Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

曼陀羅の夏…立山縦走

8月3~6日 富山県立山三山・奥大日岳
昨夏、計画していた立山は天候に恵まれず、山麓にて信仰や史跡、地形など立山について学びました。そのお陰で今回の山行に深みが増したと思えます。梅雨明け後も太平洋高気圧に勢いがない今夏。期待と不安が入り混じり、まずは登山口へ。

8月3日 室堂⇔浄土山~雷鳥沢野営場
観光ルートとして人気の高い立山黒部アルペンルート。自宅から室堂に入るには、富山県側の立山駅が時間的にも経済的にもお得でした。ケーブルカーと高原バスを乗り継いで向かう「室堂」の標高は2,450m。途中の弥陀ヶ原が近付くと車窓からは薬師岳に大日岳。そして、草原の池塘にワタスゲが揺れるのが見えます。やがて剱岳が見え始めると、いやが上にも気分が盛り上がります。とは言え、475mの立山駅から1時間強で約2,000mの標高を上げるため、軽く食事をしたり、荷物の準備をしたりして標高に身体を慣らします。
天気予報から一面ミルキーウェイかと思った室堂は立山連山の稜線に雲がかかっているだけで、高山植物が咲き、伸びやかに広がる草原が我々を出迎えくれました。初日は「浄土山」を周回したあと、雷鳥沢へ向かうため、サブザックに荷物を詰めてからの出発。(大型ザックは駅事務所で預かっていただけます)
石畳調の散策路から登山路へ。雪田を渡ると更に道は傾斜を増し、大きな岩が続く道を花を愛でながら登ることになります。浄土山は北峰と南峰があり、それぞれを緩やかに結ぶ稜線を歩く頃には立山にかかった雲は取れ、明日歩く別山へ続く稜線が綺麗に望めました。立山信仰では浄土山、雄山、別山立山三山と呼び、それぞれ過去、現在、未来を表わしているそうです。
国の重要文化財、日本最古の山小屋「室堂山荘」に立ち寄ってから室堂BTへ。荷物を受け取った後は、みどりが池、みくりが池、血の池、りんどう池や地獄谷と言った観光名所を巡りながら雷鳥沢野営場へ。ネットで有名な階段を下りながら「テントをどこへ張ろうか」と高見から良い物件を探します。日暮れ時、再び、稜線の雲は取れ、少し青味がかった立山連山をテントから眺めます。峰々に囲まれたテント場は涸沢や南竜ヶ馬場でも経験はありますが、こんなにも山の懐の深さを感じるテント場は初めてでした。明日、あの稜線を歩いた後、この景色はどのように変わるのだろうと思いながら、まずは、今の時間を大切にしました。


f:id:Regulus0821:20170810064712j:plain
初めての地は 立つだけで心が躍ります
f:id:Regulus0821:20170810065002j:plain
夏山と言えば この組み合わせ
f:id:Regulus0821:20170810065057j:plain
室堂BTの背景には 3日目に登る奥大日岳
f:id:Regulus0821:20170810065134j:plain
稜線直下は 火山らしい道となります
f:id:Regulus0821:20170810065513j:plain
晴天なのに お散歩中でした
f:id:Regulus0821:20170810065832j:plain
雛と高山植物…どちらがお好みですか?
f:id:Regulus0821:20170810065909j:plain
明日の山行に思いを寄せます
f:id:Regulus0821:20170810065944j:plain
過去(浄土山)から未来(別山)へ続く道
f:id:Regulus0821:20170810070016j:plain
チシマギキョウの紫に涼風を感じます
f:id:Regulus0821:20170810070051j:plain
2800m 南の展望は…雲でした
f:id:Regulus0821:20170810070133j:plain
山肌の白さが 立山の特徴でしょうか
f:id:Regulus0821:20170810070259j:plain
雷鳥沢野営場が遠くに望めます
f:id:Regulus0821:20170810070337j:plain
ブーケのような…タカネツメクサ
f:id:Regulus0821:20170810070407j:plain
クルマユリのオレンジが 緑に映えます
f:id:Regulus0821:20170810070437j:plain
チシマギキョウとは同居しないそうです…イワギキョウ
f:id:Regulus0821:20170810070501j:plain
御無沙汰でした…タカネバラ
f:id:Regulus0821:20170810070528j:plain
思わず「エーデルワ~イス」と口ずさんでしまう…ミネウスユキソウ
f:id:Regulus0821:20170810070558j:plain
室堂BTへの下山路には まだまだ雪が残っていました
f:id:Regulus0821:20170810070708j:plain
みどり池…室堂を散策するだけでも楽しいですね
f:id:Regulus0821:20170810070742j:plain
4日間お世話になります 雷鳥沢野営場
f:id:Regulus0821:20170810070815j:plain
室堂から約1時間のアクセスは とても魅力的
f:id:Regulus0821:20170810070935j:plain
カラフルなテントにも負けていません
f:id:Regulus0821:20170810071009j:plain
鰻トッピングばら寿司+ミニうどん 頂きます
f:id:Regulus0821:20170810071053j:plain
テントサイトから眺める景色…プライスレス
f:id:Regulus0821:20170810071232j:plain
立山上空を白く染める 11夜

