Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

秋のテントライフは バンビー3

11月11~12日 滋賀県イブネ
朝の通勤渋滞を抜け、待ち合わせ場所に向かいます。

11月11日
京都、安曇野在住の山友お二方と私達で作る「バンビー4」。私達だけだと「バンビーズ」、京都の方と出かける場合は「関西バンビー3」、安曇野の方だと単に「バンビー3」がマイルール。
先月、テント泊山行の話を受け、浮かんだ幕営地は3ヶ所。その中から、紅葉シーズンを迎える鈴鹿奥座敷「イブネ」を選びました。
昨年もこの時期に訪ねたイブネは、今回で5回目。今では「苔の楽園」やら「苔の大地」などと紹介されていますが、9年前はホームに広がった笹枯れ現象からの移行時期で「楽園」と言うよりは「荒野」。
滋賀県三重県を結ぶ旧千種街道がアプローチ。今は林道となった街道はやがて針葉樹と広葉樹が交差する登山道へと変わっていきます。眼下を流れる渋川は愛知川に名を変え、近畿の水がめと呼ばれる琵琶湖に流れますが、その源頭部が今回の水場。また、空間を埋める対岸の山肌は、これから魅せてくれる世界に期待を膨らませます。
分岐点となる杉峠までは、旧千種街道の史跡が紹介されています。最初に現れるのは「善住坊の隠れ岩」。続いて「桜地蔵」、「古屋敷跡」…。久しぶりに交わす山友との会話に、それぞれの案内板がいつもより早くやってくるように感じます。
その山友と初めて会ったのは8年前の春。3年間の停滞時期があったものの、山に観光に旅にと多くの時間を過ごしてきました。初幕営は2014年5月 蝶ヶ岳山頂。翌年も徳澤で幕営したものの、それ以降、山行スタイルが異なることから、私達のテントを訪ねることはあっても、共に張ることはありませんでした。今回の山行は時間の経過とともに、山のベクトルが近付いて来た証かもしれません。
昨年名付けた「もみじ橋」。今年も街道一番の賑やかさでした。全山燃えるような紅葉とは違い、針葉樹や立ち枯れ木が混じった低山の紅葉。色付きも、紅、赤、橙、黄に茶色系と規則性のない風景に、自然とカメラを向けてしまいます。
この滋賀県側(甲津畑)ルートは、緩やかに登って迎えた後半に、僅かな急登区間を迎えます。また、杉峠で旧千種街道から外れ、登った先にある杉峠ノ頭から望む頂上台地は、まだ遠いと感じますが、佐目峠を過ぎて視界が広がれば、いつの間にか眼前に出迎えてくれます。核心部と言える、2段の急登を抜けると、イブネの玄関。僕にとっての支配人が出迎えてくれます。
レコで見ていたように、登山道にはガイドロープが張られ、昨年幕営した適地もロープの内側。今年は撮影の関係からイブネ北端付近で張れればと思っていたため、ロープ圏外となりましたが、これもやむを得ないのでしょう。
ひと休みし、山友と2人で散策。お決まりのクラシ、チョウシ、熊の平の周回ルート。苔が好きだと言う山友はなかなか次へ進めず、それを待つ自分もいつもと違う過ごし方。そして、バディはラジオを聴きながら、時折、小さな私達を眺める「三人三様のテントライフ」。
「おじさん2人で歩く世界じゃなく、若い2人が似合うよね」
「若い2人にこの世界の本質は見えるかな?もっと歳を重ねないと」
「それだと、リアル過ぎねぇ?」
山友と交わす会話が楽しい …。
陽の傾きとともに苔や木々がオレンジ色に染まり始め、テントならではの時間帯がやってきます。一日の終わりを迎えるイブネの世界。それは、やがてマジックアワーの西空からオレンジ色の月が昇る東の空へと続きます。
名古屋方面の夜景が最もよく見えるイブネ北端。反対側の琵琶湖を望む夜景は滋賀県側の特徴。伊勢方面も含み、三方に夜景を望むイブネは鈴鹿奥座敷に相応しく、現代社会を遠くに眺めながら静かに時が流れていきました。


