コマクサロードをゆく…御嶽山(継子岳)
7月16日 岐阜県御嶽山(継子岳)
御嶽山は主峰剣ヶ峰を初めとして、摩利支天山、継母岳等の外輪山の総称となっています。今回はその北端、継子岳を目指して、名湯濁河温泉から入山しました。
今日の北・中央アルプスは、午後から雷雨等急変する恐れがあるとの予報。濁河温泉から飛騨頂上を経由して継子岳に登頂し、四ノ池を周回するルートのコースタイムは8時間。このルートは昨年のGWに登っており、森林限界を超えてから五の池小屋までの間、草木谷から吹き上げる風が核心部だと思っています。当然、稜線は風の影響を受けやすく、急変の兆候を感じれば、いち早く森林限界まで下らねばなりません。
御嶽山へ登るルートは今回の小坂口を初め、胡桃島、日和田口、長野県側の開田口、黒沢口、大滝口等があります。ご存じのように剣ヶ峰周辺は立ち入り禁止となっており、二ノ池から北側が山頂部の登山コースとなります。
御嶽信仰の古道は随所に祠や鐘などが見受けられ、木道と石畳が続く登山道をほぼ直線的に登ります。やがて、シラビソやトウヒの美しい森となり、ダケカンバが混じりだすと空が見え始め、森林限界が近いことがわかります。8合目を過ぎてほぼ直角に曲がるとハイマツロードの始まり。冬道と夏道の違いを確認しながら進みます。谷から吹き上げる風を受け始め、ザレた道になれば五の池小屋が見え始めます。その手前、コマクサの群生地があり、朝陽を受けた花が小さく輝いていました。御嶽山には最高峰以外に長野県側に王滝頂上、開田頂上、そして岐阜県側の飛騨頂上と呼ばれる場所があり、祠が建っています。(開田頂上は不明)
飛騨頂上から継子岳へは四ノ池を周回するルートとなります。我々は時計回りとしましたが、継子岳の岩場を上下どちらで通過するか、また、ルート上の登り返しをどうするかが判断ポイントかと思います。
時折、雲が稜線や剣ヶ峰を隠しますが、周囲の視界と較べ、御嶽山の天候は安定していました。継子岳山頂周辺のコマクサロード以外にも高山植物が咲き乱れ、荒涼とした世界でも育つ自然の力をじっくりと感じることができました。周回最後に眺めた三ノ池越しの剣ヶ峰。今は静かなこの世界に起きた悲劇を思い起こさずにはおれませんが「安全な登山を続けること」がご供養になると思います。
五の池小屋に戻ると西側はミルキーウェイの世界。簡単に昼食を済ませ、下山の途につきます。8合目を過ぎたあたりから薄日の射す天気になり、下山する頃には夏の昼下がり。この状況の中、森林限界を超えた時の天候を想像して行動しなければならないことをあらためて感じながら、前回の分を取り戻そうと、いつもの…(笑)
ヘルメットを持参して 出発
葉が一枚なので…イチヨウラン
登山道を整備された方に感謝
雲の上から 何を望まれるのか…
まずは最初の コマクサロード
瑠璃色に輝く三ノ池と剣ヶ峰
四ノ池は高層湿原になっています
元気に育ってね
チングルマの緑が 目を惹きます
高天原越しに アルマヤ天・剣ヶ峰・摩利支天山
針の山を越えねば 極楽はなし…
山上の極楽に咲く 蓮色の女王
コマクサロード2号線…踏み荒し禁止
いつの日か あの頂に 還るぞ
コマクサロード3号線…継子二峰へ続く道
コマクサだけが花ではない…ミヤマダイコンソウ
でも コマクサロードの主役は私です…
継子二峰南斜面の岩場…横バージョン
周回ルートの最鞍部…四ノ池から幻の大滝へ
ハクサンイチゲの主張…(笑)
自然は厳しくも美しい…三ノ池
アオノツガザクラロードを過ぎれば 五の池小屋
下山が待ち遠しい…(笑)
一つ一つが手作りの山バッチ
女王の花色にも負けない 今日のいつもの…