8月4日 雄山~別山
まだ暗い3時頃から出発準備の音が聞こえてくる夏のテントサイト。フライシートから顔を覗かせる瞬間が朝の楽しみ。稜線は雲に覆われていましたが、これは想定内の景色。
雷鳥沢から一ノ越へは室堂BTを経由しないダイレクトルートで向かいます。大走りの分岐点を過ぎると、数度の徒渉があります。下山ルートとして利用する際、増水が予測される場合は室堂BT経由が安全だと思います。また、地図には(迷)マークがあるように視界が悪い場合も避けた方が安全でしょう。
道の両側に咲く高山植物を楽しみながら、静かな山行が続きます。やがて、室堂BTからのルートと合流すれば一ノ越まであと僅か。相変わらず、稜線はベールに包まれていますが、黒部側の中腹は陽が射している様子でした。目印はあるものの、踏み跡がいくつもあり、浮石や石を落とさないように注意しながらの登りが続きます。次第に空が明るくなる中、雄山神社授与所の建物が浮かび上がってきました。山頂3,003mに立つには、雄山神社峰本社の参拝料(500円)が必要になります。まだ若い神主さんから説明を受け、8時丁度に御祈祷が始まりました。山頂で聞く詔。厳かな雰囲気に包まれます。神事の最後、全員が頭を垂れてお祓いを受け終わった瞬間、一条の陽光が山頂を照らします。「立山大権現」から安全登山を約束された気分です。
雄山、大汝山、富士ノ折立。この総称が「立山」。そして、立山の最高峰3,015mは大汝山です。ここには映画「春を背負って」の舞台となった菫小屋。大汝山休憩所があります。屋根越しに剱岳の頂が見えた時、木村監督の2作品が繋がりました。
縦走ルートから外れる富士ノ折立の頂へはルーファイが必要になります。標高は2,999m。剱岳と同じですね。そこから一気に下り、真砂岳へ。時々、視界が晴れ、室堂から雷鳥沢へ続くジオラマ風景が足を止めます。残雪の白と山肌の緑。美しきかな日本の山。
頂で来た道を振り返ると、雄山神社からの連なりがテントサイトから見た景色とリンクし、目前には最後の頂、「別山」が聳え立つように迎えています。夏山の陽射しを受けながらしばし急登が続き、祠の建つ別山の稜線の向こうには今にも隠れそうな剱岳が待っていてくれました。
圧倒的な存在感。破壊的な力強さ。間近で見た剱岳の感想です。
剱御前小舎周辺は登山者で賑わっており、それは雷鳥坂を下る間も続きました。剱岳の人気の高さが窺えます。
テントに戻り、今日歩いた道を眺めると「こんなに歩いたのかなぁ」と思えるほど、楽しい稜線歩きでした。展望は限られていましたが、こうして眺めていると、その一つ一つの頂やルートが思い浮かびます。そして「立山曼荼羅」の世界観を知ってから登って良かったと思うと共に、昨年登れなかった理由がわかった気がします。

f:id:Regulus0821:20170810071714j:plain
小屋番さんも薦めるルートに期待満載
f:id:Regulus0821:20170810071755j:plain
ミネズオウがまだ咲く立山の夏
f:id:Regulus0821:20170810071831j:plain
唯一 慎重に通らねばならなかった箇所
f:id:Regulus0821:20170810071904j:plain
立山大権現に見つめられているようです
f:id:Regulus0821:20170810071955j:plain
雄山神社の神主さんが 社に向かいます
f:id:Regulus0821:20170810072028j:plain
御祈祷の後 雄山山頂から縦走路を望みます
f:id:Regulus0821:20170810072137j:plain
雲の上の神職…お祓いは感動しました
f:id:Regulus0821:20170810072209j:plain
雲が晴れると 山肌を飾る雪形が広がります
f:id:Regulus0821:20170810072242j:plain
みくりが池からりんどう池 そして 地獄谷
f:id:Regulus0821:20170810072317j:plain
大汝山へ続く稜線は 荒々しい景観
f:id:Regulus0821:20170810072352j:plain
なだらかな真砂岳の稜線と剱岳…天上界と地獄の境界線
f:id:Regulus0821:20170810072420j:plain
映画のラストシーンが思い返されました
f:id:Regulus0821:20170810072449j:plain
本当に「菫小屋」はありました
f:id:Regulus0821:20170810072522j:plain
富士ノ折立の最高点…道が読めますか?
f:id:Regulus0821:20170810072550j:plain
雛鳥の勢いがありそうな チシマギキョウ
f:id:Regulus0821:20170810072626j:plain
思いのほか遠くに見える 真砂岳からの別山
f:id:Regulus0821:20170810072656j:plain
左から「富士ノ折立」「大汝山」「雄山」
f:id:Regulus0821:20170810072736j:plain
雷鳥沢野営場から稜線を望む自分が見えそうです
f:id:Regulus0821:20170810072828j:plain
別山北峰から…剱岳 八ツ峰
f:id:Regulus0821:20170810072907j:plain
渋滞を起こした…雷鳥の砂浴び(笑)
f:id:Regulus0821:20170810072950j:plain
下山者よりも登山者が多かった雷鳥
f:id:Regulus0821:20170810073020j:plain
ミヤマキンポウゲのレモンイエローは甘酸っぱい感じ
f:id:Regulus0821:20170810073046j:plain
野菜が欲しくなる テントサイトの夜
f:id:Regulus0821:20170810073118j:plain
夕焼けと思っていいのでしょうか…?
f:id:Regulus0821:20170810073150j:plain
月夜より明るい 夏のテントサイト

8月5日 奥大日岳
遠征3日目の朝。立山の稜線が綺麗に浮かんでいます。涸沢が3000m峰の揺り籠なら、ここ雷鳥沢はグリーンスタジアム。今日の目的地「奥大日岳」のCTは2時間30分。見た目以上にそのCTは短い感じがします。雷鳥坂の分岐を過ぎ、地獄谷を俯瞰しながら登っていくと、お花畑の木道になります。自然と足取りは軽くなるも、足を止める回数は増えます。剱御前小舎へ続く稜線に出るまで30分。昨日歩いた立山を背景にテント場が小さくなってきました。
ここからしばらくは起伏の少ない稜線トラバース。そして、チングルマやハクサンイチゲ、シナノキンバイなど咲き乱れるフラワーロードとなります。続いて現れるのは、早月尾根を従えた「剱岳」。まだ陽の当たらない山頂は黒々と静まり、別山から眺めた時よりも鋭角です。立山信仰で「地獄の針の山」と畏れていた当時の人々の心境がわかります。
剱岳の反対側は天狗平の広大な緑が広がります。その中を蛇の道のように曲がりくねる高原道路。そしてその向こうには、白山、薬師岳、笠ケ岳、槍穂高連峰裏銀座等、ダイナミックな峰々から嫋やかな峰々までが一望です。
そんな時間を過ごしながら歩いていると、気がつけば眼前に頂が…。2,606m 奥大日岳の三角点に登頂です。奥大日岳の稜線を境に剱岳立山は明暗分かれる世界。ここにも立山曼荼羅の世界観がありました。
奥大日岳の最高点2,611mはルートから少し外れたところにあり、下山時に立ち寄って、ここでも剱岳と対峙。「試練と憧れ」の文字が湧く雲のように浮かんでは消えていきます。
9時前だと言うのに、早くも稜線には雲が湧き始めます。晴れてはいても、まだ夏空にはほど遠いようですね。昼前にはテント場に戻り、昼食後は、お待ちかねの源泉掛け流し温泉へ。小さな露天風呂から眺める雄大な景色。
「いい3日間だったなぁ~」と叫びたくなりました(笑)

