Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

梅雨の晴れ間に「おらが山」

5月23日 三重県尼ヶ岳
自宅から20km 30分。約1年振りの駐車場に向かいます。

おらが山と呼ぶ「尼ヶ岳」は室生・赤目・青山国定公園にある室生火山群東端の山。トロイデ状の原形を保ち、その姿から「伊賀富士」と呼ばれています。駅に向かう坂道からその頂き部分を眺めることが出来、正に日常生活と切っても切れないこの山は、僕にとっての「おらが山」。そして見るだけなく、駐車場までの便利さと2時間あれば登って降りてこられる手軽な周回コース。何より、1000数百段にも及ぶ階段は良いトレーニングになります。また、山頂から眺める自分が住む町の他に、東は伊勢湾、西は台高山脈や室生火山群の峰々。春の新緑、夏の朝トレ、秋の紅葉、冬の霧氷…。四季折々に楽しめる万能山です。
今日は貴重な梅雨の晴れ間と空いた午前中を利用し、いつもより少し余裕を持って歩いてみようと思っていました。駐車場に着くと、すでに3台。週末とは言え、大抵は誰も会わない山。人混みを避けてこの山へ登りに来られるのか、それとも、知名度が上がってきたのかは不明です。
林道歩きから始まるこのルート。準備運動の代わりに息を整えながら、歩き始めます。木津川水系前深瀬川に架かる橋を渡ると登山道らしくなりますが、ここで、聞き覚えのある鳥の声。通称「ミソッチ」のミソサザイです。その姿からは想像もできない響き渡る声。その姿を探し求めると、忙しなく動き回っては鳴く姿を発見しましたが、カメラに納めることは出来ませんでした。
気を取り直して山行再開。ゆっくりと人工林の一本道を進むと、いよいよ階段のお出ましです。
何度かここでレポしていますが、1300段ほどの階段は、5つのブロックに分かれており、それぞれが意味を持つように、段階的に山頂へと続きます。登りの核心部となる第4ブロックは左側に広葉樹、右側に針葉樹で始まり、ゲートと称する2本の木を過ぎれば、広葉樹林帯へと入ります。今回はまだ新緑が美しく、いつもより時間を掛けて登るのは、一気に登るのが辛いことへの言い訳かもしれない…(-_-;)
とは言え、ゲートを過ぎた後の130数段は、自分との闘い。第4ブロック終了まで休まずに歩くことが、この山を登る自分の意義。そして、天使が見える第5ブロック (笑)。新緑のトンネルが美しい「天にも昇る階段」の途中、開けたところで振り返れば、ほんの一息つけます。風を少し感じ始めれば、芝生広場となった山頂が開けます。駐車場に停まっていたのは3台。下山で1人、階段の手前で1組を過ごしたので、残りは1組のはず。すでに下山したのか、大洞山へと縦走したのか、山頂はいつものように貸し切り状態でした。
遠くに見える住む町は、陽射しで光って見えるもの、山頂付近は薄日が射す程度。これは、おらが山あるある。展望は全体的に霞んだ感じでしたが、伊勢湾の海岸線は辛うじて見え、地元の町も見えたので、良しとしましょう。いつものように、一通りの写真を撮った後、富士見峠を目指して、別の下り階段に向かいます。この階段を下ったところにあるベンチでおやつタイムにしようと思っていましたが、計算上残りの1組4人が早めのランチをされているようで、そのまま通過し、次のポイントで下山はしていないけども、いつもの…(笑)
再び、前深瀬川沿いの道となり、ミソサザイの声に足を止めてみますが、相変わらずの忙しなさで、今度は姿さえも確認することは出来ませんでした。それでも、美しい鳥達の声と山頂からの展望。そして何より、階段を全う出来たこと。他の山行とは一味違う親近感。それが「おらが山」たる所以なのでしょう。
月に一度はおらが山へ登ってみようかな…(笑)

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林道歩きから始まるのも 悪くないと思える「おらが山」
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ミソッチが戯れる いつもの結界橋…
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今回も始まったと思える 第1ブロック
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段差もレベルアップする 第2ブロック
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階段を見守るかのごとく マムシグサ
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空気まで苔色に染まって見えました
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綺麗な曲線を描く 第3ブロック
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核心部の第4ブロックは 最も情緒的
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道端の広葉樹に 問いかけたくなります
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これほど新緑を感じたのは 初めてかもしれない…
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振り返れば 緑に消えていく第4ブロック
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あのベンチに座る日が来るのだろうか…
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朧げに見える(笑) は 第5ブロック
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天にも昇る階段とは 良いネーミング
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ここで振り返る景色と気持ちも 一期一会
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天使が見える 最終章
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「やっぱり 山頂は丸かった…」
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今日も雲が多い おらが山…アルアル w
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遠くに光るは 我が町
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「さて 帰りましょう」
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罰ゲーム状態の富士見峠ルート…(笑)
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ようやく見えた青空は 山からのご褒美
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新緑のトンネルは 秋には落葉道へと変わります
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核心部は 年々 変化します
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ここでは 山と一緒に いつもの…

