Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

ホームで晩秋の遠足…竜ヶ岳

11月18日 三重県竜ヶ岳
蛭休みの終わったホーム鈴鹿。どこに行こうかと迷った先は、今年の初登りで撤退した女王様でした。

春、シロヤシオの咲く頃、笹原に群れる白い羊たちは、秋になると赤いジャケットを羽織、冬は真っ白なコートに身を包みます。そんな光景が楽しめる竜ヶ岳。冬は絶好のスノーシューハイクが出来るルートが近年利用する「遠足尾根」ルート。以前は破線すらないルートも、今や周回ルートの一部として確立しています。
稜線の紅葉はすでに終わりを告げ、今は中腹が見頃。山行日和の日曜日。麓の駐車場は賑わっていました。
林道歩きが急登に備えての準備運動。そして、息を上げずに登るのが、後半に向けての技でしょうか。急登の中間地点は、岩を積み上げたような小さなピーク。まだまだ遠い竜ヶ岳の山頂が見える、このルート最初のポイントです。杉林の急登を終えると、広葉樹の明るい稜線になります。すでに葉を落とした木もあれば、見頃を迎えた木もあり、薄暗かったこれまでの道と対称的な世界が出迎える、2番目のポイント。
冬枯れの尾根道。サクッ サクッ と聞こえてくる落ち葉道は、やがて、キュ キュ という雪を踏む音へ変わっていくことでしょう。
遠足尾根に合流し、樹間にピークが見え隠れし始めると、第3のポイントまであとわずか。伊勢湾の海岸線から鈴鹿南部の峰々へと続く先に、優雅で堂々とした山容が控えています。
今日のように晴れている時は、尚更、素晴らしい一瞬です。「ある意味、ここで帰っても良い」と思わせます(笑)
ただし、山頂への道のりはまだ遠く、ここがルート上の中間地点。それでも視界を遮るものがない稜線歩きは、まさに「遠足気分♪」です。時折、通過するアセビやシロヤシオの林に苔の小道。そんな変化を与えてくれるこのルートは、訪れる季節によって楽しみ方が変わります。
現在は廃道となったホタガ谷ルートを俯瞰し、金山尾根ルートに続いて静ヶ岳の分岐を過ぎれば、あとは山頂直下の登りを残すのみ。第1ポイントで遠くに見えたピークが今や視界一杯に広がります。意外にも登山者の姿をあまり見かけることなくここまで来ましたが、山頂には数名の姿が見えました。
この辺りから急に風が強まることもありますが、今日は無風のまま登頂。遠足尾根を振り返ってみれば、丁度、毛を刈り取られた直後のような、寒々しい羊の群れでした (^^)
こちらに向かう大勢の登山者の姿に、これからの山頂の様子が想像でき、いつものように稜線が望める場所で昼食を取るべく、山頂をあとにしました。
竜ヶ岳。1,099mでありながら、懐の深さを感じさせ、鈴鹿の女王と僕が呼ぶ山。そして、何度訪ねても素晴らしい山。
次は今日のような青空を背景に、真っ白な貴女に会いたいと思う…。
下山後は、鈴鹿の人気店でいつもの…(笑)

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今日は歓迎していただきました
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山麓の紅葉と言えば これですよね
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今日も伊勢湾は 朝陽に輝いています
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第1ポイントから 遠足尾根と竜ヶ岳
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明るい世界の始まりです
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頭上から 紅葉のシャワーが 降り注ぎます
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晩秋の谷間に 11月を感じます
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さて 遠足の始まり はじまり…
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鈴鹿らしい景色を楽しむ 稜線歩き
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乗鞍岳(左)と御嶽山(右側)
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このルートを開いた方に 感謝の気持ちで一杯です
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遠足尾根 第1急登…滑りやすいのが難点です
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鈴鹿北部の名峰…御池岳~天狗岩~藤原岳
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第1急登から 遠足尾根を振り返ります
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個人的には 遠足尾根ピストンが お薦め
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この広い世界に 立つ喜び
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鈴鹿南部の名峰を従えて…竜ヶ岳
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この稜線ほど 青空が似合うものはありません
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残すは 直下の一本道
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山雑誌の表紙を飾るのも 頷けます
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子羊が 増えたような 気がします…(笑)
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さぁ 帰ろう…
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足元には 晩秋のグラデーション
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頭上でも 晩秋のグラデーション
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真っ白な女王様と再会を願った いつもの…(笑)