さて どんな秋が待っているのでしょう

徐々に山へ入っていく 甲津畑ルート

木の窓に 射し入る景色が 眩しい

往年の世界が感じる「もみじ橋」

並べると迫力がありました…蓮如上人御旧跡

美しきホーム の 秋

行き交うは 近江商人から登山者へ

里にはない 山の秋

イブネ坂を前に スモールワールド

今年もやってきた 頂上台地

散歩の途中で イブネ北端を見上げます

近くて遠いは 主峰「御在所岳

矢印が示すは クラシへの道

クラシ派とイブネ派に 分かれるのではないでしょうか…

夜の帳が 近付く気配

いつも哀愁を感じます

夕暮れが似合う 熊ノ戸平

緑から橙の世界へ

時が見える 夕暮れの テントライフ

「遠き山に 陽は落ちて」

シチューの美味しい季節になりました

滋賀の灯りが 浮かび上がってきました

苔に限らず これも イブネワールド

夜は 足元から光が届きます

「星は空を 散りばめぬ」

11月12日
街の灯りが静かに感じる午前4時前。まだ、東の空に明ける兆しはありません。地上を照らす月明かり。昼間と全く違う世界は果てしなく感じます。何枚かの写真を撮った後、タイムラプス動画の撮影に入り、再び、シュラフに戻ったのは、小1時間後でした。
何時も期待しながら下ろすフライシートのファスナー。今朝は期待に反した霞み調子の頂上台地。昨年、ここから見た富士山やアルプスの展望は次の機会になりそうです。
日の出時刻は6時19分。その20分前、ご来光地点の東寄りに放射状の帯が浮かび上がってきました。「天使のはしご」で知られる「薄明光線」と言ってしまえば科学的。日の出が近付くとともに消えているその帯は、やはり「マジックアワー」。
移り行く空。通り過ぎる風。聞こえてくる鳥や鹿の声。
自分を中心にして取り巻く世界が、身体に入ってくるような感覚を楽しめるテントライフ。それには標高や名前は必要なく、自分がお気に入りの場所であればOK 。そんな世界を山友と共有出来て良かったと思える、夜明け前の出来事でした。
雲をお供に浮かび上がった太陽。弱い光が次第に輝きを増す様子は、いつ見ても力強く、一日の始まりを感じます。セットしておいたタイムラプス動画を確認すれば、まだ使い慣れていないため、後半に課題を残し、完全版は次回へと持ち越されました。
山友は昨日訪ねたクラシ方面に向かい、自分は頂上台地を散策。そして、バディはテントで過ごす、今朝も三人三様のテントライフ。
ホオジロが賑やかに食事タイムを過ごす中、こちらも朝食準備。ちょうど、朝陽を浴びた東雨乞岳の登山道がシルエットで浮かぶのが、苔の向こうに見えています。その時々で変化する何気ない風景。頂上台地のイブネだからこそ味わえる世界です。
テントを片付け、出発しようとしたところへ、本日一番乗りのトレラン2人。この後「一反ぼうそう」まで、多くと登山者とすれ違うことになります。
朝露に濡れた苔に陽が当たると、一段とその生命力は増し、大きな波動を感じます。そんな世界を二分するガイドロープに囲まれた登山道。成長著しいアセビから顔を出す笹や苔に消えていく旧道。10年後の頂上台地の姿は予想出来ませんが、数多くの写真を撮り、今日と言う日が振り返られるようにと思いました。
11月半ばとは思えない朝からの陽射しを受け、雨乞岳や鎌ヶ岳などは、薄青く霞んでいます。佐目峠へと続くアセビ帯を前にして振り返れば、イブネ坂がお別れを告げています。この辺りにも、苔が広がっていますが、数年前に較べれば、随分と成長してきました。やがて、頂上台地のような景観となるのでしょうか。
杉峠から再び、旧千草街道に戻ります。ここからは木漏れ日が射す程度の道。陽の当たる色付いた葉は、ひと際、輝きを増し、多くの木々は黒子になります。そんな飽きることのない帰り道には、ここでテントライフを過ごしても優雅だと思える場所が多くありました。
やがて道は終盤に差し掛かります。このルートを通る度に思うことは、その殆どにおいて安全なルートだと言える中、下山後半に現れるロープの張られたトラバース道や木橋の危険性。逸る気持ちを抑えて、慎重に通り過ごさねば、楽しい思い出は生まれません。GW以来のテント泊山行は思っている以上に疲れが残っていると自戒し、林道に出るまでは「注意一秒、怪我一生」。
下山後は、旅の思い出を語れるお店でいつもの…。


星に見守られた バンビー3

最も好きな時間帯…あけぼの

浮かぶ姿は やはり ホームの主峰

一期一会に「感謝」

2022年11月12日の朝は記憶の一頁

時間が逆戻りしたような 朝

正に 鈴鹿奥座敷

ひと月早く クリスマスがやってきました

光の苔山脈

昨年の幕営地 次は 消えているかも…

今年も 笹とアセビの成長を 感じました

この世界を 独り占めできる テントライフ

朝の光が 優しく包みます

お揃いのテントが バンビー3

朝食に大忙しでした…ホオジロ

さて 次の目的地へ …

足取り軽く 頂上台地を進みます

この景色が イブネワールド です

佐目峠を境に 世界が変わります

また 会いましょう

帰りには帰りの秋が待っています

1本でも主張します

新旧揃い踏みの景色が好き…大シデ

今年もホームの秋を楽しめました

総合的に核心部

秋の変化が楽しめる いつもの…(笑)