ホームの楽園…風は新緑 陽射しは初夏

5月14日 三重県青岳
直前まで花便りを確認しながら、2年振りの駐車場に向かいます。

桜の開花から梅雨入り予報まで、今年は色々なことが早く訪れ、今日の最高気温は27度の夏日予報。まだ暑さに身体が慣れておらず、また、山行回数も少ないため、熱中症に注意を払いながらの出発です。出発点となる朝明駐車場は平日とは言え、思った以上の駐車台数で、週末は駐車場に収まりきれないと係員の方が話していた3年前が思い出されます。ここを起点に向かう山は、釈迦ヶ岳、国見岳、ハライド。これらを中尾根、根の平峠や羽鳥峰峠等を経由し、それぞれが描く山行計画を立てます。
私達はシロヤシオとシャクナゲを求め、3年前の4月に訪ねたブナ清水を経由して国見岳を目指すことにしました。
ブナ清水とは朝明川の源流で、平成初期の地図には載っていないものの、現在は地形図にも掲載され、分岐点には案内表示もある一般ルートです。私達は根の平峠の直下からきのこ岩に向かう登りルートでしか歩いたことはありませんが、確かな踏み跡が続いています。
まずは林道歩きから始まる今日のルート。バディはこの時点で汗が流れ落ちます。朝明川にかかる橋を渡って森に入ると、幾分、涼しくなりますが、まだ身体が暑さに慣れてきません。渡渉を繰り返しつつ、根の平峠に向かうと、お目当ての花達が出迎えてくれます。濃淡様々なイワカガミにシロヤシオ、ミツバツツジにレンゲツツジ。このほか、オオルリを始めとした野鳥の囀りや蛙の合唱が身体に染み渡ります。
分岐点までは、かつて伊勢国近江国と結んだ道「千草街道」。その視点で歩けば、先日訪ねた熊野古道伊勢路の石畳とは異なる趣を感じます。分岐点で一休みをしていると、陽が陰り始め、暑さも幾分慣れてきました。ここからは街道を離れ、朝明川に沿ってブナ清水を目指します。ここで様相は一変し、緩やかにせり上がった円形大劇場の花道を歩くような感覚になります。足元には朝明川の清流、頭上には幾重にも重なる新緑の樹々。
「楽園」という言葉がぴったりの場所。
イワカガミの群落、孤高のシャクナゲ、迸る水飛沫。静と動が調和する世界に響く特徴ある囀りの主は「ミソサザイ」。通称「ミソッチ」(笑)。短い尾羽をピンと立てた姿勢は、見る者全てを癒してくれます。
再び円形劇場の様相になると苔と葉に覆われた2枚の巨岩、朝明川の源流「ブナ清水」に到着です。しかしここは、単にルート上の通過点。案内表示の名前はこの場所ですが、このルートの良さはここだけにあらず、まだまだ続きます。
新緑の向こうに空が見え始めると尾根が近付いてきたことになります。楽しかった伊勢谷を離れ、県境尾根から延びる支尾根「青岳・ハライド登山道」に入り、次のポイント「きのこ岩」に向かいます。その手前、少し入ったところにある展望岩。僕がホーム随一の展望地と思う場所。眼下に広がる伊勢谷の向こうには、釈迦ヶ岳へと延びる県境尾根越しのホーム北部山稜。そして、視線を移せば奥座敷「イブネ」や雨乞岳の中部山稜。3年前に訪ねた時はまだ芽吹いていなかった伊勢谷の樹々は、今回、視界に収まらない新緑のグラデーションを僕に見せてくれました。正に楽園を望む展望地です。
お目当ての花に大好きなミソッチとの遭遇。何よりこの楽園を楽しめたことで今日の山行は終わったも同然。後は、どこで引き返すのかとなります。当初から「国見岳」の手前にある「青岳」が引き返しポイントであり、ある意味予定通りとなりました。そこからは山麓や伊勢湾、遠くは知多半島志摩半島が望め、また、通過山頂であることから訪ねる人も少なく、ゆっくりと展望を楽しみながら昼食を取ることが出来ました。…但し、お箸を忘れましたが…(笑) そろそろホームは蛭休み。暑さ対策をして登れる山を探さねば…。
下山後は、チェックをしていた初見のお店でいつもの…。

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今日はこの川の源流を再訪
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新緑のサンシェードが 街道を覆う
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好みの色が分かれます…イワカガミ
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古の商人が行き交い 賑やかだったのでしょうか
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新緑の陰に隠れて咲いています…シロヤシオ
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さて 楽園へと参りましょう
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清流の音を止める 紅一点 …シャクナゲ
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山の滴が 清流となり 川になります
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ブナ林を映すかのごとく 苔の巨岩
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美しい囀りは 楽園のBGM…ミソサザイ(トリミング処理)
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ブナ清水の手前 あちらこちらで群落…イワカガミ
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ブナ清水を過ぎれば こちらが登場…フデリンドウ
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いつも微笑んでいるように見える…シロヤシオ
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伊勢谷から県境尾根 そして ホーム滋賀県側の峰々
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きのこ岩の向こうには ホームの重鎮「雨乞岳」…僕はトラバースせずに岩の上へ…
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県境尾根と釈迦ヶ岳 そしてホーム北部の峰々…きのこ岩にて
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伊勢湾へ下るホーム三重県側…青岳にて
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ここから あの頂まで15分 でも 頂に興味はない…国見岳
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国見尾根の2大看板…ゆるぎ岩(左)と天狗岩
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現地調達のお箸で「いただきます」
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今年は これ(5月限定カラー w)を被って歩けました
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雨乞岳の右 あの杉峠へと千草街道は続きます
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根の平峠が近付くと 美しい林の一本道でした
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最後まで 楽しませくれます…根の平峠にて
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山笑う 季節は あっという間に 初夏へと…
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左から 御在所岳・国見岳・青岳
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暑さを忘れさせる 濃厚ないつもの…(笑)