冬が来るまえに…滋賀県御殿山

11月3日 滋賀県御殿山
冬山山行を前に、9月近畿地方を襲った台風21号の被害状況を確認する目的で、久しぶりに雪のない登山口に向かいました。

最近の山行記録を拝見すると、倒木の被害があるものの整備され、山行には影響がないとのことですが、雪山山行となるため、やはり自分の目で確かめておきたいものです。また、稜線の紅葉は終わり、中腹辺りが見頃を迎えている情報でしたが、あまり、気にせずに登山口へ向かいました。
到着が8時30分と遅いとは言え、駐車場はすでに50台程の車。人気の山であり、紅葉シーズンで山行日和とあっては当然かと思います。そして、出発直前に到着した路線バスは何と1台増便されて2台。一気に登山者の列がバス停前のトイレに出来、これには驚きました(笑)
登山道に入ると、すぐに倒木の被害が目に入ってきます。道を塞ぐ大木があちらこちらに確認できました。それらを跨いだり、迂回したりしながら、最初の急斜面を登り続けます。これまで多くの倒木被害を見てきましたが、地面から根こそぎ倒れるケースが多く、太い幹が折れてしまう被害が散見する今回は、台風の風がどれほど凄かったのかを物語っています。
坊村から歩き始めた今回。当初の予定では、比良山地主峰「武奈ヶ岳」を目指していました。ところが、登山口で大勢の登山者を見かけたことで、ピークと下山時の渋滞が予測され、当初の目的である倒木被害も確認できたことで、目的地を手前のピーク「御殿山」に変更しました。
夏道(谷ルート)と冬道(尾根ルート)の分岐点。紅葉が見頃を迎えた夏道へ進みます。次第に登山道を取り巻く木々は錦の織物へと移り変わり、足を止めて、見上げる回数が増えてきました。大勢見かけた登山者はまだ登ってくる様子がなく、平日のように静かな山行を続けながら、思いもよらぬ紅葉の谷へ道は入っていきます。歩きながら「このルートの印象がないなぁ」と思い、帰宅して調べてみると、2013年4月に下山利用しているだけで、登りの利用は初めてでした。何度か訪ねている主峰も、坊村からは冬が多いため、この素晴らしいルートを置き去りにしていました。
陽が射せば、黄色く染まる谷間の道。もうしばらくは楽しめそうです。
冬道に合流すると、冬枯れの明るい稜線になります。冬、ここは素晴らしい霧氷ロードとなり、大好きな西南稜を望める「御殿山」へのプロムナードです。
しばらくすると人の声が聞こえ、木々の間からは武奈ヶ岳へと続く西南稜も見え始めます。やがて、南比良と琵琶湖、そして、美しい弧を描く稜線が望める1067ピーク、御殿山に到着です。
下山途中、何組かの団体とすれ違ったものの、偶然にも紅葉の谷道は貸し切り。ピークを変更した判断が正解だったと思いながら、いつもの場所へ…(笑)

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登山口から見上げる 比良の秋
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そんなにハードルは高くありません
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風の力は 恐ろしいものです
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目に飛び込んでくる 色彩美
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いつも 鉄道の行先板を連想させます
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アセビの緑が 紅葉に映えます
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空を覆う 紅のグラデーション
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秋晴れの 谷間の途は 印象派
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夏道のメインストリートでしょう…
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日本庭園「比良亭」
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見上げては 奥行を感じる木々
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秋に染まる道は 日本の原風景
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秋の木洩れ日は 暖かい
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谷間の道と対照的な冬枯れ道…
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この稜線を見られれば OKなんです(笑)
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次は あの人達と同じ道を歩こう…
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名残紅葉が 西南稜を飾ります
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陽が陰ると また違う美しさがあります
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夏道 紅葉劇場は 来週末が千秋楽?
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間伐したかのような 明るい谷道でした
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近くの秋 遠くの秋…これぞ 山の秋
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台風の影響で 普段お目にかからないものとご対面
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台風通過時 この森はどんな音を発していたのでしょう
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山麓の秋も 始まっていました
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ちょっと控えめな いつもの…(笑)

ホーム再開! ルートも再会!! …御在所岳

10月30日 三重県御在所岳
蛭休みだったホーム鈴鹿。ここを再び訪れると、秋が深まってきたことになります。今日は久しぶりに王道ルートでホームと再会しました。

ここ数年、本谷~中道の周回をとるホームの主峰「御在所岳」。今回は7年振りに中道~裏道。御在所岳の王道とも言えるルートで訪ねます。
最も奇岩が続く中道ルート。しかし、これまでは本谷メインのレポになり、ほとんど紹介したことがありません。登山口は本谷ルートとほぼ同じ。いつもは下りてくる道から今日は登り始めます。
序盤、ザレて滑りやすくなっていた箇所の他、いくつかの箇所で整備が進み、随分と歩きやすくなっていました。まだ始業前で静かなゴンドララインの下を通過すると、最初の奇岩「負ばれ岩」に到着です。
ここも歩道が整備されていましたが、全体が良く見える旧ルートで通過です。
同じルートでも登りと下りでは景色も雰囲気も変わります。特に最近は冬が多いため、新たな発見もありました。本谷メインストリートを望む岩を過ぎれば、このルートのランドマーク「地蔵岩」。このルートのために、プレゼントされた自然の造形物。そこを通過すると、キレットと呼ばれる標高差2、30mの下降地点になります。ここから眺める鈴鹿の槍「鎌ヶ岳」を背景に愛くるしい真っ赤なゴンドラが上り下りする様子は、これから始まる岩場の下降を前にほのぼのとした気分になれます。視線を主峰に移せば、白い岩峰、真っ青な空、山肌を彩る木々…。ホームにやってきた「山の秋」を味わいました。週末は渋滞が起こるキレットも、今日は2組の通過待ち。紅葉の中道は平日に限ります。
その後も岩や鎖と触れ合いながら、このルートの核心部と思う富士見台直下の鎖場を過ぎると、平らな一枚岩が谷へ突き出た自称「タイタニック広場」です。ここは鈴鹿南部から北部へと続く稜線や伊勢湾、山麓の町並、そして眼下に広がる谷間の風景。通り過ごしてしまいそうですが、僕がお薦めする場所のひとつです。冬の下山時、最初の核心部を過ぎれば、一般観光客の姿が見える富士見岩に到着。ここから本谷の到達点も見え、1組のパーティが斜面に取り付いている姿が目に留まりました。
ここから我々登山者は完全なアウェー。平日とは言え、ゴンドラ利用で大勢の方が散策を楽しまれています。その方達(自分も含め)の目的のひとつとして、7月にオープンした展望レストランがあります。今まで我々がピークと呼んでいたレストランよりも30mほど高く、温泉街へまっすぐに伸びるゴンドララインを初め、大きな窓からは鈴鹿らしい山と谷と町の展望が楽しめます。
下りのルートは裏道。御在所岳の数あるルートの中で、最もやさしいルートと言われています。それでも、クライマーの登竜門「藤内壁」を眺めるルートらしく岩が点在し、足元に注意が必要です。また、中道ルートより紅葉(中腹)は綺麗だと感じました。鈴鹿では珍しい営業小屋の「藤内小屋」を過ぎて、中道に戻るルートに入ります。このショートカットルートは100m程の登り返しが待っているため、その心づもりが必要です。それでも、ドライブウェイまで下るよりは時間的、距離的にも楽でしょう。
久しぶりのホーム。そして、初めての紅葉シーズン。秋がやってきた実感と冬が近付いてきた予感。そんな山行でした。
下山後はここも久しぶりの再会で、いつもの…(笑)

