Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

2024年 登り始めと撮り始め

1月14日 三重県尼ヶ岳
登り納めで向かった駐車地に、登り始めで再び向かいます。

自宅から信号機のある交差点8箇所、距離19km、時間30分で到着するのは、言わずもがな、おらが山「尼ヶ岳」の駐車地。おらが山は別名「伊賀富士」と呼ばれ、室生火山群の東に位置する独立峰。
年末からレンズの整理を行い、新しいレンズ1本にまとめました。今日は早速届いたそのレンズを付けての山行で、色々と試してみたいと思ってはいるものの、撮る人間の思考回路は同じ ^^;。
昨日の気圧配置図は西高東低で、夕方から夜のはじめにかけては風が強まりましたが、今朝は予報通りの快晴。第5階段での霧氷に少しだけ期待します。
最近は平日に登っているため、貸し切りのおらが山ですが、さすがに快晴の日曜では、そうはいきません。すでに県内ナンバーの車が4台停まっていました。
9時50分 いつもより少し遅めの出発。それでも自宅で昼御飯を食べられるのが「おらが山」。前回は薄手の上着を羽織っての出発でしたが、今日はそれさえも不要で、正に、山散歩日和。
林道を歩き始めたところで撮影開始。広角から望遠まで1本で済ませる高倍率ズームレンズ。撮影枚数が多い自分にとっては、レンズ交換の手間を省くことが重要事項。この一眼とコンデジを組み合わせることが、自分の最終形だと今は信じています。
影に入ればひんやりとする林道歩き。前深瀬川に沿って登山口の橋を目指します。もう何10回と渡った周回起点の木橋。いつも名無しでは不憫だと、今更ながら勝手に名前を付けようと思い、そこでこの先に桜峠からの合流点があることから「さくら橋」と命名。(ナマエガ アッタラ ゴメンナサイ)
やがて足元には霜柱。多くは踏みつぶされていましたが、いくつかは原形の針状が新芽のように伸びていました。暖かい陽射しがあっても、冬の風物詩が登山路に残る。大して珍しい現象ではないけれど、ふと足を止めたくなる「おらが山」。
被写体を探しながら歩いていると第1階段。「お帰りなさい」の声が聞こえてきます。第2階段では木漏れ日が階段を照らし、まるで誘導灯のように手招きをしてくれます。今日はここから天使が微笑んだ第3階段。まだ見えない青空を感じます。正念場の第4階段。ゲートの向こうには薄っすらと雪が残っていました。木の妖気が地面を覆いつくすようなオアシスベンチ。今日も座ることなく先に進みます。ここから第5階段までの直線が「レッドカーペット」ならぬ「ホワイトカーペット」。これから先にハードル階段が待ち構えているにも関わらず、登頂したかのような高揚感。山頂直下、いつもの天使が見える頃、届き始めた人の声。車の台数から少なくとも4人は居るはずです。
階段を登り切って振り返れば、いつも目が行く地元の町。ところが今日は、ここでは見たことのない雪嶺。しかし、その山容から「御嶽山」であることはすぐに判りました。そして、視線を右へ移せば、中央アルプス、更には、南アルプスも見えています。左側には北アルプス、ホーム鈴鹿山系に一段と白い伊吹山からの奥美濃。そして、上野盆地越しに比良山系。これほどまでの展望は初めてでした。きっと今日のような日は、富士山も見えていたことでしょう。
今まで知らなかった「おらが山」を気付けて、2024年は幸先のよい1年になりそうですが、しばらくはお預け。次回もおらが山かも知れませんが「量より質」を心掛けます。山頂を素通りした下山途中、マヒワの番いを見られたのは正しく「質」。
下山後は、バディが散歩途中に買ってくれていたのが いつもの…。


いつもの風景…(左)尼ヶ岳 (右)大洞山

ワンダーランドの始まりを感じる 陰の世界

朝の光が 水面と欄干に…

今日から貴方は 「さくら橋」

まだまだ 成長途中の霜柱

僕からの言葉は 「ただいま」

天にも昇る階段へ テイクオク

どこにあっても これは オアシスベンチ

導かれて 上を目指します

今日は 導きが 多い … 第4階段

座りたくなる 冬枯れの森 … オアシスベンチ

ホワイトカーペットの先には 最後の砦

今日の天使は 霧氷とともに

光の世界へ

訪ねる度に 美しさが増す 山頂広場

ここからは 初めましての「御嶽山

いつもの風景は 青山高原ウインドファーム

琵琶湖の対岸 比良山系も 初めまして

高見山から室生火山群 遠くには 金剛山地

素晴らしい 山頂展望に 感謝しての下山

足を大きく上げて… 最終階段

さて あの町まで安全に 帰ろう

最後に初めましての マヒワ さん (トリミング処理)

