ホームで初登頂!春色の山を初夏の陽射しで…
4月21日 三重県ハライド(祓戸)
ホーム鈴鹿には主峰御在所岳を初め鈴鹿セブンマウンテンと言う個性的な山がありますが、その他にも四季折々楽しむことのできる山やルートがあります…ただし、僕は5月~10月は蛭休み…(笑) 今回は花の便りに誘われて、初めてのルートを訪ねました。
登山口の朝明渓谷。最近は冬の釈迦ヶ岳で訪ねる場所。いつもはまばらな駐車場も、9時現在でほぼ満車。係の方に尋ねると、天気の良い週末は大抵こんな状態だそうです。
今日のルートは茸岩を折り返し地点とする周回ルート。我々は核心部のハライドの急坂を登りとする左周りとしました。根の平峠分岐まで林道を歩きます。最初に訪ねるブナ清水は、朝明川の源流のひとつ。今は渓谷美を飾るこの川がどのように変化していくのかもこのルートを楽しむひとつでしょう。17年前、家族とともに根の平峠まで歩いた道も、記憶は薄れ、初めて通る道のようです。この道は旧千草街道で、鈴鹿の奥座敷「イブネ」へ入る際、滋賀県側から分岐の杉峠まで歩く歴史街道。初夏を思わす陽射しを受け新緑は輝きを増し、ヤマザクラやミツバツツジは寒暖の色彩を強めます。鳥の囀りに沢の音を聞きながら、先人達が通った時代を思い起こします。
足元に咲く春の使者「タチツボスミレ」。前回の山行(荒島岳)から約1ケ月が経ち、山は一気に春の装い。町で感じる四季の移ろいとは異なる山の四季。そして「今年も会えたね」と思う山の四季。
根の平峠直下でブナ清水への分岐となり、道は更に山の懐に入ります。時折激しい水飛沫の音を立てる朝明川に沿って新緑にはまだ早いブナの森を進むと、苔に覆われた大きな岩が現れます。その岩の割れ目から流れる澄み切った水が林床を分けています。ブナの森が育んだ清らかな水。朝明川の源流「ブナ清水」に到着です。岩穴を覗いてみると、源流は雫ではなく、細いながらも結構な勢いで流れ出ていました。稜線近くから湧水が流れ出るのはホームの特徴。どれほどこの山系は水を溜めているのでしょうか?そこから少し登った場所で昼食。まるでブナに見守られているような時間でした。
紅葉シーズンを思いながら落ち葉を踏みしめ、林床一面を覆うイワウチワの大群落を過ぎると、次の目的地「ヤシオ尾根」に出ます。この尾根、名前のとおりアカヤシオの稜線。まだ、蕾が多くあり、満開はGW頃かと思いますが、それでも見頃な花が我々を迎えてくれます。そして、折り返し地点の「茸岩」。鈴鹿山脈中部らしい奇岩です。少し頑張って大岩を登ると、眼下には伊勢谷が大きく広がり、釈迦ケ岳から続く県境尾根が一望できます。視線を横にずらせば、奥座敷「イブネ」に雨乞岳。僕が知る限り、これほどの絶景ポイントはそう多くはありません。
先ほどの分岐点まで戻り、最終目的地「ハライド」を目指します。鈴鹿にはカタカナ表記の山が多くありますが、ここは漢字では「祓戸」と書きます。意味を調べてみると、「神事を行う場所」とあります。そんな神聖な場所だからなのか、その頂へは険しい道のりが待っています。本日の核心部、「ハライドへの道」が始まりました。
ハライドは地図からも判るように周囲に険しい崖を備えています。ヤシオ尾根からは腰越峠経由で向かいますが、その峠を境に急坂となっており、特に尾根からの下りは、標高差100mを超えています。ハライドへの登り返しは80mほど。腰越峠への下りは樹林、ハライドへの登りはザレ場。右回りか左回りかの判断材料はこの通過だと思います。
ハライド山頂からは腰越谷を飾るアカヤシオや御在所岳、国見岳、青岳の三連峰。そして、出発地点「朝明渓谷」を挟んで広がる釈迦ヶ岳。美しい展望がそこにはありました。
ハライド北尾根で朝明渓谷に戻ります。標高を下げていくと、アカヤシオからレンゲツツジ、春を待つまだ固い芽から新緑へと色彩を変えていきます。途中、急峻な谷を眺めながら通過する場所もあり、危険性を感じないまでも最後まで気を抜いてはいけないのが安全登山だと思います。
まもなくGW。GW後半は天気が移りやすい予報となっていますが、どうなることでしょうか?その準備運動として向かった初ルート。ホーム鈴鹿の奥深さをあらためて感じる山行となりました。
下山後は、定番と季節を交えたいつもの…(笑)
今日のルート…駐車場にある大きな地図
春の雪洞ですね…八重桜
いつの時代でも 新緑は美しい
しばらくは朝明川を辿ります
鈴鹿で見ると 尚更春を感じます…タチツボスミレ
今はまだ 新緑の源…キブシ
同じ色系統でも 寒暖の差を感じます
春の生命力を感じます…ミツバツツジ
この花も春の使者…クロモジ
ほとばしる水飛沫に 涼しさを戴く
随分と川幅が狭くなってきました
源流の館…ブナ清水
見上げれば ブナの合唱が聞こえてくる…ブナ清水
森と水 鈴鹿にはそんな世界がたくさんあります
アウトドアな季節ですね
ここからの展望は感動しました…茸岩
アカヤシオの向こうには テーブルランドの「イブネ」
ヤシオ尾根の名前通りです
午後の陽射しが 森を優しく包みます
後半のルートが見えない…ハライド
新緑より先に谷を染める アカヤシオ
大好きな冬の釈迦ケ岳周回ルートが一望
これも春を代表する花…フデリンドウ
新緑とアカヤシオが共存する中腹です
ホームでは ここに立ち寄れる いつもの楽しさ…(笑)