古道再び…トレイルの進路は東へ

5月3日 三重県天狗倉山(てんぐらさん)
新緑と常緑が混在する山間を透明度の高い清流沿いに駐車場へ向かいます。

前回ここを訪ねたのは3月中旬。早咲きの新種「クマノザクラ」が見頃を迎えていた頃でした。その桜には若葉が萌え、ウグイスの声が林の中から響き渡ります。前回は、ここ熊野古道伊勢路の中でも美しい石畳が続く馬越峠紀北町から登り始め、峠からは尾鷲トレイルを西進し、便石山への周回ルートをとりました。その時に天狗倉山からおちょぼ岩にも立ち寄る予定でしたが、クマノザクラ見物で予定を変更したため、今回はその残りを埋めることになります。尾鷲トレイルを利用すれば、周回も可能でしたが、国道歩きを避けるため、おちょぼ岩までのピストンとしました。
天狗倉山は紀伊山地台高山脈南部に位置し、尾鷲市紀北町にまたがる標高522mの山。便石山に登った際に訪ねた突端「象の背」と同様に、花崗斑岩が随所で露出し、眼下には尾鷲市街や熊野灘の絶景が広がり、背後に近畿の屋根とも言われる「大台ケ原山」からの台高山脈が連なります。
昨日は尾鷲市にある「県立熊野古道センター」を訪ね、伊勢路のことを更に深く知り、馬越峠に続く石畳はより一層興味深く歩くことが出来ます。先人が歩いた伊勢神宮から熊野三山への道。「伊勢に七度、熊野に三度」という言葉もあったほど、誰もが訪れたいと願う憧れの地であったそうです。今はこうして観光や登山で歩くこととは、当時の人には想像だにしなかったことでしょう。
馬越峠へは石畳だけでなく、尾鷲ヒノキやシダも美しい景観です。特に朝陽に照らされて白く光る幹が印象的で、是非ともここは午前中に訪ねてほしいと思います。
林道に合流し、巨木を過ぎれば、切り通しの向こうにぽっかりとした空間の馬越峠。当時は茶屋が建ち、峠を行き交う旅人のほっとする顔が目に浮かびます。
ここから尾鷲トレイルを東進し天狗倉山、そして、その先にある「おちょぼ岩」を目指します。
馬越峠は332m(案内板表示)、天狗倉山へは約200mの登りです。昨日、古道センターにて峠からおちょぼ岩へと続く稜線を眺めており、凡そのイメージは出来ていました。また、西側に続く便石山への階段道を経験していることも大きく、峠までの道とは打って変わった階段の急坂も呼吸と合わせて登ります。
直下で、北と南コースの分岐点。何も考えず、本能的に南コースを取りましたが、これが正解。山頂までに展望の広がる岩場が2ヶ所あり、尾鷲市街に尾鷲港、稜線を眺めた古道センター等、春の陽気に照らされた景色が広がっていました。そこから更に全身運動でひと登りすると、渕を岩に囲まれて中央に今日一番の巨岩。そこに掛けられた鉄製梯子を登れば、天狗倉山に登頂です。
象の背からも尾鷲の街並みや熊野灘を見ることが出来ましたが、東に位置する天狗倉山は更に近く、正に眼下に広がる景色です。尾鷲港から熊野灘、そして太平洋へ。広がりは世界へと通じていきます。
ここから折り返し地点「おちょぼ岩」へは約1.4km。途中、中継局の設備が建つ所が522m、天狗倉山の最高地点でした。その後、小さなアップダウンを繰り返し、494ピークを過ぎた先に「おちょぼ岩」が現れました。ここは天狗倉山より更に熊野灘寄りで、伊勢路の起点「志摩半島」を霞かに望みます。そこから出発した旅人は馬越峠を越え、西国一の難所と言われた「八鬼山越え」に挑みます。今となっては想像を絶する行程にただただ感嘆するばかりです。
展望だけでなく、その歴史を想像しながら歩くことで更に深みが増した今回の山行。名前や高さではないこうした名峰を探すのも、新しい山行のひとつかもしれない…。
下山後は、昭和と平成の香りが漂う喫茶店でいつもの…。

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便石山から天狗倉山、おちょぼ岩への尾鷲トレイル
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伊勢路のスケールが一目瞭然でした…県立熊野古道センターにて
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木漏れ日の石畳 空気も澄んでいます
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一枚一枚に 人の汗が染み込んでいるのでしょう
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旅人の行き交う姿が 目に浮かびます
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尾鷲ヒノキとシダを望むは 馬越坂の一里塚
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馬越峠は 新旧道の交差点
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まずは 尾鷲の町並を一望…南コース
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昨日はあの芝生から…県立熊野古道センター
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山頂には 岩の花が咲き 中央に標識のある巨岩
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いつもは あの大台ケ原から眺めています
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「象の背」と違い 落ち着いて楽しめました
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紀伊半島の屋根…台高山脈の連なり
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尾鷲港から熊野灘 そして 太平洋へ
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東天狗倉山とあった 520ピーク
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意外にも苦戦した 落葉広葉樹の急坂
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尾鷲トレイルは よく整備されていました
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あの霞んだ志摩半島から伊勢路が続く…おちょぼ岩
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稜線から水平線を望むのは 熊野らしい景色
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旅人もお茶をしたであろう「馬越峠」にて…よもぎのパウンドケーキ
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新たな景色を楽しめる 初めての下り道
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暑くなると 恋しくなる 冷たいいつもの…
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(おまけ)翌朝は 鳥見散歩…お目当ての ミソサザイ
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ふらっと目の前に来てくれました…ヒガラ(トリミング処理)
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美しきかな 春のグラデーション…大台ケ原ドライブウェイより