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秋の実りが ホーム再開の印
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今日は ドライブウェイに車が通ります
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伊勢湾の煌めきが ホームの朝
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負ばれ岩で御来光
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いつもの場所で 本谷メインストリートにご挨拶
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自然ほど 不自然なものはないと思います
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ここからの景色も好きだなぁ~
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いつもは登るキレットの上部から…
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見上げるとこんな感じです
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秋は頂から麓へ下降中です
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秋の木洩れ日は 山日和
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岩と山と町と海…これが ホームの景色
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三重県側は一気に下ります…タイタニック広場より
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遠くから眺める 山の秋が好き
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明暗の境は ルート本谷
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孤高の「大黒岩」
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錚々たる山名…朝陽台広場にありました
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展望レストランから…大黒岩の下部に本谷到達点
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屏風絵のような 鎌ヶ岳
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名物「御在所山上カレーラーメン」
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藤内壁にも 秋の装い
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10年前の土石流で一変した景色
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ここから先は クライマーの世界です
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新型のゴンドラは 床面に2ヶ所の展望窓
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(最近と季節)の定番で いつもの…(笑)

関西の山≪初秋編≫…大普賢岳

10月13日 奈良県普賢岳
先日、我が家を巣立った燕達が南へ旅立っていきました。ようやく秋を感じる関西。山はどうなっているのか確かめに行こうと思います。

予報によると午後には三重県側から天気が崩れ、稜線はにわか雨の様子。奈良県の山で秋を感じるには大峯山系かと思い、和佐又ヒュッテから大普賢岳の往復を計画しました。
このルートは、大峯奥駈道を利用した七曜岳経由の周回も可能です。(現在は、七曜岳ー弥勒岳間において、土砂崩れにより通行が危険な状態になっています。)6年ほど前に水太谷を起点に周回したことがあり、その高低差と数々の階段、鎖場は距離以上にハードなルートになっています。
ススキの穂が揺れる和佐又ヒュッテ。ここはオートキャンプ場もあり、すでに、数張がありました。林道から歩き始めるとすぐにブナ林の登山道になり、和佐又山へは寄らず落ち葉の敷き詰められた道を進みます。周回ルートの合流地点から広い尾根の緩やかな登り。公園の散歩道のようです。やがて、トラバース道になると雰囲気は一変し、露岩や鎖場の続く道となりました。
大峯奥駈道は修験者の修行の道。熊野から吉野まで75の修行場「靡(なびき)」があります。奥駈道から少し(?)離れますが、このルートにも「62番 笙の窟(しょうのいわや)」があり、他にも、「朝日窟」「鷲の窟」等、日本岳南面岩壁に点在しています。
その日本岳(文殊岳)のコルから大普賢岳までの稜線歩きはまさしく修行の道となり、細い巻き道に数々の階段、梯子、鎖場が次々と現れます。特に修行を求めに来たわけではなく、秋を感じにやって来たわけですが、訪ねる者すべて公平に山は与えてくれます(笑)
右に伯母谷、左に水太谷が広がるこの稜線は、大峯山系の山深さを感じさせてくれます。主稜線が視野に入り、ようやく安心できる小道になると、奥駈道に合流です。大普賢岳の頂を目指し、最後のひと登り。今まで見えなかった反対側の景色が広がり、ぽっかりと空いた空間に山頂標識がありました。
午後からの天気が怪しいとは言え、時折、陽が射す山行日和。大勢とは言わずとも、数組の登山者で賑わっているかと思いきや、山頂は貸切状態が続き、下山開始時に数組の方とすれ違っただけです。
登山の事故は登りよりも下り。まさしく、このルートはその危険性が大です。慌てることなく慎重に、特に、しゃがんで撮った後の立ち上がりには注意をしました(笑)
駐車場に戻り、片付けを済ませて車を発進させようとすると窓に雨しずく。予報通りと予定通りの山行でした。
下山後は、前回訪ねて気になっていたもので、いつもの…(笑)