白く輝く様は 霧氷のようでした

三者三葉で いつもの… (笑)

本家「おらが山」で 2023年登り納め

12月29日 三重県尼ヶ岳
走り慣れた道を1年振りとなる駐車場に向かいます。

人生の節目となった2023年も残すところ3日となり、一区切りをつけたく、恒例の登り納めへと向かいました。行先はこれも恒例になった「おらが山・尼ヶ岳」。諸事情により行く機会がなく、気付けば昨年の登り納め以来となりました。昨年は登山口へのアプローチから雪が残っていました。今朝、住宅地から山頂部を見ると、そんな気配が全くありません。様子からして霧氷の白さも見られませんが、クリスマス寒波の名残で多少の雪は残っていることでしょう。
今日も駐車場は貸し切り。足元はトレランシューズ、上着は薄手の防風着で出発。昨年はフリースを着ていたことを考えれば、随分と暖かい年末です。振り返ってみると、ここ数年は雪の登り納めになっており、関西・東海はクリスマス寒波がやってきたことになります。
林道から前深瀬川にかかる橋を渡り返せば、周回コースの始まり。ミソサザイやオオルリ、カッコウの鳴く林は、せせらぎの音が聞こえてくるだけです。その林に届く朝陽は、天使の梯子となり、林床を照らします。林業の方が作業するエンジン音が遠くから聞こえてくるなか、ゆっくりと斜度を上げていきます。桜峠からの分岐を過ぎれば、前方にはベンチと階段が見えてきました。始まりのような終わりのような、この景色。CT的には丁度中間地点となる訳ですが、尼ヶ岳の代名詞となる「天にも昇る階段」が始まるここがこのルートの始まりであり、階段登りが始まると一気に頂上へと繋がるような気がして、その風景が目に浮かびます。
ここで防寒着を脱ぎ、一口水を含んでからの出発。1300段を超える階段の第一歩に、これと言った感情が湧く訳ではありませんが、帰ってきた感がする「戻りの階段」。6月、マムシグサの咲く第2階段。今は綺麗に刈り取られた田んぼのように何も生えていません。まだ階段登りの影響が出ず、つい早足で歩きたくなる「焦りの階段」。標高750m辺りから始まる第3階段。最も綺麗な弧を描き、支尾根へと続く道。段々、天にも昇る感が出てきます。冬の時期でなければ、すでに大汗。それだけで体力と気力が消耗され、早くあの光射す第4階段の入口に着きたいと思いながら登っていく「導きの階段」。
第4階段で広葉樹が現れる混交林帯。何やら鳥の声も聞こえてきます。やがて林に響く木を突く音。慌ただしく幹を動き回る姿は「コゲラ」でした。緩やかな斜面から始まった階段も途中から斜度がきつくなり、ゲートと呼ぶ木を過ぎればハードルとなって現れる「試しの階段」。最長区間の第4階段を登り切れば、真っすぐ続く道の先に第5階段が見え、その手前、2ヶ所に分かれて並ぶオアシスベンチ。
このベンチで一息つくことが多かった近年、今日はそのまま最終階段へ。冬枯れの今、弧を描く稜線が階段の先に見えています。そして、階段脇には模様のように残った雪。途中で振り返れば、陽の当たる山麓が輝いて見え、その光が頂上直下で届く「昇りの階段」。天使に誘われて見上げれば、地球を連想させる頂上広場。南西から北東へ開けた展望は、正に、我が町を俯瞰する山。
「住宅地から眺めるも良し。山頂から眺めるも良し。」
ここ最近、連続で登っていた三峰山。新・おらが山と呼ぶには変わりはありませんが、やはり本家本元、地元感と親近感は半端ありませんでした。
その三峰山を始め、室生火山群、青山高原などの遠望は少し霞んで見え、思ったよりも青空が広がらない尼ヶ岳アルアルで2023年の登り納め。貸し切りの山頂をいい事に、何度か挑戦してのジャンプ写真。
今年と同様、来年も「量より質」で息長く山と関わりを持っていければと思います。
下山後は、お決まりの食べ方でいつもの…(笑)


もう何度 この橋を渡ったことでしょう

郭公の鳴く林は 木漏れ日の朝

懐かしさと親しみ… 第1階段

落ち着いて あの支尾根を目指します… 第2階段

同じ階段でも美しさを感じます… 第3階段

ここを一気に登れるかが ひとつの目安… 第4階段

柔らかい光に ホッとする… オアシスベンチ

冬枯れの森は 明るく 美しい

さて 階段物語 前編も そろそろ終わり… 第5階段

「天にも昇る階段」は 本当に良いネーミング

このハードル階段が いいんです (笑)