f:id:Regulus0821:20170810073233j:plain
今日は別の角度から 雷鳥沢野営場
f:id:Regulus0821:20170810073301j:plain
そのまま待っててね…奥大日岳
f:id:Regulus0821:20170810073358j:plain
いつの日か あの尾根からこちらを眺めたい…早月尾根
f:id:Regulus0821:20170810073438j:plain
昨日までの道は 今日の思い出
f:id:Regulus0821:20170810073511j:plain
別山からの御来光は 未来から放たれた「光の道」
f:id:Regulus0821:20170810073541j:plain
地獄谷を治めるのが浄土山だろうか?
f:id:Regulus0821:20170810073616j:plain
花好きには堪らない 奥大日岳への道
f:id:Regulus0821:20170810073643j:plain
太陽を身体全体で受け止める…シナノキンバイ
f:id:Regulus0821:20170810073716j:plain
凛々しく聳える剱岳
f:id:Regulus0821:20170810073744j:plain
剱岳とは対照的な薬師岳
f:id:Regulus0821:20170810073831j:plain
広大な天狗平の大地に大日岳…遠望は白山
f:id:Regulus0821:20170810073901j:plain
圧巻の景色でした…チングルマ
f:id:Regulus0821:20170810073930j:plain
池畔を過ぎると 奥大日岳まであと僅か
f:id:Regulus0821:20170810074000j:plain
全周囲が楽しめる 奥大日岳山頂
f:id:Regulus0821:20170810074033j:plain
半端なく尖って見える 槍ヶ岳
f:id:Regulus0821:20170810074108j:plain
剱岳加藤文太郎さんと縁がありますよね
f:id:Regulus0821:20170810074201j:plain
室堂BTから始まる 大地のキレット
f:id:Regulus0821:20170810074241j:plain
秋風を思わせるような 夏の空
f:id:Regulus0821:20170810074318j:plain
足元を飾るフラワーベル…アカモノ
f:id:Regulus0821:20170810074350j:plain
至る所に ハクサンイチゲのお花畑
f:id:Regulus0821:20170810074417j:plain
男湯のみの解放感
f:id:Regulus0821:20170810074443j:plain
2軒目でGet…至福のひととき
f:id:Regulus0821:20170810074533j:plain
夕陽に染まる富士ノ折立と雄山に迫る入道雲
f:id:Regulus0821:20170810074554j:plain
最後の宵を飾っていただきました
f:id:Regulus0821:20170810074621j:plain
テントの灯りも 今夜で最後

8月6日 雷鳥沢~室堂
4日目の朝をテントサイトで迎えるのは、一昨年、荒川三山を周回して以来。その時は、毎日テント装備のザックを担いで山行を続けましたが、今回はベースキャンプ方式だったこと、テントサイトが平坦であったこと、温泉があったこと。様々な好条件と共に不安定ながらも天候に恵まれたことで、充実したテントライフと軽快な山行が出来ました。雷鳥沢野営場は「また訪ねてみたい場所」となりました。
帰途、いきなり始まる石段を辛いと思うのか、ゆっくり時間をかけて別れを惜しむと思うのかは、その人の心次第。僕はこの3日間に歩いた峰々が見送りをしてくれている。そんな心境です。
陽が射すことで、初日とはまた違う顔を魅せてくれた池巡りの後、3日振りに戻った室堂は何だか懐かしく思えました。
バスに乗車する前、最後の余韻をいつものとともに過ごし、下山後もやっぱりいつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20170810074715j:plain
真夜中の雨で 潤い気味の朝でした
f:id:Regulus0821:20170810074748j:plain
4日間お世話になったテントのケア中です
f:id:Regulus0821:20170810074857j:plain
名残は尽きませんが 出発です
f:id:Regulus0821:20170810074955j:plain
噂通りに登り始めは なかなかの急登です
f:id:Regulus0821:20170810075029j:plain
また 会う日まで…
f:id:Regulus0821:20170810075057j:plain
今山行初のフル装備による登り…(笑)
f:id:Regulus0821:20170810075132j:plain
地獄谷にも オアシスがあるのですね
f:id:Regulus0821:20170810075203j:plain
ここから眺める立山連山は 美しかったです
f:id:Regulus0821:20170810075232j:plain
池の色が名前の由来ですよね?…りんどう池
f:id:Regulus0821:20170810075302j:plain
名前とは違って美しい池塘の風景…血の池
f:id:Regulus0821:20170810075533j:plain
稜線の陰からそうっと見送っているようですが 半端ない存在感(笑)
f:id:Regulus0821:20170810075356j:plain
完全に観光客状態…みくりが池
f:id:Regulus0821:20170810075427j:plain
剱岳は姿を隠してしまいました
f:id:Regulus0821:20170810075504j:plain
目にやさしい 室堂BT周辺
f:id:Regulus0821:20170810075608j:plain
立山の名水で作った コーヒーゼリーパフェ
f:id:Regulus0821:20170810075638j:plain
高原バスは滝見台でスロー運転…称名滝
f:id:Regulus0821:20170810075711j:plain
全ては ここから始まりました
f:id:Regulus0821:20170810075739j:plain
そして 全てはここで終わります…(笑)

コマクサロードをゆく…御嶽山(継子岳)

7月16日 岐阜県御嶽山(継子岳)
御嶽山は主峰剣ヶ峰を初めとして、摩利支天山、継母岳等の外輪山の総称となっています。今回はその北端、継子岳を目指して、名湯濁河温泉から入山しました。
 
