Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

空いた時間で おらが山

6月2日 三重県尼ヶ岳
通勤の車とすれ違いながら、いつもの駐車場に向かいます。

前日に予定が延期となり、急遽空いた平日の午前中。GW以来山に入っておらず、ここはお決まりのおらが山「尼ヶ岳」にトレーニング登山。ただし、今日はカメラ片手にのんびりとした気分で登ろうと思い、トレーニングになるかどうかは不明です。
今日も日中の気温は夏日となる予報。それでも自宅から30分走った登山口は少しひんやりとした空気感に包まれ、山の世界に入ることが出来ます。
しばらく続く林道を歩きながら、呼吸を合わせていきます。ミソサザイの声に迎えられ、その声を追いかけますが、一瞬姿を捉えるだけで、カメラに収めることは出来ません。続いては、頭上から降り注ぐオオルリの声。この木の先端部と思いながらも、繁みに隠れてその姿は見えません。
富士見峠ルートとの分岐になる橋を渡れば、登山道の始まり。ここからしばらくは、カッコーの声が響き渡ります。陽の届かない植樹帯では、「声はすれども姿は見えぬ」。気付かないまま近付けば、飛び去る姿を見るという繰り返し。声のする樹間を適当に撮った1枚に、枝に止まった姿が小さく写っていました。
そんな鳥達の声を楽しみながらゆっくりと歩いても、次第に感じる額の汗。そして、目の前に現れる階段。
このブログで最も登場するおらが山。そのおらが山の代名詞とも言える「天にも昇る階段」。標高957.6mの尼ヶ岳は、駐車場との標高差425mでありながらも、トレーニング登山となる中盤以降の階段区間。幾度となく歩いた道ですが、何故かいつも新鮮な気分でここを迎えます。
前回歩いたのは、昨年の10月。1年振りのバンビー3山行でした。その前は新緑が落ち着き始めた5月。今回は更に新緑が落ち着いたものの、針葉樹林の奥に見える広葉樹林の緑は「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」の俳句を思い出します。話は逸れますが、自宅の裏山から「テッペン カケタカ」とホトトギスの声が聞こえ始め、梅雨の訪れを感じさせます。
いつもは一気に登る核心部、第4階段の途中で立ち止まってみれば、肺の中まで緑に染まりそうな森の勢いです。アルプスにはアルプスの、低山には低山の良さがあり、おらが山だとその気持ちは尚の事です。
息が乱れないまま最終第5階段。両側は広葉樹林となり、メインストリートに相応しい階段路。いつもは天使が見える山頂手前ですが、今日は、出会うことなく登頂。伊賀富士と称されるお椀状の山頂は、芝生広場のようであり、ここからの展望もまたこの山の代名詞です。
爽やかな風と青空。そして、下界の暑さを彷彿させる霞みがかった遠望。ウグイスに交じって小さく聞こえてくるのはホオジロの地鳴き。誰もいない山頂で体感できる山の世界と眺める我が町。ここは自分にとって大切な場所「おらが山」。
いつもとの変わらぬ景色を楽しみ、そしてまた、いつもと変わらぬ道で下山。ただ、核心部の階段は更に崩落が進み、下りる度に注意が必要になってきました。富士見峠から分岐したところで、いつもはすぐに飛び去るカケスが、まるで追い払うかのように後を付いてきます。また、いつも聞く濁声ではない声色の時もあり、子育て中だったのかも知れません。周回を終え、林道に戻れば、オオルリとミソサザイの声。写真に収められなくても、美しい声を聴けただけで感謝しなければと思いつつも、カメラを構える自分が居ました。
下山後は、自宅にていただくいつもの…。


このアプローチが 山と町の境界路

川音とともに ミソサザイの声

林に射しこむ光は 力の源

足元の案内板になってしまいました

マムシグサは 道咲案内人…第1階段

第2階段では 「群」でした

光に導かれた 第3階段

広葉樹と針葉樹の境界は 第4階段

振り返れば 緑の重なる景色

梅雨前のおらが山は 緑美しき山

広葉樹が迎える 第4階段終盤

ひっそりと出迎える 第5階段

木漏れ日が 休んでいけと 誘います

暑いと思う季節まで あと僅か…

緑を突っ切るメインストリート…第5階段

後半は トレーニング登山の本領発揮

何度歩いても 天まで続きそう

緩やかに迎える 山頂直下の階段が 好き

今日は 空が近いと 感じました

我が町を眺められる山は 有難い

高見山から俱留尊山 美しき稜線

遠くに霞む ダイトレ北部…大和葛城山二上山

小さな声の物語…ホオジロ

さて 帰ろう

手作り抹茶チーズで いつもの…(笑)