今冬 初の雪踏み

2023年の終わり 天使と出逢えました

この景色は 階段と表裏一体です

2023年登った 数々の山頂に 感謝を込めて…

地元を眺める 山頂のひと時

大洞山の向こうには 新・おらが山「三峰山」

一期一会を最も感じるのは おらが山

飛躍の「卯」から 上昇の「辰」へ … ^^;

やっぱり山頂は 丸かった

冬枯れのトンネル と 油断禁物の 下り第1階段

午前中でも長い影… 冬の美しさ

冬枯れの道は 落ち葉道でもあります

間伐作業中… 林が明るくなりました

温かいアップルパイに アイスクリームを添えた いつもの…

おひとりさまの山時間

11月28日 奈良県三峰山
地元の映えスポットを経由して、定期巡回となった駐車場に向かいます。

9月から続いた「一人時間」も今月でいったん終了。その最後は、やっぱりこれまでと同じく「三峰山」。ただ、これまでと違って曇り予報であり、西風が強くなるとのこと。経験上、山頂周辺は風が抜けることから、その対策を講じます。
いつも通り、8時前に自宅を出発。この時期、大イチョウが葉を落とし、参道を染め上げることで人気が高まる神社が地元にあり、初めて寄ってみました。曇り空の下、ちょうど朝の斜光が参道に届き、撮影者も1人しかいない静かな時空でした。その後、地元を流れる川に沿って駐車場を目指します。30分も走らないうちに辺りは風光明媚な景色となり、川沿いや低山では秋を惜しむような残紅葉が楽しめました。自宅から走ること40分、三峰山の稜線が見えはじめ、重そうな雲が覆いかぶさっています。また、上空を流れる雲の動きから、風の強さが窺い知れます。
駐車場を目前にし「この先、通行止め」の立て看板。やがて、アスファルトが斫られた地道となり、駐車地が見えたところで工事関係者の方とお話が出来、帰る際、状況によっては待つことを了承し、いつもの場所に駐車。工事が昨日(11/27)から始まったばかりで通行が出来たのかどうかは不明ですが、今後は迂回路を通行し、臨時駐車場を利用しなければなりません。(詳細は、御杖村むらづくり振興課:村道三畝線道路舗装工事による通行止め 参照)
そんなことで駐車場には一般車1台。貸し切り登山の始まりです。これまで訪ねた3回は、全て「秋の花」を探す山行。今回は当然咲いているはずもなく、さりとて紅葉は時すでに遅し。稜線の様子からして霧氷もない。と言ったことから、特に目的はなく、強いて言えば「山を忘れないための山行」。
テント泊山行を始めた2010年の夏と較べれば、自分達を含め、ずいぶんと山社会は変化してきました。多くの頂に立ち、数え切れないほど素晴らしい世界を見てきても続ける理由は、ジョージ・マロリーの言葉を借りて「山がそこにあるから」。
花を探さない林道歩きは身体をより一層温め、早くも腕まくり。ここにはオタカラコウの群生、ここはハガクレツリフネソウ、シロヨメナ、アケボノソウ、アキノキリンソウ…。花は咲いていなくても、その存在は残されています。そして、また来秋、同じように咲いてくれることを願います。登り尾ルートの入り口でも「この先、作業中」の看板。不動滝への分岐点で村の所有らしき車が2台。今日は登山者以外の痕跡が目立ちます。
昨日の雨で登山道は湿り気味。今日は登山靴にしましたが、滑らないよう注意をします。不動滝を過ぎたところが核心部。道幅は細く、片側は滝壺に落ちているため、注意が必要です。ここに限らず、万が一滑落した場合、誰も気付けません。山岳救助用 無線測位システムは所持しているとは言え、出発前、バディから言い含められた言葉を繰り返します。
歩き慣れ始めた樹林帯を過ぎた上方、冬枯れの稜線はより近くに感じます。ここからでも上空を吹く風の音が聞こえ、昼食場所や道路工事の事など、登頂後の予定を考えます。ところが、避難小屋へ続く最後の直線でポツリと冷たい雨が降ってきます。雨宿りも視野に入れ少しだけ急ぎ足で進むと、今度は子供の声。誰も登っていないのにと思いながら小屋の角を曲がれば、数人の小学生と引率の方。クリーン何とかという多分、学校行事で来ておられました。このグループは山頂を目指して行きましたが、雨雲予報を見れば13時から雨となっており、下山決定。登り尾ルートへと進路を変更します。
これまでと違って小屋からしばらくは、西風を受ける尾根を歩くことになり、八丁平へと進んだ小学生を思います。下山途中も青空が見えたかと思えば、冷たい雨が舞う忙しい天気。何とか雨具なしで林道まで戻ると、朝よりも濡れている気がし、駐車場に着くと、それは勘違いでないことが判りました。
下山後は、自家製でいつもの…。