今日の北・中央アルプスは、午後から雷雨等急変する恐れがあるとの予報。濁河温泉から飛騨頂上を経由して継子岳に登頂し、四ノ池を周回するルートのコースタイムは8時間。このルートは昨年のGWに登っており、森林限界を超えてから五の池小屋までの間、草木谷から吹き上げる風が核心部だと思っています。当然、稜線は風の影響を受けやすく、急変の兆候を感じれば、いち早く森林限界まで下らねばなりません。
御嶽山へ登るルートは今回の小坂口を初め、胡桃島、日和田口、長野県側の開田口、黒沢口、大滝口等があります。ご存じのように剣ヶ峰周辺は立ち入り禁止となっており、二ノ池から北側が山頂部の登山コースとなります。
御嶽信仰の古道は随所に祠や鐘などが見受けられ、木道と石畳が続く登山道をほぼ直線的に登ります。やがて、シラビソやトウヒの美しい森となり、ダケカンバが混じりだすと空が見え始め、森林限界が近いことがわかります。8合目を過ぎてほぼ直角に曲がるとハイマツロードの始まり。冬道と夏道の違いを確認しながら進みます。谷から吹き上げる風を受け始め、ザレた道になれば五の池小屋が見え始めます。その手前、コマクサの群生地があり、朝陽を受けた花が小さく輝いていました。御嶽山には最高峰以外に長野県側に王滝頂上、開田頂上、そして岐阜県側の飛騨頂上と呼ばれる場所があり、祠が建っています。(開田頂上は不明)
飛騨頂上から継子岳へは四ノ池を周回するルートとなります。我々は時計回りとしましたが、継子岳の岩場を上下どちらで通過するか、また、ルート上の登り返しをどうするかが判断ポイントかと思います。
時折、雲が稜線や剣ヶ峰を隠しますが、周囲の視界と較べ、御嶽山の天候は安定していました。継子岳山頂周辺のコマクサロード以外にも高山植物が咲き乱れ、荒涼とした世界でも育つ自然の力をじっくりと感じることができました。周回最後に眺めた三ノ池越しの剣ヶ峰。今は静かなこの世界に起きた悲劇を思い起こさずにはおれませんが「安全な登山を続けること」がご供養になると思います。
五の池小屋に戻ると西側はミルキーウェイの世界。簡単に昼食を済ませ、下山の途につきます。8合目を過ぎたあたりから薄日の射す天気になり、下山する頃には夏の昼下がり。この状況の中、森林限界を超えた時の天候を想像して行動しなければならないことをあらためて感じながら、前回の分を取り戻そうと、いつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20170717125139j:plain
ヘルメットを持参して 出発
f:id:Regulus0821:20170717131358j:plain
葉が一枚なので…イチヨウラン
f:id:Regulus0821:20170717131447j:plain
登山道を整備された方に感謝
f:id:Regulus0821:20170717131546j:plain
雲の上から 何を望まれるのか…
f:id:Regulus0821:20170717131701j:plain
まずは最初の コマクサロード
f:id:Regulus0821:20170717131759j:plain
瑠璃色に輝く三ノ池と剣ヶ峰
f:id:Regulus0821:20170717132136j:plain
四ノ池は高層湿原になっています
f:id:Regulus0821:20170717132321j:plain
元気に育ってね
f:id:Regulus0821:20170717132411j:plain
チングルマの緑が 目を惹きます
f:id:Regulus0821:20170717132506j:plain
高天原越しに アルマヤ天・剣ヶ峰・摩利支天山
f:id:Regulus0821:20170717132618j:plain
針の山を越えねば 極楽はなし…
f:id:Regulus0821:20170717132724j:plain
山上の極楽に咲く 蓮色の女王
f:id:Regulus0821:20170717132816j:plain
コマクサロード2号線…踏み荒し禁止
f:id:Regulus0821:20170717132847j:plain
いつの日か あの頂に 還るぞ
f:id:Regulus0821:20170717132916j:plain
コマクサロード3号線…継子二峰へ続く道
f:id:Regulus0821:20170717132947j:plain
コマクサだけが花ではない…ミヤマダイコンソウ
f:id:Regulus0821:20170717133051j:plain
でも コマクサロードの主役は私です…
f:id:Regulus0821:20170717133312j:plain
継子二峰南斜面の岩場…横バージョン
f:id:Regulus0821:20170717133344j:plain
周回ルートの最鞍部…四ノ池から幻の大滝へ
f:id:Regulus0821:20170717133426j:plain
ハクサンイチゲの主張…(笑)
f:id:Regulus0821:20170717133515j:plain
自然は厳しくも美しい…三ノ池
f:id:Regulus0821:20170717133545j:plain
アオノツガザクラロードを過ぎれば 五の池小屋
f:id:Regulus0821:20170717133626j:plain
下山が待ち遠しい…(笑)
f:id:Regulus0821:20170717133705j:plain
一つ一つが手作りの山バッチ
f:id:Regulus0821:20170717133747j:plain
女王の花色にも負けない 今日のいつもの…










盛者必衰の理をあらはす…天女花

7月10日 奈良県八経ヶ岳

国の天然記念物に指定されている「天川村のオオヤマレンゲ自生地」。天女の羽衣を表すのか、清楚なこの白い花を中国語で書くと「天女花」。ちょうど見頃を迎えた時に訪ねて来られた千葉県の山友をご案内して、近畿最高峰「八経ケ岳」に向かいました。

タイタン尾根登山口?90番ポストから先は夜間(午後6時~午前6時)の通行規制がされていました。6時開門と同時に通過し、登山口の行者還トンネル東口へは一番乗り。管理人さんから不安定な空模様であるが故の心得を得てから、2年3ヶ月振りの入山となりました。まずは大峯奥駈道の稜線を目指します。今日は安定している午前中に下山開始をしたく、谷コースは利用せず、往復共に尾根コースとしました。
曇り空とは言え、そこは関西の7月。朝露のような汗が全身を覆います^^; 稜線の奥駈道に立つと風の便りを受けてクールダウン。そこからしばらくは、時折、陽が射す苔の林を進みます。やがて、バイケイソウが咲く九十九折の登りが始まり、第二展望地を過ぎれば弥山小屋まであと僅か。上空には青空が見え隠れしてきました。
この青空を大切にしたく、まずは自生地へと「八経ケ岳」に向かいます。一旦下った後、苔の大海原を見ながら登り返すと出迎える鹿除けネットが自生地の玄関口。
背の丈を超える中を縫うようにして進みます。オオヤマレンゲは花びらが散るのではなく、その白い花弁全体が茶色に染まっていきます。そのため、満開のままドライフラワーのようになった花やこれから咲こうとする純白の花弁。そして、やや緑かかった固い蕾などがひとつの株に混在する様子に僕は、平家物語の冒頭を思い起こします。
天女の舞をたっぷりと楽しんだ後は最後のひと登りで1915m 近畿最高峰「八経ヶ岳」に登頂です♪今日の空模様は、熊野から吉野へと続く奥駈道を見渡すことは出来ませんが、今、歩いてきた奥駈道を振り返ることは出来ました(^^)
小屋に戻った後、弥山山頂にお詣り。そして最後にいつもテントを張る場所でランチタイム。天女花の白さに負けじと今度は緑の絨毯が食事をする手を止めます。
11時45分 下山開始。とその時、大粒の雨が ザァー…。トイレの軒下をお借りし、雨具の準備をしてから出発。助かりました(^^)
時々、雷鳴が響く中、道は小川から沢になり、沼地は池となり、段差のある箇所では滝となっています。雨によって一瞬で姿を変える森を見ることが出来ました。
第56番靡 石休宿跡で修験者の装いをした集団とすれ違いました。靡で彼らが吹く法螺貝の音は雨で霞んだ森を貫き、般若心経の読経が梢を揺らします。少し離れた場所で窺っていた私達までが浄化された思いです。
読経が終わる頃には雨も上がり、更に綺麗に洗われた緑を楽しみながらの下山となりました。
下山後は、温泉、夕食、お見送り準備と言うことで、いつものは、ひと休み…(笑)

