Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

梅雨の晴れ間に「おらが山」

5月23日 三重県尼ヶ岳
自宅から20km 30分。約1年振りの駐車場に向かいます。

おらが山と呼ぶ「尼ヶ岳」は室生・赤目・青山国定公園にある室生火山群東端の山。トロイデ状の原形を保ち、その姿から「伊賀富士」と呼ばれています。駅に向かう坂道からその頂き部分を眺めることが出来、正に日常生活と切っても切れないこの山は、僕にとっての「おらが山」。そして見るだけなく、駐車場までの便利さと2時間あれば登って降りてこられる手軽な周回コース。何より、1000数百段にも及ぶ階段は良いトレーニングになります。また、山頂から眺める自分が住む町の他に、東は伊勢湾、西は台高山脈や室生火山群の峰々。春の新緑、夏の朝トレ、秋の紅葉、冬の霧氷…。四季折々に楽しめる万能山です。
今日は貴重な梅雨の晴れ間と空いた午前中を利用し、いつもより少し余裕を持って歩いてみようと思っていました。駐車場に着くと、すでに3台。週末とは言え、大抵は誰も会わない山。人混みを避けてこの山へ登りに来られるのか、それとも、知名度が上がってきたのかは不明です。
林道歩きから始まるこのルート。準備運動の代わりに息を整えながら、歩き始めます。木津川水系前深瀬川に架かる橋を渡ると登山道らしくなりますが、ここで、聞き覚えのある鳥の声。通称「ミソッチ」のミソサザイです。その姿からは想像もできない響き渡る声。その姿を探し求めると、忙しなく動き回っては鳴く姿を発見しましたが、カメラに納めることは出来ませんでした。
気を取り直して山行再開。ゆっくりと人工林の一本道を進むと、いよいよ階段のお出ましです。
何度かここでレポしていますが、1300段ほどの階段は、5つの区間に分かれており、それぞれが意味を持つように、段階的に山頂へと続きます。登りの核心部となる第4階段は左側に広葉樹、右側に針葉樹で始まり、ゲートと称する2本の木を過ぎれば、広葉樹林帯へと入ります。今回はまだ新緑が美しく、いつもより時間を掛けて登るのは、一気に登るのが辛いことへの言い訳かもしれない…(-_-;)
とは言え、ゲートを過ぎた後の130数段は、自分との闘い。第4階段終了まで休まずに歩くことが、この山を登る自分の意義。そして、天使が見える第5階段 (笑)。新緑のトンネルが美しい「天にも昇る階段」の途中、開けたところで振り返れば、ほんの一息つけます。風を少し感じ始めれば、芝生広場となった山頂が開けます。駐車場に停まっていたのは3台。下山で1人、階段の手前で1組を過ごしたので、残りは1組のはず。すでに下山したのか、大洞山へと縦走したのか、山頂はいつものように貸し切り状態でした。
遠くに見える住む町は、陽射しで光って見えるもの、山頂付近は薄日が射す程度。これは、おらが山あるある。展望は全体的に霞んだ感じでしたが、伊勢湾の海岸線は辛うじて見え、地元の町も見えたので、良しとしましょう。いつものように、一通りの写真を撮った後、富士見峠を目指して、別の下り階段に向かいます。この階段を下ったところにあるベンチでおやつタイムにしようと思っていましたが、計算上残りの1組4人が早めのランチをされているようで、そのまま通過し、次のポイントで下山はしていないけども、いつもの…(笑)
再び、前深瀬川沿いの道となり、ミソサザイの声に足を止めてみますが、相変わらずの忙しなさで、今度は姿さえも確認することは出来ませんでした。それでも、美しい鳥達の声と山頂からの展望。そして何より、階段を全う出来たこと。他の山行とは一味違う親近感。それが「おらが山」たる所以なのでしょう。
月に一度はおらが山へ登ってみようかな…(笑)


林道歩きから始まるのも 悪くないと思える「おらが山」

ミソッチが戯れる いつもの結界橋…

今回も始まったと思える 第1階段

段差もレベルアップする 第2階段

階段を見守るかのごとく マムシグサ

空気まで苔色に染まって見えました

綺麗な曲線を描く 第3階段

核心部の第4階段は 最も情緒的

道端の広葉樹に 問いかけたくなります

これほど新緑を感じたのは 初めてかもしれない…

振り返れば 緑に消えていく第4階段

あのベンチに座る日が来るのだろうか…

朧げに見える(笑) は 第5階段

天にも昇る階段とは 良いネーミング

ここで振り返る景色と気持ちも 一期一会

天使が見える 最終章

「やっぱり 山頂は丸かった…」

今日も雲が多い おらが山…アルアル w

遠くに光るは 我が町

「さて 帰りましょう」

罰ゲーム状態の富士見峠ルート…(笑)

ようやく見えた青空は 山からのご褒美

新緑のトンネルは 秋には落葉道へと変わります

核心部は 年々 変化します

ここでは 山と一緒に いつもの…