Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

バンビー3 で 初秋の滝めぐり

10月12日 三重県赤目四十八滝
晴天の下、地元の景勝地を目指して駐車場に向かいます。

半年振りに再会した安曇野の山友。今回は山行の予定がなく、まだ秋には少し早い地元の散策路をご案内することにしました。
赤目四十八滝とは、室生赤目青山国定公園にあり三重県奈良県に跨る滝川に連なる大小様々な滝のことです。迸る水飛沫や絹のような柔らかさ、そして岩を縫うように流れる数々の清流。その流れは、緑の梢を映し出すほどの静かなものから、岩を削りながら弧を描くもの。段々になった岩床を次々と滑り落ちるものなど千差万別。一瞬として、同じ光景を魅せることはありません。
全長約3.3kmの道は所々で石段や階段の高低差はありますが、概ね、整備された遊歩道となっており、名の有る滝から名も無き滝まで、往復3時間の清流旅。マイナスイオンが身体の奥深くまで染み渡る世界です。
自宅を出て10数分。集落を抜ければ、これから歩く滝川に沿って山間はどんどんと狭くなり、お土産屋さんの看板が見え始めれば、昔から変わらぬ景色に到着です。
ここから先は、歩行者の世界。川のせせらぎとともに新しく出来たようなお店を過ぎれば、これもまた昔から変わらぬ入口の建物「日本サンショウウオセンター」に到着。初めて訪ねた昭和にタイムスリップした感じです。
特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオを初め、数種類のサンショウウオが展示され、そこを通り抜ければ、いよいよ滝めぐりの始まりです。過去に一度だけ、この建物を出たすぐの所で、川の中をゆっくりと進むオオサンショウウオを見たため、しばらくは目を凝らしながら歩く時間帯となります。
ガイドマップには20数種の滝が書かれていますが、その先頭が「行者滝」。大きな岩の両脇を流れ落ちる落差3mの分流瀑。次の霊蛇滝は滝壺が広がる落差6mの斜瀑。その上を渡る橋が散策路のランドマークになっていると思います。
赤目渓谷には「赤目五瀑」と言われる5つの滝があり、橋からはそのひとつ「不動滝」を見ることが出来ます。落差15m直瀑の不動滝は、名前のとおり、不動明王を連想させる力強い滝だと言えます。こうして、次々と現れる滝だけでなく、清流を覆う緑の木立や真っすぐに天を衝く柱状節理の岩肌。また、梢に遮られた陽射しは水面まで届かずとも、照らされた緑が川面に映る美しい溪谷美をつくります。
五瀑の2つめ「千手滝」。落差15mの分岐瀑。マップでは800m、徒歩20分となっていますが、ここまで倍近くの時間がかかっています。そのすぐ上にあるのが、3つめの直瀑「布曳滝」。常に見ることが出来る滝では、最大落差の30m。名前の如く、友禅流しを思わせるその流れは、随一の美しさを誇ります。ここから4番目の「荷担滝」へは約1時間を要し、途中にある百畳岩では、昼休憩をされている多く方が居ました。
赤目四十八滝が選ばれている「日本の森・滝・渚 100選」において紹介されている荷担滝。大きく2つに分かれた滝とすぐ上流の斜瀑で構成される落差8mの段瀑。ポスターでも紹介され赤目渓谷を代表する滝です。最後の「琵琶滝」は落差15mの直瀑。下流の段瀑とともに諸行無常の響きあり。そして、ここまで来ると、入山時の頃とは変わって深山幽谷の世界。この散策路を整備した先人に感謝です。
3年前に訪ねた際、思わず、ここで帰りそうになった最後の五瀑。赤目四十八滝としては、次の「岩窟滝」が最上流となります。
観光マップでCT 90分のところ、昼休憩を含め、約3時間。これは、バンビー3の標準タイムでしょう。
帰宅後は、地元の定番B級グルメでいつもの…。


気持ちのよい秋風が吹く 季節になりました

いつみても 迫力があります…オオサンショウウオ

今日は どんな出逢いがあるのだろう…霊蛇滝

筋骨隆々 そんなイメージでしょうか…不動滝

名もなき滝にも 世界が広がる 渓谷美

幾筋もの流れが 時間を止めます…千手滝

布曳滝 … 美しき 絹の帯

新たな 世界を求めて 水は流れていきます

静寂が同居する 赤目渓谷

右が「姉滝」 左は「妹滝」の姉妹滝

ひっそりと佇む姿がお気に入り…柿窪滝

五感で楽しむ 赤目渓谷

横渕に流れ込むのは 姿無き 笄滝

見所と興味が合致するかは 千差万別

太古の時代から渓谷を飾っているのでしょう

唯一 頭上からの…雨降滝

清流を境に ふたつの森

ここまで来ると 水平な道が 続きます

左が三重県で 右は奈良県か シランケド…荷担滝

輝く渕の主は 夫婦滝

雛壇滝は 赤目渓谷の真髄だと思う

五瀑最後の直瀑と名もなき段瀑のコラボ

深い淵には 色とりどりの世界がありました

錦を飾るのは あと1ヶ月先か…岩窟滝

いつ食べても満足する地元のグルメで いつもの…