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中秋の名月を ここで過ごしてみたいと思いました
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今年4月 弥山から今日のルートを…大普賢岳、小普賢岳、日本岳…右端の三角錐が和佐又山(手前のピークは行者還岳)
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今回のルート案内図…周回時、無双洞からの激登りが最後の試練
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いきなりの広葉樹…大峯山系の素晴らしさ
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ホコリタケ属「タヌキノチャブクロ」…キツネは地上に タヌキは木の上で
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大峯奥駈道…行者還岳の向こうに 八経ヶ岳と弥山
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こんなりっぱな杭で 整備されています…が
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安全確保は 自分自身の力が必要です
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深まっていく様子が楽しめる 山の秋
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「笙の窟」から見上げれば 修験者は何を想うのか
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徐々に赤みが 増してきました
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険しい道にも 光が与える柔らかさ
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「石の鼻」先には 水太谷
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ここは 大峯一般道…(^^;)
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普賢岳への登り…やはり 大峯一般道
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振り返れば 小普賢岳の山肌と紅
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遠くには 先月登った 「三津河落山」から「大台ヶ原
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今週の「苔と紅葉」
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稲村ヶ岳から山上ヶ岳を背に 今は赤く「シロヤシオ」
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秋風を受けて 関西のコケワールド
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日本岳と小普賢岳の間に 和佐又山
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関西には いいトレーニング場が豊富です
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秋の午後 陽はすぐに傾きます
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帰りもやっぱり 大峯一般道…(笑)
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奈良の名産「吉野葛」で いつもの…(笑)

池と苔と紅葉のテントライフ…白駒池

10月6~8日 長野県白駒池
先月予定していた「白駒の池キャンプ場」。台風情報とこれまでの経験から大丈夫と判断し木曜に出発準備。そして金曜の夜、紅葉のオマケが付いた北八へと向かいました。

10月6日
紅葉シーズンとは言え、深夜に台風が通過することと日中も曇り空予報であることから、駐車場は余裕があるのではと9時前に到着。結果、第一はすでに満車、第二も係の方は「時間の問題だな」と白駒池紅葉シーズンの人気の高さをあらためて知りました。
久しぶりに担ぐ20kg超え。しかし、お気楽なテントライフが待っていると思えば、その重さは気になりません。苔の遊歩道を歩くこと15分。身体が温まる間もなく、白駒の池キャンプ場を管理する「青苔荘」に到着です。
てっきり真っ白なミルキーウェイの世界が待っていると思っていましたが、水面を照らす陽光と真っ赤に色付いた葉が樹間に覗かせ、テントサイトにも木漏れ日が揺れています。遊歩道沿いに広がるキャンプ場には、何ヶ所か板敷きのサイトがあり(OP価格)、我々はまだ自由に選べる状況で、ぴったりな大きさで平らなスペースをお借りすることが出来ました。
荷物を片付けるともう何も予定なし。テントから顔を覗かせて、樹間の白駒池を見るも好し、上空の色付く葉を見るも好し、森の香りを身体一杯に感じるも好しと言った、質素だけど贅沢な時間と空間がここにありました。
昼食後、ボートが繋がれた桟橋へ。テレビやポスターなどで良く見かける白駒池の紅葉風景が待っていました。そこから遊歩道を利用して白駒荘へ。昨年末、火災で焼失した山荘は今月3日から宿泊を再開しています。池の畔に作られた遊歩道は、紅葉越しに池を眺めたり、森の香りを感じたりしている間に駐車場からの道と合流。ここで一気に観光客の姿が目に入ってくる感じです。新築の匂いがここまで漂ってきそうな白駒荘前のベンチはランチを楽しむ人の他、池と紅葉のコラボにそこかしこから歓喜の声が聞こえてきます。
山肌を黄色く染めるカラマツの葉はこれからが本番でしょうか。きっとこの辺りは、日々、色合いを変化させていくことでしょう。天気に関係なく、その移ろいを楽しむことが出来るのは幸せなことです。
夕方、仕事帰り(笑)の山友が訪ねて来てくれました。まずは、お土産のケーキの品評会。急な来訪者にも何故か普通に夕食が提供できるのを知ってか知らずか、仲良く3人で夕食会。あっという間に3時間が過ぎ、午後7時30分、駐車場までお見送りをした帰り道、ヘッドライトが照らす世界は足音だけが響く苔の森。僕の好きな静かな世界「山の夜」です。
キャンプ場に戻ると小雨が降り出し、やがて雨音がフライシートを叩きます。予報より少し遅れた雨でした。雨はすぐに止みましたが、台風通過に伴う風が9時前から吹き始め、最初は「ゴゥ-」と言う音と共に木々の枝を揺らす程度でした。以前、烏帽子小屋やしらびそ小屋で張った際にも上空を吹く強い風が木々を揺らすものの、防風林となった木々がテントを守ってくれました。今回も想定通り大丈夫だったと思いしや、次第に威力を増した風はまるで5.1chサラウンドのごとく上空を吹き荒れると、行き場所を失った風がテントサイトを襲います。横からではなく、上からの風が、ドーンっとテントを揺らします。そんな出来事が忘れた頃にやってきて、それは深夜まで続きました…^^; また、2000m超えでの台風通過はやはり凄い音で、まったりとしたテントライフを楽しんだ初日の夜は、安眠できないまま過ぎていきました。