f:id:Regulus0821:20170711220155j:plain
梅雨と言えば 紫陽花でしょうね
f:id:Regulus0821:20170711222217j:plain
ハートのエースは出ているでしょうか?
f:id:Regulus0821:20170711222255j:plain
笹原が広がると まもなく奥駈道に合流
f:id:Regulus0821:20170711222329j:plain
山という漢字はこれが手本?…鉄山
f:id:Regulus0821:20170711222405j:plain
昨夜の雨を受けて 瑞々しい苔たち
f:id:Regulus0821:20170711222432j:plain
シダ類の波が そよ風を緑に染めます
f:id:Regulus0821:20170711222529j:plain
この時期 意外と花が少ない奥駈道…バイケイソウ
f:id:Regulus0821:20170711222601j:plain
この辺りの森歩きが 身体と心にやさしい
f:id:Regulus0821:20170711222650j:plain
大木の幹に育ってます…オトギリソウ
f:id:Regulus0821:20170711222723j:plain
我々の周りを飛び回っていました…ルリビタキ?
f:id:Regulus0821:20170711222826j:plain
立ち枯れと三角錐八経ヶ岳のイメージ
f:id:Regulus0821:20170711222854j:plain
誰の寝床になるのでしょうか…
f:id:Regulus0821:20170711222920j:plain
そんな見つめられると手が止まる…オオヤマレンゲ
f:id:Regulus0821:20170711222947j:plain
次の主役が 出番を待ちます
f:id:Regulus0821:20170711223015j:plain
外側3枚は花弁ではなく「がく片」…創造主に感謝
f:id:Regulus0821:20170711223102j:plain
熊野へ続く道は…黄泉への道ではありません(^^)
f:id:Regulus0821:20170711223130j:plain
弥山小屋とトンボ
f:id:Regulus0821:20170711223206j:plain
天女が舞う 花道
f:id:Regulus0821:20170711223234j:plain
何を語るのか…天女花
f:id:Regulus0821:20170711223308j:plain
苔の大海原の向こうには 人が入ってはいけない世界…
f:id:Regulus0821:20170711223338j:plain
新芽と呼べばよいのでしょうか?
f:id:Regulus0821:20170711223408j:plain
いつもより緑が映える テントサイト
f:id:Regulus0821:20170711223436j:plain
この時間は 大切にしたいと思います
f:id:Regulus0821:20170711223506j:plain
時には こんな山行も いとをかし
f:id:Regulus0821:20170711223531j:plain
前夜 自宅にて いつもの…(笑)

八ケ岳東稜…ウルップソウを訪ねて

7月2日 長野県横岳(三叉峰)
ウルップソウ…本州では白馬岳、雪倉岳、硫黄岳(八ヶ岳)とここ横岳にのみ咲く紫色の花。花のガイド本を手にし、まずはその名前に惹かれ、次は、目立つ姿とその色。初めて出逢ったのは、開花時期が終わった8月上旬の白馬岳。雪田の縁に一株だけ咲いていました。ウルップソウより少し早く咲くツクモグサも白馬岳と横岳周辺のみ生育しており、どちらかと言うと、こちらの方が人気者。夏の花便りが聞こえ始めた八ヶ岳。大好きな杣添尾根で逢いに行きました。

先週、このブログで紹介された杣添尾根。曇り空の今日、6時過ぎに登山口に着いた時は3台の先客。雨雲レーダーで天候を確認しながら車中停滞をし、6時45分に出発しました。山麓の雑木林を進むと、時折、強風が駆け降ります。雲に隠れた稜線に不安を感じながらも「雨さえ降らねば…」と静かな八ヶ岳の森を登り始めます。苔たちは生き生きとし、ひと周りも大きくなった感じ。シラビソの森を歩いていると突然、甘い香りが漂い、また、我々の足音を打ち消すほどの囀りが森に響き渡ります。天からの潤いか森の潤いか…八ヶ岳東稜はこんな日が丁度いい。
冬道の分岐点から始まるダケカンバのトラバース道。山頂直下にあるハイマツの海へと続く並木道。残雪で遅れたバイケイソウとダケカンバの新芽が季節を春へと巻き戻します。冬道に合流するとハイマツの海。麓の町が明るく見えるのは、半年前、凍てつく寒さの中登った時と同じ。違うのは、今日は稜線まで登ること…。
三叉峰…雲と風が通りすぎる三叉路。今日は長袖を一枚羽織っても肌寒い、花冷えの日です^^; 展望は先週投稿した方にお任せし(笑)、今日の目的、夏花と対話をします。南八ヶ岳の岩稜帯を覆い隠す花の絨毯は、展望がなくても遜色はありません。
季節を感じる出来事は人それぞれお持ちでしょうが、僕にとって山に咲く花は、四季折々を感じることができる大切な存在。そんな夏の扉を開いてくれる門番が「ウルップソウ」です。
例え照り付ける陽射しがなくても、風が強くて長袖を羽織っても、今日が僕にとって「2017年の夏山開き」。
下山後は、いつものお店でいつもの…あぁ、八ヶ岳…(笑)