初めて訪ねた 29年目の秋… 積田神社

次回は 綺麗になっていることでしょう

今秋は思い出がいっぱいの場所

一瞬 花が咲いているのかと思いました

残り僅かになっています

アケボノソウの群生地から「おはようございます」

1ヶ月の変化は 自然だけでなく 人工物にも…

薄暗い森の中 仄かに灯ります

黄葉の額縁は 常緑樹を 飾っています

切り株の道しるべ… 源流域

明るくもあり 暗くもある 稜線直下

登り尾ルートには 新しい切り株

落ち葉の道は 冬へと続く道

登り尾ルートで 一番好きな道

左から右へ 青空が移動中…

あの道から見上げた 山に居る

山頂までの距離は判りますが…

林床を照らす アジサイの道

登り尾ルートでは 数少ない 展望箇所

秋の花が続いた道も 今は アジサイの黄葉

こんな日だからこそ 林道の写真を撮ってみる

今は 名残りだけになってしまった…オタカラコウ

やはり 下山して 正解でしょう

帰り道 賑わいを 見せていた 積田神社

安定の味が いつもの… (笑)

初めての鹿児島・宮崎 山行

11月12日 鹿児島県高千穂峰
まだ薄暗い中、カーブの続く道を標高を上げながら、駐車場に向かいます。

10日の朝、フェリーで宮崎県に入港し、その日の夕刻、人生初となる鹿児島県へ。昨日はランドマーク「桜島」を眺め、今尚、白煙を上げるその姿に、畏怖の念を抱かずにはおれませんでした。
そして、今日登る「高千穂峰」も活火山。霧島連山と呼ばれる一帯の第2峰で1,573m。すぐ隣には、2011年1月 300年振りにマグマ噴火した新燃(しんもえ)岳があり、その北西には、噴火警戒レベル2 火口周辺規制がされている硫黄山と、正に「霧島火山群」と言われる山塊です。
鹿児島県と宮崎県に跨る「高千穂峰」。今回は鹿児島県側の高千穂河原から御鉢を目指し、宮崎県側の霧島神宮・元宮を経由して山頂に向かいます。
事前に調べた情報では、特に危険な箇所はないものの、火山特有のザレて沈み込む道があることから、登山靴を準備。また、噴火警戒レベル1とは言え、御鉢は活火山であることからヘルメットを持参しました。当初、平日の13日に登る予定でしたが、冬型の気圧配置が強まることから予定を変更し、また、週末ということで登り始めの時間を繰り上げました。
まだ明け切らない駐車場では支度をする登山者の姿を多く見かけ、この山の人気を推し量ります。登山者は駐車場にある登山口ではなく、鳥居をくぐり抜けていきます。地図で再度確認すると「古宮址」を経由しているようです。「古宮址」とは、霧島神宮があった場所。元々の背門丘(元宮)から高千穂河原(古宮)に移転した訳ですが、ここでも噴火の影響を受け、1715年に現在の地に再建されました。
私達も鳥居をくぐり抜け、参道を進みます。砂利道から始まる山行は珍しく、「天孫降臨神話」の地、高千穂峰らしい出発です。「天孫降臨神籬斎場(ひもろぎさいじょう)」と書かれた先、2段高くなった鳥居越しに、高千穂峰を仰ぎ見れば、「襟を正す」ように、厳粛な気持ちになります。
そこからしばらくは樹林帯。石畳の敷かれた道はやがて噴火の痕跡、噴石が多く見られ、進んでいくほど大きくなっていきます。
「もし今、噴火したどうすべきか」
多くの教訓から、下山するまでその考えは消えませんでした。
樹林帯を抜けた先が森林限界。ただし、これまで見た森林限界とは様子が異なります。立ちはだかるかの如く、ゴツゴツとした不規則な岩が一直線に稜線へと続いています。ここは「山」ではなく「火山」です。所々に目印が書かれ、それを追いかけます。何より、浮石を落とさぬよう細心の注意を払いました。自分が加害者にも、被害者にもなる緊張感を持って登り終えた先には、ぽっかりと空いた御鉢が現れます。赤茶けた地層や黒々とした岩稜帯。そして、今は枯草となったミヤマキリシマの群落。時折、硫黄臭が漂うため、先を急ぎます。
今日の空模様は「猫の目」。青空が広がったかと思えば、雲に包まれます。御鉢と高千穂峰の間が「背門丘(せとを)」。石造りの鳥居と小さな祠、そして「霧島神宮元宮之記」と記された石柱がありました。ここから山頂まで標高差165m 。登っていると、またもや雲に包まれ始めたかと思えば、青空が広がる。神々の悪戯に翻弄されているような気分の中、天逆鉾が突き立つ高千穂峰に登頂。坂本龍馬が引き抜いたとされる逆鉾を中心に、ぐるりと一周すれば、朝陽に輝く神々しいまでの雲海。古人が自然に神々を崇拝した気持ちを汲み取れた気がします。
いつものは 下山3日後に 四万十川沿いで… (笑)


