Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

アートなハイキング Part.2

10月23日 奈良県吉野
天気に誘われて、春には定番の駐車場へと向かいます。

先日2年振りに参加した「MIND TRAIL奥大和 心のなかの美術館」。自然と芸術の体験をコンセプトにした祭典は、奈良県南・東部に位置する奥大和の3つのエリアで開催され、これまでは曾爾エリアのみの参加でした。当初から他のエリアも歩いてみたいと思っていましたが、昼前からの時間が空いた週末、「吉野」エリアに向かうことにしました。
吉野エリアは全長10km、CTは5.5時間。完走するには時間が足りず、前半部分を周回するルート設定。起点は車と鉄道で分かれ、私達は車のため、観光駐車場からの出発。ここでも「千本のひげ根」が出迎えてくれます。
春、「一目千本」と言われる吉野山の桜。下千本から始まり、中、上、奥へと移ろいながら、桜を愛でることが出来ます。今は少し色付き始めた桜千本。その下千本エリアを下った先に次の作品があります。その道は地形図に載っていない道。ルートマップで凡その位置を下調べしていましたが、曽爾エリアと同様、要所には案内矢印が設置され、この後も道に迷うことはありませんでした。
鉄道最寄り駅からメインストリートへは標高差100m以上あり、現存する日本最古のロープウェイ「吉野大峯ケーブル」が季節運行をしています。丁度、その架線下に次の作品が展示されていました。その反対側にも作品はあるはずなんですが、見つけることが出来ず、先を急ぎます。地形図に載っていない道は作業道らしい雰囲気を醸し、普段歩くメインストリートとは違い注意が必要な個所もありました。中腹辺りの植林地をトラバース気味に歩いていくと、風を受けてゆらりゆらりと揺れる3番目の作品「The Windows Were Ajar」。木漏れ日の射す林は、時間の流れが遅くなったと思える世界でした。
やがて道は傾斜を増し、民家の間を抜けてメインストリートに合流。丁度、いつも買い物をするお店付近で、その店頭にも作品が展示されていました。曽爾でも感じましたが、普段歩くことのない道を歩きながら作品と触れ、その地域を知る。これが「MIND TRAIL」でしょう。
H16年「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録され、本堂の蔵王堂が国宝にも指定されている金峯山寺。その境内にも作品が展示され、いつもとは別のルートで向かったところ、首から上の守り神「脳天大神」の案内板。これからの人生で関係が深くなることから(笑)、お参りをしていこうと、しばしのコースアウト。案内に沿って先に進むと何やら下っていく模様。「あれっ?今、上ってきたのですが…」と思っているうちに、幟とともに石段が谷へと消えていきます。「ここまで来たら引き返せない」は山行では御法度。元来た道に戻るのが鉄則ですが、ここは一般参拝道。登り返しを覚悟し、石段を踏み外さぬよう注意しながら本殿を目指します。数人の参拝者とすれ違いながら、ようやく到着したお堂内には、大勢の参拝者が何かを待っている様子で、やがて護摩祈祷が始まりました。後で調べてみると、日曜日の午後1時に御祈祷があり、丁度、その時に到着しました。MIND TRAILによってここに導かれた気分です。
さて、コースに戻り、次の作品を探してみますが、中々見当たりません。結局、帰り道に作品を見つけますが、曽爾のように自然に囲まれたエリアとは異なり、生活圏の中を歩く吉野エリアは難易度が少し高かったです。また、映像を利用した作品や参加型の作品等、曽爾とは趣が異なる世界観もありました。桜の時期に歩く吉野エリアをこうした作品を通じて訪ねてみると、寄り道感覚で触れ合え、そこから自分だけの世界が広がっていきます。初めて参加した時から感じる「面白さ」がここ吉野エリアにもありました。
駐車場への帰り道、以前に訪ねた古民家カフェにて吉野名産の一品でいつもの…。


3度目にもなると 愛着のようなものを感じます

11月1日から通行規制…紅葉シーズンです

新旧のアートが ひとつの枠に…

地図上にない道を MIND TRAIL

林を抜ける風が 見えてきます

視線を感じました

お土産屋さんの店先で 溶け込む作品

ここから先は 別世界

国宝「蔵王堂」…吉野山のランドマーク

「森の中の図書館」は 素敵な作品

お気に入りの作品「さびしがりやの巨人は今日も一日」

本日のピークでした

2020年の展示作品は 景色と一体化していました

「吉野の時計」に参加 …

ひと休みしたカフェで 個人作 (笑)

ショーウィンドウの作品は 吉野エリアらしいと思いました

大峯に向かって 《JIKU #006 YOSHINO》

北面は 今を刻みます…空の時計

南面は 4次元の世界

廃屋さえ 作品に思えてきます…モビール

過去と現代をつなぐ「吉野の時計」

春は桜 今は秋…吉野山もアートです

訪ねた方の思いが この杖とともに…MIND TRAIL

吉野限定品を頂きました

作り手のぬくもりを感じる いつもの…