春の妖精を訪ねて 近くて遠い地元の山

4月24日 三重県局ヶ岳(つぼねがたけ)
自宅から直線距離で31kmにも関わらず、道路事情で84kmかかる登山口の駐車場に向かいます。

10年振りに訪ねた局ヶ岳。白猪山、堀坂山と合わせて伊勢三山、または「伊勢の三つ星」と言われています。古くから伊勢湾で操業する漁師には、海上で位置を判断する目印にしていたそうです。
高見山地の東端に位置する局ヶ岳は、そのピラミッド型の姿から「南伊勢の槍ヶ岳」と呼ばれています。登山道は南北に整備されていますが、南側の新旧登山道を利用した周回が一般的です。
春の妖精と呼ばれる「カタクリ」。山行レポでは、すでに見頃を過ぎているものの、まだ間に合うような感想。カタクリ以外にも春ならでは花を楽しめるようで、今回の目的は花をメインにしたトレーニング山行。ルートも最短になる「新登山口」ピストンとしました。
周回ルートの起点になる局ヶ岳神社の駐車場には数台とマイクロバスが1台。思ったより少なく感じました。私達の起点はそこからまだ数100m先の新登山口。傾斜のきつい林道をショートカットします。
駐車場に着くと清涼感のある美しい鳥の声が出迎えてくれます。聞き覚えのある声の主は日本三鳴鳥「オオルリ」。ようやく姿を確認し1枚だけ写真に納めたところで飛び去ってしまいました。
登山口の標識には山頂まで22町と37m(2,435m)。序盤から急坂が続くのは、山容から想像が出来ます。前回は周回ルートのため、この新道を下山に利用しています。結構、ルートは記憶しているのですが、この山に関しては、山頂の風景と誰一人も会わなかったことしか記憶がなく、まるで初めて訪ねた山のような感じで、ジグザグの急登を進みます。足元にはスミレが咲き、頭上は時折射す陽射しに新緑が映えます。まさに「山笑う」光景です。
地形図では道が交差していますが、良く整備され、脇道へ進入しないようになっています。相変わらずの急坂が続くものの、自然林と人工林が適度に共生した明るい登山道は春らしい気温とともに身体中の細胞を活性化してくれます。
道端にカタクリが見え始めた頃、尾根に取り付きます。ここから道の両側にはカタクリが増え始めました。カタクリは咲いた後、地上部が枯れてしまうため、春先の短い期間だけ姿を現すことから「春の妖精」と呼ばれるのかも知れません。また、発芽から開花まで8~9年を要し、2枚葉になってようやく花をつけます。1枚葉の期間が長い訳で、至るところに見つけることが出来ますが、花に注意を注ぐとそれらを踏んでしまいかねません。
しばらくして旧小峠。山頂まで400m。旧道と合流すれば小峠。やがて、最後の直登が始まり、大きな岩を回り込めば、イワカガミが出迎えてくれました。高山植物でも人気のあるコイワカガミの低山種。この花を見るとアルプスへの思いが強くなると共に、少し得した気分にも浸れます。ミツバツツジが見え始めると頭上が開け始め、本家の槍ヶ岳同様の狭い山頂広場(但し、こちらは平ですが…)。反射板以外は遮るものがない山頂からの展望。おらが山から大峯奥駈道、そして、航路の目印となるだけあって海岸線も望めます。
時間も早いことから、昼食は下山途中で済ませることにしました。いつもながら、登りでは見つけることの出来なかった花を楽しみながらの下山路。思ったほど急坂に感じることなく、また、久しぶりの山行に「膝笑う」こともありませんでした。
下山後は、改装されて気になっていたお店に寄った後、別腹でいつもの…(笑)

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本日のルート 局ヶ岳の由来(一説)も載っていました
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今年もキザ男君の季節です…マムシグサ
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スミレ界の観葉植物…フイリシハイスミレ (?)
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ここでは 名前の通りでした…ヒトリシズカ
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白の中の白だと思う…ミヤマシキミ
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どことなく愛嬌を振ります…ジロボウエンゴサク
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スミレの王道でしょうか?…タチツボスミレ
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自宅周辺で見ると春を感じる…ミツバツツジ
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黄色く目立ちますが ひっそりと…キジムシロ (?)
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美しき「春の登山道」
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本日一番の反り具合でした(笑)…カタクリ
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冠の付かない名前もあるのですね…スミレ (?)
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先端が近付いてきたこと感じます
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高山帯より濃厚な雰囲気がする…イワカガミ
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こちらは爽やかな桜色…
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霧氷「三峰山」からおらが山「尼ヶ岳」へ続く稜線
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蜂とともに 忙しなく舞っていました
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山肌に散りばめられた 宝石です
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食後のおやつも楽しめる 春の陽気
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人工林を飾る新緑が 足を止めました
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春の木漏れ日が 優しく包みます
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小さな風船が 風に揺れているよう…アセビ
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「山笑う」…見ている私も微笑んでしまう
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麓から見上げる 「南伊勢の槍ヶ岳
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最強の街道餅で いつもの…

