Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

アートなハイキング… 関西バンビー3

10月15日 奈良県曽爾村
約4ヶ月振りの関西バンビー3で芸術祭の駐車場へと向かいます。

2020年から始まった「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」。奈良県南・東部に位置する奥大和をそれぞれのコンセプトで3つのエリアにわけ、様々な分野のアーティストがその地域に溶け込んだ作品を通じて、自然と芸術を体験する祭典です。
2年前、テレビで紹介されたことから何気なく参加した曾爾村エリア。全てを周った訳ではないものの、自然と調和する現代アートを感じ、普段歩くことのない曽爾村とともにその良さをあらためて知った体験でした。そして、3年目となる今年。今回は京都の山友を誘って、全てのルートを歩いてみたいと思いました。
ルートは毎年変化しており、2年前と比べるとパワーアップした模様。全長約10.3km。5時間のCTです。
出発は前回と同様の曽爾村役場。用意をしている間に数人の方が出発されていきました。全ての会場に設置された作品「千本のひげ根」が来訪者を迎え、共に会場を歩きます。今回はルートマップを地図アプリに落とし込み、ルートミスをしないよう準備をして来ましたが、要所には道標が設置され、随分と歩きやすくなっていました。
出発して間もなく次の作品。この後、トレイル中に点在するこの作品群は、ひとつの大きな柱になっているようにも感じました。HPに記載されているように、服装はその気候に合わせたもので大丈夫です。今日は最高気温が26℃となっていたため半袖。靴はトレランシューズ。村内を歩く道は当然舗装されていますが、今回は東海自然歩道がルートに組み込まれており、この区間はハイキングシューズ以上が必須です。
曽爾村を代表する景色として国の天然記念物にもなっている「鎧岳」。天を衝く山容を覆う柱状節理は、正しく鎧を纏っているように見えます。その鎧岳を借景にした作品「窓」曽爾村で実際に使われていた家具や食器を使った作品は、人々の営みを表しているかのようです。ちょうど作業をされていた村の方と少しお話をしました。これも含めて、MIND TRAILでしょう。
やがて道は集落を離れ傾斜を増します。鎧岳と共に天然記念物「兜岳」。その登山口へ続く県道を進み「横輪川」にかかる橋を渡れば、東海自然歩道の入口となります。今回もルート以外は予備知識がなく参加。ただ、「済浄坊の滝」があることは知っていました。自然歩道に入ってからの作品「コマノエ」。これも点在した作品ですが、最初の作品はあまりにも自然に溶け込み、しばらくは気付けませんでした。
歩道に沿う横輪川は予想だにしない清流で「済浄坊の滝」の他にも数多くの滝が目を楽しませくれました。ここから少し北に位置する赤目四十八滝と対を成す渓谷美です。途中、岩から滴り落ちる水滴で滑りやすくなった箇所やロープを伝って下るところもありました。そんな自然溢れる世界に設置された作品の数々は、正しく、見る人の数だけ、美術館があると言って良いでしょう。
舗装された道に戻った先にある展望地。そこから見る曽爾の集落は美しかったです。林業の盛んな曽爾村らしい植林地の道を進めば、少し入った林の中に「存在Xここと向こう側を意識する為の装置」と言う作品。今回一番のシュールな世界でした。
折り返し地点になる「屛風岩公苑」。桜の季節には大変な人で賑わう場所。柱状節理の断崖が屏風のように連なる光景を山友と見上げていると、繁った草木の中からガサッと言う大きな音。明らかに動物と思われ、山友と一瞬目を合わせた後、同時に走り出しました(少し離れたところに居たバディも、音を聞いて、同じ行動…笑)。 熊が出て来ないよう祈りながら、何度も後ろを振り返ります。結局正体は不明でしたが、ここ最近では一番の緊張でした。
屏風岩を眺めながらの昼食。そして、ここにも設置された数々の作品。「芸術の秋」と言いますが、今日の陽気は秋本番とは言えない気温。しかし、少し色付き始めた山桜とススキが揺れる景色は、やはり「秋」です。屛風岩公苑からの帰り道、こんなに上ったのかと思える下り坂。そして、集落を縫うように設置されたルートは作品よりも曽爾村の景色と生活を感じました。
「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」。他のエリアも気になりますが、自宅から近いここ曽爾村が、最も自分の心と一体になれるような気がします。
山ではなくても、帰宅後は 自宅にていつもの…(笑)


さて 今年はどんな美術館になることか…

題名は「私に気づいて」

前回は ここを下って来ました

それぞれ 別々の世界を覗かせてくれました

鏡は 別の世界を映す「窓」かも知れない

語源は「大地の母胎」…作品の数だけ切株がある

見る角度によって 作品も変わります

これが 全く 見えなかった… 作品名「コマノエ」

これも同じ作品名 … でも「私に気づいて」っぽい

秋の緑も美しい

済浄坊の滝(下の滝) … 一体感のある不自然な作品

歴史を感じる 東海自然歩道

絹のような 済浄坊の滝(上の滝)

そこかしこに 群生地…ダイモンジソウ

シュールな世界に 引き込まれました…「存在Xここと向こう側を意識する為の装置」

この写真を撮った後 駆けだしました (笑)

映画のワンシーン的な作品…屛風岩公苑

前回 お気に入りの作家さん

食後のデザートは 有名パン屋のカヌレ

揺れる様も 自然との調和…「外に囲まれている絵」

シュールな世界を創った方の別作品…「大地の子

霧氷の山(三峰山)から伊勢の槍(局ヶ岳)まで…

森を照らす魂たち

終盤 柿までが 作品に見えてきます…

ゴール間近 屛風岩公苑は 遥か遠くに見えました

秋の素材を用いた 我が家の作品が いつもの…(笑)