アートなハイキング 最終章

10月29日 奈良県洞川温泉
アートなハイクを完結すべく、3年振りになる修験道の麓へ向かいます。

「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」。奈良県南・東部に位置する奥大和の3つのエリアで開催され、残るは天川エリア。このエリアのテーマは「水」。修験道の祖・役行者が開いた修験道発祥の地「山上ヶ岳」。その登山口には女人結界門があり、今なお女人禁制を続ける山域。その麓に位置する天川村洞川温泉を流れる山上川は村内で「天ノ川」と名前を変え、やがて熊野川となり、太平洋へと続きます。また、昭和の時代にタイムスリップしたような温泉街は、夕暮れになれば提灯が灯り、誰もがノスタルジックな気分になることでしょう。そんな自然と文化に溢れたこのエリアに、現代アートがどのように生きるのか、期待が膨らみます。
今日は駐車場の都合により、出発点に向かうことから始まりました。と言うことで、最初の作品が実は最後の作品になります。「杓文字」と名付けられた作品。その背景には、この村が生きてきた証がありました。温泉街を歩いていると目に付くのは「陀羅尼助」と書かれた看板。修験者の秘薬とされた和漢薬であり、胃腸の調子が悪い場合の万能薬とされ、私もよくお世話になりました。
そして、出発点。今日も「千本のひげ根」が待っています。この3週で随分と秋は深まり、色付いた木々が山肌を飾ります。特に次の作品がある「龍泉寺」境内は、水行場の楓が色付き、水面にも映していました。
これまでの曽爾、吉野エリアの経験で作品の展示方法は学んできましたが、ここでも2つ探せず、次へ進むと、プレートだけで作品が見当たらず、QRコードで作品を紹介するデジタル系。何かすっきりしない気分で迎えた洞川自然研究路にある天川で一番長いつり橋「かりがね橋」。全長120m、高さ50mからの景色に雲散霧消しました。次の作品はQRコードで音楽を流すデジタル系。これも今風の表現なのでしょう。
コースは探求路から山上川沿いへと移り、世界観も一変します。「行場」として開いた洞窟や澄み切った水面。正に、自然と芸術を体験する祭典MIND TRAIL。河原で休憩をしていると、背後から聞こえる鳥の声。振り返ってみれば「カワガラス」。捕食しているのか、勢いよく流れる川を物ともせず、時々、飛び込んでは再び姿を現していました。
湧水群のひとつ「ごろごろ水」の採水場を頭上に臨む橋を渡った所がルート唯一の交差点。本来ならば、直進して女人結界門へと進み、山上川の右岸から「かじかの滝」を経由しここへ戻ってきます。今日は時間の都合上、滝付近の作品はここから往復し、その先の作品へは車で向かうことにします。
スリップ注意の看板が建つかじかの滝への道。川面に立っているかのように間近に見ることが出来るこの滝は、ますます色付いてくることでしょう。折り返し地点は、杉林に立つ鏡に書かれた「人」の文字。文字と共に映し出される天川の自然と私達。過去と今と未来をつなぐ作品に思えました。一旦、駐車場に戻って、車移動で訪ねた最後の作品は「水」。苔むした木道に置かれた作品は、この地らしくとても清らかで、水の生み出す力強さも感じました。
もうひと作品、全てのエリアにあるのが総合プロデューサーが展示するJIKUシリーズ。天空に放つ光の作品は午後5時に点灯。それまでの時間を過ごしていた時、最初に見つけられなかった作品はパフォーマンスで、その内のひとつが4時から行われることを知りました。Dragon Ashで活動してきたソロダンサーと天川で活動している和太鼓龍王が叩き踊るという内容。会場となるのは「龍泉寺八大龍王堂」。山に響く和太鼓の演奏から始まったパフォーマンスは、文字を使った表現者の作品を纏いながら舞い踊り続けます。「八大龍王尊」を前に繰り広げられる舞いと和太鼓の演奏は作品名「竜と龍の対話」そのものでした。
その余韻も冷めやらぬ夕暮れ時。温泉街を浮かび上がらせる提灯はこの地域全てが作品になったよう。その上空を一筋の光が放たれ、見上げる人々が光を通じて対話を始めることを望まれているそうです。
今回初めて全てのエリアを巡り、感じ、そして知った奥大和。この光は未来に続く力を可視化したように感じ、また来年、この芸術祭を楽しめればと思いながら、天川村を後にしました。
昼食後、隣村で買った人気の草餅が いつもの…。


創業500年のお宿…洞川温泉

使ったことはありませんが 心は同じです

現代アートとともに 天川の自然と歴史…MIND TRAIL

吊り橋は 奥大和の文化なのかも知れない

彼方には 山上ヶ岳…本日のピーク「大原山展望台」

自力で脱出困難 ^^; … 記憶のハンモック

科学えほん「じぶん」のはなし 等がありました…森の中の図書館 1

不自然のなかに自然を感じました

ようやく写真に…カワガラス

また来年…MIND TRAIL

厳かな世界…蝙蝠(こうもり)の岩屋

天川エリアのテーマは「水」

大峯山系を象徴する景色が ここにもあります

今回 一番の大作 「記憶のハンモック」

森に落ちるは「迷彩の滝行」

流れ落ちる姿が 美しい…かじかの滝

森の中の図書館の原点でしょうか…

これが MIND TRAIL の好きなところ

天川の自然を あらためて 感じた場所でした

人と作品が記憶する「千本のひげ根」

帰り道…車道からもインパクトがありました

大峯奥駈道が呼んでいます

自分のなかで 今回の最高傑作かも知れない…作品名「水」

色々な思いが 広がりました…

この景色はおまけみたいなもの…龍泉寺

真っすぐに伸びる光の軸に 力を感じました

変わらないのは自然だけでない いつもの…(笑)