熊野路を 新旧の道で周回…

3月14日 三重県便石山(びんしやま)
旅と山をセットにした週末。泊地であり、出発点でもある道の駅に向かいます。

北陸、山陰、八ヶ岳…。各方面を視野に入れながら山行計画を立てます。土曜日は荒天予報のため、日帰り山行とし、雪を踏みに日本海側を予定していましたが、日曜は太平洋側が晴れると言う予報になり、地元は南部の低山縦走周回に落ち着きました。
当初、熊野古道伊勢路で馬越(まごせ)峠に向かい、そこから天狗倉山、おちょぼ岩を往復して、便石山への周回ルートでした。しかし、ちょうどクマノザクラが見頃を迎えていることを知り、午後から桜探訪に変更。峠からは便石山へ向かうことにしました。
クマノザクラとは2018年に自生種として100年振りに発見された新種の桜。紀伊半島南部、三重県奈良県和歌山県に分布する野生種で、山桜より早く咲く花は香り豊かでソメイヨシノよりひと回り小さく思えました。
さて、時を戻して便石山。標高599mの展望なき山に向かう理由は2つ。
登山口から分岐の馬越峠まで続く熊野古道伊勢路の石畳。日本有数の降水量を誇る尾鷲地域ならではの、大小様々な自然石を巧みに組み合わせ、尾鷲ヒノキの林を進む道は、当時の面影を濃く残しています。この日も昨日までの雨が沢から勢いよく流れ出て、一部登山道を冠水する箇所もありましたが、石畳のお陰で靴を濡らすことなく通り過ごせました。重機はもちろん、満足のいく道具も揃わなかっただろう時代に、これほどまでの土木工事を行い、後世に残る美しい道を作った「人の力」に良くも悪くも驚かされます。そして、これらの道が積み重なり「世界遺産」に登録されたことは納得が出来ます。
所々、解説板が立ち、また、22分割された案内杭を目安に登っていると、その約半分の13で馬越峠に到着。あとの数字は、尾鷲市側の登山口を目指しているのでしょうか。
ここは新旧の道が交差する四辻。古道の伊勢路尾鷲市内へと下り、熊野本宮へと続きます。私達が進む新道「尾鷲トレイル」は全長37.7㎞。その一部を利用する便石山へはCT 2時間となっていました。
325mの峠を一旦下り、緩やかなアップダウンを繰り返せば、お椀を被せたような便石山が目前に迫り、約300mの急な登りとなります。そのほとんどは整備された階段とは言え、ペース配分が大切な箇所です。時折、樹間から熊野灘尾鷲市内を眺めることは出来ますが、基本的には展望のない急登が続きます。巨岩が点在し、反射板を過ぎると道はなだらかになり、下山ルートになるキャンプ場からの道と合流すれば山頂に到着。樹林に囲まれ、標識だけが頂を示す場所です。
そして、この山を目指すもうひとつの理由は、山頂から少し下った所にある「象の背」と呼ばれる絶景ポイント。その形状から名前が付いた巨岩は、飛び込み台の如く空中に突き出し、熊野灘を始め市街地を眼下に見渡せます。ただ、数10cmの幅しか歩けない背中は両側が切れ落ち、転倒は即命取り。事故報告は検索出来なかったため、大きな事故は確認出来ませんが、一歩間違えれば取返しが付かなくなることは必須です。とは言え、バディの制止を聞かず先端まで行き、恐る恐るターンをして戻ってきました。
下山路はキャンプイン海山を目指すルート。登りと同様に展望のない急な階段の下りに加え、不安定な道が混在していました。林道と交差し、沢沿いに歩き始めれば、キャンプ場まで残り僅かとなります。しかし、低山周回アルアルで、ここから出発地点の道の駅まで3.2㎞の舗装道を戻らねばなりません 。
春の陽気を思わす中、銚子川の向こうに見える今日歩いた稜線と便石山。モズが鳴き、河津桜は葉桜となり、満開を迎えるはクマノザクラ…。足元をトレランシューズに履き替え、季節は春を迎えようとしています。
下山後は、クマノザクラとともに郷土の和菓子でいつもの…。

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朝陽を背に 悠久の道へ
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緩やかな曲線が 更に石畳を美しくさせます
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最も美しい箇所だと 感じました
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尾鷲ヒノキの幹が 映えました
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石畳同様 歴史を感じさせる巨木たち
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本日の周回ルート…馬越峠
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シダの林床が美しい 尾鷲トレイル
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視界が開けると 低山ならではの展望でした
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遥か遠くに思える 便石山
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ダイヤモンドトレイルを彷彿させる 階段道
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いつ見ても ホッとする シダの芽生え
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朝の歌声が 林に響いていました…メジロ
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あの岩場に立つのが 今日の目標…「象の背」
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目標達成(笑と汗)
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スタート地点側…紀北町を流れる銚子川
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往きはよいよい 帰りは怖い
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古道は 尾鷲市街を越え 熊野本宮へ
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道幅が広いか 狭いかは 個人差があります
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林道から 最後に渡る橋が 見えています
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黄色い花を見ると「春だなぁ」と思います…レンギョウ
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いつもクールな表情…モズ
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林道から見た橋にて 今日の山行を振り返ります
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橋を渡った先で待ってくれていました…クマノザクラ
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水が入り始めています…丸山千枚田
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花より団子…いえ 花とオサスリ