期待が膨らむ 秋のテントライフ

遊歩道から少し離れた「別荘地」

秋の白駒池…定番の景色

曇り空の紅葉は 落ち着いて見えます

池畔の遊歩道から白駒荘

紅葉が映えるのは 針葉樹との共演

最終日はあの頂へ…ニュウ

近くて遠い…白駒の秋

紅葉以外にも楽しめる 遊歩道

グラデーションが 日本の秋

晴れ間もいいが 曇り空もいい

オマケにしては 見事な紅葉と出逢えました

白駒荘前 桟橋にて…

切り取れば そこは 2段紅葉の世界

刻一刻と 表情を変える 白駒の秋

遠景 近景…好みが分かれる 白駒の秋

主人公は 紅葉か 白駒池か

苔の森にも 紅がさします

日溜まりに 日本の秋

この標高だけが青空だと 後で山友から聞きました

ボートを楽しむ人が 増えてきました

こちらの桟橋は 空いていますよ~

予想以上に白駒の秋を楽しめた初日です

アルコール度数 0~3 の逸品

ささやかな 秋の宴の始まりです

10月7日
昨夜来の風は夜が明けても収まらず、結局、10時近くまで強風が吹いていました。この調子では稜線を吹く風はとんでもないことになっているのではと思いますが、遊歩道には山へ向かう姿のグループが数組…。事故が起きないことを願う限りです。
午後から天気が回復する予報通り、真っ白なベールに包まれていた白駒池も昨日の姿を取り戻し、大勢のカメラマンが自分の世界を切り取っていることでしょう。
早めの昼食を青苔荘特製「きのこ汁」と共にいただき、高見石から白駒池周回へと出発です。近年、高見石を訪ねるのは雪の季節に限られており、グリーンシーズンは21年振りです。
慌てる必要もないため、苔や紅葉を楽しみながら緩やかな道を登っていきます。麦草ヒュッテからの道に合流すると小屋まであと僅か。丁度、お昼時でもあり、小屋周辺は大賑わいでした。早速、高見石へと思いましたが、テラス席を見ると空きがあり、まずは名物「揚げパン」をいただくことに…。ここの揚げパンを知ったのは、はてなスペース時代のことで、あれから何年経ったことでしょうか?パンの種類は4種類。一皿で2種類チョイスが出来ます。軽い食感で油っぽさを感じさせない逸品でした。
高見石に登るのは約2年振り。前回は薄氷が付いた不安定な時で、岩の間に落ちそうになりました^^; 今日は登りやすい状況。それでも油断大敵、新聞沙汰にならぬよう注意しながら登ります。何となくどこからでも登れそうなんですが、やはり、印に沿って登っていくのが、良いみたいですね。
眼下に広がる白駒池を中心とした北八の森。遠くには先月、天狗岳から眺めた雨池も見えます。また、視線を上げれば佐久平越しに頂を雲で隠した浅間山。陽に照らされた町を眺めるのが八ヶ岳東面らしい景色と感じる私です。
ボートが浮かぶ白駒池。「あの桟橋の向こうに我々のテントがあるのか…」どちらでも良いことを考えることが出来る、安らかな一時を過ごしていました。
初めてここを訪ねてから21年。当時はこんな未来が待っていることなど想像すらしていません。今ある自分と変わらぬ景色に感謝です。
別ルートで白駒池畔に戻ります。登りのルートと較べて、急坂で石や木の根が多く、濡れていることもあって注意が必要でした。時間的なことを考えれば、登った道を下った方が白駒荘に早く着くかもしれません。
何度か訪ねている白駒池。しかし、ゆっくりと時間を過ごすのは初めてで、当然、周回もしたことはありません。綺麗に整備された遊歩道はとても歩きやすくなっています。でも、景色に目を奪われて落っこちないようにしなければなりません。結構、段差があるので、大怪我に繋がる可能性大です(^^)
池を背景にして広がる紅葉に一喜一憂しながら、遊歩道を進みます。終盤、池から離れた遊歩道は、苔の森へと入ります。大きな岩が起伏を作り、その岩に根を巻きつけて土台とする針葉樹。そして、それらを染める苔、苔、苔…。色鮮やかな紅葉の世界からコケトーンの世界へ…美しい森でした。
夜、上空を流れる天の川。ニュウから中山峠へ続く稜線の上には赤く輝く火星が瞬いています。そして、黒く沈んだ水面に目を凝らせば、星の映り込みが見えそうでした。
テントサイトに戻ると地上の星が白樺を照らします。テントは所狭しに張られているものの、立地条件の関係か余裕があるように思えます。少し前まで賑やかだったテントサイトも、8時過ぎには静まり返り、今日は静かな夜を過ごせそうだと思いながら夢の世界へ旅立ちました。


