11月4日 三重県尼ヶ岳
3連休の最終日、お昼時を山頂でと逆算して、駐車場に向かいます。
10月に入り朝晩は涼しくなったとは言え、今年も残暑は厳しく、夏日を超える日が続くことから、遠ざかる一方の山歩き。ようやく秋の気配を感じ始めた11月、自宅周辺の散歩程度しか身体を動かしていないため、まずは山歩きトレーニングで、おらが山「尼ヶ岳」に向かいます。
このブログにおいて最も登場するこの山に、初めて登ったのは2010年9月。そして、今回が22回目となります。登山者数が多い東の高尾山に西の金剛山。特に金剛山では登頂回数が10,000回を超える方も居り、到底足元にも及びませんが、自分史上断トツの登頂回数。
10時10分 駐車場には数台の車と思っていましたが、意外にも1番乗りでした。バディは関西バンビー3で登って以来、3年振りの尼ヶ岳。時は流れても、いつもの林道歩きから始まりです。
陽の当らない林道はひんやりとし、町とは異なる空気感。人工林であっても漂う樹々の匂いや川のせせらぎが、山歩きの楽しさを思い出させます。春になればミソサザイやオオルリ、アオバト、夏になればカッコウが鳴くこの道。通い慣れた道ならではの思い出が今日も積もります。
前回、勝手に名付けた「さくら橋」。名前を付けたことで、更に親近感がアップするのは自己満足。周回起点になるここで橋を渡り、緩い傾斜を増した道へと続きます。
2016年1月から始まったこのブログに尼ヶ岳を投稿するのは今回で12回目。2013年10月から始まった「はてなブログ」の前身、「登山好きのコミュニティ 好日山荘公式スペース」で投稿した回数は不明ですが、半数以上の登山記録が残されていることになります。その記録に必ず登場するのは、尼ヶ岳の代名詞「天にも昇る階段」。
桜峠の分岐点を過ぎれば見えてくる第1階段。「ただいま」「お帰り」の場所。今日はバディのペースで階段登り。歩みは遅くなっても時間は早く感じる第2階段。じんわりと流れ始めた汗が量を増す第3階段。段数の比率で言えば、ここで約半分。しかし、後半はワンステップで2段や3段も出てくるため、実感としてはこれまでの倍を登る気構えが必要であり、自分のペースを知ることが大切。救いはここから広葉樹林となり、明るく、そして、風が通り抜けてくれることでしょう。
足元を見つめ続けた先にあるオアシスベンチが第4階段。勢いでその先を急ぐことはなく、じっくりと息を整えてから歩き始めます。足を上げ過ぎて後ろに転ばないよう注意しながら、やがて見えてくる天使に胸躍る第5階段。ハードルのような階段が地面と一体になれば終了点。
開けた山頂広場には、シンボルツリーから続く山頂標識と最後のオアシスベンチ。段差からの解放と登頂に向けて、ゆっくり近付いていきます。霞のかかった遠望はいつものことで、そんな中、自分の住む町から隣町、周辺の山々を望めたのは、良かったと思える瞬間です。
昼食をとる間に数組が登頂を果たし、それぞれの時間を楽しまれています。私達も秋風を感じながら、周囲の展望を楽しみ、また次の山歩きへと思いを馳せます。
今日も下りは富士見峠経由。上りより段数は減りますが、上りで使った筋力を引いて、下りの重力を加えれば、自ずと危険度合が見えてきます。これからは、これまでの経験を知識とし、現状を体力としながらの山歩きになりますが、それでも山は色んなことで楽しめそうです。そのひとつとして、今回この山では初めて見た「センブリ」でしょう。
下山後は、秋の感謝祭でいつもの…(笑)
駐車場で見送ってくれました… 野菊
光る稜線は 富士見峠から続く尾根
朝陽を受けて清冽な流れ… 前深瀬川
木洩れ日が さくら橋へと導きます
有毒ですが ジョウビタキが好むらしい… マムシグサの実
はんなりとした世界… さくら橋
この時間になれば 朝の光がここまで届く… 第1階段
光る尾根が待っている… 第2階段
灯火が尾根へと導く… 第3階段
試練の段差に彩を添えて… 第4階段
ゲートを過ぎれば オアシスベンチまで あともう少し
林床が輝きを増してきました
「天にも昇る階段」のオアシスは 光の森
第4階段終了点から覗く メインストリート
低山の秋は ほっとする美しさ
振り返って眺める 第4階段終了点
今日も天使が… 第5階段
見た目以上に広がりを感じる山頂広場
光に霞んで見えるは 300名山の「高見山」
西側に広がる景色も お気に入り… おらが山
富士見峠ルートは 段数よりも段差が勝負
至るところで見かけた マツカゼソウ
これからの季節 美しさを増す 帰り道
午後の光が 森を照らします
ではまた 戻ってきます
光る君は… センブリ
収穫は 栗のミルフィーユにシブースト キャラメル オランジェ