Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

おひとりさまの山時間

11月28日 奈良県三峰山
地元の映えスポットを経由して、定期巡回となった駐車場に向かいます。

9月から続いた「一人時間」も今月でいったん終了。その最後は、やっぱりこれまでと同じく「三峰山」。ただ、これまでと違って曇り予報であり、西風が強くなるとのこと。経験上、山頂周辺は風が抜けることから、その対策を講じます。
いつも通り、8時前に自宅を出発。この時期、大イチョウが葉を落とし、参道を染め上げることで人気が高まる神社が地元にあり、初めて寄ってみました。曇り空の下、ちょうど朝の斜光が参道に届き、撮影者も1人しかいない静かな時空でした。その後、地元を流れる川に沿って駐車場を目指します。30分も走らないうちに辺りは風光明媚な景色となり、川沿いや低山では秋を惜しむような残紅葉が楽しめました。自宅から走ること40分、三峰山の稜線が見えはじめ、重そうな雲が覆いかぶさっています。また、上空を流れる雲の動きから、風の強さが窺い知れます。
駐車場を目前にし「この先、通行止め」の立て看板。やがて、アスファルトが斫られた地道となり、駐車地が見えたところで工事関係者の方とお話が出来、帰る際、状況によっては待つことを了承し、いつもの場所に駐車。工事が昨日(11/27)から始まったばかりで通行が出来たのかどうかは不明ですが、今後は迂回路を通行し、臨時駐車場を利用しなければなりません。(詳細は、御杖村むらづくり振興課:村道三畝線道路舗装工事による通行止め 参照)
そんなことで駐車場には一般車1台。貸し切り登山の始まりです。これまで訪ねた3回は、全て「秋の花」を探す山行。今回は当然咲いているはずもなく、さりとて紅葉は時すでに遅し。稜線の様子からして霧氷もない。と言ったことから、特に目的はなく、強いて言えば「山を忘れないための山行」。
テント泊山行を始めた2010年の夏と較べれば、自分達を含め、ずいぶんと山社会は変化してきました。多くの頂に立ち、数え切れないほど素晴らしい世界を見てきても続ける理由は、ジョージ・マロリーの言葉を借りて「山がそこにあるから」。
花を探さない林道歩きは身体をより一層温め、早くも腕まくり。ここにはオタカラコウの群生、ここはハガクレツリフネソウ、シロヨメナ、アケボノソウ、アキノキリンソウ…。花は咲いていなくても、その存在は残されています。そして、また来秋、同じように咲いてくれることを願います。登り尾ルートの入り口でも「この先、作業中」の看板。不動滝への分岐点で村の所有らしき車が2台。今日は登山者以外の痕跡が目立ちます。
昨日の雨で登山道は湿り気味。今日は登山靴にしましたが、滑らないよう注意をします。不動滝を過ぎたところが核心部。道幅は細く、片側は滝壺に落ちているため、注意が必要です。ここに限らず、万が一滑落した場合、誰も気付けません。山岳救助用 無線測位システムは所持しているとは言え、出発前、バディから言い含められた言葉を繰り返します。
歩き慣れ始めた樹林帯を過ぎた上方、冬枯れの稜線はより近くに感じます。ここからでも上空を吹く風の音が聞こえ、昼食場所や道路工事の事など、登頂後の予定を考えます。ところが、避難小屋へ続く最後の直線でポツリと冷たい雨が降ってきます。雨宿りも視野に入れ少しだけ急ぎ足で進むと、今度は子供の声。誰も登っていないのにと思いながら小屋の角を曲がれば、数人の小学生と引率の方。クリーン何とかという多分、学校行事で来ておられました。このグループは山頂を目指して行きましたが、雨雲予報を見れば13時から雨となっており、下山決定。登り尾ルートへと進路を変更します。
これまでと違って小屋からしばらくは、西風を受ける尾根を歩くことになり、八丁平へと進んだ小学生を思います。下山途中も青空が見えたかと思えば、冷たい雨が舞う忙しい天気。何とか雨具なしで林道まで戻ると、朝よりも濡れている気がし、駐車場に着くと、それは勘違いでないことが判りました。
下山後は、自家製でいつもの…。


初めて訪ねた 29年目の秋… 積田神社

次回は 綺麗になっていることでしょう

今秋は思い出がいっぱいの場所

一瞬 花が咲いているのかと思いました

残り僅かになっています

アケボノソウの群生地から「おはようございます」

1ヶ月の変化は 自然だけでなく 人工物にも…

薄暗い森の中 仄かに灯ります

黄葉の額縁は 常緑樹を 飾っています

切り株の道しるべ… 源流域

明るくもあり 暗くもある 稜線直下

登り尾ルートには 新しい切り株

落ち葉の道は 冬へと続く道

登り尾ルートで 一番好きな道

左から右へ 青空が移動中…

あの道から見上げた 山に居る

山頂までの距離は判りますが…

林床を照らす アジサイの道

登り尾ルートでは 数少ない 展望箇所

秋の花が続いた道も 今は アジサイの黄葉

こんな日だからこそ 林道の写真を撮ってみる

今は 名残りだけになってしまった…オタカラコウ

やはり 下山して 正解でしょう

帰り道 賑わいを 見せていた 積田神社

安定の味が いつもの… (笑)