追記)杣添尾根の登山口に入ってすぐ木橋を渡ったところに、手摺の付いた金属製の階段があります。上から3段目の踏み板は片流れになっており、しかも、谷側へ傾いています。下山時(特に、雨に濡れた時)は手摺をしっかりと持ち、慎重に下りる必要があります。

f:id:Regulus0821:20170703223041j:plain
厚い雲が東稜を隠します
f:id:Regulus0821:20170703223129j:plain
冬 真っ赤だったケショウヤナギは 萌黄色
f:id:Regulus0821:20170703223201j:plain
杣添尾根の玄関口ですね
f:id:Regulus0821:20170703223257j:plain
足元の苔を楽しむのが 前半の楽しみ
f:id:Regulus0821:20170703223409j:plain
適度な標識が 静かな山歩きを守ります
f:id:Regulus0821:20170703223508j:plain
時間が止まったような世界観…ナルコユリ
f:id:Regulus0821:20170703223621j:plain
「苔の万歳三唱の図」…(笑)
f:id:Regulus0821:20170703230254j:plain
笠雲が 雪のようです
f:id:Regulus0821:20170703230323j:plain
冬道の分岐点…背景は 金峰山方面
f:id:Regulus0821:20170703230351j:plain
八ケ岳のコイワカガミは苔が似合う(^^)
f:id:Regulus0821:20170703230442j:plain
ダケカンバの並木道から東面
f:id:Regulus0821:20170703230532j:plain
この日 一番の視界…^^;
f:id:Regulus0821:20170703230602j:plain
杣添尾根冬ルートを振り返る…今冬こそ
f:id:Regulus0821:20170703230631j:plain
ハイマツで隠れん坊…キバナシャクナゲ
f:id:Regulus0821:20170703230701j:plain
これぞ 夏花! ミヤマシオガマ
f:id:Regulus0821:20170703230728j:plain
岩と共に生きる クモマナズナ
f:id:Regulus0821:20170703230803j:plain
リーフパイのような葉っぱ チョウノスケソウ
f:id:Regulus0821:20170703230836j:plain
花の競演が楽しめるのが 南八ケ岳の稜線
f:id:Regulus0821:20170703230910j:plain
曇り空でも光沢のある白.‥ハクサンイチゲ
f:id:Regulus0821:20170703230958j:plain
後ろ姿が素敵? ツクモグサ
f:id:Regulus0821:20170703231053j:plain
力強さと愛嬌を備え持つ ウルップソウが好き
f:id:Regulus0821:20170703231125j:plain
チョウノスケソウは花弁以外でも魅力的です
f:id:Regulus0821:20170703231229j:plain
バイケイソウを見ると 大峯奥駆道を思い出します
f:id:Regulus0821:20170703231309j:plain
八ケ岳東稜グラデーション
f:id:Regulus0821:20170703231348j:plain
本当は前日に食べたものを載せたかった いつもの…(笑)

車で登る遠征山行…週末2day's

梅雨真っ只中の週末。こんな時は空模様を窺いながらショートコースで登り下り。山頂近くまで車で登って午前中に下山をし、午後からはドライブ観光の週末2day's。

6月24日 岐阜県三方岩岳
白山白川郷ホワイトロード(旧白山スーパー林道)を利用し、三方岩岳登山口へ。ここから山頂まで片道1時間ほどで登れます。今年開通40周年を迎えたホワイトロードは石川県白山市岐阜県白川村を結ぶ全長33.3㎞の有料道路。今回は世界遺産白川郷」からの片道利用で山行とドライブを楽しみました。
三方岩岳は飛騨岩(岐阜県側)、越中岩(富山県側)、加賀岩(石川県側)の岩壁が名前の由来になっており、ホワイトロードから見上げる山容も特徴のあるものでした。しかし、登山道に危険な箇所はなく、足元には「ゴゼンタチバナ」「ミツバオウレン」「マイヅルソウ」、見上げれば「タムシバ」「ナナカマド」の白い花が、駐車場からのホワイトロードを引き継ぎます。笈ヶ岳~大門山の特徴ある稜線を背に登ること一汗、石川県側の展望が開けた途端に本日のお目当て「白山」がやや霞み調に望めました。更に、緩やかに登ること一汗。少し開けた山頂に到着。全体に霞んでいるため、遠望はありませんが、先ほどの山に加え、籾糠山、猿ヶ馬場山の飛騨高地など全周囲の展望が楽しめました。
心地よい風に火照った身体を冷ました後、次なる課題に向け(笑)、山頂を後にしました。
下山後は、素敵なBGMとともに いつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20170627065732j:plain
ホワイトロードから見上げる三方岩岳
f:id:Regulus0821:20170627065814j:plain
駐車場脇に一輪 ハクサンチドリ
f:id:Regulus0821:20170627065943j:plain
夏の陽射しが似合う オオカメノキ
f:id:Regulus0821:20170627070032j:plain
ハート型の葉が可愛い マイヅルソウ
f:id:Regulus0821:20170627070117j:plain
定番中の定番 ゴゼンタチバナ
f:id:Regulus0821:20170627070152j:plain
ホワイティ三種(^^) マイヅルソウ・ゴゼンタチバナ・ツマトリソウ
f:id:Regulus0821:20170627070255j:plain
オシベが花火のような ツマトリソウ
f:id:Regulus0821:20170627070330j:plain
力強い木が 陽射しを和らげます
f:id:Regulus0821:20170627070423j:plain
清涼感が溢れるタムシバの白さ
f:id:Regulus0821:20170627070507j:plain
振り返ると 笈ヶ岳~大門山の稜線
f:id:Regulus0821:20170627070542j:plain
コイワカガミも最盛期を迎えていました
f:id:Regulus0821:20170627070624j:plain
これぞ鈴なり サラサドウダン
f:id:Regulus0821:20170627070717j:plain
山頂から ホワイトロードを眼下に…
f:id:Regulus0821:20170627070754j:plain
白山は やはり白かった
f:id:Regulus0821:20170627070836j:plain
これからが楽しみ マイヅルソウ
f:id:Regulus0821:20170627070922j:plain
落差86m…ふくべ大滝…ホワイトロードより
f:id:Regulus0821:20170627071001j:plain
日本の滝百選に選ばれた「姥ヶ滝」…ホワイトロードより
f:id:Regulus0821:20170627071042j:plain
世界遺産白川郷」…城跡展望台より
f:id:Regulus0821:20170627071136j:plain
飛騨りんごがずっしりのいつもの…美味(笑)