鹿児島と言えば「桜島」… 間近で見れば火山島でした

社殿のない神域 それでも 心は 引き締まります

これが 火山の恐ろしさ

火山式森林限界… ここからは別世界

霞みながらも 錦江湾桜島

赤茶けた登山道に 黄色のマークが 目立ちます

御鉢の淵から ようやくの朝陽

影御鉢が 中岳に 映ります

不毛の大地に ミヤマキリシマが覆う… 御鉢

新燃岳韓国岳へと一直線に並ぶ「霧島火山群

馬の背越えと呼ばれる御鉢の淵… 前方は 高千穂峰

御鉢の全景… 白っぽいのは 新燃岳噴火の痕跡か?

正に 神隠し…

背門丘から御鉢を振り返ります… ここは 宮崎県

「西暦 540年に神殿を造営」と記されています… 霧島神宮・元宮

晴れることを一念に 最後の登り

「一念天に通ず」

ここが 山岳信仰(霧島六所権現)の舞台

今日は 霧島の語源となった「霧に浮かぶ島」

長居は無用です

内側のみならず 外側も荒々しい… 御鉢(火常峰)

平坦な箇所でも 注意が必要な 馬の背越え

ミヤマキリシマが咲く頃は 色艶やかなことでしょう

この赤茶けた場所は 真新しく感じます

午前10時30分 何かの競技を見ているようでした

暖冬の忘れ物でしょうか…ミヤマキリシマ

元々 高千穂峰が 信仰対象… 霧島神宮

仁王さまが出迎える 霧島岑(きりしまみね)神社(夷守神社を合祀)

神武天皇が誕生した地に創建されたと言われる 狭野(さの)神社

高千穂峰山頂を飛地境内とし 拝殿には雌雄一対の龍柱… 霧島東神社

高千穂峰を映す 火口湖… 御池

翌日は 冬型の気圧配置となり初雪… えびの展望台から「硫黄山韓国岳

韓国岳から高千穂峰へと「霧島連山」… 十文字展望所

見所満載の東霧島(つまきりしま)神社… これで「霧島六所権現」

三者三様で いつもの…(笑)