イブの続きを始めたくて…湖北路

2月20日 滋賀県寒風
昨年のクリスマスイブと同じような空模様の下、メタセコイア並木を抜けて、駐車場に向かいます。

関西に雪をもたらした12月。天候が下り坂の中、湖北はマキノ高原に向かいました。出発時間が遅かったのもありますが、トレースのない雪深きルートにP562直下の展望地をピークとした前回の山行から2ヶ月。先週半ばに再び降雪があった湖北に向かいます。
山麓の情報では降雪量は30㎝ほど。前回の反省から、1時間程早く到着しましたが、雪遊びが出来るマキノ高原ファミリースキー場を訪ねる家族と私達と同じように雪山を楽しむ方で結構な賑わいを見せています。
ここを起点に、多くの方は赤坂山もしくは赤坂山からの周回で寒風を目指します。そのため、私達が向かう寒風へのルートを登りに利用する方は少数派になり、静かな山行を楽しめますが、その裏返しに、トレースがないこともあります。思い返せば8年前、レンタルスノーシューでノートレースの寒風から赤坂山へ周回したことが、こことの出逢い。真っ青な空の下、2人分のトレースしかない高島トレイル。あの感動を越える周回はないと思い、あれからは寒風の先は大谷山になっています。
駐車場を抜けたところから雪があり、そこからスノーシューを装着。このアクセスの良さもスノーシューハイクを楽しむ大きな理由のひとつでしょう。ファミリーゲレンデから聞こえる歓声を耳に、ゲレンデ跡を眺めると、2組のパーティが見えました。これでトレースは確保されたと、ひとまず安心。予報は晴れ。ただし、朝のうちは稜線に雲が残るとのことでしたが、上空の高曇りと稜線を隠す雲は、そう簡単に取れそうにもない雰囲気でした。
ゲレンデ跡に取り付くと、見事はハイウェイが完成されていました。こうなれば、ある意味夏道より歩きやすいのが雪道。ヒールリフターを上げ、汗をかかないようゆっくりと登りますが、バディは早くも袖を捲っています。
前回苦労したゲレンデ跡を難なく通過し、振り返ってみる山麓の景色。そこには、いつもと同じ景色があるだけですが、好きな景色と言うものは、いつ見ても綺麗であり、身体の浄化作用があるのではないかと思います。雪に阻まれて急斜面を登ることもなく、トレースに沿って進めば、あっという間に前回のピーク「メタセコイア並木」の展望地。青空の気配が一向に感じられない中、針葉樹の扉を奥へと入っていきます。
高木の広葉樹が上空を覆う冬枯れ道。周囲は雪と霞みでミルキーウェイ。樹々を縫うよう付けられたトレースを進めば、いつしか夏道と分かれ、尾根道を行く冬の一本道になります。この辺りから天候に関係のない素晴らしい世界へ。ここを一気に通過してしまう下りに使うことは、とても勿体なく思います。一旦、左側の展望が開けますが、ミルキーウェイが濃くなるばかり。最後の急登を終えれば、門番の木に出迎えられ、標高840m 寒風に到着です。
林の向こうから風の唸り声が聞こえる中、無風の斜面で昼食をとっていると、時折、雲が流れて薄日が影を落とします。劇的変化の前触れかと期待しながら休憩を取りますが、そう容易く変化は起こりません。稜線の視界が開け始め、もう少しで青空になると判っていましたが、雲間に見た青空で満足し、山頂を後にします。何度も訪ねている山では、晴れ間を見ることよりも、その山に入っていることの喜びが勝るようになってきたこの頃。登れることの有難さと山に見せてもらえる景色。これだけで十分です。そして、ここまで積み重ねた安全登山を継続し、山を続けること。
すっかり青空になった下山路。トレースを離れ、真っ新な雪の林床を歩きながら、スノーシューの浮遊感を楽しむことは、一時の展望にも勝り、この瞬間はまさに今しかない出来事です。核心部のトラバースを抜ければ、山麓が見渡せるゲレンデ跡トップ。そこからは白く輝く稜線を振り返りながら、汗ばむ陽気とともに下ります。更に賑わいを増したファミリーゲレンデ。キャンプ場にはテントも数張。
「あぁ、面白かった」
駐車場に戻って、稜線を眺めながら、今日の山行を振り返った一言でした。
下山後は、洋と和のコラボレーションでいつもの…。

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ゲレンデ跡を登る先行者…ここからお礼を申し上げます
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前回引き返した地点を過ぎ P562に向かいます
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同じ雪景色なのに 何故か感じる「湖北の匂い」
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展望地以来 初めて広がる景色…稜線は近い
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春になれば イワカガミが咲く林床も 今はモノトーン
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直下の直登…風はないけど 見通しもない (笑)
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お久しぶりです 「寒風」の門番さま
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積雪は80㎝超えの 山頂でした
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メタセコイア並木を見ることが出来れば それで良いんです
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山麓の展望から振り返ると ミルキー青空
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薄日が射す中 帰り始めます
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激しく流れる雲の動きは 感情を揺さぶります
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大谷山方面も見え 青空へのカウントダウン…
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赤坂山への稜線…高島トレイルは 全長80km
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違う山に来たような 往きと帰りで変化する展望
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里に向かって スノーシューハイク 第2幕
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赤坂山からの周回者…風はどうなんでしょう
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影絵は 青空のバロメーター
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1時間ほど前の景色が嘘のようです
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近くて遠い大谷山…登頂の秘訣は「心」
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兎と小動物の クロスオーバー
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今日はこれが全てだと思えます
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春霞に浮かぶ 琵琶湖の曲線美
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ゲレンデ跡から 大谷山と前回のピーク
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桜と苺…春の倍返しで いつもの…