アートなハイキング Part.2

10月23日 奈良県吉野
天気に誘われて、春には定番の駐車場へと向かいます。

先日2年振りに参加した「MIND TRAIL奥大和 心のなかの美術館」。自然と芸術の体験をコンセプトにした祭典は、奈良県南・東部に位置する奥大和の3つのエリアで開催され、これまでは曾爾エリアのみの参加でした。当初から他のエリアも歩いてみたいと思っていましたが、昼前からの時間が空いた週末、「吉野」エリアに向かうことにしました。
吉野エリアは全長10km、CTは5.5時間。完走するには時間が足りず、前半部分を周回するルート設定。起点は車と鉄道で分かれ、私達は車のため、観光駐車場からの出発。ここでも「千本のひげ根」が出迎えてくれます。
春、「一目千本」と言われる吉野山の桜。下千本から始まり、中、上、奥へと移ろいながら、桜を愛でることが出来ます。今は少し色付き始めた桜千本。その下千本エリアを下った先に次の作品があります。その道は地形図に載っていない道。ルートマップで凡その位置を下調べしていましたが、曽爾エリアと同様、要所には案内矢印が設置され、この後も道に迷うことはありませんでした。
鉄道最寄り駅からメインストリートへは標高差100m以上あり、現存する日本最古のロープウェイ「吉野大峯ケーブル」が季節運行をしています。丁度、その架線下に次の作品が展示されていました。その反対側にも作品はあるはずなんですが、見つけることが出来ず、先を急ぎます。地形図に載っていない道は作業道らしい雰囲気を醸し、普段歩くメインストリートとは違い注意が必要な個所もありました。中腹辺りの植林地をトラバース気味に歩いていくと、風を受けてゆらりゆらりと揺れる3番目の作品「The Windows Were Ajar」。木漏れ日の射す林は、時間の流れが遅くなったと思える世界でした。
やがて道は傾斜を増し、民家の間を抜けてメインストリートに合流。丁度、いつも買い物をするお店付近で、その店頭にも作品が展示されていました。曽爾でも感じましたが、普段歩くことのない道を歩きながら作品と触れ、その地域を知る。これが「MIND TRAIL」でしょう。
H16年「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録され、本堂の蔵王堂が国宝にも指定されている金峯山寺。その境内にも作品が展示され、いつもとは別のルートで向かったところ、首から上の守り神「脳天大神」の案内板。これからの人生で関係が深くなることから(笑)、お参りをしていこうと、しばしのコースアウト。案内に沿って先に進むと何やら下っていく模様。「あれっ?今、上ってきたのですが…」と思っているうちに、幟とともに石段が谷へと消えていきます。「ここまで来たら引き返せない」は山行では御法度。元来た道に戻るのが鉄則ですが、ここは一般参拝道。登り返しを覚悟し、石段を踏み外さぬよう注意しながら本殿を目指します。数人の参拝者とすれ違いながら、ようやく到着したお堂内には、大勢の参拝者が何かを待っている様子で、やがて護摩祈祷が始まりました。後で調べてみると、日曜日の午後1時に御祈祷があり、丁度、その時に到着しました。MIND TRAILによってここに導かれた気分です。
さて、コースに戻り、次の作品を探してみますが、中々見当たりません。結局、帰り道に作品を見つけますが、曽爾のように自然に囲まれたエリアとは異なり、生活圏の中を歩く吉野エリアは難易度が少し高かったです。また、映像を利用した作品や参加型の作品等、曽爾とは趣が異なる世界観もありました。桜の時期に歩く吉野エリアをこうした作品を通じて訪ねてみると、寄り道感覚で触れ合え、そこから自分だけの世界が広がっていきます。初めて参加した時から感じる「面白さ」がここ吉野エリアにもありました。
駐車場への帰り道、以前に訪ねた古民家カフェにて吉野名産の一品でいつもの…。


3度目にもなると 愛着のようなものを感じます

11月1日から通行規制…紅葉シーズンです

新旧のアートが ひとつの枠に…

地図上にない道を MIND TRAIL

林を抜ける風が 見えてきます

視線を感じました

お土産屋さんの店先で 溶け込む作品

ここから先は 別世界

国宝「蔵王堂」…吉野山のランドマーク

「森の中の図書館」は 素敵な作品

お気に入りの作品「さびしがりやの巨人は今日も一日」

本日のピークでした

2020年の展示作品は 景色と一体化していました

「吉野の時計」に参加 …

ひと休みしたカフェで 個人作 (笑)

ショーウィンドウの作品は 吉野エリアらしいと思いました

大峯に向かって 《JIKU #006 YOSHINO》

北面は 今を刻みます…空の時計

南面は 4次元の世界

廃屋さえ 作品に思えてきます…モビール

過去と現代をつなぐ「吉野の時計」

春は桜 今は秋…吉野山もアートです

訪ねた方の思いが この杖とともに…MIND TRAIL

吉野限定品を頂きました

作り手のぬくもりを感じる いつもの…

アートなハイキング… 関西バンビー3

10月15日 奈良県曽爾村
約4ヶ月振りの関西バンビー3で芸術祭の駐車場へと向かいます。

2020年から始まった「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」。奈良県南・東部に位置する奥大和をそれぞれのコンセプトで3つのエリアにわけ、様々な分野のアーティストがその地域に溶け込んだ作品を通じて、自然と芸術を体験する祭典です。
2年前、テレビで紹介されたことから何気なく参加した曾爾村エリア。全てを周った訳ではないものの、自然と調和する現代アートを感じ、普段歩くことのない曽爾村とともにその良さをあらためて知った体験でした。そして、3年目となる今年。今回は京都の山友を誘って、全てのルートを歩いてみたいと思いました。
ルートは毎年変化しており、2年前と比べるとパワーアップした模様。全長約10.3km。5時間のCTです。
出発は前回と同様の曽爾村役場。用意をしている間に数人の方が出発されていきました。全ての会場に設置された作品「千本のひげ根」が来訪者を迎え、共に会場を歩きます。今回はルートマップを地図アプリに落とし込み、ルートミスをしないよう準備をして来ましたが、要所には道標が設置され、随分と歩きやすくなっていました。
出発して間もなく次の作品。この後、トレイル中に点在するこの作品群は、ひとつの大きな柱になっているようにも感じました。HPに記載されているように、服装はその気候に合わせたもので大丈夫です。今日は最高気温が26℃となっていたため半袖。靴はトレランシューズ。村内を歩く道は当然舗装されていますが、今回は東海自然歩道がルートに組み込まれており、この区間はハイキングシューズ以上が必須です。
曽爾村を代表する景色として国の天然記念物にもなっている「鎧岳」。天を衝く山容を覆う柱状節理は、正しく鎧を纏っているように見えます。その鎧岳を借景にした作品「窓」曽爾村で実際に使われていた家具や食器を使った作品は、人々の営みを表しているかのようです。ちょうど作業をされていた村の方と少しお話をしました。これも含めて、MIND TRAILでしょう。
やがて道は集落を離れ傾斜を増します。鎧岳と共に天然記念物「兜岳」。その登山口へ続く県道を進み「横輪川」にかかる橋を渡れば、東海自然歩道の入口となります。今回もルート以外は予備知識がなく参加。ただ、「済浄坊の滝」があることは知っていました。自然歩道に入ってからの作品「コマノエ」。これも点在した作品ですが、最初の作品はあまりにも自然に溶け込み、しばらくは気付けませんでした。
歩道に沿う横輪川は予想だにしない清流で「済浄坊の滝」の他にも数多くの滝が目を楽しませくれました。ここから少し北に位置する赤目四十八滝と対を成す渓谷美です。途中、岩から滴り落ちる水滴で滑りやすくなった箇所やロープを伝って下るところもありました。そんな自然溢れる世界に設置された作品の数々は、正しく、見る人の数だけ、美術館があると言って良いでしょう。
舗装された道に戻った先にある展望地。そこから見る曽爾の集落は美しかったです。林業の盛んな曽爾村らしい植林地の道を進めば、少し入った林の中に「存在Xここと向こう側を意識する為の装置」と言う作品。今回一番のシュールな世界でした。
折り返し地点になる「屛風岩公苑」。桜の季節には大変な人で賑わう場所。柱状節理の断崖が屏風のように連なる光景を山友と見上げていると、繁った草木の中からガサッと言う大きな音。明らかに動物と思われ、山友と一瞬目を合わせた後、同時に走り出しました(少し離れたところに居たバディも、音を聞いて、同じ行動…笑)。 熊が出て来ないよう祈りながら、何度も後ろを振り返ります。結局正体は不明でしたが、ここ最近では一番の緊張でした。
屏風岩を眺めながらの昼食。そして、ここにも設置された数々の作品。「芸術の秋」と言いますが、今日の陽気は秋本番とは言えない気温。しかし、少し色付き始めた山桜とススキが揺れる景色は、やはり「秋」です。屛風岩公苑からの帰り道、こんなに上ったのかと思える下り坂。そして、集落を縫うように設置されたルートは作品よりも曽爾村の景色と生活を感じました。
「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」。他のエリアも気になりますが、自宅から近いここ曽爾村が、最も自分の心と一体になれるような気がします。
山ではなくても、帰宅後は 自宅にていつもの…(笑)


