Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ホームに届く 春の足音

3月29日 三重県草木
今日を逃せば1年先になるため、普段であれば登らない空模様の下、駐車場に向かいます。

昨年末から2月中旬までは毎週登っていたものの、その後は、天気と休みが合わず、3月最終週を迎えました。「草木」とは、ホーム鈴鹿の北部「藤原岳」から南東に伸びる孫太尾根にある834mの頂。以前は破線ルートにもなっていなかった道は、竜ヶ岳の遠足尾根同様、今では一般ルートとして紹介されています。
その理由は花。藤原岳は花の山として有名で、特に、早春に咲く福寿草を求めて多く登山者が訪れます。また、福寿草以外にも、多くの早春花が咲き、週末にはとても訪ねる気持ちが起こりません。
稜線は雲に隠れ、午後には所により雨が降る予報の冷たい平日。7時過ぎの駐車地には、すでに数台の県外ナンバーが停まっていました。
藤原岳までのCTは4時間15分。往復だと7時間35分と、気安く歩けるわけではないこのルート。今回、私達は花が目的であり、その中間地点になる「草木」までとしました。レポを確認すれば、福寿草は山頂直下に咲いているようでしたが、今回の対象ではなく、草木までに咲いている一株と出逢えればと思います。
植林帯から始まった道はやがて常緑樹へと移り変わり、足元には春の使者「スミレ」が姿を現します。低山にありがちな「登り始め急登」を過ぎ、尾根にのれば、準備運動終了と言ったところでしょうか。樹々越しに覗く両側の景色。視界が開ければ、青川溪谷を境にし、竜ヶ岳遠足尾根が雲に溶け込んでいきます。足元には石灰岩が露出し始め、そこだけ切り取ればアルペンムードが高まります。そして、振り返れば、ホームの森から続く山麓の田園風景と伊勢湾。ホームらしい展望が待っています。
山麓から藤原岳山頂へと続く孫太尾根。近年、人気が高まっていることは知っていましたが、それは花だけでなく、この好展望もひとつなんだと判りました。一般的な大貝戸ルートは、ほぼ樹林帯の展望がない道を歩きます。アップダウンがあり、距離が長くなっても、このルートを利用されるのでしょう。
その人気の高さを支えるのが、よく整備された登山道。随所に設置された案内板に加え、自然石を巧みに配し、階段状になった登山道。どなたが整備に携わっているのか不明ですが、見事でした。ここを利用される方は、花や展望だけでなく、整備される方の気持ちも気付かれていることでしょう。
何度かの展望地と樹林帯を繰り返し、お目当ての花「セツブンソウ」が出てくると650m丸山に登頂です。
すでにセツブンソウのピークは過ぎたそうですが、それでもまだあちらこちらに、ちょっと下向きに咲く姿と出逢えます。この他にも、ミスミソウやヒロハノアマナとお目当て花が姿を見せてくれます。ただ予想通りに、曇り空の今日は花の開きが悪く、ヒロハノアマナは閉じたままでした。
花の群生地は丸山であったため、当初はここを折り返し地点とも思いましたが、時間的にはもう少し余裕があるため、先の草木へと向かいます。ここまでもそうでしたが、小ピークには巻き道があります。ただし、丸山から先は花を求めて尾根ルートを歩きました。目指す草木も巻き道があり、特に展望や花のない草木は巻き道で通過される方が多いことでしょう。下山時、巻き道を通りましたが、谷側は急斜面で山頂まで登った帰り道では、注意が必要だと感じました。
根っ子の陰に咲く福寿草とも出逢い、宝探しのような山行目的は達成。まだ出逢っていない花もありますが、それは来年、晴天の時まで楽しみにとっておきます。草木からの下山時、多くの登山者とすれ違い、やはり、平日に限られると確信しました。
下山後は、冷えた身体を暖めるいつもの…(笑)

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山麓から望む孫太尾根…ほぼ中央が「草木」
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大貝戸ルートとは異なる登山道「孫太尾根」
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遠足尾根の雪もまばらになりました
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今日は 空と海の境界がありません
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青川溪谷の向こうには県境尾根
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石灰岩に囲まれて 丸山を目指します
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山に春がやってきたと思う花…タチツボスミレ
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名前とは違い 豊かな芳香…コショウノキ
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登山道整備されている方に感謝です
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これも お馴染みの早春花…ネコノメソウ
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新緑のような花部…オニシバリ
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丸山山頂が近いことを告げる花…セツブンソウ
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見頃は過ぎても まだまだ存在感はありました
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ひっそりと 清楚に咲く花…ミスミソウ
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丸山を過ぎれば アセビの森
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小さな小さな春の物語…ミスミソウ
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足元に注意しながら…セリバオウレン
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唯一 出逢えた株でした…フクジュソウ
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苔と共に春を告げます
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今年の積雪量を物語っていました
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標高点834mが 草木山頂…左は巻き道
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採取場は孫太尾根にも 迫っています
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とりあえず撮影して調べました…カテンソウ
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今日一番の開き…ヒロハノアマナ
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汁・餅・小豆 それぞれが主張していた いつもの…