厳冬期の南八…テントライフ

2月5~6日 長野県編笠山

2月5日
青空を確信させる朝、期待を膨らませ、甲斐駒ヶ岳が望める駐車場に向かいます。

数十年前のGWに娘と登った編笠山。山頂から見た雪景色の赤岳を初め、南八の岩峰群は、まだファミリー登山の域に居た自分にとって強烈な印象を与えました。時が過ぎ、本格的に山をやり始めてからも、編笠山から見る景色は特別な思いに駆られ、訪ねる度に当時を思い出しています。
この時期の拠点、富士見高原からのルートはその山容が表すとおり、長く緩やか裾野から始まりました。
一昨日から降ったものか、登山道に入ったところから、雪が残っています。何度か林道と交差し、盃流しの沢を越えて乗った尾根が、これから始まる山行のスタート地点と呼んでよいでしょう。
テント装備のため、休憩とあわせてアイゼンを装着。ここ数年は1,900m付近の急登地点だったため、ずいぶん手前からになります。昨年の3月、氷結した登山道に苦労し、結局登り切った2,150m付近で撤退して以来の編笠山。そのつづら折り急登は、締まった雪のお陰で歩きやすいものの、去年来、慣れないザックの重さが体力を消耗させます。
前回、撤退した地点を通過したあたりから、トレースはつぼ足状態になり、一歩の負担が急上昇。また、スノーバスケットが破損するトラブルにも見舞われます。このルートは山頂直下まで樹林帯を歩くため、一気に広がる展望は高度感と解放感を味わえます。そして、目の前に現れた小さな空間。疲れていたためか、青空が見えるその空間は、森林限界が近い場所と勘違い。再び、樹林帯に入り、道は更に雪深くなります。そして一度、緩んでしまった気持ちを立て直すことは至難の業で「山頂まで1時間」の案内に心は折れ、山頂を越えた青年小屋での幕営は無理だと思いました。
バディは下山を希望。しかし、それも危険ではないかと思い、樹林帯で幕営できればと適当な場所を探しながら進みます。結果オーライのため、これが正しい判断であったかは、後々考えねばなりませんが、2,299m 森林限界手前の登山道脇にテントを張った跡があり、整地することなく幕営できました。設営中、駐車場で挨拶をした2名の方と話をしたことで、少し気分転換。ここまでの道中では「もう、次はないな」と思っており、山頂からの展望を是が非でもと、渋るバディと共にサミットプッシュ。
ここから道は更に急登となり、待ちに待った樹林帯を抜けました。このことから、山頂を除き、幕営地として最高地点だったと言えます。
岩稜帯に入れば風の洗礼を受けるのが編笠山。断続的に10m程度、時にはそれ以上の西風を全身に受けますが、経験上、登れないほどの風ではありません。背後に広がる富士山、南、中央、北アルプスの展望がこれまでの苦労を風と共に流していきます。所々、踏み跡は消え、また、心配された踏み抜きもなく山頂が少しづつ近付いてきます。そして、エビの尻尾に覆われた山頂標識と共に姿を現す南八の名峰たち。
「明けない夜がないのと同じで 終わりのない登りはない」
そう言い聞かせてきた今回の山行。ひとまず終わりが見えました。
今日の入山者は自分達を含め7名。この時間帯の山頂に立てたことは初めての経験であり、当然、自分達2人しか居ません。衰えを知らぬ風はゆっくりと景色を味わう雰囲気ではありませんが、しっかりと目に焼き付けることが出来ました。また、八ヶ岳を柱に、北は白馬から東の富士山まで続く遠景、近景はいくら見ていても飽きることはありません。しかし、陽が傾き始めた今、安全確保のためには潮時です。屏風絵の如く前方に広がる南アルプスと歩いてきた裾野。丁度、編笠山をひっくり返したかのように、釜無川を底にして、巨大なすり鉢が広がる景色。そこに飛び込むような錯覚を抱きながら樹林帯へと向かいます。全てを脳裏に刻むことは無理だとしても、この帰り道の思い出をいつまでも大切に残しておきたい。
再び樹林帯に入ると、ひとつの幕が閉じた気分。次の幕は水作りから始まる厳冬期テントライフ。編笠山の懐深くで過ごす一夜は、展望に勝るとも劣らないかけがえのない時間でした。

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目指す頂きは この後 登頂まで姿を隠します
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この季節 青空と風は 別物です
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つづら折りが終わる2100m付近は 木漏れ日ゾーン
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トレースの変化に対応しながら進みます
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大きな勘違いをした 小さな世界…
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つぼ足山行は 試練と我慢
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13時40分 奇跡のテント場に到着
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待ちに待った 南ア北部の名峰たち
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森林限界に向かって…
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遂に森林限界を迎え 展望が待つ岩稜帯へ…
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まずは 富士山からの南アルプス…
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続いて 南アルプスからの中央アルプス…
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最後は 中央アルプスからの御嶽と乗鞍岳
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空を眺めれば 岩と雪の世界
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厳冬期の風と共に まずは偽ピーク へ
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ピークに向かって 最後の登り
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富士山やアルプスを眺めながら 雪山を楽しみます
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このルートで最も好きな場所
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次の朝には 崩落したエビの尻尾…日々 変化です
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2月ともは思えない富士山ですが 日本一には変わりなし
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歩いた文三郎ルートを目で追いながら…赤岳
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風を除けた場所からの「阿弥陀岳
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雪面の山脈は 緩やかでした
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厳冬期「編笠山」… 見るものは全て見た気持ちです
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この景色と出逢えたことに感謝
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パノラマの下りは 編笠山の代名詞
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初めての夕暮れ迫る景色は これが見納め
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水を作りながら眺める「雪行灯」
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安定の美味しさに 自画自賛
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風がないため 意外と寒さは感じません