さて 今年はどんな美術館になることか…

題名は「私に気づいて」

前回は ここを下って来ました

それぞれ 別々の世界を覗かせてくれました

鏡は 別の世界を映す「窓」かも知れない

語源は「大地の母胎」…作品の数だけ切株がある

見る角度によって 作品も変わります

これが 全く 見えなかった… 作品名「コマノエ」

これも同じ作品名 … でも「私に気づいて」っぽい

秋の緑も美しい

済浄坊の滝(下の滝) … 一体感のある不自然な作品

歴史を感じる 東海自然歩道

絹のような 済浄坊の滝(上の滝)

そこかしこに 群生地…ダイモンジソウ

シュールな世界に 引き込まれました…「存在Xここと向こう側を意識する為の装置」

この写真を撮った後 駆けだしました (笑)

映画のワンシーン的な作品…屛風岩公苑

前回 お気に入りの作家さん

食後のデザートは 有名パン屋のカヌレ

揺れる様も 自然との調和…「外に囲まれている絵」

シュールな世界を創った方の別作品…「大地の子

霧氷の山(三峰山)から伊勢の槍(局ヶ岳)まで…

森を照らす魂たち

終盤 柿までが 作品に見えてきます…

ゴール間近 屛風岩公苑は 遥か遠くに見えました

秋の素材を用いた 我が家の作品が いつもの…(笑)

秋の足音を聞きに 南アルプス

10月1~2日 長野県 仙丈ヶ岳
SNSの情報に駐車場問題を心配しながら向かいます。

10月1日
週末は快晴予報となり、これまでの情報から混雑することは予想していました。仙丈ヶ岳の登山口「北沢峠」へは、山麓「仙流荘前」から伊那市が運行する南アルプス林道バスで向かいます。始発便は5時30分。しかし、未明から長蛇の列となり、繰り上げをし、随時運行になった模様です。
今日、私たちの行先は「藪沢小屋」。中腹にある避難小屋です。CTは3時間弱。10時5分発に乗車し、北沢峠着は11時。早めの昼食をとって出発しても、余裕の行程です。
心配された駐車場は河川敷に臨時が設けられ、まだ空きがありました。さすがにこの時間帯にもなれば、バス停に列はなく、出発50分前とは言え、5番目でした。と言っても、その後乗客は増え、結局、1台増便となります。この時間の乗客は日帰りではなく、峠にある「こもれび山荘」や「長衛小屋」、または「馬の瀬ヒュッテ」「仙丈小屋」になると思われます。まさか、私たちのように「藪沢小屋」を目指す方はいないでしょう。
昼食をとる間に乗客は居なくなり、その多くは仙丈ヶ岳方面へと行かれました。登山道はトイレ横から始まっていますが、私たちは少し長衛小屋方面に下がった所にある登山口から入ります。ここは小屋からの道と合流した後、2合目で主ルートと合流。直登で始まる主ルートではなく、トラバース気味に登るルートを教えてくれたのは藪沢小屋の管理人である高校の先輩。すでに南アルプスに入って40年を越える山人です。
初めて南アルプスを訪ねたのは8年前の夏。藪沢小屋を利用し、先輩の案内で兄夫婦と共に仙丈ヶ岳に登頂。梅雨真っ只中にも関わらず、青空の広がる山頂で見た南アルプスの峰々を、その後、歩くことになります。そして昨夏、7年振りに訪ねた夏の仙丈ヶ岳。帰りに寄った小屋で先輩と再会し、そのまま泊まることに。先輩が小屋の管理をされていることは昔から知っており、当時、何やら中途半端な場所だと思っていた「藪沢小屋」。今では避難小屋として絶妙の立ち位置であることはもちろん、今回のような山行にも重宝します。(1泊 5,000円)
2合目で合流した後は、直登-トラバース―直登の繰り返し。時代を語る森は同じような体をなす八ヶ岳とは趣が異なり、大人びた印象です。朝の賑わいを感じるのが、下山者とのすれ違い。山頂の混雑ぶりは想像できます。
5合目、大滝の頭を馬ノ背方面へ。ここでも周回してきた下山者とすれ違います。滝のような小川が落ちていく方に目をやれば、鋸岳から東駒ケ岳(甲斐駒ヶ岳)へと続く稜線が視界を二分し、ほどなくして藪沢小屋に到着。少し広くなった小屋前では、今まで目にしたことのない登山者が休憩する姿。そんな大勢の視線を背中に感じながら、建付けの悪い扉を開けた私たちは、薄暗い小屋へと消えて行きました。
事前に連絡を取り、中の様子は判っていました。まずは明かり窓の付いた2段ベッド式の上段に上がり、荷物の整理。時々、扉を開けて様子を窺っている気配を感じますが、さすがに入室はされません。やがて、人の声はしなくなり、私たちも活動を再開。と言っても、写真を撮ったり、水を汲んだりするだけですが…。AMラジオを聴きながらコーヒーを飲み、気が向けば小屋を出て東駒ケ岳を眺め、太陽とともに時間を過ごします。夕暮れ時、「冷えてきたなぁ」と思って室温を見れば、9.7℃。下界では冬です。
満天の星が輝く夜。7月に買ったカメラの星空軌跡機能を試します。撮影は簡単ですが、ラジオを片手に、小屋の外で待機した10分間は熊との恐怖に闘った時間でした…(笑)


