Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

本家「おらが山」で 2023年登り納め

12月29日 三重県尼ヶ岳
走り慣れた道を1年振りとなる駐車場に向かいます。

人生の節目となった2023年も残すところ3日となり、一区切りをつけたく、恒例の登り納めへと向かいました。行先はこれも恒例になった「おらが山・尼ヶ岳」。諸事情により行く機会がなく、気付けば昨年の登り納め以来となりました。昨年は登山口へのアプローチから雪が残っていました。今朝、住宅地から山頂部を見ると、そんな気配が全くありません。様子からして霧氷の白さも見られませんが、クリスマス寒波の名残で多少の雪は残っていることでしょう。
今日も駐車場は貸し切り。足元はトレランシューズ、上着は薄手の防風着で出発。昨年はフリースを着ていたことを考えれば、随分と暖かい年末です。振り返ってみると、ここ数年は雪の登り納めになっており、関西・東海はクリスマス寒波がやってきたことになります。
林道から前深瀬川にかかる橋を渡り返せば、周回コースの始まり。ミソサザイやオオルリ、カッコウの鳴く林は、せせらぎの音が聞こえてくるだけです。その林に届く朝陽は、天使の梯子となり、林床を照らします。林業の方が作業するエンジン音が遠くから聞こえてくるなか、ゆっくりと斜度を上げていきます。桜峠からの分岐を過ぎれば、前方にはベンチと階段が見えてきました。始まりのような終わりのような、この景色。CT的には丁度中間地点となる訳ですが、尼ヶ岳の代名詞となる「天にも昇る階段」が始まるここがこのルートの始まりであり、階段登りが始まると一気に頂上へと繋がるような気がして、その風景が目に浮かびます。
ここで防寒着を脱ぎ、一口水を含んでからの出発。1300段を超える階段の第一歩に、これと言った感情が湧く訳ではありませんが、帰ってきた感がする「戻りの階段」。6月、マムシグサの咲く第2階段。今は綺麗に刈り取られた田んぼのように何も生えていません。まだ階段登りの影響が出ず、つい早足で歩きたくなる「焦りの階段」。標高750m辺りから始まる第3階段。最も綺麗な弧を描き、支尾根へと続く道。段々、天にも昇る感が出てきます。冬の時期でなければ、すでに大汗。それだけで体力と気力が消耗され、早くあの光射す第4階段の入口に着きたいと思いながら登っていく「導きの階段」。
第4階段で広葉樹が現れる混交林帯。何やら鳥の声も聞こえてきます。やがて林に響く木を突く音。慌ただしく幹を動き回る姿は「コゲラ」でした。緩やかな斜面から始まった階段も途中から斜度がきつくなり、ゲートと呼ぶ木を過ぎればハードルとなって現れる「試しの階段」。最長区間の第4階段を登り切れば、真っすぐ続く道の先に第5階段が見え、その手前、2ヶ所に分かれて並ぶオアシスベンチ。
このベンチで一息つくことが多かった近年、今日はそのまま最終階段へ。冬枯れの今、弧を描く稜線が階段の先に見えています。そして、階段脇には模様のように残った雪。途中で振り返れば、陽の当たる山麓が輝いて見え、その光が頂上直下で届く「昇りの階段」。天使に誘われて見上げれば、地球を連想させる頂上広場。南西から北東へ開けた展望は、正に、我が町を俯瞰する山。
「住宅地から眺めるも良し。山頂から眺めるも良し。」
ここ最近、連続で登っていた三峰山。新・おらが山と呼ぶには変わりはありませんが、やはり本家本元、地元感と親近感は半端ありませんでした。
その三峰山を始め、室生火山群、青山高原などの遠望は少し霞んで見え、思ったよりも青空が広がらない尼ヶ岳アルアルで2023年の登り納め。貸し切りの山頂をいい事に、何度か挑戦してのジャンプ写真。
今年と同様、来年も「量より質」で息長く山と関わりを持っていければと思います。
下山後は、お決まりの食べ方でいつもの…(笑)


もう何度 この橋を渡ったことでしょう

郭公の鳴く林は 木漏れ日の朝

懐かしさと親しみ… 第1階段

落ち着いて あの支尾根を目指します… 第2階段

同じ階段でも美しさを感じます… 第3階段

ここを一気に登れるかが ひとつの目安… 第4階段

柔らかい光に ホッとする… オアシスベンチ

冬枯れの森は 明るく 美しい

さて 階段物語 前編も そろそろ終わり… 第5階段

「天にも昇る階段」は 本当に良いネーミング

このハードル階段が いいんです (笑)

今冬 初の雪踏み

2023年の終わり 天使と出逢えました

この景色は 階段と表裏一体です

2023年登った 数々の山頂に 感謝を込めて…

地元を眺める 山頂のひと時

大洞山の向こうには 新・おらが山「三峰山」

一期一会を最も感じるのは おらが山

飛躍の「卯」から 上昇の「辰」へ … ^^;

やっぱり山頂は 丸かった

冬枯れのトンネル と 油断禁物の 下り第1階段

午前中でも長い影… 冬の美しさ

冬枯れの道は 落ち葉道でもあります

間伐作業中… 林が明るくなりました

温かいアップルパイに アイスクリームを添えた いつもの…