春の妖精を訪ねて 近くて遠い地元の山
4月24日 三重県局ヶ岳(つぼねがたけ)
自宅から直線距離で31kmにも関わらず、道路事情で84kmかかる登山口の駐車場に向かいます。
10年振りに訪ねた局ヶ岳。白猪山、堀坂山と合わせて伊勢三山、または「伊勢の三つ星」と言われています。古くから伊勢湾で操業する漁師には、海上で位置を判断する目印にしていたそうです。
高見山地の東端に位置する局ヶ岳は、そのピラミッド型の姿から「南伊勢の槍ヶ岳」と呼ばれています。登山道は南北に整備されていますが、南側の新旧登山道を利用した周回が一般的です。
春の妖精と呼ばれる「カタクリ」。山行レポでは、すでに見頃を過ぎているものの、まだ間に合うような感想。カタクリ以外にも春ならでは花を楽しめるようで、今回の目的は花をメインにしたトレーニング山行。ルートも最短になる「新登山口」ピストンとしました。
周回ルートの起点になる局ヶ岳神社の駐車場には数台とマイクロバスが1台。思ったより少なく感じました。私達の起点はそこからまだ数100m先の新登山口。傾斜のきつい林道をショートカットします。
駐車場に着くと清涼感のある美しい鳥の声が出迎えてくれます。聞き覚えのある声の主は日本三鳴鳥「オオルリ」。ようやく姿を確認し1枚だけ写真に納めたところで飛び去ってしまいました。
登山口の標識には山頂まで22町と37m(2,435m)。序盤から急坂が続くのは、山容から想像が出来ます。前回は周回ルートのため、この新道を下山に利用しています。結構、ルートは記憶しているのですが、この山に関しては、山頂の風景と誰一人も会わなかったことしか記憶がなく、まるで初めて訪ねた山のような感じで、ジグザグの急登を進みます。足元にはスミレが咲き、頭上は時折射す陽射しに新緑が映えます。まさに「山笑う」光景です。
地形図では道が交差していますが、良く整備され、脇道へ進入しないようになっています。相変わらずの急坂が続くものの、自然林と人工林が適度に共生した明るい登山道は春らしい気温とともに身体中の細胞を活性化してくれます。
道端にカタクリが見え始めた頃、尾根に取り付きます。ここから道の両側にはカタクリが増え始めました。カタクリは咲いた後、地上部が枯れてしまうため、春先の短い期間だけ姿を現すことから「春の妖精」と呼ばれるのかも知れません。また、発芽から開花まで8~9年を要し、2枚葉になってようやく花をつけます。1枚葉の期間が長い訳で、至るところに見つけることが出来ますが、花に注意を注ぐとそれらを踏んでしまいかねません。
しばらくして旧小峠。山頂まで400m。旧道と合流すれば小峠。やがて、最後の直登が始まり、大きな岩を回り込めば、イワカガミが出迎えてくれました。高山植物でも人気のあるコイワカガミの低山種。この花を見るとアルプスへの思いが強くなると共に、少し得した気分にも浸れます。ミツバツツジが見え始めると頭上が開け始め、本家の槍ヶ岳同様の狭い山頂広場(但し、こちらは平ですが…)。反射板以外は遮るものがない山頂からの展望。おらが山から大峯奥駈道、そして、航路の目印となるだけあって海岸線も望めます。
時間も早いことから、昼食は下山途中で済ませることにしました。いつもながら、登りでは見つけることの出来なかった花を楽しみながらの下山路。思ったほど急坂に感じることなく、また、久しぶりの山行に「膝笑う」こともありませんでした。
下山後は、改装されて気になっていたお店に寄った後、別腹でいつもの…(笑)
本日のルート 局ヶ岳の由来(一説)も載っていました
今年もキザ男君の季節です…マムシグサ
スミレ界の観葉植物…フイリシハイスミレ (?)
ここでは 名前の通りでした…ヒトリシズカ
白の中の白だと思う…ミヤマシキミ
どことなく愛嬌を振ります…ジロボウエンゴサク
スミレの王道でしょうか?…タチツボスミレ
自宅周辺で見ると春を感じる…ミツバツツジ
黄色く目立ちますが ひっそりと…キジムシロ (?)
美しき「春の登山道」
本日一番の反り具合でした(笑)…カタクリ
冠の付かない名前もあるのですね…スミレ (?)
先端が近付いてきたこと感じます
高山帯より濃厚な雰囲気がする…イワカガミ
こちらは爽やかな桜色…
霧氷「三峰山」からおらが山「尼ヶ岳」へ続く稜線
蜂とともに 忙しなく舞っていました
山肌に散りばめられた 宝石です
食後のおやつも楽しめる 春の陽気
人工林を飾る新緑が 足を止めました
春の木漏れ日が 優しく包みます
小さな風船が 風に揺れているよう…アセビ
「山笑う」…見ている私も微笑んでしまう
麓から見上げる 「南伊勢の槍ヶ岳」
最強の街道餅で いつもの…