Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

地元で霧氷まつり

2月1日 奈良県三峰山
目の前に連なる霧氷の山稜を眺めながら、未だ、雪の残る駐車場に向かいます。

天候と空き日が一致せず、朔日山行となった2023年。今日も午後から地元で予定があり、午前中山行に選んだのは、関西では霧氷の山として知られる「三峰山」1,235m。
三重県奈良県の境に連なる稜線。その稜線上にある3つの頂が名前の由来になったとか、ならなかったとか…。そして、この稜線の南側は、九州東部から関東へ横断する世界第一級の断層「中央構造線」が並走しています。三重県側から登るには、ぐるっと迂回しなければならないため、三重県民ながら利用する登山口は奈良県御杖村。また、期間限定ですが、週末には霧氷バスが1日1本運行され、先週末は、駐車場と共にとても賑わっていたようです。
奈良県側の起点は「みつえ青少年旅行村」。ここから不動滝、登り尾、新道峠の3つのルートが伸びています。林道歩きから不動滝を経由し、直登とトラバースを繰り返す不動滝ルート。名前のとおり尾根を登り続ける登り尾ルート。この2つのルートは五本杉避難小屋で合流し、また、稜線歩きが楽しめる新道峠からのルートとは三畝峠で合流。これらを組み合わせて楽しむ訳ですが、我が家は不動滝~山頂~登り尾の周回ルートが定番です。
さすがに、平日の午前8時では10台程度。思ったほど晴れ間が広がらない中、駐車場を出発し、林道に入れば、自然に圧雪された雪道。何度か冬に訪ねていますが、これほどの積雪は初めてで、先月末から続く寒波の影響は今も残っていました。すでに駐車場でチェーンスパイクを付けているため、平坦な林道は無雪期より歩きやすくなります。
40分ほど続く林道歩きが準備運動。身体が温まってきた頃に登山道に入り、やがて結界の向こうに不動堂の祠が見えます。いつものように安全登山を祈願して先を進めば、このルートの名前になっている「不動滝」が黒々とした岩肌を雪の斜面に浮かび上がらせ、氷を纏ったその姿は「冬の不動明王」。
ここからしばらくは、神末川支流不動川に沿ってつづら折りとトラバースを繰り返し、右上方から稜線が近付いてきたと思えば、五本杉避難小屋に到着。頭上を覆う霧氷の針葉樹。陽が当たっているようですが、森の奥深い地上へは届いてきません。
いつもは小屋を過ぎた辺りで感じる気温の低下はなく、稜線を通り過ぎる風も吹いていません。そのため、冷気が森に漂い、霧氷の精霊となって現れます。針葉樹から広葉樹へと変わるにつれ、薄っすらと霞みがかった青空が木々に向こうに広がり、陽を浴びた霧氷の煌めきは、鬱蒼としたこれまでの世界が変わる場所。このルートで2番目に好きなところです。
新道峠からのルートと合流する三畝峠。ここまで来ると冬枯れの森に変わります。この先で山頂と八丁平の分岐点になり、いつものように右へと進みます。アセビの雪トンネルを抜けると、最も好きな場所「八丁平」。山頂南側斜面に広がる平原は、白と黒の世界となり、雪原に影を落とす木々の濃淡もまた美しい情景です。今日のように風がない八丁平は初めてで、寒いながらも春を思わせるような陽射しを受けながら、のんびりと時間を過ごしました。
ここから山頂へはひと登り。積雪で一段高くなったように思える山頂の円形広場は貸し切りで、遠く伊賀市を望み、また、室生火山群からおらが山「尼ヶ岳」まで、身近な山稜の展望に地元の山を肌で感じます。
自宅を7時に出発して、昼過ぎには駐車場に戻れる手軽さながら、しっかりと雪を楽しめる三峰山。春になれば、シロヤシオの花が新緑とともに登山道を飾り、八丁平もまた今日とは違う世界になります。おらが山と別の意味で大切にしたい山です。
下山後は、伊賀牛ランチからのいつもの…。


車窓一杯に広がる三峰山

この林道歩きから 始まります

不動滝ルートへの門番です

ここだけは 山岳信仰の世界になります

21m からの音は 邪気を払います…不動滝

流れ落ちるものもあれば 留まるものもあります

やがて 一条の光が 霧氷に届きますように…

しばらくは 冬の森とお付き合い

切株は アートな世界へと 導いていました

やがて 森に光が射しこみます

ここにも 精霊が 住んでいました

束の間に降り注ぐ 光のシャワー

霧氷まつり開催中

さて メインストリートの始まり…八丁平

この世界が 三峰山と言っても 過言ではない

八丁平は 朝の光が丁度良い

折り重なる峰の向こうは 万葉の山「二上山

三重県側の展望は 台高山脈

今日は 穏やかな 八丁平でした

今年も 安全登山で バンビーズ

特徴ある山稜が 山頂展望を飾ります

思った以上の積雪

室生火山群からおらが山、青山高原…地元を代表する峰々

さて 気持ちを新たに 下山開始

冬の午後は チョコレートで いつもの…