6月25日 富山県白木峰
標高1,596mでありながら、複雑な気象条件が影響し、草原のような山稜に池塘や湿原植物が広がる桃源郷…それが「白木峰」。10㎞ほどの林道を抜けた8合目登山口から山頂までは1時間程度。そこからは整備された木道を楽しみます。
移動性低気圧の通過と山行時刻を合わせて、霧雨状態の登山口を出発。山頂直下までは樹林帯のため、ミストの森を歩くようです。しかし、明け方までの雨で地面は濡れており、特に木の根や踏み石には注意が必要でした。今日も足元にはミツガシワやマイヅルソウが小さく揺れ、タニウツギのピンクがミストの森に一際光っていました。
樹林帯を抜けたところで雨も上がり、雫に頭を垂れたニッコウキスゲが数輪、出迎えてくれます。稜線から山頂までは数分。周囲は真っ白なベールに包まれていますが、日本海から能登半島が描かれた山頂案内板は、ここが富山県であることを示していました。
山頂から小屋の分岐点まで下ると、池塘を巡る木道の始まり。緩やかにアップダウンを繰り返しながら、湿原の一本道を進みます。ニッコウキスゲが満開になった時を想像し、薄紫色したギボウシの群生に日本庭園を感じ、透き通るような白いユキザサの花に目を奪われる。笹薮に覆われたこの稜線に木道を整備された先人に感謝をしながら先へ進むと、本日のお目当て「ワタスゲ」の登場。ミルキーウェイの世界に揺れる白い穂は、幻想的であり、童話の舞台に紛れ込んだ感じです。この天気だからこその景色がここにはありました。まさに「一期一会」です。
木道の終着点「浮島の池」。時折、自然界の創造主は見事な作品を私たちに披露してくれます。しばらくの時間、私たちだけでこの桃源郷を楽しめたのは、今回の遠征で最も印象に残る時間でした。次回は展望を楽しめる天候に訪れ、この素晴らしい日を、思い出したいと思います。
下山後は、雨に濡れる越中八尾を訪ね、本日最初の珈琲と一緒にいつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20170627071255j:plain
最初の15分は 急登が続きます
f:id:Regulus0821:20170627071356j:plain
アカモノの葉が 雨に光っています
f:id:Regulus0821:20170627071439j:plain
少し寒そうな ウラジオヨウラク
f:id:Regulus0821:20170627071517j:plain
梅雨らしい色合い…ギボウシ
f:id:Regulus0821:20170627071545j:plain
色の濃淡が楽しめました タニウツギ
f:id:Regulus0821:20170627071626j:plain
山頂へ続く木道は 不思議の国への道か?
f:id:Regulus0821:20170627071723j:plain
この花が満開になると夏ですね ニッコウキスゲ
f:id:Regulus0821:20170627071835j:plain
白木峰は ここにあります
f:id:Regulus0821:20170627071910j:plain
池塘への玄関口
f:id:Regulus0821:20170627072019j:plain
丸まった葉が特徴の イワイチョウ
f:id:Regulus0821:20170627072140j:plain
雨に濡れ いつもより下向き加減の コイワカガミ
f:id:Regulus0821:20170627072243j:plain
名前の通りの花穂 ワタスゲ
f:id:Regulus0821:20170627072320j:plain
ミルキーな世界だからこそ 映えます
f:id:Regulus0821:20170627072424j:plain
白いベールが取れた日に 再訪を誓う…
f:id:Regulus0821:20170627072501j:plain
池塘とワタスゲとミルキーウェイ…梅雨の絶景トライアングル(笑)
f:id:Regulus0821:20170627072532j:plain
今日のニッコウキスゲは まだ脇役です
f:id:Regulus0821:20170627072613j:plain
アザミ…これも咲くと夏ですね
f:id:Regulus0821:20170627072641j:plain
ユキザサの花は 白い線香花火のようです
f:id:Regulus0821:20170627072716j:plain
唯一花芽が出ていました コバイケイソウ
f:id:Regulus0821:20170627072754j:plain
浮島の池…素晴らしいの一言
f:id:Regulus0821:20170627072827j:plain
池の周りに咲くワタズゲは 天使のようです
f:id:Regulus0821:20170627072944j:plain
今日の出会いに感謝
f:id:Regulus0821:20170627073023j:plain
今年のお初 チングルマ
f:id:Regulus0821:20170627073100j:plain
雨が降らねば 梅雨の山行も 良いものです
f:id:Regulus0821:20170627073340j:plain
遠征終了間際にしてようやくいつもの…(笑)

梅雨の晴れ間…紅美人を訪ねて

6月9日 奈良県学能堂山
先週梅雨入りをした関西地方。自宅近くの山で「ベニバナヤマシャクヤク」が見頃を迎えていることを知り、奈良県側から入山。
「学能堂山」は三重県奈良県の県境にある山で三重県では「岳の洞山」と書きます。かつて山頂付近に学問の神様・文殊菩薩を祀られていたのが山名の由来らしく、登山道では「学能堂」と案内されていました。
登山口は霧氷で有名な三峰山登山口の手前、自宅から40分程で到着。しばらく林道でウォーミングアップした後、植林地の登山道を進みます。倒木の多い沢筋はまるで障害物レースのようですが、次第に急登へと変わります。三峰山北尾根と合流する「コスマ峠」から山頂まで「白土山」「東俣山」の2つのピークを越える縦走路となり、「学能堂山」を含め、これらピークは地形図に記載がない、言わば、無名山(笑)
木漏れ日が照らす登山道は思ったより蒸し暑くなく、急登も汗をかくことなく登りきれます。なだらか山頂へ続く最後の急登も、半ばを過ぎると視界を遮るものがなくなり、全周囲の展望。そんな中、挨拶代わりに一輪のベニバナヤマシャクヤクが出迎えてくれました。
山頂手前の東側斜面に見頃を迎えたベニバナヤマシャクヤクが広がっており、緑の中からすっと立ち上がり、風に揺れるその姿は正しく「紅美人」。
山頂ではおらが山の「尼ヶ岳」や室生火山群の名峰たち、ピラミダルな高見山に三峰山から局ヶ岳へと続く縦走路。県境尾根に相応しく、三重県奈良県の山々が一望です。霞みがかかっていたものの、思わぬ山頂からの展望を楽しみながら一杯の時間。自宅を出て2時間半で味わえる至福の場所となりました。
山は名前ではなく、ピークでもなく、高さでもない。「山に登らせてもらっている幸せ」をあらためて感じた山行でした。
下山後は、いったん自宅に戻ってリセットしてから、いつもの…(笑)