1泊2日 南アルプス山行 始まりの朝

代理人のザックが バスを待ちます

この案内板は 仙丈岳駒ヶ岳・・・車窓より

8年振りに ここからスタート

大きな森の 小さな命

腰を屈めて 樹間の北岳

山の大きさを感じる登山道

背後にそっと 東駒ヶ岳

秋の足音が 近付いてきます

大滝頭と馬の背を結ぶ トラバース道

沢とともに 景色が近付きます

鋸岳が広がれば …

到着です…藪沢小屋

小屋内は シンプル イズ ベスト

小屋から数10秒で 唯一無二の展望

赤岳が 少しだけ顔を覗かせています

まるで 雪のような 白い岩体…東駒ヶ岳

藪沢小屋名物 その1…小屋を支えるワイヤー

藪沢小屋名物 その2…水場の赤いハート

山肌の影が 時間を告げます

賑わった一日を 終えようとしていました

やがて 闇に沈む 南アルプス

小屋前の狭い空には 果てしない世界

秋の星空と言えば 「アンドロメダ銀河」(左上は流れ星)

新しい星空を 頂きました

10月2日
午前4時 室温は4.7℃。
唯一、外界との接点は開けると閉めるのが困難な引違窓。そこから入る明かりは弱く、まだ、薄暗いと思いながら外に出ると、すっかり明るくなっており、東駒ヶ岳の右側には曙色に染まった雲。今日も良い山行日和でしょう。
先輩の顔を思い浮かべながら小屋にお礼を告げ、いざ出発。注意が必要な出発・到着前後15分。特に藪沢までのルートは片方が落ちたトラバースであることから、気負いや焦りは禁物です。
ヒュッテから馬の背までの登りは、ダケカンバとハイマツが共生する樹林帯。これぞ南アルプスです。そして、先輩たちが整備するこの山域。腰にナタをぶらさげて歩く後ろ姿が景色と重なります。
ナナカマドの実がひと足早く秋を演出すると、やがて視界が開けてきます。昨日から幾度となく見た鋸岳から東駒ヶ岳越しに八ヶ岳連峰。右側には中央アルプスと伊那谷。そして、御嶽、乗鞍から始まる北アルプスは白馬三山へと続きます。前方にはまだ小さな仙丈小屋と藪沢カールを抱く3,033m 仙丈ヶ岳。登頂した登山者の姿も見えます。あの山頂ではなく、行き交う人の少ないここで過ごしたい。そんな誘惑に襲われます。小屋が近付くにつれ、白いものが道端に見え、手に取ってみると、それは霜柱。水場の周囲には水滴が凍っているところもありました。
小屋前はカールを駆け下りた風が吹いていましたが、登り始めると、それも止み、朝の陽射しに身体が温まります。
「地蔵尾根は俺の通勤路や」と話していた先輩。その分岐を過ぎればピークへ続く一本道。
仙丈ヶ岳は藪沢、小仙丈沢、大仙丈沢と3つのカールを擁しています。これに、小仙丈、馬の背、地蔵、仙塩の4つの頂稜が組み合わさった端正な山容は南アルプスの女王と称される所以でしょう。
これまで登頂した3回は全て貸し切り状態であり、今日のように賑わった山頂は異世界。少し下ったところで休憩します。また、女王とは相性が良く、いつも全方位のパノラマ展望。そんなことで展望よりも、ウラシマツツジの草紅葉に感動しました。かつて歩いた南アルプスの稜線。時間の経過以上に懐かしく感じる山行。そのきっかけをくださった先輩にここでも感謝です。
藪沢カールを巻くようにして小仙丈尾根へと向かいます。このルートで最も好きな場所。ここだけ荒々しい東駒ヶ岳が小さく跪いているように感じます。反対側の大仙丈カール。その主峰、大仙丈ヶ岳はお花畑の先にある岩稜帯の頂。ここも先輩が勧めてくれた道。
この山を登るとき、常に先輩を感じ、そして、これからも大切に歩いていきたいと思う道。
仙丈ヶ岳と言えば、小仙丈カール越しの姿が代名詞。南アルプスらしい雄大な姿だと思えますが、ここからだと山頂は見えず、これは、初めて訪ねた人への試練かも知れません。そんな定番写真を撮れる小仙丈ヶ岳は山頂ほどではなくとも賑わっており、私たちは巻き道へと進みます。
ハイマツの海に開かれたひと筋の道。進んでほどなく2羽の雷鳥が何かを啄んでいました。この辺りに居ることは知っていましたが、この時間帯では無理だろうと思っていたため、女王からの素敵な贈り物をいただいた気分です。一向に立ち去る様子はなく、避けて通る道幅もないため、ゆっくりと距離を縮め、しかし雷鳥にとっては追い立てられる格好になりました。小走りに去っていくその後ろ姿は、映画「となりの…」のワンシーンのようです。
主ルートと合流。まだまだ北沢峠は遠く、小石に浮石、木の根に足を取られることがないよう注意しながらの山行が続きます。定刻13時10分発のバスを予定していましたが、今日も随時運行をしており、約1時間早く出発。途中、何台もすれ違う北沢峠行の回送バスを見る度に運行会社には感謝です。
下山後は、昨年寄れなかった古民家カフェでいつもの…(笑)