観光登山家 本領発揮の巻

10月31日 長野県八子ヶ峰
山麓の紅葉風景を眺めながら、峠の駐車場を目指します。

日付を遡ること10月29日。山友宅を訪ねるため、藤枝市に向かいます。今日は大井川鐵道を走る機関車トーマス号の運行日だと知り、少し寄り道をして、事前に調べた場所で待ちます。前回撮影したのは8年前の夏。荒川三山を縦走した帰り道、通りがかった千頭駅で、偶然出発風景に出逢い、追い越しては何度か撮影をしました。そして、その後に逢ったのが今回訪ねる山友。これも何かのご縁なのでしょうが、その山友とは2月以来なので、トーマスよりは親しくさせてもらっています。
折角静岡に行くのであれば、富士山を眺め、そして、軽く日帰り山行をと考え、色々調べた結果、更に距離を伸ばして紅葉が見頃となった八ヶ岳山麓は「八子ヶ峰」に決定。
翌日の30日はテレビで紹介されて以来、機会があれば訪ねてみたいと思っていた清水町「柿田川湧水群」へ。そして、その前後に富士山を眺めることが出来る「薩埵峠」と「十里木高原展望台」。「十里木高原展望台」は事前に調べることなく、白糸の滝を目指しながら走る途中に見つけたビュースポットでした。駐車場から展望台へは、嫋やかな斜面を黄金色に染める薄ヶ原を横に階段が整備されていました。登るにつれ、木々越しに富士山が顔を出し始め、やがて十里木高原の向こうワッペンにように大きな宝永火口を付けた富士山の全容が現れます。丁度28日に降雪があったようで、6合目から真っ白な雪で身を纏い、「これぞ、日本の富士山」と言った誰もが知る姿でした。また、朝霧高原では沈む夕陽を受けてオレンジ色から仄かなピンクに染まっていく姿を車窓から眺め、1日を通して富士山と過ごしたように思えます。
そして、31日の朝。蓼科湖周辺の木々はオレンジから真っ赤へとグラデーションを重ね、周囲に秋を照らします。ひんやりとした空気は地元ではまだ感じられない透明感のある冬の朝。季節を少し先取りした気分。
八子ヶ峰へはスズラン峠から向かいます。色艶やかな紅葉からカラマツの黄葉へと変われば駐車場に到着。ここは蓼科山への登山口でもあり、駐車している車(数台)の殆どは、蓼科山へと向かっている方でしょう。
八子ヶ峰の計画は4度目ですが、内1度は満車で行けず、実質は3度目。そして、いつもスノーシューハイクで訪ねるため、無雪期は初めて。駐車場から稜線まで続く直登も、雪があるとなしでは全く異なり、景色すら違う風に思えます。やがてカラマツ越しに景色が広がり始め、ロープウェイの山麓駅が見えます。次は南八ヶ岳の峰々。ただし、朝には綺麗な姿を魅せていた赤岳や阿弥陀岳の稜線は雲がかかり、お隣「蓼科山」も山頂部だけに雲がかかる「蓼科山アルアル」。こちらから見上げるだけでその寒さが伝わってきます。
身体を温める間もなく三角屋根が目印のヒュッテ跡に到着。冬は一面に広がる雪原も、今は黄金色した平原。ただ同じ風景なのは、その向こうに連なる槍・穂高連峰等の北アルプス。ここからも周りの景色を楽しみながら歩き、八子ヶ峰東峰頂上を折り返し地点としました。駐車場から1時間も歩かない、正に「山散歩」です。それでも、八ヶ岳の匂いを味わえ、これから訪れる厳しい冬の景色も想像が出来、自宅周辺では感じることの出来ない世界を楽しめました。
駐車場へと戻り、観光の再開。山麓を染めるカラマツ林や車山高原から霧ヶ峰へと車を走らせます。そして再び、静岡の山友を訪ねるために富士山麓へ。月明かりに浮かぶ姿や朝陽が顔を出す瞬間など、これまでとは違う富士山を見ることが出来ました。
山友宅を訪ねた際、1日は山友が始めたキッチンカーの営業日だと知り、帰る予定を伸ばして焼津の公園へ。昨日と違って暖かな陽射しが降り注ぐ芝生にて、真新しいキッチンカーと山友の働く姿を眺めながら飲んだ自家製カボスソーダは、静岡の良い思い出の味となりました。
下山後は、オーストリアの風が吹くお気に入りのお店で、いつもの…(笑)


見ているだけで 愉しくなります(10/29)

一度 立ってみたかった場所… 薩埵峠(10/30)

TVで紹介され 訪ねたかった場所… 柿田川公園

昨日の降雪で 装いを新たに… 丸池公園

ここは 宝永火口が目立つ場所… 十里木公園展望台

28年振りの訪問… 白糸の滝

何とか日暮れに間に合いました… 朝霧高原

今日は 富士山と過ごした1日でした… 精進湖

湖が変われば 山も変わる… 蓼科湖

湖畔の朝は 秋一色でした(10/31)

カラマツ林に埋もれていた 山麓

雲に隠れた山頂部は 蓼科山アルアル現象

天狗岳から編笠山・西岳… 思い出話は尽きない

2023 初詣で訪ねた 車山… 今年も残り2ヶ月

景色は変われども 気持ちのよい 稜線歩き

1,860mを実感できない 八子ヶ峰

もう少しだけ 散歩

カラマツ林は 暖かそうだけど 山頂は…

本日の折り返し地点… 満足 ²

秋が深まる八ヶ岳は やがて白銀の世界へ

紅葉を求めて 山麓ドライブ… 横谷観音展望台

縞枯れのように カラマツ林が 山肌を染めます

車山高原は 金色の野

静かな 夕暮れのひと時… 八島湿原

夜にも霧が… 朝霧高原

背後から迫る 陽射しを待って...(11/1)