これも 白駒の秋ですね

テントから 空を見上げれば…

テントから 池を眺めれば…

木洩れ日のテント村

21年振りの道は 暖かでした

足下にも 小さな秋があります

狭い空にも 秋の佇まい

この辺りは「カモシカの森」と呼ばれています

チーズと抹茶…残りは次回へ…

高見石から佐久方面の空を眺めます

畔ではわからない 白駒の秋

全山真っ赤もいいけれど…

あの紅葉の下に 我が家の別荘地

2週間振りの 雨池です

ここから見る白駒池が 一番のお気に入り

明暗が揺れる 山の秋

風はまだ残っているようです

初めての周回…初めての景色

対岸から青苔荘桟橋を眺めます

さっきまであの岩の上に…高見石

太陽とコラボレーション

もののけの森」…素晴らしきコケトーンの世界

秋の空とは思えない 夕刻のひと時

天の川…昨年は白馬大池畔から小蓮華山

白駒池とニュウ…星バージョン

10月8日
3連休最終日。予報は一番の快晴…のはずが、空模様は何かすっきりしない感じ。まったりテントライフも終盤を迎え、今回唯一の山歩きに出発です。目指す山は「にゅう」「にう」「ニュー」…呼び方は色々あるようですが、地形図では「ニュウ」となっています。
この山、実は19年前の8月、バディと訪ねたことがあります。その日、麦草峠から歩き始め、高見石から西天狗岳へ。山頂で激しい雨に遭い、落雷の恐怖から中山峠に向けて駆けるようにして下りました。そして、中山への登り返しを嫌った我々は、十分な情報を持たないままニュウへ向かいます。稜線は白く霞み、雨具のフードで視界が遮られる中、道を迷わぬようテープを探しての山行が続きます。行き交う人もなくようやく着いたニュウ。真っ白な視界が空と森と頂を隠し、ピークに立ち寄ることなく、白駒池に下りました。稲子湯の分岐点まで下ると、何故か食事中の家族連れが休憩していましたが、声は掛けれませんでした。ここから水没の道。わずかに覗く道に敷かれた幹を足場に、遅々として進まない2人。歩いても歩いても同じような景色が続く中、昔見た映画「ネバーエンディング・ストーリー」で主人公が沼地を歩くシーンとオーバーラップします。やっとの思いで着いた白駒荘。その時を境にして、我々の地図上から「ニュウ」は消えました。
そのニュウの道を切り開いていただいたのは、はてなスペースで知り合った方。そして、その方にもうひとつ教えていただいた「稲子岳」と共に、禁断のニュウの頂を目指します。
遊歩道から離れて、稲子湯・ニュウ方面へ。少し登ると、白駒湿原へと入ります。傾いた遊歩道の板、無造作に置かれた朽ちた木…。「雨が降ると一変するんだよね」「ネバーエンディングストーリー~♪」等、当時を振り返りながら苔の森を進みます。分岐点から道は登りとなり、一旦トラバース気味に進んだ後、最後のひと登り。稜線が近付き、木々の間に白く見えるのはあまり良い兆候ではありません。やはり、稜線に立つと東麓から沸き起こる霧が視界を閉ざし、あの日と同じような光景が広がっていました。ただ、ニュウの岩峰はしっかりと捉えることができたので一歩前進です。そして、まだ人が疎らなニュウに登頂。
「果てしない道」が「普通の道」になった瞬間です。
最初は雲に見え隠れしていた白駒池もやがてはっきりと見え始め、雲間から射す光が森を照らします。反対側は相変わらずのミルキーウェイ。戻って来る頃には晴れているかもと微かな期待を胸に、次の目的地「稲子岳」に向かいます。
火山活動で山体が崩壊し、東側にずれた稲子岳へのルートは地図上に載っていません。ニュウから中山峠に向かう道沿いにある下降点が別世界への入り口です。下ってしまえばテープのある細い道が原生林を分け隔てます。しかし、視界不良の際には道迷い=滑落=遭難。と言う最悪のシナリオになることでしょう。
一歩この森に入ると、昨日、遊歩道で見た苔の森がまるで作り物のように思えるほど、ここには人間の世界を感じません。確かにテープは沢山ありますが、いつの時代から時間が止まったのか、一瞬にしてタイムスリップした感覚です。いつもなら立ち止まって覗くファインダーの小窓も、今日は自分の目で見続けていたいと思いました。
「この世界の瞬間は切り取っても、時間の流れは切り取れない」
誰が、いつ、切り開いたのか、絶妙な道が続きます。プチブッシュ的な個所に倒木や折れた幹が道を塞ぐこともありますが、概ね、道の状態は良好でした。形だけのピーク(山頂標識)を通り過ごし、少し開けた場所を今日のピークとしました。
期待していた視界は、一向に晴れる様子を見せません。さては、今日はこの雰囲気を楽しめと言うことで、次回が展望付きなんだと山の教えに従って下山を始めます。
テントはすでに数えるほどしかなく、少し寂しい感じです。丁度、暖かな日射しがテントサイトを照らし、もう少しテントライフを楽しもうと思いました。
観光者や登山者が交じり合う白駒池周辺。しかし、意外なほどこのキャンプ場は静かで落ち着いた時間が流れていました。この世界がしばらくは続くことを願って、何故か来た時より膨らんだザックを背負う2人です…。
下山後は、新規開拓をして大満足したいつもの…(笑)