2月6日
上空を過ぎて行く風の音が一晩中聞こえていたように思えます。テントを始めた頃だと気になって眠れぬ夜になったかもしれません。経験は耳栓よりも効果が高く、今ではテントを揺らすほどの風が吹いても眠れます。予報では午前中は稜線に雲がかかるとのことでしたが、昨日同様、雲ひとつない快晴になり、これでは夜明け前に展望地まで登って写真を撮れば良かったかと思いました。
今回のように山行途中で幕営地を変更したのは2度目。前回は5年前の黒戸尾根。その時も山行前日に降った雪の影響で七丈小屋へ辿り着けず、五丈小屋跡に張りました。人の気配が全くない雪のテント場。聞こえてくる風と梢のハーモニー。灯りは自分達のテントだけで真の闇が見える世界。
早朝と同様、昨夜、夜景撮影に向かえなかったのは、体力ではなく気力の問題。私達が計画する冬山テント山行は体力より気力が落ちた分、標高を下げなければなりません。昨日の山行は今後の計画に転機を促す、ひとつの分岐点になったことは間違いのないことです。
朝食をとり、撤収の準備も一段落したところで、一人、森林限界地点まで向かうことにします。最後にもう一度、眺めておきたい気持ち。気力が体力を上回った瞬間です。
空荷とは言え、冷えた身体で急登に取りかかるため、慎重に歩き始めます。昨日、午後の斜陽を受け、黄砂の影響で黄色く染まった中央アルプス方面の空。今朝は青波がどこまでも続いています。槍ヶ岳を眺めるところまで登り、手当たり次第と言っていいほどシャッターを押し、気が付けば寒さで指先に痛みを感じます。迂闊にも、行動用のウール手袋のみで撮影していたためです。もう十分であろうと思えたところで戻り支度を始め、いつものように手袋の中で指先を温めようと拳を握ったところ、左右両方の指数本、第1関節から先が固まっています。感覚はありますが、触れる感覚はありません。正直、焦りました。ずっと握って温めたいものの、樹林帯まではピッケルが必要で、握らないわけにはいきません。逸る気持ちを抑えて樹林帯に戻り、しばし立ち止まって「戻れ、戻れ」と祈りながら指先を温めます。ほどなく、感覚が戻り始め、かゆみと痛みが継続して生じます。この時点で初めて指を見ると、指先が少し赤くなっている程度で、大事には至りませんでした。時間にして10分程度ですが、冬山では「これぐらい」は禁物です。
今回の山行はトレースと言い、直下のテントサイト、そして凍傷未遂とギリギリのところで事なきを得ました。久しぶりであったことを含め、油断のあったことは否めません。また、慣れた山、快晴、最後かも知れない等、様々な要因が思考力を鈍らせています。取りあえず、安全に下山したことは、山行が成功したことの証しですが、正解だったかどうかは言い切れません。
昨日と打って変わってゆっくりとした時間を過ごし、いよいよ下山することに。本当に奇跡的なテントサイトを作って下さった方にあらためてお礼を伝え、昨日苦労した道を戻り始めます。つぼ足だったトレースは、週末登山者のお陰で一本の道になり、夏道より歩きやすくなっています。それこそあっという間に下山した感じで、急坂を下り終えた1,800m付近の明るい林で、春の陽気を思わす暖かな陽射しを受けながら、ランチタイムとしました。白樺林と雪景色。ホームや地元では味わえない雰囲気。今後、雪を踏みたくなったならば、スノーシューハイクへと移行するのも時の流れだと思います。
最後に青空の下、お椀のような頂を見せる編笠山に別れを告げ、人工的にクールダウンさせるいつもの…。

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昨日とは違う 今朝の登り坂
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振り返って眺める景色にも 親近感を感じます
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森林限界を超えて 北岳甲斐駒ヶ岳仙丈ヶ岳
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白き山嶺が輝きを増す 朝の展望
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全ての景色は「一期一会」
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このまま山頂に登ってしまいたくなります
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諏訪湖越しの北アルプス 編笠山らしい景色
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いつの日か 頂きに立ってみたい…北岳
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登頂よりも 印象深い 冬の黒戸尾根山行…甲斐駒ヶ岳
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初めての南アルプスはここから…仙丈ケ岳
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雪景色はいつも遠望…木曽駒ケ岳
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今年は頂きに立つのだろうか…御嶽山
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永遠の憧れ…槍・穂高連峰
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思い出に残る一晩を過ごさせていただきました
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唯一心配だった頭上の雪…
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下山中 最後の展望に感謝
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つぼ足は 見事なトレースに 進化していました
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1本の高速道路が 林の中を突っ切ります
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忘れられない 勘違いの場所
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春を思わす 日当たり良好の林
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何気ない注意書きを胸に 下山します
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しばらくは レンズ越しのにらめっこ
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この道も これが最後の見納めでしょう…
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テントを張ったのは どこだろう…
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山頂から眺めても 麓から眺めても 素晴らしい山に変わりなし
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いつかこの展望を 皆と揃って 眺めましょう
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昭和感たっぷりのお店で いつもの…