色んな顔を魅せてくれた 富士山でした… 新富士川橋

本格始動は来春… @kitchencar_koln

世界が変わる定席で いつもの…

新・おらが山へ … 今秋 3度目の花めぐり

10月24日 奈良県三峰山
青空が広がる下、通い慣れ始めた道を駐車場へ向かいます。

月に1度、平日の15時頃までおひとり様時間が出来るため、その時間を利用して山へ登っていますが、コースタイムやアクセスを考えた場合、自ずと山域が限られ、その中から、その時々に合わせて行ってみたいと思う山を計画しています。そして、今回目指す山は先月と同様「三峰山」。また、今月の初めにはバディとも登っており、3回連続で同じ山に登ることになりました。今までにもこんな経験はありませんが、2週連続で登った前回、定点観察的な要素を山行に見出し、その時間的変化を興味深く感じていました。
とは言え、三峰山を選んだ理由はこれ以外にもあり、ひとつは紅葉が始まったこと。もうひとつは、前回とは時期をずらして咲く秋の花。これ以外にも、八丁平の景色が好きなことや周回ルートになっていること。おらが山「尼ヶ岳」と違い、時間的に丁度いいことがあります。
今回、お目当ての花は「センブリ」。非常に苦く、煎じた際は千回振出してもまだ苦いと言うことから付けられた名前。子供の頃、母親が煎じて飲んでいたため、その匂いの凄さはもはや伝説並。
そんなセンブリは、前回に見た「アケボノソウ」と似て非なるもので、個人的には「センブリ」派。とは言え、今までに見たことがありません。
結果は、出逢えました。最初は偶然、次は必然。これで三峰山の花分布図に新たなシールを貼ることとなります。
朝陽を浴びて銀色に波打っていたチカラシバの法面は、綺麗に刈り取られ、周辺には刈り草の匂いが漂っていました。そこからは針葉樹が続く薄暗い林道。これまでに見てきたツチグリ、ハガクレツリフネソウ、オタカラコウ等、数々の秋の花。懐かしくむように、そのひとつずつを眺め「まだ咲いている」「もう終わったか」と思う序盤の林道歩き。
一筋の光が林床を照らし、不動滝の水飛沫に天使の梯子を浮かび上がらせます。行場となるこの場所に相応しい朝の厳かな時間帯。ここからが三峰山不動滝ルートの始まり。これまではウォーミングンアップ。ただし、これは往路で利用した場合に感じることで、復路の林道歩きはクールダウンではなく、永遠にも続きそうな長い帰り道…個人の感想ですw。
1ヶ月の間に3度も登れば、登山ルートにも詳しくなります。見えない先が予測できることは、登山に限らず、精神的な余裕を与えてくれます。「三峰山 ←山上 これより1500m」の看板が中間点。このルートは、ここから避難小屋までが核心部だと思います。
樹間に稜線を感じ始め、トリカブトの株を過ぎれば、8合目の避難小屋。一息入れて歩き始めれば、山肌を飾る紅葉が垣間見え、広葉樹のトンネルを抜けると新道ルートの分岐点。頭上を赤や黄色に色付けた木々が出迎えてくれました。そして、八丁平。すでに葉を落としている木も多く、全山燃えるような秋の光景からはほど遠いですが、深まりつつある秋を感じるには十分な世界です。
そして、ここでも定点観察。ホソバノヤマハハコ群生地を目指します。前回、コラボしていたトリカブトは、すでに花期を終え、ポツンと咲いているのを見かけるほどでした。ヤマハハコも終盤ではありますが、ドライフラワーのようになった花と光沢のある葉が陽射しを受け、光の谷となっていました。
正午を伝えるメロディーが麓から聞こえ、熊野灘へと続く山並を見ながらの昼食。風も穏やかで、前回より過ごしやすい八丁平。自宅から3時間で味わえるこの景色は、今後増々大切にしていきたく、第2のおらが山へなる気がします。
下山後は、ホームメイドでいつもの…。


残り僅かとなりました…ハガクレツリフネソウ

アザミも 秋を彩る 野の花

林道の脇に 大きな株 … イタドリ

秋と言えば キク科の植物ですが お名前は シロヨメナ ?

長い期間 咲くことを知りました … アケボノソウ

想像を掻き立てる響き … マツカゼソウ

山での出逢いは 一期一会

この谷の水を頂けるのは「おらが山」に相応しい

元祖おらが山と違い 地味に響く階段群

深まる秋を感じた 今日の山行

晴れている日は 特に美しいと思う 

切り取って 秋を満喫

大和の借景が 八丁平の玄関口

秋とは思えない 力強い雲でした

何度訪れても この景色に 感謝です

新道峠へと続く 近畿自然歩道の稜線

やはり ススキは 秋の代名詞

貸し切り状態の八丁平から「三峰山」

紅白で おめでたい気分になりました

低山の魅力は この景色にあるような気がします

三重県ルートを少し下ってご対面 … 高見山

やっぱり また来ようと思える山 です

山頂からの帰り道 明るい秋が 待っていました

撮って 調べて 多分 これ … ヤクシソウ

偶然 出会えた お目当ての花 … センブリ

帰り道 ここだろうと思った場所に 咲いていました

[おまけ]下山後 旅する蝶を 訪ねてみました … アサギマダラ

リンゴとクルミで 秋を感じた いつもの… (笑)