さて 禁断のニュウへ出発

朝陽に頬を染める 白駒の秋

苔の森も 見慣れてきました

前回は見えなかった…白駒湿原の木々

北八の懐も 深いです

初めましての ごあいさつ

いろんな姿を楽しませてくれます

果てしない白駒池への道は 過去の道

東面は見事な ミルキーウェイ

ニュウの最高峰 次回は天狗岳とともに…

山体崩壊の裂け目…歴史の段差です

原始の森を身近に感じられます

この先には 別の世界があるのでしょう

初めての道は 期待と不安の交差点

白さを際立たせる 苔もあります

一応 ここが ピークです

シャクナゲの頃も 素敵でしょう

森の息遣いを感じます

ひときわ映える 秋色でした

ビロードのような苔が あちらこちらに…

ワンダーランドの出口が近付いてきました

次回は青空を背景に…ニュウ

秋の遊歩道を満喫できました

まったりテントライフの3日間…いつの日か再び

ハイクオリティーだった いつもの…(笑)

秋風が笹原を吹く…三津河落山

10月2日 奈良県三津河落山
台風一過の秋晴れと平日休暇が重なれば、向かうは「山」しかないでしょう…(笑)

数年前、大峯山系七曜岳の山頂で教えていただいた「三津河落山(さんづこうちやま)」。すぐ近くには百名山のひとつ「大台ヶ原山」…この名前は「日出ヶ岳」の基準点名…があります。
大台ヶ原山上駐車場の手前、約1㎞に登山口「川上辻」への入り口があります。とは言っても、今日のルートは一般登山道ではなく、また、自然保護上、ルート(踏み跡)を外れて歩くことはマナー違反です。
一般道と分かれ細い踏み跡を進むと、台風の影響か登山道でないからか、所々、倒木に行く手を阻まれます。また、笹の葉が踏み跡を覆い、躓かないように注意も必要でした。しばらくすると、岩が露出した小さなピークと三角点。「名古屋岳」に到着です。ここからルートは直角に右へ。しかし、気付いた時にはルートロスした後で、マナー違反…申し訳ありません。地図(アプリ)を確認し、次のピーク「如来月山」…何と読むのだろうか??? …へのルートに戻りました。
青空が立ち枯れの木々の間に広がる斜面。その時、倒木の陰から赤毛の小動物が飛び出し、斜面を慌てた様子で駆け上っていきました。胴体と同じ程度の尻尾が印象的な「狐」です。山行中の狐は初めての体験。この山の豊かさが窺えます。
大きな岩を回り込んで着いたピークと三角点。この辺りの最高点1,654mに到着です。ルートロスはピークからの下りで起きやすいことは先ほどの出来事で学習済 (笑)。次のピーク「三津河落山」へのルートを地図で確認してから出発すると、空が段々近付いて来るのが判りました。緩やかに登り返して「三津河落山」に到着。今回のメインルートになる笹の稜線歩きの起点です。ただ、これと言ったピークはなく、また、ネットで見かけた山頂標識は台風で飛ばされたのか見当たりませんでした。
ここからもうひとつの起点「大和岳」への稜線歩きは、鈴鹿・竜ヶ岳の遠足尾根、湖北・赤坂山から寒風、大谷山の高島トレイルと似ていますが、モニュメントのように所々に配された白き倒木は、「魔の山」と恐れられた大台ヶ原山一帯の歴史を物語っているようでもあります。
紀伊半島の東側、高見山から大台ケ原山へと続く稜線「台高山脈」は、大峰山脈と並んで近畿の屋根と呼ばれており、その両棟をここから楽しむことができます。また、峰々の向こうには熊野灘の海岸線を望め、我が県、三重県西部を一望している気がします。目を移せば、台高山脈がまるで地平線のようにどこまでも続き、今立つ場所の奥深さを感じます。そして、この一帯だけが笹原になった「時の流れの不思議さ」。時の流れは見えませんが、山ではその悠久の時を感じることが出来ます。
笹原を揺らす風は秋。その音に混じって、時々聞こえる甲高い鹿の鳴き声。少しだけ時代を遡った錯覚…。
雨量計の建物が建つ「日本鼻」と呼ばれるピーク。いくつもの踏み跡が交差し、下り坂で再び、ルートロス。グリーンシーズンなのに、薄いトレースが一本しかない雪山状態です ^^;
ルートに戻り、最後の登りに向かいます。軽く刷いたような雲が秋空に描かれ、青と緑の境界線に最後のピークと三角点がありました。歩いてきた道を振り返ってのランチタイム。顔を振り向けば、春、幕営をする大峰・弥山を真正面に捉え、熊野から吉野へと続く大峯奥駈道。この広い世界を2人で過ごす時間の何と贅沢なことでしょう。
石楠花の群生地で笹原道も終了。ドライブウェイまでは、何度も地図アプリで確認をしながら下りました。3.5kmほどドライブウェイを歩きましたが、普段は車窓を流れる景色をゆっくり楽しめたこと、平日で交通量が少なかったこと、風が爽やかで暑くなかったこと等々…意外と苦にならず、車に戻ることができました。
下山後は、紆余曲折の末に いつもの…(笑)