駒ヶ岳上空を 龍が泳ぐ

新しい一日を 東駒ヶ岳とともに

光の世界「馬の背」を目指します

少し遅れて 鋸岳も 目覚めてきました

朝陽が秋を演出します

ここから先は 展望の道

切り取って ナナカマドの秋

仙丈ヶ岳と言えば、広大なハイマツの海

藪沢カール越しの展望は 最も奥深い

振り返って 馬の背 そして 重なる峰々

高度を感じる西側…中央アルプスと伊那谷

仙丈ヶ岳と南部…大切な記憶

また 静かな時に 来ます

令和な表示板とお決まりの 1.2.3

残雪期は辛いが 今は ハイキング気分…藪沢カール

小仙丈尾根が 最も東駒ヶ岳と対峙します

遠望が変わる 小仙丈カール

眼下には 今朝の道…馬の背ヒュッテ

視覚的核心部…小仙丈尾根

秋の足音は そこかしこで 聞こえてきます

草紅葉 初めて見た時からのお気に入り…ウラシマツヅジ

またお会いしましょう…小仙丈カール

早くも 冬への準備が 始まります

素敵な 時間を ありがとう

ここで 東駒ヶ岳とは お別れです

素敵な音楽と共に いつもの…

夏の終わりに 北八の森

9月5日 長野県 ニュウ
遠く雲上に浮かぶ峰々を眺めながら、2,000mを超える駐車場を目指します。

予定していた夏山山行はすべて天候に阻まれ、今回、爺ケ岳へのテント山行を計画するも台風の影響で予定を組めず、北八の森山行としました。天候の読める日までは、高見石や雨池を候補地としていましたが、晴れ予報に「ニュウ」決定。ここは、20数年間封印し4年前に解禁した我が家にとって曰く付きの場所。まだ見ぬ天狗岳の展望を目指します。
2年振りの麦草峠駐車場。平日だと8時を過ぎていても余裕があります。麦草ヒュッテ前ではワレモコウやリンドウが咲き、アキノキリンソウと共に夏の終わりを告げています。
まずは白駒池までの準備運動。林床を覆う苔は、薄暗いコメツガやトウヒの森でも輝いて見え、樹間を貫く陽光でエメラルドを散りばめたように見えます。ひんやりとした朝の空気を身体いっぱいに吸い込むと、久し振りに感じる北八の世界。この森は普段の山行で感じることの出来ない特別なものです。頭上が広がる「白駒の奥庭」。初めて訪ねた時と比べると、岩が目立たなくなってきており、ゆっくりとした木々の成長を感じます。
観光駐車場からの道と合流すれば、あとひと登り。道は変われども、周囲の森は変わりません。悠久の時を感じる北八の森です。
水草が揺れる白駒池と対岸の景色。秋を感じるにはまだ早いものの、夏が過ぎていったことは五感に届きます。池畔を左回りで進めば、ニュウへの分岐点。朝霧で濡れた木道は滑りやすく、傾斜があれば尚のこと注意が必要でした。少し下った先にあるのが「白駒湿原」。紅葉の美しい場所。ちょうど、2羽のホシガラスがトウヒの実を夢中で突いています。そして、背後に感じた視線の主は1頭の雌鹿。甲高い声と共に、森の奥へと走り去っていきました。
ニュウを封印した理由は泥濘んだ道。当時はまだ登山道の情報も多くなく、大雨の中、天狗岳からの帰り道にて選んだルートは登り返しや水溜の多かった往路「高見石方面」ではなく、平坦が続くニュウ方面でした。
雨は落ち着き、雷の恐怖からは解放されたものの、視界を遮るフードにルートロスをしないか、新たな緊張感に襲われながらの山行が続きます。ようやく白駒池が近付いてきたと思える平坦地の先に待っていたのは、泥濘と水没の道。心が折れた時間です。
そして今回、道は泥濘んでいたものの、長年の間に迂回路が出来ていました。
至るところで目にする色とりどりのキノコ。苔の世界に新たな感動を呼びます。町はまだ残暑厳しくとも、森は確実に移ろいでいます。バディは稜線への中間地点を過ぎた辺りで足元に異変を感じ、靴を見ると、ソール剥がれ。山行前に点検をしていたものの、話に聞くとおり、突然それは起こりました。剥がれたのは踵部分であったことから、歩くことは出来、そのまま山頂を目指します。
中山への分岐点が稜線。稜線の向こうには青空が広がっていることを期待しましたが、それは次回へのお楽しみ…(-_-;)。天狗岳も前回同様姿を隠していますが、雲の動きがあるので、やがて姿を現すことでしょう。まずはソール対応をしなければなりません。歩いているうちに剥がれはひどくなり、中央部分も欠損していました。前方部分は結束バンドと予備紐、踵部分は接着剤で補修をしましたが、結局、踵部分も予備紐で固定しました。
そして、天狗岳。何とか東西の天狗岳頂を見ることができ、目的達成。次第に登山者も増え、少し下った場所から天狗岳を眺めながらのランチタイムは、久しく感じていない「山を味わった時間」でした。
下山後は、オーストリアの風を感じられるいつもの …(笑)