バンビー3 で 初秋の滝めぐり

10月12日 三重県赤目四十八滝
晴天の下、地元の景勝地を目指して駐車場に向かいます。

半年振りに再会した安曇野の山友。今回は山行の予定がなく、まだ秋には少し早い地元の散策路をご案内することにしました。
赤目四十八滝とは、室生赤目青山国定公園にあり三重県奈良県に跨る滝川に連なる大小様々な滝のことです。迸る水飛沫や絹のような柔らかさ、そして岩を縫うように流れる数々の清流。その流れは、緑の梢を映し出すほどの静かなものから、岩を削りながら弧を描くもの。段々になった岩床を次々と滑り落ちるものなど千差万別。一瞬として、同じ光景を魅せることはありません。
全長約3.3kmの道は所々で石段や階段の高低差はありますが、概ね、整備された遊歩道となっており、名の有る滝から名も無き滝まで、往復3時間の清流旅。マイナスイオンが身体の奥深くまで染み渡る世界です。
自宅を出て10数分。集落を抜ければ、これから歩く滝川に沿って山間はどんどんと狭くなり、お土産屋さんの看板が見え始めれば、昔から変わらぬ景色に到着です。
ここから先は、歩行者の世界。川のせせらぎとともに新しく出来たようなお店を過ぎれば、これもまた昔から変わらぬ入口の建物「日本サンショウウオセンター」に到着。初めて訪ねた昭和にタイムスリップした感じです。
特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオを初め、数種類のサンショウウオが展示され、そこを通り抜ければ、いよいよ滝めぐりの始まりです。過去に一度だけ、この建物を出たすぐの所で、川の中をゆっくりと進むオオサンショウウオを見たため、しばらくは目を凝らしながら歩く時間帯となります。
ガイドマップには20数種の滝が書かれていますが、その先頭が「行者滝」。大きな岩の両脇を流れ落ちる落差3mの分流瀑。次の霊蛇滝は滝壺が広がる落差6mの斜瀑。その上を渡る橋が散策路のランドマークになっていると思います。
赤目渓谷には「赤目五瀑」と言われる5つの滝があり、橋からはそのひとつ「不動滝」を見ることが出来ます。落差15m直瀑の不動滝は、名前のとおり、不動明王を連想させる力強い滝だと言えます。こうして、次々と現れる滝だけでなく、清流を覆う緑の木立や真っすぐに天を衝く柱状節理の岩肌。また、梢に遮られた陽射しは水面まで届かずとも、照らされた緑が川面に映る美しい溪谷美をつくります。
五瀑の2つめ「千手滝」。落差15mの分岐瀑。マップでは800m、徒歩20分となっていますが、ここまで倍近くの時間がかかっています。そのすぐ上にあるのが、3つめの直瀑「布曳滝」。常に見ることが出来る滝では、最大落差の30m。名前の如く、友禅流しを思わせるその流れは、随一の美しさを誇ります。ここから4番目の「荷担滝」へは約1時間を要し、途中にある百畳岩では、昼休憩をされている多く方が居ました。
赤目四十八滝が選ばれている「日本の森・滝・渚 100選」において紹介されている荷担滝。大きく2つに分かれた滝とすぐ上流の斜瀑で構成される落差8mの段瀑。ポスターでも紹介され赤目渓谷を代表する滝です。最後の「琵琶滝」は落差15mの直瀑。下流の段瀑とともに諸行無常の響きあり。そして、ここまで来ると、入山時の頃とは変わって深山幽谷の世界。この散策路を整備した先人に感謝です。
3年前に訪ねた際、思わず、ここで帰りそうになった最後の五瀑。赤目四十八滝としては、次の「岩窟滝」が最上流となります。
観光マップでCT 90分のところ、昼休憩を含め、約3時間。これは、バンビー3の標準タイムでしょう。
帰宅後は、地元の定番B級グルメでいつもの…。


気持ちのよい秋風が吹く 季節になりました

いつみても 迫力があります…オオサンショウウオ

今日は どんな出逢いがあるのだろう…霊蛇滝

筋骨隆々 そんなイメージでしょうか…不動滝

名もなき滝にも 世界が広がる 渓谷美

幾筋もの流れが 時間を止めます…千手滝

布曳滝 … 美しき 絹の帯

新たな 世界を求めて 水は流れていきます

静寂が同居する 赤目渓谷

右が「姉滝」 左は「妹滝」の姉妹滝

ひっそりと佇む姿がお気に入り…柿窪滝

五感で楽しむ 赤目渓谷

横渕に流れ込むのは 姿無き 笄滝

見所と興味が合致するかは 千差万別

太古の時代から渓谷を飾っているのでしょう

唯一 頭上からの…雨降滝

清流を境に ふたつの森

ここまで来ると 水平な道が 続きます

左が三重県で 右は奈良県か シランケド…荷担滝

輝く渕の主は 夫婦滝

雛壇滝は 赤目渓谷の真髄だと思う

五瀑最後の直瀑と名もなき段瀑のコラボ

深い淵には 色とりどりの世界がありました

錦を飾るのは あと1ヶ月先か…岩窟滝

いつ食べても満足する地元のグルメで いつもの…