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大台ケ原を象徴する景色
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苔のフリースを着ていた幹
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鞍部は 明るい森歩き…
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最高峰(如来月)への登り…背後は名古屋岳
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このあっさり感が いい雰囲気でした
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秋の収穫祭 「苔の稲刈り」
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空が 視界一杯に広がってきました
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三津河落山の印…気持ちだけ(笑)
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熊野灘が見えるのは 大台らしい景色です
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あの頂までが 今日のメインストリート
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奥駈道を遠くに 笹の稜線歩き
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奈良県側…尾根の向こうは 三重県です
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作品名「前へ…」
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三津河落山~日本鼻…見た目ほど高低差はないと思います
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雲が優しく 踊ります
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この向こうに待つ 景色をもとめて 最後の登り
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これぞ 奈良県の山…(笑)
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遠くから見れば 判る道もあります
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今日の道を 振り返ります
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近畿の屋根 大峯奥駈道は吉野へと
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〇〇がとお~る 獣道♪…
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最後に 大和岳を 振り返ります
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景色を切り取れば 一足早い「秋」
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林道歩きより 良かったドライブウェイ歩き
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万葉の里にて いつもの…

心変われど 山は変わらず…天狗岳

9月23日 長野県天狗岳
訳あって山から遠ざかっていましたが、この間、小旅行など今の山スタイル(第3ステージと呼んでます)をやり始める前の生活スタイルに戻っており、このまま一旦山から離れるのも「縁」なのかと思っていました。そして再び、山に入れる環境になった今、気持ちはまだ山に向いていました。しかし、これまでとは一線を画した、言わば「第4ステージ」の始まる予感です。そんな思いを抱きつつ、初ルートで頂を目指します。

約4ヶ月振りの山。最初は白駒池畔で幕営し、禁断(笑)の「にゅう」を目指そうと思いましたが、雨予報のために延期。久しぶりの山行と言うこともあり、あまり無理も出来ず、行き着いた先が天狗岳西尾根から黒百合平への周回ルート。天気も安定しており、南八ヶ岳を望みつつ、初めての尾根ルートを楽しめればと、登山口「唐沢鉱泉」に向かいました。
5時半で路駐の先頭付近。下山時、この車列はどこまで続いているのかと思いながらの出発。いつもより早く唐沢にかかる橋を渡り、八ヶ岳の森へ。苔が広がる林床には秋の使者「茸」の品評会が開催中。ひとつひとつ眺めていると間違いなく時間が足りません。それでも、久しぶりの山行と言うこともあり、いつもよりスローペースで感覚を呼び起こします。
3連休の中日。晴天。好条件の割に登山者は少なく、森との対話を続けながら、西尾根分岐に到着。谷を上がる風は火照り始めた身体をなだめてくれます。樹間に南八ヶ岳の名峰が見え隠れ。程なくして視界が開けると、第1展望台到着…かと思いきや、手前の展望地でした。仕切り直して、第1展望台。針葉樹の裾野が一面に広がる八ヶ岳の森は色濃く、秋の始まりを感じます。
第2展望台から一旦下り、最後の登りへ。森林限界を抜けると全身運動の始まりです。振り返れば、思いの他第2展望台が遠くに感じます。西尾根を下山利用した場合、視覚的にはこの登り返しが核心部かもしれませんね。
さて、地上と風の境界線のように棚引く雲の向こうでは、南アルプス北部の三人衆(北岳・甲斐駒・仙丈)が顔を並べ、その右奥に中央アルプスの山嶺。視線を右に移すと今日(9/26)山頂への規制が一部解除される御嶽山から白馬へ続く北アルプス。視線を戻して、北八ヶ岳等々。山行復帰日には、こんな登山日和がぴったりです。
約20年振りに立つ西天狗岳の頂。前回は小雨模様であったため、ここからの展望は初めてと言えます。角度は違えど見慣れた風景。季節は変われど、いつもと変わらぬ山がそこにあります。秋風を受けながら、そんな景色と一緒に「山で過ごす時間」を確かめていました。
天狗岳の頂はある意味「危険ゾーン」と化していたため、押し出されるようにして、下山開始。そして、ここを訪ねていつも思うのは「雪の積もった冬が歩きやすいぃ~!」
凸凹した石の登山道は、山頂以上に大勢の登山者で賑わうヒュッテを過ぎ、唐沢の登山口付近まで続きました。「あぁ~、ヤレヤレ」…なお、路駐の最後尾は1km先でした(汗)
下山後は、定番のお店で秋バージョンのいつもの…(笑)

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いつも横目で眺めていた赤い橋から始まります
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存在感がたっぷりでした…身元不明(笑)
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「孤高の茸」
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こちらは 賑わっていました
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八ケ岳の匂いで 深呼吸山行が続きます
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西尾根の最初は 見事なストレート
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「何か 気持ち良いぃ~」と思える瞬間
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僕にとって稜線は パワーの源
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西尾根のメインストリートでしょうか?
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今日の再会は 特別な思いです
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初めての構図…新鮮でした
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歩いてきた道(右側)を振り返るのが好き
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今回は山頂標識を載せてみよう…2646m
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北八ヶ岳のオアシス…雨池
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色付く季節は あっという間です
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この頂から天狗岳を見る予定でした…にゅう
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ここからでも賑わいが 伝わってきます…東天狗岳
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ここも 訪ねる予定でした…稲子岳
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唯一 咲いていた花…イワツメクサ
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いい山なんだけど 歩きにくいねぇ~^^;
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山に触れ合う姿は 人さまざまです
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出逢いの日から 2年4ヶ月が経ちました
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最後まで茸…八ヶ岳の色を添えて
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唐沢鉱泉と言えば これですね
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前日に続き 栗が主役のいつもの…(笑)