f:id:Regulus0821:20170611114609j:plain
ヤマボウシが初夏の光を照らします
f:id:Regulus0821:20170611114636j:plain
清涼感たっぷり…ウツギの白い花
f:id:Regulus0821:20170611115437j:plain
林道の終点 ここから登山道へ
f:id:Regulus0821:20170611115511j:plain
林床の葉が 鏡のように光ります
f:id:Regulus0821:20170611114700j:plain
新緑の季節から梅雨の晴れ間へ…三峰山
f:id:Regulus0821:20170611114737j:plain
展望地から望む 学能堂山
f:id:Regulus0821:20170611114750j:plain
最後の一咲でした モチツヅジ
f:id:Regulus0821:20170611114808j:plain
木陰に一咲 レンゲツツジ
f:id:Regulus0821:20170611114826j:plain
最後の登りを振り返れば…
f:id:Regulus0821:20170611115603j:plain
ベニバナヤマシャクヤクとは初めまして…
f:id:Regulus0821:20170611114846j:plain
咲く間際の姿も 愛らしい
f:id:Regulus0821:20170611115647j:plain
立てば芍薬とは このことか…
f:id:Regulus0821:20170611114900j:plain
花脈が美しく浮かび上がっていました
f:id:Regulus0821:20170611114919j:plain
もう少し 花を楽しめそうです
f:id:Regulus0821:20170611114934j:plain
関西のマッターホルン 霧氷で有名な「高見山
f:id:Regulus0821:20170611114948j:plain
伊勢の名峰「局ヶ岳」は南伊勢の槍ヶ岳
f:id:Regulus0821:20170611114959j:plain
おらが山「尼ヶ岳」と大洞山(左)
f:id:Regulus0821:20170611115733j:plain
山名が異なるのは 地元の方に愛されている証
f:id:Regulus0821:20170611115014j:plain
西側に広がる 山のグラデーション
f:id:Regulus0821:20170611115030j:plain
室生火山群からおらが山…中央は自宅方面
f:id:Regulus0821:20170611115824j:plain
美しき木漏れ日の道
f:id:Regulus0821:20170611115050j:plain
林床に浮かぶ フタリシズカ
f:id:Regulus0821:20170611115113j:plain
フタリシズカに呼ばれて出会えました…エビネ
f:id:Regulus0821:20170611120002j:plain
ヒメシャラのベンチは 一人掛け(^^)
f:id:Regulus0821:20170611120042j:plain
初物のチェリーで いつもの…(笑)

バンビー4の週末山行

6月3日 奈良県若草山
バンビー4…お揃いの鹿の尻皮を持つ山友のチーム名 (笑) 山行と呼べるものではないけれど…。ここはケーキレポの場ではないけれど…。「山友」と過ごした週末レポ(^^)

奈良公園の東、新春の夜空を焦がす山焼きが有名な若草山。標高342m、その山容から別名「三笠山」とも言います。ルートは南・北登山道、ドライブウェイ駐車場、春日山遊歩道の4ルート。今日は北側登山道から入山し、登頂後は南側登山道を利用する一部周回ルート。南北登山道のルート上には三笠山の名前のとおり、一重目、二重目、三重目と案内があり、最も標高が高いのは鶯塚古墳となっています。
夏を思わせる陽射しも木陰に入るとひんやりとした天然クーラー。茶屋が建つ一重目から奈良市内や金剛葛城、生駒の峰々が広がり、その後は芝生の斜面を直登気味に進みます。振り返れば、興福寺五重ノ塔や東大寺大仏殿など古都を代表する建造物がジオラマのように見える贅沢な展望。そして時折、鹿が草を啄ばむ姿はいかにも奈良らしい光景です。
山頂では道中で買った奈良名物「柿の葉すし」を鹿に見つからないように食べ(笑)、次の目的へと山頂を後にしました。
若草山は登る対象ではなく、いつも見ているだけでしたが、気候の良い時季には、奈良散策コースとしてお勧めできる素敵な場所でした。下山後は春日大社を参拝し、自宅で夕食。弾む会話は深夜まで続きます。翌日は琵琶湖湖西地域でいつものを中心に散策ドライブ…(笑)

追記)本当は比良山系でテント泊をする計画が いつの間にか…(大笑)

f:id:Regulus0821:20170605213351j:plain
人気店は モーニングケーキがお勧め
f:id:Regulus0821:20170605213434j:plain
奈良観光に この餅は外せません
f:id:Regulus0821:20170605213511j:plain
緑の芝が東大寺まで続きそう
f:id:Regulus0821:20170605213552j:plain
若草山…北側登山道はこの階段から始まります
f:id:Regulus0821:20170605213631j:plain
南北登山道の分岐点 一重目
f:id:Regulus0821:20170605214306j:plain
興福寺の五重ノ塔を見ると 結構 歩いたなぁと思えます
f:id:Regulus0821:20170605213952j:plain
次の目標 二重目の稜線を望みます
f:id:Regulus0821:20170605213857j:plain
ゲレンデを直登する感じで 二重目へ…
f:id:Regulus0821:20170605213750j:plain
東大寺大仏殿の向こうには 平城京跡が広がります
f:id:Regulus0821:20170605213714j:plain
二重目からの展望が良かったかなぁ…個人の意見です(笑)
f:id:Regulus0821:20170605213821j:plain
大仏殿と鹿…奈良を代表するツーショット(^^)
f:id:Regulus0821:20170605214056j:plain
山頂直下から二重目…この稜線までが東大寺の境内
f:id:Regulus0821:20170605214144j:plain
旧東京タワーの先端から眺めている感じですね
f:id:Regulus0821:20170605214217j:plain
古墳の上に立つのは 申し訳なく思いました
f:id:Regulus0821:20170605215022j:plain
どの魚が お好みですか?
f:id:Regulus0821:20170605214351j:plain
春日山原始林…緑のグラテーションが素敵でした
f:id:Regulus0821:20170606220627j:plain
これぞ バンビー4.‥(笑)
f:id:Regulus0821:20170605214424j:plain
一重目までは 南ルートの方が近いと感じました
f:id:Regulus0821:20170605214618j:plain
テントで過ごす夜も良いけれど 自宅は落ち着きますね
f:id:Regulus0821:20170605214651j:plain
下山後のいつものは…夜食気味(笑)
f:id:Regulus0821:20170605214730j:plain
2日目も モーニングケーキから…
f:id:Regulus0821:20170605214800j:plain
バナナがメインのケーキですが 一言では語れない
f:id:Regulus0821:20170605214914j:plain
八幡カステラは 口の中で溶けてしまいます
f:id:Regulus0821:20170605214942j:plain
バウムクーヘンが有名なお店…ショコラクーヘンは ここだけ(^^)v