Satの 山と一期一会

春夏秋冬。山との出逢いはいつも一度限り。

祝・開通!白きスカイライン…荒島岳

3月24日 福井県荒島岳
2年前、登山口で引き返してから機会を窺っていた雪の荒島岳。再び、登山口に向かう日が来ました。

荒島岳がある福井県大野市。雲海に浮かぶ「天空の城・越前大野城」で有名ですが、いつもの党代表(笑)としては「いもきんつば」「里芋」「醤油かつ丼」など、そっち方面で訪ねることが多くなります。そんな魅力ある町を山頂から俯瞰したのが2014年11月。それから天候と休日と予定がかみ合う山行トライアングルを待ち続け、ようやくこの日を迎えました。本当は山イベントに出向く予定だった土曜日。しかし、晴れ予報に「インドア会場に行っている場合ではない」とバディの声に応え、木曜の夜に山行を決定。登山口やルートは前回と同様、勝原スキー場跡からのピストンとしました。
まずは、ゲレンデ跡のブラックアイスバーンとなった急登からスタート。それも直線上部から雪に覆われました。荒島岳と言えば「泥濘の道」。今日はその心配はなさそうですが、気温が上昇する下山時、雪はどんな状態になっているのか気掛りです。
町並の背景には屏風のように連なる白きグラデーションの峰々。八ヶ岳とは展望も植生も異なり、里から見上げる荒島岳らしい光景です。
ゲレンデ上部から本格的な登山道となり、直登は雑木林からブナ林へ。やがて、樹間に白山が見え始めました。この山、名前のとおり本当に白き峰です。前回は薄曇りのため霞んでいましたが、今日は青空を背に浮かび上がり、霊峰に相応しい凛とした佇まいを感じます。
傾斜が緩んだところから、思いもしない「霧氷まつり」。山からの素敵なプレゼント。朝陽にキラキラと輝く林の中から聞こえるのはパラパラと言う落氷の音。時々、頭上に落ちてきますが、これも山からのプレゼント…^^;
しゃくなげ平でアイゼンとピッケルを準備。いよいよこのルートの核心部「もちが壁」に向かいます。夏道ルートに向かうトラバース道を前に、真っ白な雪面と霧氷、そして白山を中心とした展望が広がり、何度目かの歩止まりです。当然、鎖は雪は下。慎重に足下を確かめ、上を目指します。今後、雪が緩んでくると更に難度が高くなるでしょう。ここを過ぎれば、森林限界を超え、全周囲の展望と共に山頂までの稜線歩き。丁度、ホーム鈴鹿は竜ヶ岳の遠足尾根のような雰囲気です。ただし、ここから先の谷側は雪庇となっており、クラックも何ヶ所かありました。トレースを外れないことが鉄則であり、そのトレースも正しいかどうか、自分で判断しなければなりません。
傾斜は更にきつくなり、中荒島岳直下の最大傾斜に向かう小さなピークがよく紹介されるビューポイント。山頂からは周囲の展望のみで山を愛でるには、そのルート上にあると僕は思います。山と向き合える場所とは「山頂以外派」です(^^)
その小さなピークに立った時、「2年前の中止はこの日のため、ついにここまで来た」と喜びも一入。
そして最後の直登。途中、登山道と交差するように亀裂が走っていました。その辺りはアイゼンを踏む度に小さな面で雪が剥がれ落ちます。風もなく、穏やかな日でも、全く心配なく歩けないのが雪山でしょう。急登を終え、緩やかな稜線の向こうに祠の屋根。登り始めて4時間。標高1,523m、今日は雪で数m高くなった福井の名峰「荒島岳」に登頂です。
下山後は、越前大野の銘菓でいつもの…(笑)

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春を感じる鳥…ホオジロ
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ゲレンデ跡上部から振り返れば…
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歩きやすい 明るいブナ林の直登
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光のシャワーが 落氷とともに…(笑)
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この程度の大きさなら 痛くないんですが…
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3月下旬とは思えない この景色
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しゃくなげ平まであと一息
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見上げれば 力強い 荒島岳
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興味本位の行動は 事故のもとですね
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素晴らしき展望に感謝です
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ウサギの綺麗なトレースが続きます…
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人間のトレースも 見劣りしません
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諦めなければ 出逢える景色があります
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最後の試練? 中荒島岳に着かねば 登頂はありません
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登山道が割れているのは 初めてです
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すでに気分は登頂…(笑)
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振り返れば この景色
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山頂をさらに進んで 振り返ります
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笠ヶ岳と槍・穂高連峰
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来シーズンは あの頂に還りたい…御嶽山
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お花畑の縦走路…白山(大汝峰~御前峰~別山
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自然界には畏敬の念を抱いて接したい
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惚れ惚れする景色でした
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限りある時間なので…下山します
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トレースがオーバーラップする 美しい下山路
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荒島岳 と ハロ現象
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これが当たると 結構 痛そう…(^^)
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ちょっと寄り道…小荒島岳への鞍部にて
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漫画チックな 中荒島岳への急登…
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2年前と同じ場所から…感謝の言葉を
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芋のダブル主演で いつもの…(笑)