いつもは通り過ぎる「日向木場展望台」にて

花の付き方が特徴的でした…ツクバトリカブト

もう終わりですね…ハクサンフウロ

苔の森は 生命の集合体

白駒池に続く道は 北八のプロローグ

その立ち姿に 思わず 足を止めます

人通りのない遊歩道は 平日の特権

これはこれで美しいと思う

命を繋ぐ 白駒池

針葉樹と広葉樹のコラボレーション そして 手前の水草が好き

作業される方に 感謝です

この青空が 続きますように…

森を二分する 木道は 湿原への道

朝御飯中にお邪魔しました…ホシガラス

通称「ネバーエンディング ストリート」…

巨岩が道を覆う 「にゅうの森」

パックリと広げた 踵のお口…^^;

さて 稜線の向こうは如何に…

靴のトラブルと共に とりあえず 登頂

トンボも夏の終わりを教えてくれます

稲子岳山体崩壊越しに天狗岳…見られて良かった

残暑厳しい ランチタイムでした (笑)

これにて下山開始

今日は 周回せずに 戻ります

池畔から ニュウは 見えませんでした

最後まで 目を楽しませる 北八の森

補修キットを外せば このとおり

久しぶりのお店で 大満足した いつもの…(笑)

2022 夏山行を前に おらが山

7月18日 三重県尼ヶ岳
駐車場へはいつもの道をいつものように向かいます。

3連休。天候不順につき、仙丈ヶ岳と先輩へのご挨拶は無期限の順延。しかし、その界隈の山レポを見ると恐ろしいほどの混雑で、行かなくって良かったという結果論。
と言うことで、3連休最終日はおらが山の伊賀富士「尼ヶ岳」に朝トレ山散歩。今日は、先日N社のミラーレスから買い替えたC社のコンデジを試すことが目的。こうした気軽な目的を持って登れるのはおらが山であります。
今月の初め、鳥見で林道区間を訪ねていましたが、今日もミソサザイから始まり、オオルリ、カッコーの声が森に響きます。いつもより手前でオオルリの声がするなぁと思いながら先を急ぐと、突然、林道を横切る何かが目に入りました。初めは大きなカエルかと思いきや、何と羽ばたきを繰り返す鳥。しかも、尾羽の色はオオルリの幼鳥であることを示していました。特に逃げることもなかったため、何枚か写真を撮っていると親鳥なのか、近くで鳴き声がしたため、その場を後にしました。前回の鳥見もオオルリを撮ることが出来、何度が通うことで偶然の出逢いが増えるようです。
いつもの橋を渡れば、木の根道となる登山道の始まり。時折、雲間から顔を覗かす太陽が笹と幹を照らします。突然、ブーンと羽音を立てて飛び去る虫を何度が目にしますが、最後まで正体はつかめませんでした。幹から飛び去ったので、セミだと思うのですが、鳴き声は全くしません。
気温はさほど上がらないものの、桜峠への分岐点を過ぎる頃には、汗が滴り落ち、いつもより早めに水分補給をしてから第1階段を迎えました。
このブログで何度も登場するおらが山「尼ヶ岳」。その内容は5つに分かれた階段区間を書かずに紹介できません。1300段を超える階段は徐々に段数を伸ばしていき、第4階段が最も長くなりますが、段差や勾配、そして最も重要な心肺能力からして第5階段が核心部です。
今日も第3階段までは順調に進み、迎える最長第4階段。丁度広葉樹に飛び回っていたシジュウカラの様子を窺いながら、呼吸を整えます。地表を覆うシダ類の緑が火照った身体の清涼剤となり、一段一段確実に足を進めます。と言うのも、階段の踏面は水平ではなく、また、段差も不規則です。そのため、ふらついて後方に倒れ落ちてしまう危険性があります。次第に早くなる呼吸と流れる汗だけに囚われず、踏面に広がる小さな庭を楽しみながら、到達点を目指します。
火照った身体は最高潮。さほど気温が高くなくとも、熱中症対策として、第5階段を前にして一休み。「休憩はしないぞ」と無理して登るつもりはありません。自分に競う必要はなく、自分と正直な状態で登ります。呼吸を整えてから登れば、近道になることもあり、精神的にもゆとりが生まれます。
ハードル競技かと思える第5階段。本日一番の踏ん張りどころを過ぎれば、霞みながらも大展望が待つ山頂に到着。この上り階段から解放される瞬間も、この山の醍醐味でしょう。頬を撫でるかのような風は火照りがなければ感じられないもの、登頂した気持ちとともに次第に落ち着きが生まれます。見慣れた展望は、逆に一期一会を最も感じ、「おらが山」と思える所以です。
糖分を補給する間も山頂を訪ねる人はおらず、今日も独り占めの時間。そしてコンデジらしい機能は試せたので、当初の目的は達成。次はいつかと思いながら山頂を後にし、下りの階段へと向かいました。
下山後は、川辺の小さなお店に寄ってからのいつもの…。


木々の緑とは対照的なシダ類がお出迎え

「こんなことも あるんだ」が 第一声

ちゃんと育ってね~

フィトンチッドが見える森

ここまで来ると 何故か安心する…第1階段

綺麗な佇まいは 第2階段

小さな世界が ありました

この傾斜は 後半への準備運動…第3階段

広葉樹が見えれば 後半戦の始まり

明暗が美しい 第4階段

今日は シダ類とともに 登ります

あのベンチは 尼ヶ岳のオアシス

振り返れば 森へと消える 第4階段

第5階段を前に 一息つかせて 頂きます

踏面の世界は 一期一会

今日は 天使が見えました…(笑)

200度以上の展望山頂

至福のひと時

夏が やってきました

さて あの我が町へ 帰りましょう

帰り道は 障害物レース となります

遠くから 視線を感じました

曇り空ならではの 曲線美

高木が美しい 下り階段

夏のツートップで いつもの…(笑)