤原岳
ホーム最高峰「御池岳」とテーブルランド
次は いつ登るだろう…
この景色とともに ランチタイム
さて 新しいトレースを引いてみましょう
山麓に伸びた重なる稜線は美しい
冬の午後…早くも影が伸びます
登頂の数だけ トレースが残ります
まだまだ 竜の風は 通り過ぎていきます
再会まで しばしのお別れです
濃厚な頂に 時が止まる いつもの…(笑)